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アベノマスクを擁護する

2020.04.03(03:11) 707

 誰が初めにそう呼んだのか、命名自体が絶妙で、SNSでは大受けしているようです。どんなときにも、いやこういうときにこそ笑いは必要(笑うと免疫能力が高まる!)なので、それに莫大な費用がかかることを除けば、久々にヒットした首相パフォーマンスであったと言えるかもしれません。「安倍さんのあの給食係みたいなマスク姿が可愛くて素敵!」といった声も聞かれるほどです。これで支持率が上がるのは確実と思われますが、次のサイトなどは、その「正しい洗い方」についての画像音声付きの説明(経産省監修!)まで載せてくれているので、全国民必視聴と言えるでしょう。

・アベノマスクが小さいし変! 2枚はいつ配布? 洗い方も判明!

 しかし、前に何かで「布マスクは効果がない」という話を読むか聞くかした記憶があったので、その言葉でグーグル検索してみると、これは首相発表の後の朝日新聞の記事ですが、やはり次のように書かれています。

布マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」

「どんな状況でも勧めない」なんてひどすぎますが、

 九州大学大学院の矢原徹一教授(生命科学)は「国は布マスクの配布に加え、子どもたちのために自作するよう要請しているが、適切ではない」と指摘する。
 布マスクは織り目のサイズが大きいため、飛沫(ひまつ)を防ぐ効果が小さい。また繰り返し洗って使う場合、管理が悪いと雑菌がはびこる可能性があり、かえって不衛生になる可能性も挙げる。
 5年前に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人、布マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを比べたところ、布マスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったという。


 とあって、これではせっかくの首相の親切な思いやりも台無しに見えますが、

 聖路加国際大学の大西一成准教授(公衆衛生学)も「布マスクには他者からの感染を防ぐ効果はまったく期待できない」と話す。布マスクとの間に不織布を挟むというアイデアもあるが、顔との間に隙間ができてしまうため、効果は限定的という。ただ、大きな飛沫をせき止め、のどを保湿する可能性はあるため「他人にうつさないという目的を考えれば、『つけない』という選択肢はない」と話す。

 と結ばれているので、「他人にうつさない」という意味では意味がないわけではないということがわかって、無症状・無自覚な若い感染者あたりが、僕のような長年の喫煙で肺が弱くなっていて(本人にその自覚はなくても、です)、移されたらイチコロに死にそうな年寄りにつばきを飛ばして感染させることはある程度防げるかも知れないということです。それなら、80億円程度の国家予算を振り向ける価値は大いにある…のかもしれません。

 しかし、「一世帯に2枚」というのがビミョーで、家族が3人以上いた場合には、また、洗って代わりがない場合には、一体どうすればいいのかという新たな悩みも出てきそうで、それが生乾きだったりした場合には、雑菌が繁殖してかえって危険になることもあるのでしょう?

 いや、だからこれは元気な若者や子供に限定してつけさせればよい(乾燥機も活用!)ので、重症化する危険性があって、まだ感染していない老人などには、上の朝日記事によれば、どのみち感染を防止する性能はないわけだから、つけさせなければよいわけです。「元気な若い無自覚的感染者限定」と解すれば、それで十分足りるかもしれない。

 そういうふうにちゃんと説明して下されば、感情的には「つまらんことに無駄なカネを使うな!」という気持ちは依然として残ったとしても、“理性”の力によって、僕らは自分を無理やり納得させることはできるわけです。

 ちなみに、僕は紙マスクはもっています。買い溜めに走ったからではなく、何年か前に、インフルエンザがはやったとき、奥さんに、「塾生用にも備品として塾に置いておくのが常識でしょう!」と大量に入ったのを渡され、それがまだ残っているのと、今回のコロナの初期に、彼女は息子に都会ではすでに入手し難くなっている紙マスクを送ったらしいのですが、ついでに僕用にも買ったらしく、それを届けに来た(僕はアパートで一人暮らししているので)からです。こちらの方は、箱ごと手つかずで残っている。

 じゃあ、あんたはマスクをせずに出歩いているのかって? ときたまつけて出たりもしますが、めんどくさがりなので、忘れて出てしまうことの方が多くて、だからあれは使い捨てなのに、なかなか減らないのです(むろん、怒られるので、奥さんには内緒です)。まあ、延岡あたりでは感染者も聞かないので、用心が必要になったら、もっと気をつけると思いますが、今の段階では春先の草木の匂いをかぎながら自転車をこいでいた方が健康的でいい。アベノマスクも、危険なところから優先的に配布するらしいので、このへんはいつになるかわからないでしょう。そもそも、今言ったようにマスクはあるので、わざわざアベノマスクを送ってもらう必要そのものがないのですが(長引けば別ですが、その場合は給食用のマスクではないマスクも、店頭にまた出回るようになっているでしょう)。

 これでいわゆる「感染爆発」してしまった日には目も当てられませんが、日本人は清潔好きで、用心深い人が多いので、それほどひどいことにはならずにすむかもしれません。そうなったら、こういうのは検証のしようがないので、検証できないということは「効果があった」と解釈することもできるので、アベノマスクは素晴らしい政策であったと、自画自賛するだけでなく、例のWHOの事務局長あたりにも「的確な対応!」とほめちぎってもらえるかもしれません。そうすると、善良な日本国民は、「あのときは笑ったけど、やはり安倍総理と日本の官僚たちの洞察力は素晴らしかったのだ!」と感動して、心ない痛罵嘲笑を浴びせたことを心から反省するのです。

 前に、映画の『ダーティ・ハリー』を見ていて、何作目だったか忘れましたが、クリント・イーストウッド演じるハリー・キャラハン警部が、シニカルな口調で「泣ける」という言葉を繰り返していたのがあって、原語は marvelous!だったと記憶していますが、今回の4月1日の安倍宣言も、この marvelous!の評言がぴったりするかもしれません。「洗って何度でも使える布マスクを各家庭に2枚ずつ漏れなく配布! 泣ける!」とキャラハンなら言うことでしょう。日本国民の「マスクが…」という切実なる思いにエイプリルフールではなく、首相おんみずから真面目に応えてくださったのです! それを物笑いにするなど、もってのほかと言うべきでしょう。

 最後に、ips 細胞の山中教授がこんな提言をしておられるようです。首相の卓抜な思いつきには到底及ばないでしょうが、安倍総理とその優秀なる参謀の皆さんは、こちらもご覧になってはいかがでしょう。

山中教授が「批判を恐れず」5提案 コロナ対応「ペースダウン」に危機感
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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コメント
最後のリンク先のページには反映されていませんが、山中先生の提言の内、3つめに関しては大元のページで内容が訂正されているようです。

何がどう変わったかについては、リンク先の記事のコメント欄の一番下あたりに詳細に書いてくれている方がおりましたので、興味があればご参照下さい。
【2020/04/04 01:52】 | 宮崎 太郎 #- | [edit]
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