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この国はどこに行こうとしているのか?

2020.04.07(14:48) 709

 コロナの影響はやはり大きい。個人的な話をさせてもらうと、受験生がどっと抜けた3月以降、うちの塾では新規入塾ゼロで、口コミオンリーでやってきた関係上、コマが埋まって大体元通りになるのは夏前が多いとしても、3月、4月の時点で問い合わせ自体がゼロというのは、初めて経験することです。感染者が出たという話を聞かない延岡のようなところでさえそうなので、学校が休みになっているときに、塾にだけ行くのもどうかということでこうなっているのだろうと思われます(当地の高校は今週から再開されたようですが)。

 このまま新型コロナが終息せず、むしろ地方にも拡大して、学校休校が繰り返されるということになると、今いる生徒たちの授業も休講にせざるを得ない(延岡に感染者が何人かでも出れば、その時点で僕はそうするつもりです)。そうなると、そのまま廃業に追い込まれる可能性が大で、そんな状態が半年も続けば、個人の零細塾の大半は消滅してしまうことになるでしょう。自宅でやっているところや自社物件でやっているところはまだしも、賃貸料や使用料を払ってやっているところは、そうしたマイナスがさらに加わることになるから、たんに収入がないというだけの問題ではなくなるからです。これは飲食店なんかも同じで、テナント料だけはかかるから、蓄えがないところはもつわけがない。いつまで我慢すればいいかの見通しも立たないからなおさらです。体力があるところだけ持ち応えて、コロナなき後は、その分の顧客が吸収できるので、そのあたりは好都合かもしれませんが。

 僕の場合、唯一幸いだったのは、今年1月に塾を引っ越して、使った時間分だけ使用料を支払う教室に切り替えていたことです。これだと支出が収入を上回ることだけはなくなる。それで、今後は週3日だけ授業をやって、後は好きに翻訳(自分がこれと見込んだ本の)でもやって補えば何とかなると計算していたのですが、どっこい、この様子ではそれもままならない。この前65歳になったので、年金でもたっぷりあれば楽隠居ですが、僕みたいな非国民のアウトサイダーにはそんなものはない(例の年金改革のおかげで昔払わされた分程度は「回収」できそうになりましたが)。当座、やっておきたいことはあるので、これから3~4ヶ月はそちらに注力することにして、塾商売の方は様子を見て、夏明けには何らかの決断を下さねばならなくなるかもしれません。それまでにこのコロナ禍が終息していれば状況も変わるでしょうが、そんな保証はないのです。

 ちなみに、安倍政権は感染者がとくに多い7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県+大阪府、兵庫県、福岡県)に、遅まきながら「緊急事態宣言」を出すことになったようですが、同時に窮乏世帯に30万円ずつ支給という、一見「太っ腹な」案を出したそうで、その条件は次のようなものだそうです。

 世帯主の2~6月の任意の月の収入が「感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準となる低所得世帯」や「感染症発生前に比べて大幅に減少(半減以上)し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準の2倍以下となる世帯」(毎日新聞「『世界経済、戦後最大の危機』新型コロナ経済対策 7日に閣議決定」という記事より)

 記事の書き方が悪いのか、お役所文書のせいなのか、何度読んでもよくわからないところがあって、かなり不可解ですが、漠然とした僕の印象では、これなら3月、4月と、それ以前の月と較べれば収入が70%も減った僕なども該当しそうです。しかし、元々塾というのは、受験が終わると一番人数の多い受験学年がいなくなって、一時的には半減か、それ以下になることも珍しくないのです。補習塾は知りませんが、受験指導がメインの塾はそれがむしろふつうです。それは別にコロナのせいではない。しかし、冒頭にも書いたように、4月の今になっても問い合わせそのものがなくて、新規塾生ゼロというのは異常で、明らかにコロナの影響です。こういうのはどう解釈されるのか? さらに続きをよく読むと、これは「自己申告制」で、それを「証明する書類」を出せという要件がついているのだという。一体どうやって「証明」すればいいのか? たとえば12月、1月は生徒の人数がこれだけで、月謝収入はこれだけ、対して、4月は人数がこれで、月謝合計はこれだけ、と説明することはできます。しかし、それは「証明」ではない。そもそも法人ならぬ個人に、そんなものを証明してくれるような文書はないのです。確定申告はちゃんとやっているので、役所なり税務署なりに行けば、それに関連する文書は出るでしょうが、そこには月別の収入なんて書いてないのです。だから、この種の証明はできないことになる。

