FC2ブログ

無題

2011.03.23.16:42

 一段落ついたら被災者、とくに家族を亡くした人たちの心のケアが最も重要な課題の一つになるだろうと思います。家や財産、仕事を失っても、精神的に元気で健康なら、やりようはあり、生活の立て直しもそれだけ容易になるだろうからです。しかし、家族や大事な人を失った悲しみが圧倒的なものとして心におおいかぶさり、それが長く尾を引くようだと、どんな支援もその人を助けることはできない。事故や災害の場合、自分だけ助かったことに強い罪責感を覚える善良な人たちは必ずいるものですが、今回のような大災害の場合、そうした人たちの数もまた桁外れに多いことでしょう。それを思うと心が痛むので、セラピストやカウンセラーなど専門家のチームが派遣され、かなり長期間支援に当たることが必要になってくるでしょう。

 そうした心の問題について、何か書けることがないかなと思うのですが、「一段落」つくのはいつのことになるのか、それがわかりません。福島の原発事故の問題があって、関係者の人たちの奮闘にもかかわらず、事態は好転するどころか、むしろじわじわと悪化を続けているようだからです。テレビのニュースなどは相変わらず「大本営発表」みたいですが、放射能漏れの数値の悪化それ自体が、事の深刻さを物語っています。

 昨夜、Youtubeで、3/19に放映されたものだという愛川欽也「パックインジャーナル」の「大震災原発事故 想定外でいいのか」という番組を見ました。元原子力設計技術者の後藤政志さんをゲストに招いて話を聞くというもので、今回の事故がどういう性質のものであるのかが、おかげでよくわかったのですが、今一番必要なのは、こういう解説です。この後藤さんという方は、非常に良心的で理性的な人だという印象を、僕は受けました。

 本当のことを言うのと、「不安をあおる」こととは別です。本当のことが不安を大きくするものなら、それは「不安」になって、ただちに明確な行動をとらねばならないことを意味します。希望的観測に基づいて気休めに似たことを言い続け、甘い見通しが外れて、後で大パニックになるというのが一番被害を大きくするものでしょう。

 この番組でも言及されていましたが、放射能、放射性物質の害というのは、「ただちに」健康に影響するものでなくても、後々深刻な影響が出てくるものなので、何よりその点が恐れられているのです。それだけに「どの程度まで」なら大丈夫かという線引きは困難な作業でしょうが、もっと避難区域の幅を広げた方がいいことだけはたしかだと思われるので、政府や関係諸機関は、「今までこう言っていたのだから」といった体面は捨てて、住民の安全第一で考えてもらいたいと思います。こういう問題は、手遅れになってからでは、責任の取りようがないのですから。

 春の高校野球が始まって、いつもなら熱心に観るところですが、今年はどうもそういう心境になれません。地震・津波の被害だけなら、被災地の人たちは大変ですが、元気を出して微力でもこれから皆で支援して行けばいいのだという気になれると思いますが、広瀬隆さんの著書のタイトルどおりの「原子炉時限爆弾」がそこにあって、予断を許さない状況が続いているのですから。かえすがえすも、こういう問題に無関心で、広瀬さんや後藤さんのような人たちの警告を聞いてこなかったことが悔やまれます。皆さんの多くも、同じ思いをおもちでしょう。今回のこの原発事故は、ある意味、長く平和が続く中、内輪の“内部政治”と保身にかまけてゆるみ放題、たるみ放題になり、具合の悪いことは外に出ないようにもみ消し、かんじんなことをなおざりにし続けてきた今の僕らオトナのあり方を象徴するものと見えるので、それがどういう結果をもたらすか、目の前につきつけられているような気がするのです。
プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR