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安倍政権という欺瞞ウイルスの破壊力

2020.05.24(21:38) 726

 グーグルのニュースサイトに次のような記事、というよりYoutubeのニュース映像が出ていました。TBSは最近ここを利用するようになったようです。

【サンデーモーニング】2020年5月24日放送 黒板解説「黒川検事長 定年延長問題」解説:青木理

 わかりやすく、話はよくまとまっている。「これは森友問題の構図と全く同じだな」と思いながら見ていたら、後半でちゃんとその話もして、用意周到です。

 この黒川、森友問題に限らず、あの桜を見る会の問題にしても、意図不明のいい加減きわまりない憲法改正案にしても、いわゆる出口戦略の全くない「異次元の金融緩和」をベースとするアベノミクスにしても、東北大震災、福島原発事故への対応に注力すべきだという反対を押し切って招致した東京オリンピックにしても、彼が“提唱”または進めようとしたものでまともなものが何かあったのかと考えてみると、ほとんど何もなかったことに今さらながら驚かされます。彼はアベノミクスの成果を強調するために、お仲間と組み、役人に命じてデータの粉飾や組替えも好き勝手にやったのですが、実質的には景気は全くよくならなかった。株価を上げるための円安誘導と、日銀による大量買入れ(おかげで株式市場は透明性を失い、経済指標としての意味を失った)を行ない、円安で食品材料など輸入品が高くなったので、物価は実質的に上がったが、円安で潤った輸出企業も内部留保を増やしただけで、人件費には回さず、非正規がむやみやたらと増えて、実質賃金は下がり、購買力が落ちたので、景気がよくなるわけはなかった。むろん、経済格差はさらに広がった。教育についてもいらざる改悪(あの文科相をやっていた下村のアホは今何をやっているのか?)に精出し、他方で学問研究費は削った(このままではノーベル賞受賞者などは一人もいなくなるだろうと言われる)。医療費も同じで、高齢化のため青天井で上がり続ける医療費はたしかに大問題だが、感染症対策など、重要な部分も削ってしまい、それが今回の新型コロナ対応では大きなマイナスになっているのだという。赤字国債も増え続け、安倍政権はそれを日銀に買い取らせたので、その国債保有残高は空前のレベルに達した。日銀は輪転機を回して大量の新札を市中に放出し続けたが、インフレ期待→景気の活性化という目論見は成功せず、何のためにそんなことをしているのか、もはや誰にもわからなくなってしまった。経済面では安倍は有能だったというのも安倍応援団が作った嘘で、最低の国家経営能力しか、この政権はもたなかったということです。

 この前も書きましたが、この政権の最大の負の遺産は社会の広い領域にモラル・ハザードをひき起こしたことです。権力をもつ者が自分やお仲間の利害や己れのケチな自尊心のために嘘を連発し、好き放題やっても許されるのだという。犯罪も、身内のそれは罪にならず、敵のそれなら罪に問うのです。邪魔な相手は人格を貶めるような情報をリークして、信用を破壊しようと画策することさえある(政権に盾ついた前文科省事務次官、前川喜平氏の場合のように)。それでいて、愚劣な安倍ヨイショ本を二冊も書いた元TBS・ワシントン支局長の山口敬之が伊藤詩織さんからの性的暴行の告発で逮捕されそうになったときは、すばやく警察に手を回してそれを阻止したのです。当然ながら、お友達の政治家となると、その保護はさらに手厚くなる。下村の真っ黒けの不正献金疑惑、甘利の斡旋利得罪など、安倍のおかげで救われたのが何人もいるわけです。検察を手なずけておかなければならない理由もよくわかる。

 こんなことを言うと親韓左翼の人たちには不快な顔をされそうですが、そのあたり韓国の「ナロナムブル」政治と全く同じレベルになってしまった。実に、安倍政権こそ韓国政治の模倣者であり、追随者であると、韓国はなぜ自慢しないのでしょう? これほどまでに「韓国に近い」政権はこれまで存在しなかったのです。

 最新の毎日新聞の世論調査では、支持率は過去最低の27%になったという話ですが、これは黒川問題とコロナの無能対応のためで、ほとぼりが冷めれば、健忘症の日本人を欺くことはたやすいと、この政権はまだ考えているかもしれません。一部のネトウヨや極右の論客はこの期に至ってもまだ安倍政権擁護の珍妙な屁理屈を垂れていますが、無理なこじつけが多くなりすぎて、耳を貸す人が大幅に減っているのは、お気の毒と言う他ない。

 笑えるのは、黒川問題に関連して、次のような記事が出ていることです。

黒川氏の麻雀は非違行為に該当 東京高検作成資料で明らか

<品位と誇りを胸に 今一度見つめなおそう 自分の行動と職場の風土>

「東京高等検察庁非違行為等防止対策地域委員会」が作成したものだという話ですが、僕はこれを見て、学校の人権週間の標語を思い出してしまいました。学校というところは、むやみとこの手の標語が好きなものです。しかし、これは子供ではなく、いい齢をしたオッサンたちに向かって語りかけられているのです。記事はこう続きます。

 資料の冒頭には<国民の期待と信頼に応えるよう一層気を引き締めて非違行為等の防止に万全を期してください>とあり、法務官僚や検察官が行ってはならない事例や具体例が示されている。
 例えば<第2 服務規律>では、<信用失墜行為については、刑事罰の対象となる事案が多く、そのほとんどは刑事罰に加え免職などの懲戒処分を受けることになります>とあり、信用失墜行為の代表例としてこうある。
<勤務時間外の交通違反・事故、麻雀等の常習賭博、わいせつ行為等の犯罪行為>
 要するに黒川氏の賭けマージャンは<わいせつ行為>と並ぶ重大な信用失墜行為であり、本来は免職や懲戒処分が相当なのだ。そして、<第3 国家公務員倫理法、同倫理規定>では、<利害関係者とみなす者>として<マスコミ関係者>が挙げられ、<利害関係者から、無償で役務の提供を受けてはならない ※「無償で役務の提供を受ける」とは、ハイヤーによる送迎の受けることがこれに該当します>とある。


 これを見ると、黒川氏の賭け麻雀や「ハイヤーによる送迎」はモロにこの規定に抵触するわけです。しかし、「東京高等検察庁」トップの黒川検事長は、「そのほとんどは刑事罰に加え免職などの懲戒処分を受けることになります」とあるにもかかわらず、「訓告」という処罰と言うにはあまりに軽すぎる措置の上で、退職金を満額もらってやめることになったのです。

 こういうのは、子供たちに「いじめの悪」や「思いやりの大切さ」についてお説教しながら、教師間で執拗かつ低劣ないじめを行なっていたあの神戸の公立学校の教師たちとも相通じるものがありますが、たとえて言うなら、「清く正しい生活」を説く中学か高校の校長が、平日の昼間、泥酔の上、校長室で生徒に性行為を迫っていたのと同じくらいのインパクトがありそうです。下の者は規則やモラルを遵守しなければならないが、トップはそれを免除されるのです。究極のモラル・ハザード。

 僕の弟は、かつて国税関係の役人をしていました。国税専門官というのをやっていたのです。こっけいだったのは、母親が不良の長男の行いを心配していて、まっとうな職につけ、税金はきちんと払え、つまらないことに腹を立てて暴行事件など起こして警察沙汰になるようなことは厳に慎めと、くどく僕に言って寄越したことです。とばっちりを受けて弟がクビになっては困るからだという。最初の件は別として、第二、第三については濡れ衣もいいところで、思い当たるフシは全くない。そもそもの話、兄と弟は別人格なのだから、別にこちらがどうでもそんなことにはならないだろうと言いましたが、おまえは世の中を知らないからそんな無責任なことを言うので、品行のよろしくない兄のために真面目な弟が失職するようなことがあっては世間にも顔向けできないと言う(弟に公務員になるよう熱心に勧めたのは僕で、そうすれば両親も喜んで、自分に対する風当たりがいくらか弱まるだろうと期待したのですが、今度はそう言って責められるとは想定していませんでした)。

 その弟にかつて聞いた話ですが、盆暮れには不可解な贈答品がいくつも届くので、それを送り返すのに余分なカネがかかるという話でした。大した肩書でもない者にまでそれが届くのだから、上は推して知るべしですが、彼は堅苦しい人間ではなく、ほどほどに人情味があって、杓子定規の対応をする人間ではなかったものの、そういうけじめははっきりしていたので、相手もそれがわかると送って寄越さなくなるという話でした。彼は酒も飲まなかったので、接待も利かない。「役得」と言いますが、公務員は程度の差こそあれ、そういう誘惑にはつねにさらされているのです。昔、ある地裁の判事が休みの日にパチンコを打っていたところ、その日はなぜかよく出るので喜んでいたら、そこの店主が愛想笑いを浮かべて挨拶にやってきた。その店主は係争中の民事事件に関係していることがその時点でわかり、すっかり興ざめになってあわてて店を出たという話でしたが、全く油断も隙もないと、その判事は嘆いたそうです。監視カメラを見て、店主はその判事の姿に気づき、台を裏から遠隔操作してよく出るようにしていたのです。

 麻雀好きの黒川氏の場合、新聞記者相手に負けることは少なかったでしょう。それは彼の腕がよかったからではないので、勝たせるように、少なくとも大きな負けにはならないように相手が手心を加えてくれるからです。ハイヤーの無料送迎にも、彼は慣れてしまっていた。その程度の役得は当然だと、抵抗感をもたなくなっていたのでしょう。それはそれ自体としては「小さな不正」だが、それが「大きな不正」につながりかねないものであるのは、高い道徳心をもつ人間にはわかる。安倍官邸は彼のその弱点をよく見抜いていた。邪悪な人間はそのあたり、非常にさといものだからです。彼が検事総長にならなかったのは日本社会にとって幸いなことでした(安倍政権はアベノミクスの何本目の矢か知りませんが、「IR推進法」という素晴らしいカジノ法案を成立させたので、退職金は海外ではなく、日本に開設予定の、横浜か大阪のカジノで気前よく使って下さるよう、皆で黒川氏にお願いしましょう。7千万あれば、一年ぐらいは遊べるかも)。
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