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内憂外患の中でひたすら無能化する日本政治

2020.08.05(14:35) 743

 この頃だんだん政治方面のことを考えるのが億劫になってきました。問題がありすぎて、昔、小説家で詩人の富士正晴氏に『どうなとなれ』というタイトルの本がありましたが、あれに近い心境になってきたのです。このままではせいぜいもってあと二、三十年でしょう。「どうなとなれ」というのは、富士さんは徳島県の出身なので、あちらの方言なのかもしれませんが、「どうとでもなれ、ワシはもう知らんわ」というニュアンスの言葉です。

 今の日本はかなり異様な国に取り囲まれています。歴史をファンタジーと一緒くたにして、反日親北イデオロギー路線を驀進する文在寅の韓国に、そのお隣の核武装を進める最貧独裁国家、金正恩の北朝鮮、そしてあの「中国夢」(かつての「世界帝国」としての権勢と栄光、版図を取り戻すという)を掲げる「終身国家主席」習近平の中国です。中国人は実際的、実利的で、自己主張は強いが、無理筋は無理筋とよく弁えていて、落としどころをちゃんと心得ているので、ナルシシスティックな自画像と独善的なファンタジーに自己同一化してモンスター・クレイマーになりがちな韓国よりはずっとマシな交渉ができる国だと思われていましたが、最近は様子が違う。やることなすこと、韓国と北朝鮮を合わせたような独りよがりのゴリ押しが目立つのです。しかも、それを世界相手にやっている。習近平は傍迷惑な「世界制覇」妄想に“本気で”とりつかれているように見えます。自民党の二階のじさまなどは師匠の田中角栄時代で時計の針が止まっているので、そこらへんの変化がよく呑み込めていないのでしょう。

 これを要するに、「正気の国」が一つもないわけです。安倍政権はタカ派だったはずですが、いっときはモコモコ模型まで作って無駄に「北朝鮮の脅威」を煽りまくっていた(あのJアラートは笑えた)のに、今は支離滅裂なコロナ対応を重ねるだけで、それどころではないらしく、見た目にも「お疲れ」なのがわかります。マスクをあの給食係みたいな可愛いマスクから大型のものに変えた(しかし、こだわりの布製!)そうですが、三月時点では全く必要性のなかった学校全国一斉休校の要請までして、おかげで生徒の入れ替わりの時期を迎えていた塾商売なんかは大打撃を受けたのですが、感染が再び拡大するさなか、Go To トラベルキャンペーン(それも手続きがやたら煩瑣だという)なんか前倒しで始めて、そこだけ除外しても他が多くなっているのだから意味はないのに東京だけ除外して、しかし、お盆休みの帰省は、田舎の年寄りにコロナをうつす危険が高いから自粛するのが望ましい、みたいなことを言う。観光客が地元の人にうつして、田舎は年寄りが多いのだから、それが家族感染へとつながれば結局同じではないかと思いますが、何が何だか自分でも訳がわからなくなっているというのが実情でしょう。

 それで、最新の世論調査では、これはJNNのものですが、「安倍内閣の支持率は35.4%と最低を記録し」、不支持は62.2%で、「不支持率が6割を超えたのも初めて」なのだそうです。この支持もそのうち20%ほどは、「他に適当なのがいないから」という消極的支持にすぎず、6割以上が「もうやめてくれ」と言っているわけです。存在感ゼロの野党に助けられていることも大きいので、それでこれとはもはや完全な末期症状と言ってよい。次はヤフーのニュースサイトのものです。

JNN世論調査、内閣支持率35.4%で最低を記録

「(Go To トラベル)キャンペーンを使いたいと思うかについては、『使いたい』は19%にとどまり、『使いたいと思わない』が77%に達しました」というのも、痛すぎる結果です。アベノマスク、星野源コラボ動画に続く、KY対応第三弾の惨状です。

 最後の、

 敵からミサイルなどによる攻撃を受ける前に敵の基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」について、「保有すべきだ」と「保有すべきでない」との声は、それぞれ43%、41%と拮抗しています

