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新型肺炎は習近平独裁崩壊の序曲となるのか?

2020.02.18(15:12) 691

 まずは前回の続きです。同じ大紀元のサイトに昨日次のような記事が出ました。

習近平主席、「生物安全」の法整備急ぐ 新型コロナウイルスの発生が念頭か

 習主席は2月14日、党中央深改委会議で、「経験と教訓を活かし、今回の疫病で露呈した不足に対し、抜け穴を塞ぐのを急がなければならない」とし、生物技術の応用を規範化する「生物安全法」を早急に発足させ、国家生物安全法律法規の体系および制度的保障の体系の構築を加速するよう求めた。

 中国流に曖昧模糊とした言い方ですが、これが今回の新型コロナウイルスの問題を受けたものだとすれば、「人工説」に裏書きを与えたも同然です。記事の後ろの方に進むと、驚くべき箇所が出てくる。

 中国共産党の公式軍事ポータルサイト「西陸網」は1月26日、文章を発表し、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員とそのチームがコロナウイルスを生成し、流出させたと指摘し、新型コロナウイルスが人工的に合成されたものであることを認めたと見なされた。文章はその後まもなく削除された。

 今の習近平支配の中国にあっては、ネットに出た「真実の声」は、その比類のない検閲能力で知られる「ネット警察」によってすぐに削除されるのがふつうです。フェイクだから消されるのではない、当局に不都合と見なされると消されるので、皮肉なことに、世界レベル、中国人民レベルでは、そういうものは中国共産党の御用メディアに出る「大本営発表」よりずっと信憑性が高いと見なされるのです(上の「西陸網」の記事は、消されるのを承知で軍内部の良心派が載せたものだったのかもしれません)。

 これは同じサイトの別の記事にも出ていますが、去年の12月段階でSARS(この段階ではそれが別の型であることがわからないのは当然)が発生した可能性があるとSNS上で警告を発した眼科医・李文亮氏(2月になってから、新型肺炎で死去)など、当局からほめられるどころか、「虚偽の風説を流布」したとして警察から「処分」を受けていたのであり、その後それが「虚偽」ではなく「真実」で、当局が隠蔽をはかっていただけだと判明したので、訃報が伝えられると、彼は英雄視され、「微博では、7日早朝の午前4時にもかかわらず、『李文亮医師死去』と『李文亮死去』はトレンド1位と2位になった。閲覧総回数は6億回」というほどになったそうですが、「世論の強い反発を受けて、中国当局はネット検閲を強めた。『李文亮医師死去』が微博のトレンド1位になってから、わずか15分で7位まで下がった」という手際のよさで、それは世界的なニュースとなって、「さすが中国共産党!」と、不信にさらに輪をかける羽目になったのです。ウイグル人に対する非道な弾圧もやんでいないようだし、習近平政府の評判は悪くなる一方です(それをわれらが安倍政権は「国賓」として丁重に出迎える手はずを整えているようですが)。

 中国は問題解明のためのアメリカ政府の協力も拒んだ。同じ大紀元の「米高官『がっかりだ』中国が米国専門家の招待を拒否 感染情報の不透明さにも苦言」という記事には、こう出ています。

 米トランプ政権の国家経済委員会ラリー・クドロー(Larry Kudlow)委員長は2月13日、新型肺炎COVID19の蔓延する中国が、世界保健機関(WHO)調査団の中に米国の専門家たちを組み入れることを拒んだことに「がっかりだ」と述べた。大統領府で記者団に答えた。

 米国は、米国疾病予防管理センター(CDC)の専門家を派遣することを中国に提案していた。「米国で最も聡明な人々を送る計画は、アジール保健長官と大統領がオーバル・オフィス(大統領執務室)で会議した結果と推測する」「公衆衛生チームの一部の専門家たちはかなり失望している」と述べた。


 これはお粗末な医療体制を知られることだけでなく、アメリカの優秀な専門家たちによって新型ウイルスの「由来」が解明され、それが人工的に合成されたものであることを暴露されるのを何より恐れたからでしょう。そうなったら世界から非難が殺到するだけでなく、誰より中国国民が激怒する。各地で暴動が起きるのは確実で、習近平政権は完全に支持を失って、崩壊に追い込まれてしまうからです。

 しかし、「新型ウイルス=人工説」がなくても、習近平政権は今回の件で深刻な危機に陥っているようです。次は「現代ビジネス」の昨日17日の古畑康雄氏による記事。

「人民は激怒…」中国改革派学者が発した檄文「衝撃の中身」

 この「清華大学の教授、許章潤先生」が当局に逆らって停職処分を受けているという記事は僕も他で何度か見た記憶がありますが、今回の新型ウイルスの件で激烈な習近平政権批判文を書いた、というお話です。その「批判」の中身は直接記事をお読みいただくとして、この教授だけではない、呼応するように、「北京大学の張千帆教授(憲法学)は、『ウイルスを防ぐために、中国は憲政民主を必要としている』という文章を発表(ニューヨーク・タイムズ中国語版にも掲載)」したというのだから、これを機会にリベラル派の学者たちが次々立ち上がり始めたということです。清華大学と北京大学は中国トップを争う名門大学で、世界大学ランキングの類では日本の東大や京大よりずっと上に来ていますが、そこの教授たちが正面切っての習近平政権批判に乗り出したというのだから、中国国内でもインパクトは大きいはずです。これまでも中国政府は人権派弁護士の一斉検挙など、法治国家にはあるまじき非道を繰り返してきましたが、世界的に名の知れた学者まで弾圧するようになると、恥の上塗りになって、国際的な信用の低下はすさまじいものになる。北朝鮮並の恐怖政治を敷く野蛮国家とみなされるようになるのは確実です。昔の天安門事件のときのようなやり方はもはや通用しない。

