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全国民必視聴! 田中優氏のおすすめビデオ

2011.05.01(15:58) 78

 「犬も歩けば棒に当たる」というのはこういうことかなと思うのですが、試しにグーグルで「原発がいらない理由」と打ち込んで検索してみると、このビデオが最初のページの下の方に出てきて、何だろうと思って見てみると、驚くような内容の講演でした。目からウロコ、と言っていいほどです。タイトルは、

全編】「もう原発はいらない!エコでピースな未来モデル ...

 となっていて、「ワールドフォーラム2010年12月田中優氏講演【全編】(1時間55分収録)」と説明が出ています。震災前の講演で、Youtubeにアップされたのも今年1月です。鎌仲ひとみ監督の『ミツバチの羽音と地球の回転』の上映の後、行われた講演のようで、このときフォーラムに会した人たちは、二重の恩恵に浴したわけです。

 かなり長いが、今はちょうど連休中なので、時間が取れる方が少なくないでしょう。ぜひご覧になって下さい。僕と同じように、今回の原発でにわか勉強をして、その方面の知識は多少得たという人は、目盛を15分のあたりに動かして、そこから視聴されればいいと思います。その辺から俄然面白くなるからです(議論が広範囲かつ専門的なことにも及ぶので、話の細部に多少の間違いはあるかも知れませんが、それはそこだけ訂正すればすむことです)。

 ついでに「田中優」で検索して、対談なども複数あったので読んでみましたが、大方はこの講演ですでに述べられているもので、話のまとまりということからいっても、このビデオが一番いいという印象を僕は受けました。

 電力料金のおかしな仕組み、「原発による電力は安い」という電力会社の数字を操作した上での論理のペテン、具体的な省電力商品の紹介、さらには代替発電の具体例、と話は進むのですが、僕が驚いたのは、日本にはそうした技術がたくさんあって、それもレベルが高く、アイスランドの地熱発電を請け負ったのは日本の会社だった、というような話です。僕の田舎の町なんかは、温泉だらけなので、これはすぐにでも応用できそうです。低周波被害が問題になっている風力発電なども、すでにそれを克服したものが日本人の手によって開発されているという。九州大学が開発した、「海に浮かぶ風力発電存置」なども、デザインからして美しい。その気になりさえすれば、代替発電には明るい未来がすでに見えているのです(念のために言うと、これは「今原発を全部止めても困らない」という話と矛盾するものではありません)。

 面白いなと思ったのは、この前もここに「日本の木材が売れない」、だから山が荒れるのだ、という話を書きましたが、それについても具体的で明快な解決策が提示されていて、なるほどなと感心させられました。山育ちの僕には嬉しい話です。

 その発想の自由さ・柔軟さもさることながら、何より僕が驚かされたのは、経済的な計算に裏打ちされたその果敢な実行力です。「今だって、やろうと思えばこういう仕組みをつくってちゃんとペイするようにできる」ということが、身をもって示されているのです。これは非常に説得力がある。というのは、「反対するのは勝手だが、現実の経済はそう甘くはないよ」というのが、市民運動に向けられるおきまりの嘲笑で、そこがクリアできないと十分な説得力はもたないからです。田中さんたちがやっておられることは、「ちゃんとできるだろうが!」ということの証明なので、「甘い夢想にすぎない」とこれを片付けることはできないのです。

 原発の問題について言えば、これは「経済法則」そのものを根本から無視した、それに反するもので、不経済そのものの電力供給システムをつくって、それを「現実」にしてしまうから、それ以外のものが「非現実的」に見えるというだけにすぎないのですが、原発にかぎらず、今はそういうことが多すぎるようです。