 というのは、どういう文脈でこれを質問したのか知りませんが、おかしな国にばかり取り囲まれているせいで、国民の「国防意識」はそれなりに高まっているということなのでしょう。北朝鮮の核ミサイルだけではない、中国は尖閣周辺で露骨な示威行動を激化させていて、昔みたいに領有権論争はいったん棚上げなんて話ではなく、「明確なわが国の領土であり、問題は存在しない(従って、話し合いの余地などはない)」と言い切るまでになっているのです(お忘れの方が多いようですが、この件で中国に格好の口実を与えてしまうきっかけを作ったのは、右翼暴走老人、石原慎太郎の東京都知事時代の愚行でした)。南シナ海でやってることと同じ。香港の国家安全保障法強制施行に続いて、台湾にも高圧的な姿勢を取り、今の中国なら軍事行動もありうるのではないかと見られていますが、そうなって批判されても、「内政干渉だ!」と言うのが目に見えています。

 スパイ行為の度が過ぎて怒らせてしまったアメリカやオーストラリアだけでなく、英独も揃って中国への強い不信を表明していますが、すっかり“オレ様化”した中国は意に介する様子がなく、この五月にはフランスに対して、台湾に武器を売るなと「警告」するなどして、「オレ様の言うことが聞けんのか!」的な態度全開なのです。WHOのテドロス事務局長の母国、エチオピアは中国の援助にすがっていて、だから習近平の小間使いみたいなああいう態度になって、「WHOは中国の下部機関にすぎない」というので、国際機関としての信用を一気に失ったのですが、そういうふうにビンボーな国をたくさん手なずけているから、国の数だけでいえば「中国支持」は多く、斜陽の西洋先進国が何を言おうと、「おまえらもウチの市場がなければやっていけんだろうが」と居直って無事だと思っているのです。

 それで、今は北朝鮮以上に習近平の中国は危険だとみなされるようになった。国内では情報が徹底的に統制されていて、この前などは自国の豪雨による大洪水(他国では三峡ダム決壊のおそれがあると盛んに報じられた)のニュースより、日本の九州豪雨についてのニュースの方が多かったなんて笑い話みたいな記事もありましたが、自国民を怒らせかねないような不都合な情報は出ない(死者数も被災者数も、当局の発表よりはるかに多いはず)ので、中国人民が知っているのは戦時中の日本の「大本営発表」並の情報だけで、世界的に孤立を深めていることも、その本当の理由も、彼らは知らないのでしょう。あのウイグル人弾圧の非人間的な所業も、むろん一般には全く知らされていないのです。それで、あれやこれやが重なって世界の主だった国から総スカンを食うようになると、中国共産党流「愛国教育」も徹底しているようだし、「不当な非難に対しては断固として戦え!」という声が国民の間から澎湃(ほうはい)として起こって、サイコパスの毛沢東並に個人崇拝されたいと思っている習近平は、それに乗ってついに戦争へと踏み出す。それは可能性としては否定できないと、僕は思います。金正恩より習近平の方がこわい。

 あのヒトラーも「平和」だの「融和」だの、さんざ心にもない嘘を並べていたので、第一次世界大戦で「戦争疲れ」していた西洋各国首脳はそれを信じたかったのですが、裏で戦争準備を着々と進めており、ヴェルサイユ条約を破ってラインラントに進駐した。しかし、その時点ではフランスもイギリスも動かなかった。これが決定的なミスとなって、ヒトラーは「行ける!」と踏んだのです。習近平による「ラインラント進駐」は現時点ですでに複数あります(香港の「一国二制度」の約束破棄、南沙諸島の勝手な要塞化、尖閣諸島での暴挙など)が、彼はそれで緊張しつつ様子を見ているので、彼の「領土的野心」を甘く見ていると、世界はいずれ痛い目に遭うかもしれません。世界が「コロナ疲れ」している今はチャンスだと、彼が思っていないというのは希望的観測にすぎないでしょう。ヒトラーは死んだが、彼についていた悪霊は死んではいない。それは新たな「器」を見つけたのかもしれないのです。その全体主義的な国家システム、内部矛盾を大量にはらんだGDP世界第二位の成り上がり経済大国、彼の人物についての情報は乏しいが、多分に自己欺瞞的な独善的パーソナリティ、いずれも「悪霊が憑依する器」としては申し分なしなのです。