 少し長くなりますが、上の記事の北京大学の張千帆教授の批判の部分を引用します。非常に説得力があって、なるほどと思えるものばかりです。

「武漢肺炎では昨年12月中下旬に感染が確認されたのに、湖北省も武漢市も事実を公表し社会に予防を呼び掛けることなく、それどころか人々に湖北省への旅行を奨励した。李文亮医師らは微信でウイルスのリスクを提示したが、当局はウイルスの問題を解決するのではなく、問題を提起した李氏を『解決』し、『デマを流した』として警察が処罰した。1月18日、湖北省の人民代表大会終了後ようやく、感染データの公表を再開したが、武漢市では4万人が(料理を持ち寄って)集まる「万家宴」を開くなど、あまりにも愚かだった。この間少なくとも3週間の防疫のための時間を無駄にし、一体どれだけの人が感染しただろうか。」

「憲政が実施される民主国家では、今回のような危機はおそらく当初から発生しなかっただろう。言論と報道の自由が新型コロナウイルスを初期段階で防ぐことができるからだ。言論と報道の自由は人々に知る権利を与え、ウイルスの感染防止に役立つ。これは2003年のSARSで得た教訓だが、17年たってもいまだに言論と報道の自由は進歩しないどころか、むしろ深刻な後退をしている。武漢市は感染の深刻さを隠蔽し、8人の『デマを流した』人を取り締まり、物言えば唇寒しという恐ろしい雰囲気を作り出した。私は1月18日に武漢の体制内の学者に聞いたが、『それほど深刻ではない』という答えだった。もし言論と報道の自由が開放されていたら、武漢さらに全国で『都市封鎖』」始まってからようやく感染防止に乗り出すというようなことがあっただろうか。」

「憲政民主の重点は民主であり、民主の心臓は議会であり、議会の活力は選挙である。湖北省の人民代表大会が1月12~17日にどのように開いたのかは知らない。だが人民代表大会が真の選挙で選ばれたのでないことは間違いない。でなければこれだけ大規模な感染が広がっているのに、誰も代表が発言しないことはありえないからだ。(正しい選挙が行われていれば)湖北省や武漢市の省長、市長は情報の封鎖や感染の隠蔽をしなかっただろう。武漢市長は今回の感染状況について、中央政府には報告していたが、現地の大衆は全く知らなかった。」

「上には従っても下には従わない、その根本原因はこの市長が武漢市の人民代表大会で選ばれたのではなく、人民代表も真の選挙で選ばれたのではないためで、市長に責任を問うことができないのだ。でなければ彼らは中央政府や湖北省の指導者を恐れるのではなく、武漢市の有権者を恐れるだろう。中国の地方政治や選挙は20年前よりも悪化している。言論の自由がここ数十年で進歩があったとするなら【この箇所、第二段落と矛盾するように見えますが、「数十年」単位では「進歩」したが、ここ十数年、とくに習政権下では「退歩」したという意味なのでしょう】、選挙は70年間全く進歩していない。真の意味での選挙が行われなければ、政府は人民に責任を負うことなく、改革の逆行を防ぐこともできない。」

「さらには、宗教や信仰の自由が保障されれば、社会には危機に際して各種の救援活動が行われただろう。結社の自由は市民の自発的な組織を生み、社会の自己管理能力を高め政府の負担を減じ、危機に際して民間社会を動かし、政府の手が回らない隙間を補うことができる。中国は40年間の市場改革により、巨大な民間資源が生じた。2008年の四川大地震では、NGO(非政府組織)が大きな役割を果たした。だが近年市民社会の活動空間を狭める、流れに逆らう動きが出ており、『市民社会(原文は公民社会)』という言葉すらタブーになっている。今回の感染拡大で政府の対応がちぐはぐで後手に回ったのも、近年市民社会が深刻な圧迫を受けてきたことが原因だ。」


 これに習近平共産党政府はどう反論するのか? 記事の最後の方には、

 武漢市に単身乗り込んだ弁護士で市民ジャーナリスト、陳秋実氏が今月6日以降、音信不通となった。7日は陳氏の両親が青島市の公安当局から、「ウイルス感染により強制隔離された」と連絡を受けた。その後、携帯電話もつながらない状態が続いている。

 とあって、中国共産党特有のダークなやり方は相変わらずであるようですが、前近代的なその「無法国家」ぶりは中国が三流国家であることの何よりの証拠なので、それを世界に宣伝して回っているのと同じです。そしてそれは、中国政府言うところの「核心的利益」を何より傷つけている。香港問題でも同じですが、習近平政権が独裁的な性格を強めて、強権的にふるまえばふるまうほど、ほころびは拡大して、世界の信用を失い、民心も離反するという負のスパイラルにはまってしまうのです。習近平はこれで方向転換するのか、それとも批判を強引に抑え込んで墓穴を掘る方向に向かうのか、今後はその方面にも世界の目が注がれるでしょう。

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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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