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既視感のある展開

2020.11.05(15:52) 772

 昨夜までは「トランプ優位」と伝えられ、今朝起きてみると、「バイデン優位」に変わっていたので、驚いた人は少なくなかったでしょう。僕は「どっちもどっち」と思っていましたが、トランプのあの体を揺さぶりながらの唯我独尊丸出しの「勝利宣言」を見たときは不快きわまりなく、ヤフーのニュースサイトの「勝つのはどっちだと思う?」の投票にバイデンをクリックしてから寝た(その時点では33%ぐらいだった)のですが、ゆうべは悪い夢を見てしまい、やはりイカれたトランプの悪態をまた四年間見続けねばならないというのは無意識に相当な打撃だったのだと思われましたが、起きてコーヒーを沸かし、パソコンをつけると、何とバイデン優位に変わっていた!

 一瞬でなぜか気持ちがパッと明るくなったので、自分がどれほどトランプを嫌っていたか、あらためてよくわかったのですが、よく考えてみれば、あれだけ郵便投票(バイデン支持派が圧倒的に多いと見られていた)が多ければ、得票率はその後大きく変化して何の不思議もなかったわけです。

 これはこの前のあの大阪都構想のときと似ている。開票率が85%の時点で、かつ賛成派有利の状況で、NHKは「反対派多数確定」の速報を出して、「何で?」と思いましたが、その後の報道によると、反対多数が見込まれる区の開票が後回しになっていて、それがこれから始まって、結果はひっくり返されると、NHK報道局は判断したようだったので、今回のアメリカ大統領選の郵便投票の集計が後で出てくるのと似ていたわけです。

 トランプは、これも事前に予想されていたことですが、「郵便投票は不正が多く、無効である」と主張して、開票停止を申し立てると同時に、最高裁に訴えると息巻き始めました。バイデン票が増えるとわかっているからで、反対なら決してそういうことは言わず、逆の主張を展開していたはずで、ご都合主義の極みですが、面白いのは、大阪都構想を言い出した橋下徹が、「『郵便投票は大問題』と指摘し、『有権者の1票を幅広く集計しないといけないって言ってるけど選挙をやったことのある当事者としては大問題だと思っているので、トランプさんの気持ちがすっごい分かる』と、自身の経験も交えて持論を語った」(詳しくは次の記事参照)という話です。

橋下徹氏 郵便投票は大問題「トランプさんの気持ちがすっごい分かる」 米大統領選で持論

 これ、郵便投票に不正が多いという証拠は実際はほとんどない(かの池上彰先生もテレビの特番でそういう解説をしてました)のですが、あたかもそれが多いみたいな言い方ですよね? そこの州知事がトランプの息のかかった人物で、バイデン支持の票には不備が多いとか何とか難癖つけて全部無効にしてしまい、有利な票だけカウントしろと命令するなどしてトランプ側に有利な不正が多くなることはありうると思いますが、逆の可能性は少ないでしょう(何でも「左翼の陰謀」にするネトウヨは別として)。しかし、心情的にトランプ派の橋下氏は、「気持ちがすっごくわかる」わけです。トランプの気持ちというのは、「何が何でも負けたくないから自分に好都合な申し立ては、不正でも何でも全部したい」ということにすぎないのですが…。

 トランプの勝手な言い分に対して、COUNT EVERY VOTE(全部の票を数えろ)というプラカードを掲げたデモが起きているようですが、それはあたりまえの話で、そうするのが民主主義の鉄則です。スポーツの試合で、「このルールは今の自分には不都合だから変えろ」と途中で主張するのはクソのやることで、トランプの動機がその感情に発しているのは誰が見ても明らかです。郵便投票には「不正が多い」からではない。橋下徹は、しかし、「気持ちがすっごくわかる」らしいので、法やルールに対する彼の隠れたホンネがうっかり出てしまったものと僕には見えて、興味深かったのです。まさかトランプが「公正に対する思いがとくに強い」人間だと、彼は思っているわけではないでしょう?

 今回、いくらコロナ禍の中とはいえ、バイデン側が郵便投票を呼び掛けすぎたのはある意味で失敗で、だから途中経過が不利な展開になって、トランプに付け入るスキを与えたと言えます。僕はあの足元も頼りなげなバイデンに大統領の激務が務まるのか疑問に思っていて、今回のアメリカ大統領選は露骨な言い方をすれば、ソシオパスか認知症老人のどちらかを選べという酷な選択をアメリカ有権者に強いたものだったと思いますが、現職大統領の強みを失わせるほど、トランプの粗暴かつ身勝手な幼児人格はアメリカ人に不快なものと映っていたということです(今回は投票率も高く、バイデン票はオバマの得票数を抜いたという話。バイデンに人気はないので、これはいかに「トランプ嫌悪」票が多かったかを示すものです)。

 同時に行われた上下院選挙では、上院の共和党優位は崩れなかったそうで、民主党天下とはならない見込みですが、日本にとってバイデン政権が吉と出るか凶と出るかはまだわからず、「それは問題にもよる」ということのようです。トランプにとことん嫌われていた韓国の文政権はバイデンを歓迎するでしょうが、アメリカの対中国強硬姿勢はバイデンになってもそう変わらないと見られ、あの覇権主義が顕著な中国に対して中途半端な妥協をされては困りますが、全体としては国際協調路線がいくぶん復活しそうなので、EUあたりは少しほっとしているでしょう。

 にしても、一番心配なのはバイデンのリーダーシップや決断力、行動力で、民主党は“伝統的に”煮え切らないのが多い上に、バイデンはあの高齢です。僕の父親は庶民ながら決断力に富む人間でしたが、晩年、「年を取ると肝っ玉が小さくなっていかん」とよく嘆いていました。元々それに乏しい人だとなおさらなので、バイデンが群がり迫る多数の問題に明確な対応が取れず、迷走状態に陥って、そうしているうちに身内のスキャンダルが頻発して、トランプのように居直ることもできず、支持率がガタ落ちになって、やっぱり民主党は駄目だというので、「トランプ2.0」みたいな野蛮丸出しのデマゴーグが出てきて、それがトランプ・ロスの保守過激派のハートを射止めて、アメリカが一段とおかしな方向に行ってしまうのが一番こわいな、という感じです。

 第二次安倍政権は、それに先立つ民主党政権(とくにあのカンさん・ハトさんが痛かった)のおかげであれほど人気を集めたと言えるので、そうなったらまたしても「既視感のある光景」を見ることになってしまうわけです。そちらは勘弁してもらいたいなと、切に願う次第です。

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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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