 むろん、だから中国相手に戦争を仕掛けろ、と言うのではありません。おかしいことはおかしいと言い続けて、中国への経済的な依存度が高いという理由で黙認したりはしないことです。何か言うとすぐ中国政府は報復に出ますが、「それなら協力して中国抜きの経済圏を作ろう」という動きが活発化するのが習近平にとっては一番痛い。日本政府も、「どうも最近貴国のふるまいは承服できない点が多いので、コロナがどうあれ訪日はしばらく見合わせていただきたい。国賓待遇なんて、今は到底できかねます」とはっきり言った方がいいでしょう。犯罪的な人権蹂躙や弾圧を平然としてやり、むやみとスパイをあちこちに送り込んで各種の機密情報を盗み取ろうとするような「道義なき国家」とはおつきあいしかねるという態度を先進国が協調して取れば、経済的にも行き詰まって、いくら情報統制を強いたところで、中国人民の間に「ダメ皇帝」のうわさは広がる。それが習近平にとっては最大の恐怖でしょう。その方向です。

 他にも北朝鮮に韓国と、ややこしい国ばかりで、昨日8/4は、韓国裁判所での徴用工判決による現金化手続きが可能になる日だったそうで、だいぶ前からニュースになっていましたが、実行されたとして、それに対して日本が報復措置を取れば、また「反日キャンペーン」が荒れ狂うことになるのは確実と見られています。文政権は1965年の日韓協定も、2015年の慰安婦合意も一方的に反故にした。元弁護士大統領が国際法も知らないというのは驚くべきこと(尤も、彼の師匠の廬武鉉も似たようなものだった)ですが、それが韓国内で支持されるのは日韓請求権協定も慰安婦合意も、その内容を韓国民の大部分は知らないか、歪めて伝えられているからで、慰安婦合意の中身など、この前の挺対協(現・正義連)の前代表、尹美香スキャンダルではからずも暴露されましたが、元慰安婦自身が知らなかったのです(彼女らが挺対協から聞かされたのは、それが「憎むべきごまかし」だという話だけ)。

 こういうのは韓国政府が自分に都合のいい話だけして、メディアも報じないからですが、どうしてそうなるのかといえば、彼らが国民に施してきた歴史教育が実証主義的なそれとはほど遠い、ナルシシスティックな反日イデオロギーで脚色された「歴史もどき」だからです。どこの国でも身びいきは免れないとはいえ、韓国のそれは自由主義国の中では例外的なほどの「独善史観」で、周辺国から見ると「よく言うよ」と笑うしかないような話が大量に含まれていて、かの国の歴史教育は近代以降が中心だそうですが、「反日」記述は一貫していて、そこには大量の虚偽が含まれている。文政権になってから朴正熙時代の「漢江の奇跡」(そこでは日韓協定に基づく賠償金が大きくものを言った)まで教科書から削られるようになったそうですが、以前から、とくに日本に「併合」された経緯やその後の記述がひどかった。事実その通りだったのなら仕方ありませんが、そうではないので、文政権になってから「一体何でここまでひどくなるのか?」と疑問に思う日本人が増えて、韓国のことを勉強する人が多くなり、「こんな嘘まで教えているのか!」と初めてそれを知ってショックを受けたという人は少なくないのです。今の韓国では歴史は願望によってつくられるもので、資料も、事実解明ではなく、願望充足の材料として探し求められ、それに適したものがなければ捏造するのです。それがバレても「愛国反日」の情熱によるものとされ、咎め立てされることはない。逆に不都合な資料を発掘して異説を唱えると「親日」のとがで罰せられるのです(韓国の「国際アピール」はすごいので、「中立」を旨とする西洋諸国や国際機関でも韓国側の主張をベースに「理解」が形成され、日本に不利になっていることが多い)。

