何だ、「総理からの要請なかった」民間議員って、あの竹中平蔵じゃないか!

2017.06.14.13:47

 馬鹿馬鹿しいとはこのことです。彼がそう言い張るのはわかりきったことで、僕はかねてこの男を「和歌山の恥」と呼んでいますが、数々の浅ましい“前科”があって、つい先ごろもこういうニュースがあったばかりです。

民間議員・竹中平蔵氏に“退場勧告” 戦略特区に利益誘導批判

 それで、わざわざ記者会見など開いて、ここぞとばかり安倍におべんちゃら使う。安倍の応援団ってのは、例の「準強姦疑惑」の元TBS支局長の山口某にしても、竹中にしても、品性下劣な奴ばかりです。

加計問題 戦略特区の民間議員「総理から要請ない」

 見てやってください、この大げさな物言い! 守銭奴のこの男はもういい加減引退すればいいものを、パソナの会長職と東洋大教授でしつこく稼ぎながら、小泉政権以来のよしみで安倍政権にも食い込み、いたるところで公害をまき散らしているわけで、同県人として慙愧(ざんき)に耐えません(尤も、あの県は大阪に近い北の平野部と、南の熊野地方ではほとんど人種が違うのではないかというほど気質も違うので、彼は前者の履物屋の息子、僕は後者の山岳地帯のきこりの息子です)。

 あまりにもミエミエのゴマスリ、恥を知らないというのは恐ろしいものです。それでまた政府の何とか諮問界だの委員会だののメンバーにえらんでもらおうという魂胆なのでしょう。セコ…。

 ほんとは今回、こんなものを書く気はなかったので、野生動物を愛してやまない僕は、京大の熊野寮にイノシシが飛び込んできたというニュースを見て、そのイノシシ映像を熱心に見ていたのです。京大には立派なツノを生やした山羊から孔雀まで、構内に各種の動物がいて、大学なのか動物園なのか、よくわからない(大体、学長がゴリラの研究者です)そうですが、ついにイノシシまで登場ということになると、いっそう興趣は増すのです。

 それで、こちらを見て、「へえ、すごいな」と喜んでいた。

京都大学の学生寮にイノシシ 突進され男性けが

 どうですか、この颯爽たる軽快な走り! 最後の「警察はイノシシがどこから来たか調べています」には笑えるので、山から来たにきまってるでしょ。結局麻酔で捕獲した後、再び山に放されたようですが、「それ、ウチで飼うわけにはいきませんか…」なんてモゾモゾしながら真面目な顔で警察に言った京大生がいたのではないかという気がするので、どうなんでしょう?

 そこまでは上機嫌でいたのですが、ふと右側のニュースアクセスランキングというのを見たら、上の竹中ペーゾーの会見記事が目に入って、「またこいつか…」とムカッと来たので書いた次第です。

トランプをほめたたえる会~安倍もやったら?

2017.06.14.00:16

 身から出た錆とはいえ、旗色が悪くなって落ち込んだときはこれにかぎります。見てやって下さい、この嬉しげな表情!

米閣議で異例の光景、全出席者が立て続けにトランプ氏称賛

 トランプといえば、最近のニュースでは、地球温暖化対策の国際的枠組「パリ協定」からの離脱を発表したことですが、「選挙公約通り」で、あの騒ぎになった移民排斥措置と同じで、何ら驚くには値しない。こうした対応は彼の考える「アメリカの利益」に合致するからです(地球温暖化はCO₂排出とは何の関係もないという「陰謀説」を本気で信じ込んでいるフシも彼にはありますが)。

 そういうことよりも、彼にとってヤバいのは、電撃解任したFBI長官、コミー氏の反撃で、われらが安倍総理も、加計学園がらみで文科省前事務次官、前川氏の反撃に遭って大弱りしているわけですが、その事情はもっと悪い。

 FBIの捜査は、大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会(DNC)にサイバー攻撃を仕掛けて大量のメールを流出させたとされるロシア政府だけでなく、そのロシアとトランプ政権幹部が共謀関係にあったかどうかにも及んでいる。トランプは自分にも捜査が及ぶのを恐れていた(Newsweek 6/12)

