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情報開示して、専門家は全面協力を

2011.04.15(16:24) 70

 昨夜、仕事帰りに『週刊現代』4月23日号を買いました。今回も充実した内容ですが、この中の二つの記事(「この被曝があと一年続いても安全と言えるのか」と魚住昭氏「トップレベルの専門家16人が訴えた『福島原発、本当の危機』」)に、「福島原発事故についての緊急提言」(グーグルで検索すれば、その全文を紹介したサイトがすぐ出てきます)と題された文書についての紹介が出ています。

 魚住さんは「この提言をまとめた16人のなかには元原子力安全委員長が二人、元日本原子力学会会長が四人いる。他のメンバーも文字通り日本の原子力発電をリードしてきた学者たちばかりだ。彼らが率直に国民に謝罪していることにまず留意しておこう」として、その内容を紹介していますが、前の無署名の記事には、この建言書の一人、住田健二・大阪大学名誉教授のこんな言葉が出てきます。

「我々が出した建言書を、政府もメディアもほとんど黙殺しました。なぜ、これまで原発は安全だと言ってきた我々を責めないのか。自分たちは原発は安全で、あったほうがいいと信じてやってきた。しかし、誤りもあれば結果責任もある。科学者の責任として、そこはちゃんと認めないといけない。
 現在の現場の状況を見ていると、ともかく初めて出くわした事態を前に、決死隊が出てきて、まるで特攻のようです。私にもどうすればいいかわからない。ただ、正確なデータが示されれば、私のような年寄り(住田氏は80歳)でも何か役に立てるかも知れない。そう思うと黙っていられなかったのです」


 この前触れた「熊取六人衆」(週刊現代の今号でもあらためて取り上げられていますが)などの良心的な科学者たちは「原発は少しも安全ではない」と言い続けてきて、それをこれらの先生たちは無視したり、嘲笑したりしてきたわけでしょうから、控えめに言っても「自分たちは原発は安全で、あったほうがいいと信じてやってきた」というのは“間抜け”すぎ、またそのような人たちを「権威」として奉ってきた僕ら国民は馬鹿だったと言わねばなりませんが、目下の最大の関心事は、立場はどうあれ、「どうすれば最悪の事態を防ぐことができるか?」ということだろうと思います。

 小出先生も、また元東芝の原子炉設計技術者、後藤政志さんも言っていたのは、「詳しい情報が公表されず、しかも情報が遅い」ということです。素人にはわからなくても、情報がきちんと公開されていれば、それぞれの専門家たち(テレビに出てくるいい加減な先生たちではなく)がそれが意味するところを読み解き、国民に説明してくれるでしょう。僕らは少なくともインターネットではそれに接することができるわけです。それがないからよけい不安にさせられ、イライラするので、げんに十日も前の「プルトニウム三度目の検出」の事実が今頃ニュースになって出てくる始末です。事態が好転していないのは、事故関連のニュースは減る一方(どうしてなのですか?)ながら、「福島第1原発1、2号機のタービン建屋付近にたまった地下水中の放射性物質の濃度が、1週間で10倍前後に増えている」といった断片情報からも察しがつきます。

 海外からの批判も多くがこうした「政府と東電および安全保安院の情報隠蔽体質」に集中しているようですが、メンツがどうのこうのと愚劣なことを考えている場合ではないので、国民の「知る権利」にきちんと応え、原発推進派・反対派の垣根を越え、国境も越えて、科学者や技術者の英知を結集して、事に当たるべきときです。他のどの国も、仮に「最悪の事態」に立ち至ったときには、自国の安全が深刻に害される事態になるのはわかっているから、大きな関心をもたざるを得ないのです。

 この点、管総理が「原発周辺には十年、二十年、人が住めなくなるかも知れない」と言ったとかで、「首相は、郷土を愛する人たちの気持ちが分かっているのだろうか」なんて書いて得意になっている新聞もありますが、馬鹿げています。そういうセンチメンタルなことを言っていられる段階はとうにすぎているので、このままでは実際そうならざるを得ないでしょう。正義漢ぶるより、事態の認識の甘さ、自分の軽薄さを反省した方がいい。よくもそれでジャーナリストが務まるものだと思います。

 ど素人の僕がここでこんなことを書いても仕方がないのは承知していますが、長期戦になるのは専門家の誰もが認めていて、どこかでやり損なうと、大変な事態になることもわかっているわけです。だったら、協力・連絡体制をできるだけ強固な手厚いものにしておいて、異変や困難に遭遇した場合はすぐさま対処のアイディアが誰かから出されるというふうな状態にしておいてもらわないと困ります。事この期に及んで、自分たちのメンツだの、権力争いだの、嫉妬心だの、愚劣なものがあれこれ出てきて、それが問題への適切な対処を妨げるようなことは、絶対に許されません。

 それを肝に銘じて、政府と関係諸機関はネットワーク形成を早急に進めておいてもらいたいと思います。東電なんて、潰れたって何だってかまわないわけです。関係するすべての人たちが言葉の正しい意味での「公」の意識に基づいて、全力で対処してくださるよう、僕は国民、さらに人類の一人として願っています。
 先の「福島原発事故についての緊急提言」はこう締め括られています。

「事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を増大させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的な取組みが必須である。
 私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである」


 完全同意ですが、これには「海外からの支援」と、「大学等」とかんたんに書かれていますが、これまで原発反対の立場で研究を続けてきた京大原子炉実験所の良心的な研究者たちも必ず、排除せず入れるようにしてもらいたいと思います。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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