 いくら民間交流が増えても、韓国の若者は「今の日本人は昔とは違う」と思うだけで、学校で教わったその「昔」が虚偽で塗り込められたものだったとは思わないので、根本的な解決にはならない。他方、美化された李氏朝鮮500年のおぞましい両班政治の実態についてはよく知らないので、今の韓国社会の支配層の二枚舌や門閥主義、独善的な排他性、私腹を肥やすために権力を悪用するのが常態化していることなど、いずれも昔の両班たちのメンタリティそのままであることには気づかないのです。無責任・無定見な事大主義外交も、それが近隣諸国を巻き込んで深刻なトラブルに発展したことも「歴史的事実」ですが、まともな歴史を教えないために、過去の失敗に学ぶことがなく、同じことを繰り返すのです。

 そこが変わらないことには「日韓の和解」などありえない。文在寅の言う「未来志向の韓日関係」なるものは、彼の反日左翼イデオロギーに基づく勝手な過去の歴史解釈を日本が丸呑みにすることを前提条件としたもの(日韓協定や慰安婦合意の実質的破棄もそこから出ている)なので、成立するわけはないのです。

 だから当分は「解決するわけはない」ということを前提に、韓国とはおつきあいするしかない。北朝鮮や韓国の難癖はいわば「いつものパターン」で、日本人もそれには慣れてきたので、また「反日キャンペーン」が行われても、過剰に反応することはないでしょう。その“新機軸”を楽しむぐらいのゆとりをもつことです。挺対協などは、その政治的思惑から慰安婦のおばあさんたちが日本からの補償金(アジア女性基金や、この前の慰安婦合意に基づくそれ)を受け取ることを必死に妨害してきたわけですが、それについての歴史的審判が下る日はいずれやってくるでしょう。ああいう虚偽に満ちた歪んだ歴史教育(それは現実遊離の独善性を強化し、パーソナリティ形成に深刻かつ有害な影響を及ぼす)が永遠に続くとは思えないので。

 いい加減話を日本に戻すと、周辺国のそうした動きとは別個に、これからの国の舵取りは大変です。コロナでのグダグダ対応がこのままずっと続き、コロナ倒産が増えて、個人と地域両方の経済格差がさらに広がって、経済全体が縮小したところで、人口ボリュームの最も多い団塊の世代(狭義では1947~49年生まれの人たちを指し、この3年間で合計806万人いるとされますが、50年生まれでもまだ200万を超えている。ちなみに2019年の出生者数は86万4000人でしかない)が2年後から後期高齢者入りし始め、今でさえほとんどパンク状態なのに、医療費、介護費、年金費用などがさらにかさむ、という時代がやってくるわけです。それが当分の間続く。これは歴史上かつて日本人が経験したことのない事態です。そこに大地震でも重なると大変なことになりかねませんが、その可能性もまた高いのです。

 それでなくても生産者人口は減り続けているのに、日本の労働生産性は先進国の中で最も低い部類だというのだから、このままでは国がもたない。健康保険料なども税金にカウントすると、日本の税制からしてとくに独身者にきついと思われますが、収入の5割は税金でもって行かれるようになるでしょう(北欧のような老後保障はないまま)。年寄りがいくら増えても消費は大して増えませんが、消費欲旺盛な勤労者世帯の収入が減って、経済は縮小の一途を辿るということになり、いずれ日本は貧しい国の仲間入りを果たすことになるでしょう。子育ての余力はさらに減るから、少子化もさらに進んで、世代間の軋轢も激しくなる。老人は敬慕の対象ではなく、憎悪の対象になる。高度経済成長時代のそれとは反対の人口構成が災いするのです。長寿化が完全にアダになる。この前のマガブロ記事でも触れましたが、人間が「健康寿命」を超えて生きても、いいことは何もないのです。

 こういう人口構成の変化などは予測可能な事柄に属するので、日本経済が元気なうちに手を打っておけばまだよかったのですが、それを政治家も官僚たちも先延ばしにして、何もしなかったのです。年金制度などは今から四十年も前、僕がまだ二十代の頃に「破綻は必至」と言われていたのです(だからそんなものアテにはならないということで、未納者も増えた)。その当時なら、まだ打てる手はいくつもあった。しかし、何もしなかったのです。医療費の天井知らずの高騰も久しい以前から予測されていた。こちらも何もせず、小手先の制度いじりだけに終始して、かかる窮状に立ち至ったのです。