 からです。名付けて「ロシアゲート」。コミー氏に圧力をかけ、「忠誠」を求めて捜査をやめるよう迫り、言うことを聞きそうもないから別の理由をこじつけてクビにしたら、しっかりメモを取られていて、議会の公聴会で証言されてしまった。制度的な違いはあるとはいえ、こういうふうに、アメリカは大統領が反対しても、公聴会は開かれ、コミー氏が証言できたというところは日本より健全(安倍政権は応じると明言している前川前事務次官の証人喚問を頑なに拒んでいる)ですが、これは大統領弾劾事由に当たる可能性が濃厚というので、「トランプ危うし!」となっているのです。

 根が実業家というより、詐欺師まがいの投機的不動産屋にすぎないトランプは、今後弾劾の動きが本格化すると、その審判を受ける前にすたこら逃げ出し、自分から大統領を降りてしまうだろうという観測も一部にありますが、とにかく彼は窮地に立たされている。それで、「お友達閣僚」を集めて、「トランプをほめたたえる会」を開き、マスコミに報道させて、人気挽回をはかろうとしたわけです。むろん、実際は閣議なわけですが、ノリが安倍の「総理と桜を見る会(仲良くアッキーも出席!)」みたいになってしまったわけです。

 父ブッシュをして「ブッシュ家の恥!」と言わしめたあの低能お調子者大統領ブッシュ・ジュニア(おまえが始めたあの二つのいらざる戦争で、一体どれほど多くの罪のない人たちが殺され、世界が不安定化したか、わかってるのか!)をも凌ぐ、トランプの面目躍如ですが、これは世界のいい笑いものになること確実で、冒頭のCNNの記事も、「トランプ政権では同氏を大げさにほめればほめるほど待遇が良くなるということを、閣僚らは認識しているようだ」と皮肉たっぷりです。

 しかし、安倍政権でもこれは同じで、ゴマスリと忖度の競い合いみたいになっていて、きつい諫言をする人間は皆無のようです。これはボスのおつむと「品格」のレベルが同じだからで、「公私混同もいい加減にしたら?」とか「もっと男らしく非は非と認めたら?」なんてほんとのことを言うと、激しい怒りを買って、左遷程度ではすまないかも知れないのです。菅官房長官の前川攻撃のように、総理の苦しい胸の内を忖度して、敵には罵倒の限りを尽くしてこそ、ボスの覚えもめでたくなるというものです(官房長官や御用文化人・学者たちの前川非難は裏目に出て、世論は前川氏の方に軍配を上げているようで、だからこそ氏の証人喚問は何としても阻止したいのでしょうが)。

 安倍総理もここは一つ、閣議の様子をテレビ公開して、どんなに自分がすぐれた功績を挙げたか、どんなに美しく、高い理想を掲げているか、閣僚たちにほめちぎってもらってはいかがでしょうか? 連日の野党の批判にロクに答えられないまま憂鬱感を募らせている身には、それは一段と心地よいものでしょう。視聴者の中にも、それを真に受けて、「やっぱり安倍総理は凄い!」と思ってくれる人が、十人に一人ぐらいはいるかも知れません。

 と書いて仕事に出て、帰宅後ネットのニュースサイトを見たら、次のような記事が出ていて、「なるほどねえ…」と思わずニンマリしました。それもどうぞ。

読売が「ロシアゲート」で正論書く違和感

 読売や産経はトランプ相手には適用する論理を、なぜか安倍には免除している不可解さを指摘したもので、サブタイトルに「『新聞人』の自覚はどこへ」とありますが、全く同感です。ここまで露骨になると、もはや詐欺と呼ぶしかない。言論機関としての信用の回復はもはやほとんど不可能になって、両紙はネトウヨの狭いサークルでしか読まれなくなるでしょう。読売は今でも「日本一の販売部数」を誇っているそうですが、習慣でとってきた読者の皆さんも、そろそろ見切り時です。ジャイアンツのとめどない退潮と同じく、これも「ナベツネ効果」なんですかね?

