FC2ブログ

倍率が高くてビビったという人に

2020.02.07.17:22

 今はインターネット出願がふつうになって、願書締切日の翌日には倍率も確定するので、味けないといえば味けないが、便利と言えば便利です。尚、次の駿台のサイトは親切です。

2020年度 主要大学入試出願状況

 僕はこれで生徒たちの志願先の倍率を見て、ひとりで「よしよし」とか、「ヤバいな…」とか言っているのですが、予備校の事前の「動向分析」とは、そういうのも見て受験生は志願先を決めるので、実際はかなり違ったものになることが多い。「激戦になる」と書かれると、それを避けて平凡な倍率になったり、「指数が大きく下がっている」と書かれたりすると、逆に前年並に戻したりするので、前に「高倍率になる」と書かれて、生徒が「どうしましょう? ヤバくありません?」と言うので、「大丈夫、予備校のあの予測のおかげで減るから、そのままにして変えないようにした方がいいよ」と言ったら、そのとおりになったというケースがありました。今年も、リサーチの成績分布を見ると、センターの平均点が20点前後下がったにもかかわらず、上位層が多く、ボーダーが全く変わっていない某有名大の学部があって、不気味そのものだったのですが、結果として倍率は前年度より下がったので、生徒と「ラッキー」なんて言い合ったのが一つあります。むろん、そこをやめて他の学部にしたとか、志願先の大学を変える受験生がかなりいたとしても、「少数激戦」であることはたしかなのですが。

 今は私立ですら「記念受験組」が激減しているので、それで倍率が高いと、かなりしんどいことになります。昔は、実質倍率が10倍を超えても、受かる可能性があるのは3倍ぐらいまでで、あとは「お客さん」という感じだったのですが、今は事情が違うので、私立も例の「定員厳格化」で合格者数を大きく減らしているから、なおさらのことです。

 国立の場合は、学部によって都会の有名私立に流れてしまうので合格者を少し多めに出すというところは結構ありますが、医歯薬系などはとくにそういうことはほとんどないので、そのままの倍率になって、こういうのはほんとの「激戦」になってしまう。合格最低点が確実に上がることになるのです。

 今年は二転三転したおかしな入試制度いじり(結局、実態は今の時点でもわからない)のおかげで、浪人回避心理が例年にも増して強く、非常に読みにくかった年ですが、発表された倍率を見ても、受験生の不安心理が反映され、予想以上に高倍率・低倍率が入り混じっている印象です。国や文科省も罪作りなことをしてくれたもので、その責任は感じてもらわないと困ります。

 何にしても、結果は「二次の出来次第」ですが、倍率が高いとハードルがその分上がることは確かなので、国立で倍率が4、5倍を超えた受験生は、掛け値なしの「厳しい戦い」を強いられることになるわけです。まあ、倍率2倍でも、半分は落とされるのだから厳しいのは同じですが、倍率が高いと確実に最低点が上がるので、いつもなら滑り込めていた受験生もハネられてしまうというシビアな現実があるのです。1点、2点の重みがあらためて痛感されることになる。

 しかし、「まさかの高倍率」になってしまった受験生も、これは自分の「運命」だったと観念して、残る2週間余り、ベストを尽くすしかありません。そして、自分にできる最高のパフォーマンスができれば合格できると信じる。「こりゃあ、無理だわ」と思って気が抜けてしまうと、その時点で戦いから脱落してしまうのです。

 入試には「執念の勝利」というのが実際にあって、これは去年のケースで、私立を第一志望にしていた生徒の話ですが、東京のある老舗女子大の生活科学部(管理栄養士のコース)というのに固執していて、栄養学関係では他にも評判のいいところがいくつもあるから、そちらも受けたらとアドバイスしたのに、ほとんど受けなくて、失敗してしまった生徒がいました。直前にマンツーマンでやってほしいというので、そうしたのですが、なぜか合格最低点が異常に高くて、英数2教科で受験でき、数学は他の塾に行っているが、そちらは苦手で得点が期待できないので英語で何とかしたいということだったのですが、数学でどれくらい取れそうかと聞いて計算してみると、英語で最低8割5分は必要になるということになって、これはちょっと厳しいのではないかと思われました。そしたら、果たしてその通りになって、他の僕が「お勧め」として教えたところは実は受けていなかった(がーん!)ということで、一気に暗雲が垂れ込めたのですが、心配になった僕は本屋で「今からでも出願できる大学特集」が載っている週刊誌を買って候補の大学に赤ペンでマルをつけ、本人を呼んで渡しました。わけのわからない大学(こう言えば失礼ですが)には行かせたくなかったので、「このあたりまでなら許容範囲」というところだけ印をつけたのですが、3月の国立前期発表の頃、電話がかかってきて、「受かりました!」と言う。どこに受かったのかと聞くと、その第一志望で、コースも希望通りのところだったというのです。何? 後で知ったところでは、僕が印をつけたところは一つしか受けておらず、懲りずに最後の第Ⅲ期で同じところを受験していたのです。後で調べてみると、合格者は2人しかいなかった(倍率は6.5倍)。ふつう、募集人数が多いⅠ期(こちらは3倍台だった)で落ちたのなら、高倍率になる最後の回期はなおさら無理です。大学のランクを下げるか入りやすい学科に変えるしかない。なのにまた同じところを受けたのかと、僕は呆れましたが、それに合格していたのです。

 可笑しかったのは、電話の背後からその子のお母さんの雄叫び(そういうキャラの、明るい人でした)が聞えていたことで、後で挨拶に見えたとき聞くと、家族も到底無理だと思ったが、本人が頑として聞かないので、仕方なく受験させたという話でした。「でも、今度は、英語もほんとによくできていたんですよ」という話でしたが、受験戦略上、無茶苦茶な話です。おじいちゃんおばあちゃんも「あんなに行きたがっているのにもどぎー(方言で「むごい」「かわいそう」の意味)」と言っていたそうなので、そういうのに加えて、ご先祖様の霊が助けてくれたのではないかと僕は冗談を言ったのですが、ふだんおとなしい子なのに、なぜかそこだけは決して譲らなかったのです。お母さんは、この話を「遠慮なく書いてください」と言っていましたが、生徒にそんな受験ばかりされたのでは僕の神経はもたなくなってしまうので、そうそう話したり、書いたりできるものではない。しかし、実際にそういうことはあったので、悪条件でも強い意志が合格を引き寄せるということはあるのです(むろん、学力を上げる地道な努力は必要なので、念力だけでは無理ですが)。

 ということで、倍率が低いからと言って油断してはいけませんが、高くても諦めずに粘れば運命の女神が微笑んでくれることはあるということです。体調管理にも気をつけて、もうしばらくの間、受験生は心を強くもって頑張って下さい。

スポンサーサイト



comment

Secret

プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR