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菅首相の「長男とは別人格」論が通らない理由

2021.02.09(13:43) 803

 例の東京オリ・パラ組織委員会会長の森喜朗氏の「女性蔑視」発言は、多方面から完膚なきまでにやられてしまっているという感じですが、僕は最初あのニュースを見て、「またやったか…」としか思いませんでした。若い世代が知らないのは無理もないとして、それ以外の人はお忘れなのかもしれませんが、彼は首相在任当時、総選挙での自民劣勢予測が伝えられた時、「無党派は家で寝ててくれ」と言ったという話が新聞に出て、大バッシングを受けたことがありました。元々「失言オヤジ」として有名だったのです。

 今はご老体で、頭のネジのゆるみ方もさらに進んでいる。そういう老人にああいう役職を任せているということ自体が政治の怠慢だったので、その男尊女卑的な態度も、あの年齢ではありがちなことで、特に自民党の政治家というのはなおさらです。

 だからその問題は他の人たちにお任せするとして、ここはあの「首相長男の接待問題」です。学術会議新会員任命拒否事件の時も、彼は支離滅裂な言い訳を並べ立てていて、たんに頭が悪いというよりは悪質だとの印象を与えたのですが、今回も同じです。次は毎日新聞の記事による、黒岩宇洋氏(立憲)の質問のくだりです。

首相、長男とは「完全に別人格」 接待問題・衆院予算委詳報/上

 黒岩氏 報道によりますと、昨年の10月7日、そして12月8日、10日、14日と立て続けに総務省のナンバー2以下、幹部官僚が接待を受けていると。ここで報道されている12月14日。これは総理がステーキ会食をして猛省をされた日ですけれども、総理のご子息は、高級官僚の方と何をされてましたか。

 首相 まずやはり、関わった者が誰であっても、国民の皆さんからの疑念を抱かせることのないように、総務省によってしっかり事実関係を確認した上で、ルールにのっとって対応してほしいというふうに思います。お尋ねは私の親族であるとはいえ、公的立場にはない、いち民間人に関するものです。本人やその家族などのプライバシーに関わることであり、本来このような場でお答えすべきことではない。ただし民間会社に、報道のように勤めていることは事実であります。

 黒岩氏 これは私人にかけられたものではなくて、菅政権そのものにかけられた疑念、疑惑なんです。これを払拭(ふっしょく)するために、事実関係を知りうる方が身近におられたら、その方に総理としてお聞きすることは、当然のことなんじゃないですか。
 では12月14日、これは報道によりますが、総理のご長男は高級すし店で会食をされていたということです。こういったことが事実かどうか、報道されてから、ご子息等と直接、ないしは電話で話をされていますか。

 首相 ええ、電話で話はしました。

 黒岩氏 この接待は事実かどうか。ご子息からお聞きになったことをお答えください。

 首相 接待というよりも、私は調査が入ったら事実関係に対して、そこは協力するようにということは申し上げておきました。

 黒岩氏 今日は、その接待を受けたと言われる4人の官僚のうち、残念ながら、総務審議官のお二人が出席を拒まれました。今日いらっしゃっている秋本芳徳情報流通行政局長に聞きます。12月10日、六本木の小料理屋で菅総理のご長男から接待を受けたのは事実ですか。

 秋本局長 会食をさせていただいたことは事実です。

 黒岩氏 会費はご自分で支払われましたか。

 秋本局長 当初、出席者の中に利害関係者がいないと認識しておりましたため、自己分の負担を行っておりませんでした。事後に取材を受ける過程で、出席者の中に、東北新社の社員であるとともに、利害関係があると思われる子会社の社長等を兼ねている方がいることが判明しましたため、まずは確認できる範囲での返金を行っております。

 黒岩氏 その日は自分では一切お金を払わず、ごちそうになったということでよろしいですね。

 秋本局長 事後的に額、確認できる範囲での額を確認して振り込みをさせていただいた。

 黒岩氏 タクシーチケットは先方からもらったのか、お土産もただでもらったのか。

 秋本局長 飲食代やタクシー代も当初はご負担をいただきました。事後的に返金をさせていただきました。

 黒岩氏 総理、人から飲食をごちそうになって、お土産までただでもらって、タクシーチケット代まで出してもらう。これを我々は接待と言うんですが、総理いかがですか。

 首相 私自身、全く承知しておりません。それが息子と誰であれ、ご指摘のような不適切なことがあったかどうかについては、ここはしっかり関係者で、中で対応してもらいたい。


 自分の息子に対して、「接待というよりも、私は調査が入ったら事実関係に対して、そこは協力するようにということは申し上げておきました」と敬語を使っているのはご愛敬ですが、局長の次の発言が笑えます。

 秋本局長 当初、出席者の中に利害関係者がいないと認識しておりましたため、自己分の負担を行っておりませんでした。事後に取材を受ける過程で、出席者の中に、東北新社の社員であるとともに、利害関係があると思われる子会社の社長等を兼ねている方がいることが判明しましたため、まずは確認できる範囲での返金を行っております。

 お役人が「出席者の中に利害関係者がいない」場合、ただで飲み食いし、タクシー代やお土産までもらうのは役得というもので、何ら問題ではないと思うが、「出席者の中に、東北新社の社員であるとともに、利害関係があると思われる子会社の社長等を兼ねている方がいることが判明」したので大いに驚き、あわてて返金したというのです。ましてやそれが「首相のご子息」だなんてことは夢にも思わなかったと。