論語の正名論と安倍政権

2017.06.12.16:48

 昨日見たヤフーのニュースサイトに、「菅氏『たまたま総理の友人』」という見出しの、次のような神奈川新聞の記事が出ていました。

 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡る問題で、菅義偉官房長官(衆院2区)は10日、「たまたま(同学園の理事長が)総理の友人だったが、元々地域から(申請が)出されていた」と述べ、改めて問題ないとの認識を示した。神奈川新聞社の取材に答えた。

 菅氏は、今治市(愛媛県)などが2007年から加計学園を前提に提案していた新設計画が、民主党政権時に「速やかに検討」に格上げされながら実現されなかった経緯を説明し、「私たちの政権で、きちっと行うことができた」と成果を強調。農業改革などの取り組みも例に挙げ「現実問題として、そういうものに風穴を開けていくのが私たち。まさに岩盤規制をぶち破る政権だ」と述べた。


「よく言うよ」とはまさにこのことで、総理夫人・アッキーが深くかかわった森友学園のバーゲン的な国有地払い下げも、加計学園の獣医学部の件も、「安倍のお友達」だったからこそ行われたことで、そうした権力の私物化は「岩盤規制をぶち破る」という“大義”とは何の関係もないと大方の人は理解しているのです(上記記事には「今治市(愛媛県)などが2007年から加計学園を前提に提案していた新設計画が、民主党政権時に『速やかに検討』に格上げされながら実現されなかった経緯」とあって、あたかも民主党政権には実力がなかったからそれが「実現」しなかったかのようですが、手続きがまともなら、今回も実現はしなかったはずなのです)。

 こういう屁理屈が通用するなら、銀行強盗が「資本主義の悪」に挑戦するためにあえてそれをやったという理屈も通ってしまうでしょう。安倍政権というのはこの手の詭弁だらけで、まともな論理がほとんど一つもない。今さら論語の話なんかしたところで文字どおり「馬の耳に念仏」でしょうが、「正名」ということがあって、「名不正則言不順、 言不順則事不成(名目が正しく立っていないと、話の筋が通らない。話の筋が通らないと、政治が成功しない)」とあるとおり、世が乱れるもとになるのです。

 これはその後も面白い。「事不成則禮樂不興、禮樂不興則刑罰不中、刑罰不中則民無所措手足」と続くのです。訳(すべて貝塚茂樹氏による)は、「政治が成功しないと、礼楽つまり文化は振興しない。文化が振興しないと、裁判が公平でなくなる。裁判が公平でないと、国民は手足を伸ばして休息することができない」というもので、例の共謀罪は「国民は手足を伸ばして休息することができない」社会を作り出す天下の悪法ですが、「名不正(言葉と現実にやっていることが大違い)」政権が、「これがないと2020年の東京オリンピックは安心して開催できない」「必要な国際条約に批准できない」という大嘘の「印象操作」によって国民を欺き、強引に成立させようとしているのです。

 こういう「名不正(名正しからざる)」政治が大手を振ってまかり通ると、社会に混乱と汚濁がまき散らされ、何が正しくて何が正しくないのか、しまいにはわからなくなってしまいます。それは言論自体に対する不信となって、「理屈はどうとでもつく」という言葉への侮蔑を招き、国会での論戦など何の意味ももたなくなってしまいます。そして要は「数の力」さえ握ればよいとなって、民主主義的な手続きなど意味のないものになってしまうのです。

 すでにそうなってしまっている。森友の件でも、加計学園の件でも、はたまたこの共謀罪の件でも、安倍政権は批判に対してまともな反論をほとんど返していません。「できない」というのがほんとのところなのでしょうが、国会で絶対多数を握っているので、その都度“逆ギレ”してしのいでいれば何とかなると思っているのです。有権者が怒って、支持率が20%台に下がってしまうというようなことにでもなれば、次の選挙での審判を恐れる自民は恐慌状態に陥り、安倍降ろしが始まるのですが、そうはならないと高を括っているのです。

 ちなみに、冒頭の神奈川新聞の記事の下に「関連記事」一覧があって、その中に、「『共謀罪反対!』国会周辺で大規模デモ」というのが入っていたので、ついでにそれも見ると、6月9日に国会正門前で共謀罪に反対する4000人規模のデモが行われたというニュースです。この中の石田英敬東大教授の言葉の箇所をコピーしようとしたら、神奈川新聞のこのサイトはそれができなくなっているらしく、仕方がないので他の記事を探していたら、次のYoutubeの録画に行き着きました。他のアジ演説の声が途中で混じって、多少聞き苦しいところはありますが、全部聞くに値するよい話です。15分なので、今はそれでも長すぎて集中力が続かないという人が大勢いて、そういうのも安倍政権をのさばらせる一因になっているのですが、このブログの読者なら大丈夫でしょう。ご存じなかった方はぜひクリックして視聴して下さい。僕はこの意見に100%賛同します。