 内憂外患とはまさにこのことで、地球温暖化による異常気象、自然災害の激増もこれに重なるし、いっぺんに色々なことが襲いかかって、今も見たとおり、今回のコロナ禍はその序章にすぎず、「これからが本番」なのです。むろん、少子高齢化は日本だけの問題ではない。韓国など、出生率がついに1.0を切ってしまった。三十五年にもわたって一人っ子政策を続けた中国もいずれ日本と同じ運命で、社会保障整備が追いつかず、極端な貧富の差を残したままこれから急激にそれが進むから、その結果はさらに悲惨なものとなるでしょう。

 地球温暖化、環境破壊、生物大量絶滅のツケは平等に回ってくるから、世界全体が危地に陥るのです。大昔の栄華を誇った文明と同じ運命を辿る。今の文明が過去のそうした文明と違うのは、かつてのそれは地球全体から見ればローカルな文明にすぎなかったことです。しかし、今はグローバルだから、局地的な崩壊だけでは済まない。貧すりゃ鈍するで国際紛争の類も増えるだろうから、「核兵器の誘惑」に屈する核保有国が出てきて、核を撃ち合ってジ・エンドになる可能性はかなり高い。生き残った方がさらに悲惨で、放射能の後遺症に苦しんだ挙句死ぬことになるのです。

 かつて、アメリカとソ連の東西冷戦の時代には「核戦争の脅威」がよく語られました。それでヨーロッパの先進国では、子供を作らないカップルが増えた、なんて言われていたものです。その当時と較べて核戦争の危険が減ったわけではない(しばらく前に、仲の悪いインドとパキスタンの軍事正面衝突――核戦争――が起きた場合の「地球的惨事」についての記事が出ていました)。他の「危険」が増えすぎたので、それにかまけて注目度が減っただけなのです。今は米中冷戦の時代に入りかけていて、当時のソ連より中国が「理性的」だとは言えないのは冒頭見たとおりです。

 むろん、核戦争が起きなくても見通しは十分暗い。それで、この来たるべき艱難を今の文明は、人類はどうやって乗り越えるのか? これまでの経緯から判断すると、目先の弥縫(びほう)策だけ重ねて問題を先送りし、事態をさらに悪化させるだけに終わりかねない。その先に「人類最後の日」が待ち構えているのです。それは完全な「未知の領域」なので、僕らの想像力が追いつかないというだけの話。

 僕は団塊の世代より少し後の世代ですが、昔の基準からすればもう十分生きたので、だから年寄りは死んでいいと言うのではむろんありませんが(いくら僕でもそこまでは言わない)、別に今死んでもそれほど名残惜しくはない。生きているとこういうふうに鬱陶しいことばかり気になるので、何もいいことはないなと思うほどですが、子供や若者、これから生まれてくるであろう世代にはそれは酷な話です。だから何とかしないといけないなといつも思うのですが、地位も権力もカネもない身では、こんなことを書いて問題を指摘するのがせいいっぱいなのです。

 突拍子もないことを言うようですが、宇宙人、ETたちはだいぶ前からこうした状況を憂慮しているようです。今編集者にその原稿を預けている、今度出る予定の訳本は、「人類の現状」に対する「深い懸念」で溢れていると言ってよい。エイリアン、アブダクティ(宇宙人に誘拐されたことがある人)、著者、いずれも「このままではまずい」と思っていて、それを必死に警告しているのです。だから僕はこの本を日本の読者に紹介しておきたいと思ったので、そのあたり、かなり真面目な動機によるのです。