 総務省の中では東北新社に「逆らうと何をされるかわからない菅首相の長男」がいるのは知れ渡ったことで、だからその誘いは違法であっても断れないと思っていたことは、役人のメンタリティからしてよくわかるので、「ばれたらまずい」と思いながらその接待に応じていたところ、文春に写真入りですっぱ抜かれてしまったために、事実はごまかしようがなくなったので、「まさかモロに利害関係者である、東北新社に勤める首相のご子息がおられたなんて、全く知りませんでした」と因果関係の組み替えを行なったのです。

 首相自身、問題の写真は見たが、「黒い目隠しが入って、長髪の方で、タクシーチケットを総務省の官僚に渡しているとおぼしき、この方」が自分の息子なのかどうかはわからなかったのだという。何せ、最近会っていないもので…。それに、40歳でも長髪で、この手の顔というのはよくあるものじゃありませんか? 電話では息子に対して、「おまえ、やばいぞ」と言ったに違いありませんが、森元首相ではあるまいし、そんなことは正直に言えないのです。次のくだりも面白い。

 黒岩氏 総理は総務大臣の時に、息子さんを20代半ばで総務大臣秘書官に採用し、任命しましたね。この事実関係をお答えください。

 首相 任命をしました。

 黒岩氏 総理はずっと世襲批判をしてますけれども、世襲でも選挙を通らなければバッジをつけられない。だけども、総務大臣秘書官というのは、これは任命したらすぐそのまま。25歳でも。政務秘書官ですからね。これ、世襲よりはるかに甘いことをやってる。どうも総理は言ってることとやってることが逆だ。国民に対してもこんなに厳しいことを言っていながら、自分の親族や家族、総務省をかばってるとしか思えない。
 やっぱり国民にとって非常に不可思議なのは、総務省のナンバー2といったら、なかなか会うことはできない。それが、年末に1週間で3回、10月には2時間45分も会食している。なんでこの人たちは総理のご子息と会食をしたのか。思い当たる理由、目的をお答えください。

 首相 まずですね、ここはルールのもとに秘書官にしてるんです。世襲制限というのは私は言い続けてきています。息子は3人いますけど、政治家には誰もしません。これは了解をしてます。それと、今もう40ぐらいですよ、もう。私は普段ほとんど会ってないですよ。それは私全く承知しませんが、それが息子であれ、誰であれ、それに関連してご指摘のようなことがあったら、あったかどうかっていうのは、やはりしっかり調査してもらう必要があるだろうというふうに思います。
 いずれにしろ、私自身は自分の政治信条として、世襲は制限するということで、私ずっと言い続けてきましたから、そこはそのままやり遂げますし、秘書官やったのも10年以上前のことですよ。東北新社の社長っちゅうのは、私も秋田の同じ出身ですから、まあ先輩でもう亡くなりましたけど。いろんなご縁があって応援してもらってることは事実ですけども、それと今の私の長男とを結びつけるちゅうのはそれはいくらなんでもおかしいんじゃないでしょうか。私、完全に別人格ですからね、もう。そこはぜひご理解をいただきたいと思います。私の長男にもやはり家族もいますし、プライバシーももちろんあると思いますよ。それと、長男が長男がと、やっぱり会社のいち社員ですから。そういう中で、今、言われたような不適切なことがあったかどうかについては、これから総務省の政治倫理ですか、審査会で、そこはしっかり対応してもらいたいというふうに思います。


 25歳で、売れないミュージシャンなんかやってると食えないから、それを案じて自分の権力で「総務大臣秘書官」というのにいったんしたわけです。世間の大甘のバカ親がやってることと同じ。「秘書官やったのも10年以上前のことですよ。東北新社の社長っちゅうのは、私も秋田の同じ出身ですから、まあ先輩でもう亡くなりましたけど。いろんなご縁があって応援してもらってることは事実ですけども、それと今の私の長男とを結びつけるちゅうのはそれはいくらなんでもおかしいんじゃないでしょうか」と言うのですが、「いくらなんでもおかしい」どころではなく、あれはやっぱりコネ入社だったのかという疑いを、自分との強い結びつきを認めることによって自ら確証したのと同じになっているのです。兄のおかげで有利な条件がもてた会社を潰してしまって、自己破産後また有利な再就職先を斡旋した弟の件(こちらは全部JR東日本がらみ)も同じですが、菅家ファースト、自分のスポンサーファーストの彼の「権力の使い方」がよくわかる。身内の利害には敏感で、そのためには献身的で何でもするが、その外側にいる人たちの痛みは感じない、当然まともな公の観念もない、彼の政治家としての体質がよく出ています。こういうのをふつうは「権力の私物化」と呼ぶのですが、アホなこの男は、「息子は3人いますけど、政治家には誰もしません」と胸を張って、「世襲しないから私は立派」と言っているのです。人望ゼロの自分の息子に是が非でも世襲させたいと思っている二階俊博あたりを基準にしているものだから、世間の感覚とは大きく乖離してしまっていることに気づかない。

 だからこの政権にはまともなことは何も期待できないと僕はこれまで何度も書いたのですが、危機の時代にこういう古すぎる公私混同政治家を総理に押し戴いている国というのは何なのでしょう? それでも支持率がまだ30%台あるというのは不思議で、早く総選挙をやって自民に「壊滅的打撃」を与えて政治の新陳代謝を進めないと、日本丸はこのまま沈没するのが確実でしょう。コロナ以上にこれは深刻な問題です。

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