2017.06.09「共謀罪法案に反対する金曜国会前抗議」: 石田英敬さん

 上記のスピーチの中で、石田教授はカントの言葉だと断りながら「理性の公的使用」という言葉を使っていますが、僕が最近つくづく思うのは、この能力が国民レベルで著しく衰退しているのではないかということです。だから安倍政権はこれだけのことが重なっても「支持率は下がらない」と安閑としていられる。株価が暴落したり、消費税を値上げすると言えば、それは「理性の私的使用」(石田教授は安倍政権の「国政の私物化」を念頭にそう言っているわけですが)にかまけている人たちには自分の生活に直接響くから、「けしからん!」ということで、支持率は一気に下がる。でなければ何をしようと無事なので、安倍のお友達政治による「社会的公正の侵害」も、共謀罪法案の招来及ぼすことになるであろう危険性にも、感情的にほとんど反応しないのです。「理性の公的使用」を知らない人は、公憤や義憤というものを覚えることがなく、その方面の想像力も持ち合わせていないからです。「立派な人」に見せようとして、気にしているようなそぶりはして見せるかもしれませんがね。

 国民はそのあたり、すっかり足元を見られているので、野党が国会でいくら追及しようが、週刊誌や新聞(読売・産経は除く)がいくらその「不正」を糾弾しようが、安倍政権は「支持率に大きな変化はない」と踏んで、ああいう態度を取り続けているのです。

 こういう記事(ライブドアニュース)もありました。

 11日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)で、関口宏が、安倍政権の高支持率を支える若者たちの心情に苦言を呈した。
 番組の「風をよむ」コーナーでは、安倍内閣が持つ高い支持率の秘密を特集した。JNNが今月3、4日に実施した世論調査では、安倍内閣の支持率は54.4%と、不支持の44.1%を10%以上上回った。
 埼玉大学の松本正生(まつもと・まさお)教授は、団塊の世代を中心とした高齢層が自身の資産事情と絡めて、株価重視の政策を続ける政権を支持していると指摘する。そして、若年層からの支持率も非常に高いと解説した。年代別の内閣支持率で見た場合、他の支持率が50%前後で推移する中、18~20代は68.0%と、飛び抜けているのだ。
 また、スタッフが街頭インタビューを実施したところ、若者たちは「安倍政権になってから急激な変化がなかったので安定している」「これまでの人より安心できる」と、従来の政権より高い安定性を高評価した。さらに、就職率が回復傾向にあることも、安倍政権を支持する大きな理由だという。


 この分析はかなり当たっているだろうと思います。コア層のネトウヨだけでは高が知れているので、団塊世代から上の小金持ち層と、「安全第一」の若年層が「消極的支持」を与えているからこそ、この数字になるのです。自分の私生活が脅かされないかぎり、政治の嘘も気にならない。市民運動なんかとも関係ないから、共謀罪もどうでもいいのです。

 しかし、そうしたなかで、政治の腐敗はどんどん進んでゆく。国民の内向き志向、ミーイズムの拡大と事なかれ主義がそれを助けているのです。それでいいのか?

 最後に、論語・子路篇のさきほど引用した箇所の全文を、読み下し文、訳と共に今一度引用しておきます。安倍政権の現状に照らし合わせて読むとき、これはいっそう意味深長なものとなるでしょう。日本会議をはじめ、安倍応援団の皆さんはこういう本、『聖典』とあがめているはずではなかったのですか? ここで述べられていることは、安倍のやってることの、ちょうど正反対だと思われるのですが…。

子路曰、衛君待子而爲政、子將奚先、子曰、必也正名乎、子路曰、有是哉、子之迂也、奚其正、子曰、野哉由也、君子於其所不知、蓋闕如也、名不正則言不順、 言不順則事不成、事不成則禮樂不興、禮樂不興則刑罰不中、刑罰不中則民無所措手足、故君子名之必可言也、言之必可行也、君子於其言、無所苟而已矣。

 子路(しろ)曰わく、衛の君、子(し)を待ちて政を為さしむれば、子将(まさ)に奚(なに)をか先にせん。子曰わく、必ずや名を正さんか。子路曰わく、是(これ)有るかな、子の迂(う)なるや。奚(なん)ぞそれ正さん。子曰わく、野(や)なるかな、由(ゆう)や。君子は其の知らざる所に於(おい)て蓋闕如(かつけつじょ)たり。名正しからざれば則ち言(げん)順(したが)わず、言順わざれば則ち事成らず、事成らざれば則ち礼楽(れいがく)興(おこ)らず、礼楽興らざれば則ち刑罰中(あた)らず、刑罰中らざれば則ち民(たみ)手足を措(お)く所なし。故に君子はこれに名づくれば必ず言うべきなり。これを言えば必ず行うべきなり。君子その言に於て、苟(いやしく)もする所なきのみ。

 子路が(孔子)におたずねした。
「衛の殿さまが先生をお引きとめして、政治を任されることになったら、何から手をつけられましょうか」
 先生がいわれた。
「何よりも混乱した名目を正しくしたいね」
 子路がいった。
「これだから困りますよ、先生の迂遠なのには。よりによって、何を正しくされるというのですか」
 先生がいわれた。
「あいかわらず野蛮だな、おまえという男は。君子は自分のよくわからないことは知らん顔をしているものだ。名目が正しくたっていないと、話の筋がとおらない。話の筋がとおらないと、政治が成功しない。政治が成功しないと、礼楽つまり文化は振興しない。文化が振興しないと、裁判が公平でなくなる。裁判が公平でないと、国民は手足を伸ばして休息することができない。だから、君子は何かに名をつけるとき、ことばではっきりわかるようにし、そしてそれを発言すれば、必ず実行できるようにする。君子は何か発言するにあたって、軽はずみなことはしないのだ」(『論語』貝塚茂樹訳注 中公文庫p.352~354)


安倍政権崩壊近づく

2017.06.06.15:13

 安倍内閣の支持率が急落しているという報道があります。次は日刊ゲンダイの記事。

安倍内閣支持率急落の衝撃 “消極的支持層”’ついにソッポ

 いくらか遅きに失したとはいえ、喜ばしいことです。自民党内にも動揺が広がって、「もはや安倍では選挙に勝てない」というので、安倍降ろしが本格的に始まるでしょう(その主体性・自律性のなさには呆れますが)。

 それというのも、アッキード事件でのあの不誠実な対応に加え、加計学園の問題では「ええ加減にせんかい!」と言いたくなるような卑怯な言い逃れに終始してきたからです。そういうのばかり見せられると、どんな人でもいい加減イヤになるのでしょう。

 にしても、「初めに加計ありき」が明白なのに、「規制緩和の大義」など大真面目に主張することがなぜできるのか? この前、橋下徹の珍論批判でも書きましたが、僕にはそれが不思議でなりませんでした。

 さっき、ネットのニュースサイトを見ていたら、プレジデント・オンラインの「読売と産経は社説でも『政権擁護』を貫く」(どういう方か知りませんが、沙鴎一歩と署名欄にはある)と題された記事が出ていて、その中に次のような箇所がありました。

「規制改革を主導する内閣府と、業界保護の立場から規制の例外を認めたくない関係省庁が対立することは、ままある」と説明し、加計学園問題に関するこれまでの野党と政府の対立を具体的に並べ、「政府は、特区を指定した経緯や意義について、より丁寧かつ踏み込んだ説明をすべきだろう」と主張する。そして最後には「規制緩和は安倍政権の重要政策であり、仮に首相が緩和の加速を指示しても問題はあるまい」と述べる。読者はその通りだと思わず納得してしまう。

 これは御用新聞・読売の「5月27日付社説」だそうです。「規制改革を主導する内閣府と、業界保護の立場から規制の例外を認めたくない関係省庁」という“善悪の図式”を提示(このあたりは橋下も同じです)して、その中に無理やり問題を落とし込んでしまう。こういうのを詭弁というのですが、いかにも読売がやりそうな論理のペテンです。しかし、安倍はこの恥ずべきロジックをそのまま使う。