 それについてはいずれまた稿を改めて書きますが、僕が変則的なかたちで関与している子供の教育に関しても、「今の学校は一体何をやっているのだ!」と言いたくなることが多すぎる。文科省は「考える力」の育成を方針の柱の一つに据えていますが、教師の側に「考える力」があるとはとうてい思えないフシがあって、彼らは自分たちと同じ「考えない人間」の育成に全力を挙げているように見えるのです。そんなもの、教育でも何でもありはしない、たんなる児童虐待にすぎないのだ、というのが僕の考えですが、これなんかも「教育に反することが教育の名で行われている」と言えるわけです。税金で運営されている学校にわが子を通わせながら、同時にその害悪からわが子を守るための対策を必死に講じなければならないというのは、悪い冗談みたいなものです。その親の苦渋を、電力会社の経営陣・社員と同じで、学校・教師の側は理解せず、また理解しようとしない。電力会社は原発という危険に満ちた無駄なものを押しつける、学校は、無駄に量だけ多い宿題と、なくていい連日の課外授業(延岡の県立普通科高校の場合だと、毎朝授業は7時半から始まる)を押しつけ、かつ、部活なども「子供の心身の健全な発達を助ける」という本来の目的を逸脱して、ロクに休日も与えず、度が過ぎてかえってからだをこわしかねないようなものを強要する始末になるのです(これはどこでもいい、整骨院の類に行ってごらんなさい。老人と並んでお得意さんになっているのは、過剰な「練習」で体を痛めた中高の育ち盛りの子供たちなのです)。放射能の害とこれと、どちらが害が大きいのか、にわかには判定できないなと思うほどです(塾の生徒たちに聞くと、今回の震災・原発事故が友達同士の話題になるとか、先生たちがそれに授業で触れるとかいうことは、ほとんどゼロだという話です。僕が高校生の頃なら、それは激論の対象になっても不思議ではないし、「それについて一度皆で話し合いたいから、時間を下さい」と言って社会科の時間を生徒が横取りしてしまう、といったこともありそうなので、そのあたりの“温度差”がずいぶんあるなという印象です)。

 一事が万事というわけで、だから色々な問題を、この際だから全体的な視野から見て、果たしてそれに意味と合理性はあるのかどうかということを問い直さないといけない。田中優さんの話が原発問題にとどまらず、色々な方向に広がるのも、全体的な視野から問題を見て対処しなければならない、というのが根本にあるからだろうと思います。

 政界はじめ、どこを見ても今の日本にはロクな人材がいないように思えますが、今回の原発事故がきっかけで、あれこれ調べてゆくうちに、それは間違いで、たんにマスコミによく出てくるような連中にロクなのがいないだけなのだということを、僕は理解しました。この田中優さんなども、その方面では別として、一般には知名度はかなり低いのではないでしょうか。げんに僕自身、こんな人がいるというのは今まで全く知りませんでした。彼はすぐれたアイディアマンで、実行力にも富んでいるので、「エネルギー担当大臣」か何かやってもらえば、劇的にこの社会は変わるのではないでしょうか。電力会社をはじめとする既得権益集団は猛烈に反対しそうですが、弁舌能力に長け、鼻っぱしらも強そうなので、彼ならそれに屈することもないでしょう。適材適所のよい人選であるように、僕には思われるのです。

 そういうわけで、ものは試しと思って、そのビデオをごらんになって下さい。これを書いている段階でまだ視聴者は2900人にとどまるので、すぐれた内容に見合わぬ低い視聴回数だと残念に思われるのです。
 最後に、「田中優の‘持続する志’」というブログ(公式ブログ?)から、八面六臂の活躍が窺われるそのプロフィールを引用しておきます。

●1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」 理事長、「日本国際ボランティアセンター」「足温ネット」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表を務める。現在、立教大学大学院、和光大学大学院、大東文化大学の非常勤講師。 著書(共著含む)に『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料はなぜ高い』『どうして郵貯がいけないの』(以上、北斗出版)、『非戦』(幻冬社)、『Eco・エコ省エネゲーム』『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』『戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法』『世界から貧しさをなくす30の方法』(以上、合同出版)、『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(岩波書店)『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』(扶桑社新書)『おカネで世界を変える30の方法』『天然住宅から社会を変える30の方法』(合同出版)『今すぐ考えよう地球温暖化! 1~3』(岩崎書店、子ども向け)『おカネが変われば世界が変わる』(コモンズ)『環境教育 善意の落とし穴』(大月書店)『ヤマダ電機で電気自動車(クルマ)を買おう』(ランダムハウス)『幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア』(河出書房新社)他多数。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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