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菅義偉とタナトス

2021.02.27(17:27) 809

「コロナよりあれが国民のストレスになっている」と言われる昨今の菅総理ですが、これは「決め打ち」さながらだったようです。

NHK「ニュース7」冒頭突然…不機嫌な菅首相が映り、キレる、開き直る中継続く

 グーグルのニュースサイトにはノーカット版の動画も出ています。

【ノーカット】菅総理ぶら下がり会見 緊急事態宣言の6府県での先行解除決定を受けて

 全く何の内容もなければ、メッセージ性もゼロで、あの繰り返されるおかしな言い回し、「~じゃないでしょうか」が不快な響きを残すのみです。知性や教養、説得力はゼロで、こういうのが海外に出て首脳外交なんてどうやってできるんだと誰しも心配になるでしょう。韓国の文在寅大統領もロボットじみていますが、これはその上を行く。これはほんとにヤバいんじゃないでしょうか?

 不思議なのは自民党内から「菅おろし」の動きが起きないことです。察するに、コロナが収束しない間は彼にサンドバック役をやらせて、それで国民の“嫌菅”感情がピークに達するまで待って、そうすれば彼の影響力も殺げるし、次の総理役も「あれよりはマシ」ということで、やりやすくなると思っているのかもしれません。幸い彼は無派閥なので、所属する派閥がダメージを受けることもない。後見役の二階あたりも、「物言えば唇寒し」ということがわかって、最近は出てこなくなりました。節操のない政局政治家である彼は菅をもう見切っていて、代役が誰になるか見極めようとしていて、後は切るタイミングだけの問題になっているのかもしれません。

 にしても、例の長男の違法接待の件など、ああいう低次元かつ露骨なのがバレないと思う方が不思議で、菅家の「自爆テロ」みたいなものです。総務省の役人たちや山田広報官もそれに「協力」していたわけで、考えてみれば、この政権、最初に学術会議任命拒否事件という「何でわざわざそういう余計なことするわけ?」と言いたくなるような愚劣なことをして、僕などもあれで完全に敵に回ってしまったわけですが、その後も筋の悪いゴーツーキャンペーンのやめどきを見誤って支持率をさらに下げ、どの世論調査でも不支持が支持を上回った絶妙のタイミングで、今回の違法接待事件が出てきたわけです。

 精神分析のフロイトに「タナトス」というのがあって、これは元々はギリシャ神話の死の神の名前ですが、彼はこれを人間の無意識に巣食う自己破壊衝動、死への誘惑を指すのに用いました。それまで裏方で権力をふるうのが専門だった菅義偉という政治家にとって、今回の総理就任はタナボタみたいなもので、安倍の石破嫌いや、各種の派閥力学に助けられ、圧倒的多数で自民党総裁に選出され、国民一般の受けも悪くなかった。叩き上げ、高い実務能力、パンケーキおじさんなど、マスコミも最初はこぞってもてはやしたのです。ところがいきなり学術会議事件でミソをつけ、それ以降もやることなすこと、自分で自分の評判を落とすようなことばかり連発して、総仕上げのようにして、スポンサー企業に縁故入社させていた息子が「親の七光り」で出世して、コロナおかまいなしに違法接待を繰り返していたという事件が明るみに出たのです。「自助」を説きながら、その長男をかつて秘書官に採用して救っていたということにもあらためて注目が集まった。自分の権力基盤としていた総務省の役人たちが腐り切っていたことも白日の下にさらされたのです。

 隠していたボロが全部出てしまっただけなのかもしれませんが、うがった見方をすれば、彼は自らのタナトスに導かれて、無意識に自分が破滅するように動いてしまったようにも見えます。自分が「総理の器」でないことを証明して安心しようとしたかのように、彼の無意識は意識のあずかり知らぬところで自らを破滅に導こうとしたのです。長男も、彼はいまだに父親から精神的に自立できていないようですが、父親の無意識の圏内にあって、無自覚なままその道具として使われていた。「別人格」は見かけだけです。

 彼には元から高い知性や教養はなかったとしても、海千山千の政治家で、その方面の奸智には長けていたはずです。それがわざわざ疑惑や反発を招くようなことばかりしてしまうというのはなぜなのか? 何か特殊な要因が作用していたので、僕はそれが彼の自己破壊衝動、タナトスではなかったかと思うのです。

 今後、彼の支持率が大きく戻すということはないでしょう。公の観念が欠落した利権政治屋、狭量かつ頑固で、裏で恫喝するしか取柄のない男、日本の官僚モラルを安倍と一緒に腐らせた元凶、明確な国家観もなければ、将来ヴィジョンもない、外には出せない政治家、実務能力と言っても、二階の下請けをやらされているだけの男、等々の負の評価が固まってしまったからです。

「こんな私が総理なんかやっていいのか?」というのが無意識にあったとしたら、そしてそれで自滅に突き進んでいるのだとすれば、彼のタナトスはまた、彼の隠れた良心でもあったのかもしれません。

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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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