 ところで、その読売のとてもジャーナリズムとは思えない「安倍の使い走り」ぶりのお粗末については、弁護士の郷原信郎氏が痛烈に批判しています。

読売新聞は死んだに等しい

 読売のまともな記者は「もうやってられん」と思っているでしょう。ここまで堕ちたら、もはや公共の言論機関ではありません。ナベツネと、そのイエスマンばかりが社内で幅を利かせているのだろうと思われるので、そのあたり安倍政権と瓜二つです。ナベツネのじさまはもうじきあの世として、その後どうやってまともな新聞に立て直すのか? 野球のジャイアンツもナベツネが介入した頃から本格的におかしくなって、カネで動く奴ばかりになってしまい、最高顧問とやらを退いても、その「体質」は変わらないまま、目下「破竹の10連敗」というのは笑えますが、本体の読売も同じ運命を辿りそうです。

 加計学園に話を戻して、全然違う角度から、「加計学園に獣医学部?」という疑問を呈した次のような記事もあります。僕はこれを昨日、「大学難易度」で検索していて、偶然見つけたのですが。

加計学園の獣医学部新設はどれほど馬鹿げているのか、系列大学の偏差値や四国の実態から考えてみた

 僕も前に一度、加計学園が経営する大学はどこもレベルの低いものばかりだと書いた記憶があるのですが、この記事は「偏差値がすべてだとは言いませんが、獣医学部を設置するに足るレベルかどうかを考えると、疑問符がともります(「ともります」はヘンなので、正しくは「付きます」)」と疑問を呈しただけでなく、次のような説得力のある見解も示しているのです。

◆獣医師不足を理由に獣医学部を新設するとしても、加計学園である必要は一切無い

今回、加計学園に獣医学部を新設する大義名分として「四国に獣医学部・学科が無いこと」「獣医師の不足」「鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症が拡大する中、需要が高まっていること」などが挙げられていますが、これもおかしな話。
 なぜならば四国には、かねてから地域の農業、畜産業に根ざした研究活動を行っている愛媛大学や香川大学の農学部があり、これらの大学に獣医学科の設置を認めた方が合理的であるからです。


 たしかに、これには一理も二理もあります。ここで、あえて加計・安倍側に立って反論すると、次のようになるでしょうか。

「何を言うか! 四国の国立大にはやる気がないのだ! また、Fランに近い大学だからこそ意義があるので、今の獣医学部は難しすぎて、私立でさえ偏差値60以上ないと入れないというのは過酷すぎる。相手は動物なのだから、偏差値は50もあればたくさんなのだ! 岡山理科大の新設獣医学部は獣医学科が160人、獣医保健看護学科60人と、定員も多いから、従来は学力的に手が届かず諦めた獣医希望者の受け皿になれる。まあ、特例として認められ、他に競争相手はないことからして倍率は上がって、獣医学科は55ぐらいにはなるだろう。そうすると、偏差値40に届かない他の隣接学部も上がって、大学全体の底上げにつながる(そうはならないことを、業界に詳しい人間の一人として、今から僕は予言しておきますが)。広大な用地の市からの無償譲渡も問題視されているが、あれだって「町おこし」につながるのだ。全然そうはならず、慢性定員割れで経営が悪化し、自治体も頭を抱えるケースはたくさんあるが、獣医学部だと儲かる…ではなかった、人気が出て若者も集まり、町が活性化する可能性は大いにある。計画も条件もずっと整っていた京産大の申請は認められなかったのに、加計だけ認められるというのはどう見てもおかしいという批判もあるが、それは根回しが下手だったからで、総理のお友達だったからえこひいきされたという批判は当たらない。ほんとは当たっているが、そういうややこしいことを言う奴は読売を読め! そこに『総理は正しい』とちゃんと書いてあるだろうが! これは『正しい規制緩和の自然な結果』なのだ」

 でんでん、と付けましょうか? ともかく、それが安倍官邸の言い分なのです。こういうのが通ってしまうというところが「美しい国」ならではの素晴らしいところですが、お隣り韓国の朴槿恵前大統領の「崔順実ゲート」と実質的には大して違わない、ということは、以前も書いたとおりです。朴大統領にはあいにく、クロをシロと言いくるめてくれる、読売や産経のような忠実な子飼いメディアがいなかったというだけの話。

 しかし、冒頭の世論調査記事にもあるように、もうその手は利かなくなってきた。読売や産経については、「あんなものは新聞ではない」と思う人が増えてきた。「またかよ」と冷笑を浮かべつつ、「今回はどういうこじつけを考えたのかな?」という興味本位で読まれるだけなのです。かくて、安倍政権擁護の主要な砦は崩れ、崩壊へのカウントダウンが始まった。

