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イラク戦争の二の舞か?

2020.01.06.21:16

 新年早々、またアメリカがやらかしてくれたようです。例のイランの司令官殺害です。まずはロイターの記事。

焦点:イラン司令官殺害、米政府の法的根拠に疑問の声

 イランとイラクがごっちゃになっているのでわかりにくいが、イラクのアブドルマハディ首相がアメリカを非難しているのは、イランが影響力を強めつつあるイラク国内で、しかもイラク政府には無断で、イランのソレイマニ司令官殺害が行われたからです。これは明らかに国際法に違反する。この後、イラク議会が米軍の撤退を求める決議を採択したのを受けてトランプは記者団に、「仮にイラクが米軍の撤退を非友好的なやり方で要求してきたら、『いまだかつて見たこともないような制裁を科す。イランへの制裁が比較的大したものではないように見えることだろう』と強調した」(ロイターの別の記事)そうで、傲慢な「大国のエゴ」むき出しですが、元はと言えばトランプが他国の反対を無視して、イラン核合意から勝手にアメリカを離脱させて、イランを尖鋭化させたのがまずかったのです。さらにイランのイラクへの影響力云々に関しても、ブッシュ・ジュニア時代のアメリカが一方的に仕掛けた無法なあのイラク戦争(フセインという「血も涙もない独裁者」から「解放」したはずだったのに、イラクの人たちがアメリカを忌み嫌うようになったのはなぜなのか?)が原因だったと言えるので、トラブルの種を自らせっせと作り出しているのです。「おまえが一番悪いだろうが!」と言いたくなる。

 だから、「ソレイマニ司令官による差し迫った脅威」があったからとするアメリカ政府の「自己防衛」論も眉唾なので、「大量破壊兵器を隠し持っている」(実はなかった)としてイラクを攻撃したときのブッシュ政権のあれと同じではないかと疑われるのです。トランプの最大の動機は、例のウクライナ疑惑から国民の関心を逸らし、今年11月の大統領選に有利なイメージ(マッチョ崇拝の強いあの国では「敵を倒す」強さが好まれる)を作るためのアピールだったのではないかと。

 しかし、これで中東情勢がさらに悪化するのは確実です。

ソレイマニ司令官殺害でトランプ米大統領の中東戦略は支離滅裂に

 中国とロシアは、「それ見たことか!」と言わんばかりに、「アメリカの国際法違反」を非難する声明を出しています。これも「おまえらが言うな」という感じはするものの、予想どおりの展開で、商人のトランプは間違いなく「まずいディール」をしてしまったことになります。これでイランが報復し、アメリカがそれに倍する攻撃(愚かなプライドからそうしないではいられない)をイランに仕掛けることになると、厄介なことになる。イスラム過激派のテロをこれまでアメリカは一方的に非難してきましたが、この司令官殺害はテロではないと、どうやって世界を納得させられるのか? また、これで再びテロが頻発するようになったとき、それがアメリカが呼び寄せたものではないとどうして言えるのか?

 2020年が「大国の横暴」で幕開けとなったことは、幸先のよいことではありません。

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