FC2ブログ

タイトル画像

あの池上彰先生まで「炎上」させるネット社会のおぞましさ

2021.02.11(00:47) 804

 再びネッシーの東スポ記事ですが、これは前にも芸能人の誰それが批判したとかいう記事が別の媒体に出ていました。池上彰氏というと、知情意兼ね備えたバランスの取れた紳士で、かつ選挙特番などでは鋭い突っ込みを忘れないということで、一般視聴者の人気・信頼度共に非常に高い人だと思いますが、僕のようなあまりお行儀のよくない者から見ると、いくらか教科書的、学校の先生的な感じがして、「あなたは悪い子ですね」と叱られる子供が覚えるような“畏れ多さ”を感じてしまうのですが、その池上先生にしてこうなってしまうというのは、今のネットはほんとにこわいなと思います。

池上彰氏がトランプ前大統領めぐり大炎上! 釈明動画も火に油…低評価率は89%

 発端は先月30日放送のテレビ朝日系「池上彰のニュース そうだったのか!!」でトランプ前大統領とバイデン大統領を比較した「バイデン大統領は中国の人権問題に関心がある。新疆ウイグル自治区で強制収容所に入れられているといったことや香港民主化運動による逮捕とか、トランプ大統領はこれまで(人権問題に)何にも言ってこなかった。人権問題に関心がなかった」という発言だ。

 というのですが、池上先生といえども人の子なので、たまには間違ったことも言うでしょう。しかし、この発言の場合、そういうものとは思えない。僕はその通りだと思うので、それのどこが問題なのかと不思議だったのですが、

 しかし実際には中国のウイグルに対する人権問題でジェノサイドと認定したのはトランプ政権。また、トランプ前大統領は2017年に国連の演説で「北朝鮮は13歳の少女を拉致した」と拉致問題に言及し、北朝鮮の非情さを訴えているなどの実績があり、ネット上では池上氏に対する批判が殺到した。

 ということらしいのです。でもねえ、トランプにまともな人権感覚などなかったのは、その数々の妄言で十分証明されているし、「トランプ政権」がしたことと、トランプ自身の考えとはイコールではない。あの「2017年の国連演説」にしても、当時「ヘイトスピーチではないか」と批判されたほど(北朝鮮、イラン、シリア、ベネズエラを一緒くたに「ならず者国家」「この惑星にとっての災い」だとして激しく非難)ですが、二年後、板門店で金正恩と会談したときなどは、手柄顔でそれを吹聴したので、そのときは前はボロコソに言っていた金正恩に対する評価もコロッと変わっていたのです。要するに、ただのご都合主義オヤジでしかなかったわけで、こういうのは全体を見ずに、都合のいいところだけ取り上げて、池上氏にからんでいるだけとしか思えないのです。だから池上氏が、

 自身の発言の真意についても、トランプ「政権」は人権問題に対して厳しい態度を取っていたが、トランプ氏は違ったと主張。実例としてトランプ氏が習近平国家主席から「新疆ウイグル自治区の教育施設を建設している」と説明された際に「いいことじゃないか。どんどんやってくれ」と発言したことや、トランプ氏が香港の民主化運動について質問された際に「香港のことなんかに俺を巻き込むな」と言ったというボルトン前米大統領補佐官の証言を引用して説明した。

 というのは、しごく尤もな話なのです。一体これのどこが間違っているのか? なのに、氏のユーチューブチャンネルにまで押しかけて、わざわざそれを言い募り、そのことについての「釈明動画」も、「10日午後6時現在、高評価1200に対して低評価が1万を超えている。低評価率は何と「89%」にのぼる」というのは、クレイジーもいいとこです。

 僕もいっとき日本でも騒がれた「トランプは陰謀の犠牲者」みたいな話に、「そんな馬鹿な話はないよ」と言ったら、「あなたはトランプ、嫌いだから」と言われたことがありますが、順序が逆なので、彼の言動・ふるまいに問題がありすぎるのを見てきたからこそ「トランプ嫌い」になったのです。たんなる自分のフィーリングや好みで、いいだの悪いだのと言っているわけではない。emotion だけで logos が働いていないことほど危険なものはないので、前者にただ理屈をこじつけただけなのが「トランプは正義の味方」論者には多いと見受けられるのです(ロゴスと屁理屈は似て非なるものです)。

 コメント欄に「自分の考えと違ったとしても一意見として受け入れれば良いのに」というのがあるそうですが、こういうのは悪しき相対主義の典型で、その「考え」にもまともなのと愚劣なのとがあるので、それが同価値であるわけはないのです。君の言ってることは浅はかすぎるといって、その理由を懇切に説明されると、感謝するどころか怒り狂って逆恨みする人さえいますが、そういう人は永遠に成長できないでしょう。しかし今は、その手の幼稚な人が「私の意見を尊重しろ!」と騒いで、同類を寄せ集めて騒ぎ立てたりするのです。つまらない「自分の意見」を否定されたからと言って、相手がその人の人格そのものを否定したわけでも何でもないのですが、幼稚な考えと幼稚な人格が一体化しているから、それがわからないのです。

 そもそもの話、池上氏が嘆くようなこういうしつこい非難コメントを集団で寄せるのは、どこかにそれを煽っている邪悪な人間がいるからなのかもしれません(トランプが支持者に議事堂襲撃を煽ったように)が、彼ら自身、「自分の考えと違う」意見にいかに狭量であるかを示しています。しかも、上に見たように、池上氏の見解の方が正しい。まともな人を、幼稚な連中がよってたかって攻撃しているのです。その身勝手な独善性はトランプと同じか、それ以下だと言わねばなりません。

 僕が思うに、ネットのコメント欄などは、他愛のないものはいいとして、それが非難の類である場合、本名でないと受け付けないようにすべきかもしれません。昔のいやがらせ電話の頃からそれは同じなのですが、彼らは匿名を隠れ蓑にして、誹謗中傷の類を重ねてきたのです。本名を名乗れば、それに対する責任を取らなければならなくなる。無意識的にはそれが卑劣なことであることがわかっていて、かつ相手に切り返されたらそれに反論できなくなるという恐れも作用しているのです。そういうのは最低のカスのやることなので、相手の姿は見えているが、自分の身は隠して、卑劣な行為に耽って喜んでいるだけなのです。

 人間、そういうことを平気でやるようになったらもう終わりです。前に警視庁のポスターに、「人間やめますか、覚醒剤やめますか?」というのがありましたが、これにはそれと似たところがある。中にはしつこい誹謗中傷を続けて、相手を自殺にまで追い込んでしまう輩もいるわけですが、後で警察が捜査して、発信者が特定されて逮捕されると、「まさかこんなことになるとは思わなかった」なんて太平楽なことを言うのです。何をボケたことを言っている、おまえが相手ならどういう気がするかということさえ想像できなかったのかとどやしつけたくなりますが、そういうのは本物の人間のカスなのです。いまのネット社会は人を誘惑してそういう堕落を生み出しやすい性格をもっている。このブログの読者にそんな人はいないと思いますが、自分をほんとに大切にしたいのなら、そういう卑劣な真似は決してしないことです。

スポンサーサイト





祝子川通信 Hourigawa Tsushin


<<そのうち人類は「憂慮すべき害虫」としてエイリアンに“駆除”される? | ホームへ | 菅首相の「長男とは別人格」論が通らない理由>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://koledewa.blog57.fc2.com/tb.php/804-73af5784
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)