 UFOは以前から核実験場や核兵器を収納した基地周辺で目撃されることが多かった(当然、目撃者にも軍人が多い)というのはこの界隈では有名な話なのですが、それに劣らず生態系の破壊にも彼らは大きな関心を示していて、だからアブダクティたちに「環境教育」を施したりするのです。また、彼らは人類の党派根性や利己性を奇異なものと思うらしく、自分の本性を理解しない未熟な生物とみなしている。彼らは別に神ではありませんが、アブダクティの多くは彼らを「人間より源泉に近い」ところにいる存在と理解している。例のハイブリッド(エイリアンと人間の混血児)にしても、その理由は定かではありませんが、エイリアンにとってはヒトという生物はいてもらう必要があるようで、このままでは人類は滅亡してしまうから、それに備えてスペアを用意しておく必要に迫られてやっているのではないかという感じです(著者はそれがどんな「次元」での話かわからないとしていますが、仮に現実にそんなものが作れるとするなら、エイリアンとヒトには遺伝子的適合性があるということになり、それは人類の起源に関するSF的なある憶測を可能にするものとなります)。

 冷戦時代、アメリカなどには「宇宙人が助けにやってきてくれる」と信じるUFOカルトまで存在しましたが、そういう他力本願をエイリアンたち(この場合はもちろん善玉)は好まないようで、彼らは人間の「自由意志」を尊重するので、その種の「介入」を期待するのは無駄でしょう。彼らの介入の仕方は人間の意識革命を促進するような性質のもので、それは理にかなったものと思われるのですが、僕に憂鬱なのは、そういうものが進んでいるとは残念ながらあまり思えないことです。

 人間が切実感をもって自分が自然の一部なのだという感覚を取り戻し、人間社会内部においても、利己的な自己保身や権力拡張に走るのではなく、個の自立に基づく真の協力、連帯を志向するようになれば、多くの問題が解決に向かい、文明の性質自体が大きく変化するでしょう。それなら未来にまだ希望はある。困難に伴う痛みは避けられないが、それを共有、分担することによって乗り越えることが可能になるかもしれない。甚だ抽象的ですが、それを現実に適用すれば、個々の問題解決の道筋も見えてくるはずです。

 しかし、それとは逆の方向に向かう可能性も同じほどあるので、全体主義的な国家の勢力拡大や、偏狭な排外的ナショナリズムの流行、経済危機の中での利己的・保身的な個人の行動など、そうした動きも顕著に見られるのです。今の日本ではコロナ感染者に対する低劣な誹謗中傷なども苛烈になっているそうで、そういうのがSNSを通じて拡散したりするのです。そういうことをする手合いはこの先生きていても災いになるだけだから、逆にコロナ感染で重症化して死ねば、世の中はもう少しよくなるのではないかと皮肉の一つも言いたくなりますが、これからの時代はそうした人間が隠し持っていた善悪がわかりやすいかたちで可視化する時代になるでしょう。それはいちがいに悪いとは言えない。人の正体が外に表われやすくなって、ごまかしが利かなくなってくるということなのだから。

 最後に、日本の政治について言えば、先に見たように、社会は問題山積の状況に置かれているわけです。目先の票稼ぎに腐心するようないい加減な政策の連続では、政治不信は拡大するばかりで、野党も政府の政策に難癖つけるだけでは支持は得られない。世の中にはそれぞれの方面にすぐれた見識をもつ人がいくらもいるでしょう。政治家の仕事はそういう人たちのアイディアを吸収して、大きな将来ヴィジョンのもと、個々の案を組織化して具体的な政策としてまとめ、予算の裏付けを与えて実行していくことにあるのではないかと思いますが、そういう大きな将来見通しに立って国民に説得力のある話ができる有能な政治家、今はいないんでしょうかね? バラ色の未来が待ち受けてはいないことぐらい、国民は十分承知しています。それをどうやって切り抜けるのかという話を一番聞きたいのに、そういう全体的視野に立つまとまった議論ができる政治家がほとんどいないのです。国民はそれなりに危機感をもっているから、これまでの常識を覆すような話でも、耳を傾けると思いますが、一番頭が古くて危機感に乏しいのが政治家たちのように見えるので、社会は停滞したまま沈んでゆくのです。それではただの税金泥棒にすぎない。いつまでこういうことをやっているのかなと思います。
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