 そもそもの話、何でそんな手間ヒマのかかる、さらに言えば自己申告の上、審査といった屈辱的なことをさせられるのか? たしかに、虚偽申告して、嘘の証拠文書をでっち上げて、本当はその要件には該当しないのにせしめようとする心がけのよろしくない手合いはいるでしょう。そういうことをする人間には巧妙なのが多いから、担当者はそれに警戒するよう教えられる。だから正直な申告者も、生活保護の受給者が受けるのに似た屈辱的な扱いを受けるのです。こう言っては悪いが、たかが30万のために。

 これは政策そのものが悪いので、世論の大半は、年収に上限は設けてもいいが、子供についてはまた別に対応するとして、成人全員に10万なり20万なりを支給しろ、というものです。僕も考え方としてはそれが正しいと思います。この30万の給付金は「非課税」だというのもおかしい。コロナ感染の危険を冒して仕事に出続けている人たちは収入が「激減」しているわけではないから、それはもらえないのに、言い方は悪いが、何もしないでポンともらえる給付金の方は非課税にして、苦労して、感染のリスクも冒して働いているそういう人たちの収入の方にはしっかり課税されるのです。それは著しく公平感を害するので、給付金をもらう人たちにも、それ込みの全体に課税するのがあたりまえでしょう。いや、こういうやり方そのものが不公平なので、四の五の言わず、全員に同額支給すればいいのです。大きな収入減にはつながっていない人たちに対するそれは、感染のリスクをものともせずに頑張っている人への報奨金と解すればいい。

 そうであればこそ、「ようし、国のためにも頑張ろう!」という気にもなるはずが、自己申告して猜疑の目で「審査」される方も、もらえない方も、どちらも意気阻喪させられるような、これはカネの配り方なのです。そんなんだったら、初めから出すな、と言いたくなる(どうせ原資は赤字国債なのです)。違いますか? カネには生きた使い方と死にガネというものがあります。前回の記事の後半にも「水道民営化」のえげつない話との関連で登場した麻生副総理が、リーマン・ショックのときの現金支給で失敗したから一律給付には強硬に反対しているという話ですが、あれはたったの1万2千円で、そんな涙ガネ、元々意味はなかった。だから「国民に受けなかった」ので、何を勘違いしているのだという感じです。有能な政治家というのは人心収攬術に長けているものですが、あの各家庭2枚ずつの布製アベノマスクといい、これといい、脱力感のみ助長する政策を自慢げに打ち出すとは、まさに「泣ける!」としか言いようのないお粗末さです。それで支持率がまだ4割台もあるというのは、どういう国なのか?

 次はこうした「アベ政策」に怒り狂ったリテラの記事です。あれはサヨクだからと言わずに、まあお読み下さい。なかなかに強烈で、本質を衝いている。「いいね」も2万に達しているのです。

安倍首相の「家族何人でも1世帯30万円」に批判殺到! 収入5割減の条件、面倒な申告制、罰則まで…一方で大企業には1000億円出資

 この記事は、他に次のようなことを指摘している点でも重要です。

 現に、この現金給付問題だけではなく、政府はほかにも信じられないような方針を出している。一斉休校によって仕事を休まざるを得なくなった人への休業補償について、その対象から「暴力団員」とともに「接待飲食業」や「性風俗業」の関係者、つまりホステスやホスト、キャバクラ嬢、性風俗従事者らを外しているのだ。

 ホステスや性風俗従事者にはシングルマザーも多いというのに、支援対象から外す……。暴力団員を外すこと自体にも憲法の「生存権」の観点から問題があるが、まるで「接待飲食業」や「性風俗業」の関係者が「反社会的勢力」とでも言うかのように対象から外したのである。


 そういう弱い者いじめの「差別」を誰がしろと言った。おまえらもバーやキャバクラに行って、セクハラはもとより、いぎたない「一夜の関係」まで迫っているのではないのか? ときには「公費」でそういうことをやっておいて、今さらカマトトぶるとは何事か。そう言ってやりたくなりませんか?

