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これでトランプも終わりか?

2020.04.21(12:29) 713

 ウイルスは突然変異のスピードも速いので、いま世界で流行している新型コロナもアジアとヨーロッパでは型が違うそうですが、アメリカでは次の記事にもあるように、感染者74万人、死者4万人を超えるという悲惨なことになっているようです(当然、まだこれで終わりではない)。日本の場合には、基本的に重篤な症状の感染者と、それに対する濃厚接触者しか検査をしていないので、相変わらず実数は把握できないままなので、確認されているよりずっと多いはずですが、それでもそこまで悲惨なことにはなっていない。これは“アジア型”の方がウイルスの性質が“温厚”なせいなのかも知れず、今後の解明が待たれますが、アメリカの場合には「トランプによる人災」の側面が強くて、“トランプ流”のいい加減な対応がかかる事態を招いたと非難されているようです。それは大統領選にも大きな影響を及ぼすだろうということで、アメリカはコロナ禍のおかげで「トランプの悪夢」からは解放されることになるかもしれない。

米国を悲惨なコロナ感染国にしたトランプ大統領「再選」の可能性

 最初に指摘されている、トランプの科学や医療福祉軽視は、日本もかなりの程度共通していると言えるので、それは次のような記事を見てもわかります。

医療従事者の「悲痛すぎる声」が映す崩壊の現実

 最後のページにはこう書かれています。

 パンデミックの際に感染防止の最前線となる医療現場に対し、厚生労働省はずっと“合理化”を求めてきた。2019年9月には、地域医療構想推進を名目に「具体的対応方針の再検証を要請する」として、424の公立・公的病院名を公表した。多くの医療関係者はこれを「再編・統合の示唆」と受け止めている。2020年1月には追加・修正があり、対象病院数は約440に膨らんだ。労組側によると、対象として名指しされた病院の中には、新型コロナウイルスのような感染症に対応する「感染症指定病院」が24病院も含まれているという。

「考え方として、国立の病院は(緊急時の対応として)あれやこれをやりなさい、と命じられる。独立行政法人として、ちゃんと役割を果たせ、みたいなことを言われるんです。例えば、北朝鮮からミサイルが飛んできたときはこう、大地震が来たらこう、とか。ところが、それにつながる財政的な裏付けはなく、ずっと(予算を)切られてきた」


 こういうのは、この前の記事でも書いた、安倍の有害かつ役立たずの「官邸官僚」の一人でもある、和泉洋人首相補佐官が“愛人”の厚労省大臣官房審議官を伴って、観光旅行がてら、「京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授に、研究予算打ち切りの最後通牒を突きつけに行っていた」という文春スクープのあの事件ともつながってくるのですが、文科省も、国立大を独立行政法人化して以降、予算を削りに削って、「このままでは日本からノーベル賞受賞者は一人も出なくなってしまうだろう」と言われるほどの科学・学問研究現場の窮状を作り出しているのと軌を一にしているわけです。そしてこうしたことの背景には、財務省の「削れるものは何でも削れ!」という姿勢がある。

 しかし、そういうことをとやかく言い始めると話が長くなるので、トランプに話を戻しましょう。無為無策のトランプのせいで状況は一気に悪化した。

 3月31日の会見ではそれまでの考えを改め、「新型コロナは季節性インフルエンザより断然リスクが高い」と述べ、「この流行で10万人から24万人もの米国人が死亡する恐れがある」と警鐘を鳴らした。
 それにしても「ウイルスはすぐに消えてなくなる」と言った舌の根も乾かないうちに「最大24万人の死者」とは、驚くべき変わり様である。大統領の発言や対応がこれだけコロコロ変わっては、国民は何を信じたらよいのかわからなくなってしまうだろう。最近の世論調査で、米国人の約6割が「大統領の言うことを信頼できない」と答えていることもうなずける。


 前回紹介した記事にもあったように、世界の主要国でコロナで支持率を下げたのは安倍首相ただ一人で、トランプも少しは支持率を上げたのですが、それがごく僅かなものであったのは、こういうのが関係しているわけです。

「彼(トランプ氏)は思いやりと共感性を示すことができません。この2つの価値観を持ち合わせていないのでしょう。コロナ危機は彼がずっと言い続けてきた“タフな指導者である”ことを示すチャンスでしたが、結局、何をしましたか? 見事に失敗しました」

 というあたり、(トランプ氏)を(安倍氏)に変えてもそのまま違和感なく通りそうですが、民主党はバイデンに一本化され、信頼感のアピールに成功しつつあるので、

「トランプ大統領の支持率の低さと相まって景気後退となれば、再選は非常に難しくなるでしょう。特に大不況ともなれば、大統領の支持率はさらに低下し、民主党候補が地滑り的な勝利を収める可能性もあります」(アルジャジーラ、2020年3月20日)