 ここらで一発、『総理』『暗闘』という二冊の露骨な安倍ヨイショ本を書いたお友達の元TBSワシントン支局長、山口敬之あたりに堂々の論陣を張っていただきましょうか? 彼も例の「準強姦疑惑」でそれどころではなさそうですが…。


【付記】ついでに、こういう記事まで出ています。

加計学園に市税96億円投入…でも潤うのは地元今治市ではなく岡山の業者

 今治市も相手をよく見ず、失敗しましたね。安倍の「腹心の友」加計孝太郎がどんな手合いか、これでわかろうというものです。

前川前事務次官が指摘する「安倍政治の本質」

2017.06.04.11:32

 次の毎日新聞のインタビュー記事は興味深いものです。

加計獣医学部:「文科省は官邸ににらまれたカエル」前川氏

 僕が注目したのはこの中の、

 政と官の関係は小泉政権時代から官邸の力が強まったものの、「当時は各省庁の自律性や専門性が保たれ、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論ができた。与党内の議論も活発だった」とし、自身も小泉政権の方針に抵抗したが人事面で報復は受けなかったという。ただ、現在は3年前に発足した内閣人事局が省庁の幹部人事を管理する状況にある。
 前川氏は「安倍1強」の政治状況を「首相秘書官や首相補佐官が各省の大臣より偉くなった」と表現。「柳沢吉保みたいな人が各大名よりも偉いような状況にある」。側用人から出世した江戸幕府の権力者に例えて現状を解説した。


 …という箇所です。たしかに前川氏は小泉政権当時の課長時代、官邸の教育改革の方針に逆らって、「奇兵隊、前へ!」というブログ(今でも読むことができる)を「隊員」(文科省職員)を率いて開設し、果敢に戦いを挑んでいたのです。にもかかわらず、小泉政権はその前川氏に「人事面で報復」するような、男らしくないことはしなかった。

 これまでのやり口からして、安倍だとそれは100%やるだろうなと思われるのですが、それというのも、「現在は3年前に発足した内閣人事局が省庁の幹部人事を管理する状況にある」が、低級なヤンキーボス(「半グレ」という呼称の方が適切だとこの前書きましたが)の安倍は、それを悪用せずにはいられないだろうからです。加計学園の理事長は「腹心の友」だから特区制度を悪用して便宜を図り、他方、自分に逆らったり、批判したりする相手には手段をえらばず報復しないではいられない。

 こういうの、僕の一番嫌いなタイプで、学生時代バイト先でたまたま、金魚のフンみたいな子分どもを引き連れて自分たちだけトクになるようなことをし、新人いじめに精出すという悪辣な古株バイトのボスに出くわしたことがあります。今でもたまにいるでしょ、こういうの? 会社の方も、仕事が回らなくなるのを恐れて、見てみぬふりをするのです。公平と正義を愛する僕はこういうのは見過ごせないので、しかるべき対応(上品なやり方とは言いかねるものでしたが)をして、その「体制」を崩壊させ、まともな連中には大いに感謝されたのですが、今の安倍官邸は金魚のフンだらけで、馬鹿ボスを増長させるのみなのです。

「首相秘書官や首相補佐官が各省の大臣より偉くなった」とありますが、たしかにそういうところが今の安倍政権には強く感じられるので、御側用人(でんでん首相のために念のために読みも書いておくと、「おそばようにん」)が首相権力をタテに、「総理の意図を最もよく知る者は私!」と、いたるところでしゃしゃり出て、勝手なことをやらかしているのです(その筆頭が、元通産官僚で「内閣総理大臣秘書官」の肩書をもつ今井尚哉であることは有名)。

 本来制度の付属品にすぎないような地位の人間が、大臣をもしのぐ権勢を誇る。これもコンプレックスの塊みたいな安倍の「ヤンキー体質」から出たもので、こうした“身内政治”が民主主義国家とはとても思えないような「政治の不透明性」をつくり出しているのです。

「昔はよかった」というのなら、明治天皇が出した「五箇条の御誓文」の第一条、「万機公論に決すべし」を思い出すがいい。幼稚な「ボクちゃん政治」が政治の公共性を破壊し、いたるところで私的な、恣意的運用に堕している。それが「安倍政治の本質」です。
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