 次のようなことも、前回後半に書いたことと関係しますが、「何じゃ、それは?」と言いたくなるような「強者優遇政策」です。

 なんと政府は、新型コロナの影響を受けた大企業に対し、日本政策投資銀行の「特定投資業務」を活用したかたちで1000億円程度の出資する案を検討しているといい、全体の投融資の規模は総額4000億円程度になる、というのだ(共同通信2日付)。

 中小企業には返済が必要な「融資・貸付」で、大企業には「出資」……。言うまでもなく、安倍政権下で大企業の内部留保は肥大しつづけ、2018年度の法人企業統計によると、その額はなんと463兆1308億円で過去最高を記録している。大企業にはこの貯めに貯め込んだ内部留保があるのだから、こんなときこそフル活用するよう政府はまず促すべきだ。なのに、スピードが命の問題に直結する生活困窮者への支援には金を出し渋るなかで、安倍首相は大企業への出資案を着々と進めるのである。


 ブルームバーグの記事からこれを補っておくと、「対象は限定せず全産業を想定しており、大きな打撃を受けている航空会社のほか、自動車や船舶の業界も出資対象となる可能性がある。1社当たり数十億円から数百億円の規模で、優先株での出資を検討しているという。財務悪化の懸念から政府による直接出資の案が浮上したと、共同は伝えた」ということなので、中小零細企業に対する「融資・貸付」とこちらの「出資」では、たしかに条件も性質も違うので、どちらが厚遇かは説明するまでもない。リテラが怒るのは尤もな話で、今のこの国がどういう国になっているか、よくわかろうというものです。「緊急事態」だから労働者や弱者保護に最大限の注力をしているのかと思いきや、やってるのはこういうことだったのです。アベコベノミクスとでも呼んでおきましょうか。

 他にこういう4月6日付の共同通信の記事も出ています(配信記事なので、どの新聞も同じ文面)。

・共産、憲法審の開催提案を批判 小池氏「究極の火事場泥棒」

 共産党の小池晃書記局長は6日の記者会見で、与党が新型コロナウイルス感染拡大を受け、緊急事態下の国会の在り方を議論する衆院憲法審査会開催を提案したことを批判した。自民党が憲法改正案4項目で緊急事態条項の新設を掲げていることを踏まえ「『緊急事態』の名前が同じだからということか。全く必要ない、究極の火事場泥棒だ」と述べた。
 同時に「国民が国会に求めているのは不安を解消する抜本的な経済支援や、医療崩壊を招かない手だてだ」と語った。
 自民党は3日、2020年度予算の成立を受け、今国会初の憲法審を9日に開催するよう野党側に提案した。


「世界経済、戦後最大の危機」なんて言いながら、ドサクサ紛れ、余裕こいてこんなことをしているのです。僕にすぐ連想されたのは、その昔、ヒトラーが「全権委任法」というものを成立させて、ワイマール憲法の実質無効化に成功したことです。それがどういうものだったか、わかりやすく説明をしてくれているものが何かないかなとネットで検索したら、ありました! これまた画面を見て「サヨクではないか!」と言う人がいそうですが、ここに書かれていることは正しいのです。右でも左でもない僕がそう言うのだから、それは信じてくれないと困る。実のところ、僕は高校生の頃から、「ヒトラーが当時最も進歩的と言われたワイマール憲法下で独裁を成立させることができたのはなぜなのか?」疑問に思っていました。学校の下手な世界史の授業を聞きながら不可解に思ったことが三つあって、一つはイエス・キリストの出現、次は謎めいたジャンヌ・ダルク、もう一つがこれだったのです。だから大学生になってから、関係文献を読んでその理由、経緯を知ろうとしたのですが、そのとき得られた知識に照らしても、ここに書かれていることは正しいのです。無学な麻生がここにも登場するのは笑えますが。

・ワイマール憲法下でなぜナチス独裁が実現したのか(湯沢平和の輪)

 とにかく、上のリテラの言い分ではないが、やってることが出鱈目の極みなのです。緊急事態なら、それに見合った思い切った対策を取らないと意味がないが、「やってます」パフォーマンスだけで、本当に国民の助けになりそうなことはほとんどしていない。それで国民全体が疲弊すれば、コロナ後の経済回復も困難になって、税収も下がり、斜陽化が一層顕著になるのは目に見えています。それのみならず、ドサクサ紛れ、憲法に「緊急事態条項」を入れて、他の条項を形骸化させ、独裁が容易になる下地を作る作業を、今のうちに進めておきたいなんて思っているわけです。お粗末な上に、危険きわまりない。

 この腐った政権に灸を据えたいなら、こういうことをよく記憶しておいて、今度の総選挙で自民を大敗させてやるしかありません。その節は、皆さん、投票に行きましょうね。
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