 という見立てが成り立つ、というのがこの記事の主旨です(何度も引用が出てくるガーディアンはイギリスの新聞――あのブッシュ・ジュニア当選の時も、その不正な集計を暴く記事を載せたのはガーディアンで、しかし、アメリカの新聞はそれに同調しなかったので、そのままになってしまった――なので、アメリカの新聞でそういうところが十分報じられているのかという疑問はちょっとありますが)。日本の場合、野党は四分五裂したままで、とくに立憲民主党の不人気が著しいので、野党に政権が移る可能性はなさそうですが、「安倍退陣」は確実だろうと見られるので、トランプ退陣となればなおさら、トランプとの仲の良さをアピールしてきた安倍には出番がなくなる。政権が民主党に変われば、かえってそれはマイナスになるのです(安倍はオバマとも全く合わなかった)。

 ちなみに、トランプの滅茶苦茶ぶりは、次のような記事にもよく出ています。

コロナ抗議デモ拡大、トランプが反抗をけしかけ「ミシガンを解放せよ」

 アメリカの一部の州では、新型コロナウイルス感染抑止のための「自宅隔離」や「外出禁止」などの厳しい措置に対する抗議デモが広がっている。そしてドナルド・トランプ大統領がそれをけしかけている、とメリーランド州のラリー・ホーガン知事(共和党)は批判した。

 というのですが、

 一刻も早く感染抑止措置を解除しアメリカ経済を再起動したいトランプは17日、「ウイルスより失業が怖い」と、マスクも社会的距離を確保することもせずにデモを行う人々に対し、「ミネソタを解放しろ」、「ミシガンを解放しろ」、「バージニアを解放しろ」と連続で応援のツイートをした。
「多くの抗議デモが行われ、知事たちはうろたえただろう」と、トランプは後に語った。「他人にああしろこうしろと命令される必要がない人間もたくさんいるのだ」


 ここまで来ると、誰しも唖然とせざるを得ないので、完全な狂人です。彼は元々 mob(暴徒・群衆)の代表として登場し、機能不全に陥ったアメリカ政治を背景に不幸にして大統領に当選してしまった男ですが、その下劣さ、醜悪さが全開になってしまったのです。たしかにこれでは、よほどのことがないかぎり再選は難しい。

 ついでながら、トランプはWHOへの拠出金も出さないと言い出し、それは中国べったりで公平性も何もない、あの人相からして卑しげなテドロス事務局長に対する感情的怒りの表明としてはよくわかりますが、コロナが武漢のウイルス研究所から出た疑いがあるので、それを調べさせると言っているのも、感情的八つ当たりの側面があるのでしょう。

 僕も、前に書いたように、あれは管理が杜撰な武漢のウイルス研究所から漏出した疑いがあると今でも思っていますが、そういうのは専門家の調査に任せるとして、中国はこれに激しく反発し、最近は「これは使える!」と思ったのか、エイズのことまで持ち出すようになっています。

【北京時事】中国外務省の耿爽副報道局長は20日の記者会見で、トランプ米大統領が新型コロナウイルスの拡散で中国政府の責任を問う構えを見せていることについて、「エイズは最初に米国で発見されたが、米国に責任を追及した者はいるのか」と反論した。
 耿氏は2009年に北米から世界的に流行した新型インフルエンザにも言及し、「米国は誰かに賠償したのか」と強調。その上で「中国もウイルスの攻撃を受けた被害者であり、加害者ではない」と語った。


 しかし、中国政府は世界から全く信用されていない。データが疑わしいと言われ続けて、たまらず武漢の死者数を1.5倍に「修正」したが、「ほんとはもっとずっと多いだろう」と思われているし、事態を認識してからも一週間も情報を隠蔽して封鎖措置を取らず、封鎖の際も時間的余裕を与えて500万もの市民の脱出を許し、世界中にコロナを拡散させた責任はどうなのだと、情報が自由に流通する国ではふつうに思われている(中国の情報統制は北朝鮮並で、ひどすぎる)。そういうことをやっておいて、後で「うちの見事なやり方を見習いなさい。これからはわが国が援助して助けてあげましょう」と胸を張っても、「おまえが言うな」と言われるのは当然なのです。だから、

【ベルリンAFP時事】ドイツのメルケル首相は20日、新型コロナウイルスについて「最初の話から中国がもう少し透明性を持ってくれていたら、この問題を学ぶ上で全世界の人々にとって、もう少し良い結果になっていたと思う」と述べた。ベルリンで記者会見して語った。

 ということになるので、フランスのマクロン大統領も、自身がコロナに感染したイギリスのジョンソン首相も、「中国政府の言うことは信用できない」と口を揃える羽目になったのです。こうした中国不信は、コロナ終息後の国際的な経済関係にも深刻な影を落とすことになるでしょう。それが習近平政権の屋台骨を揺るがす可能性もある。

 結局このあと、どういうことになるのか? 終息のめどはまだ全く立っておらず、「100年に一度の危機」になることはたしかで、どんどん悪化する経済を背景に、隠れていた相互不信が露わになって、国際政治的にも一触即発の危険がもたらされる可能性が大です。「雨降って地固まる」で、それがおかしな政治指導者の追放につながって、まともな政権担当者が増えてくれればいいが、政情不安定は無責任なデマゴークが跳梁跋扈する温床となることが多いので、下手をすると事態を一層悪化させることにもなりかねない。一般有権者の民度と良識、成熟度が問われることになりそうです。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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