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慰安婦財団を勝手に解散しておいて、残った分を徴用工用補償に回すとは…

2019.11.06.22:41

 韓国の文喜相・国会議長が早大で講演して、新たな「思いつき発言」をしたとか。次は韓国・聯合ニュース日本版の記事です。

徴用賠償問題で韓国国会議長が新たな提案 「韓日企業+国民」からの寄付で支援

 この議長は、慰安婦問題とからめ、米ブルームバーグ通信とのインタビューで、次のように語ったと報じられた人物です。

「(謝罪をするのは)日本を代表する天皇がされるのが望ましいと思う。その方はまもなく退位すると言われるから。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。だから、その方がおばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言言えば、すべて問題は解消されるだろう」

 お粗末だったのは、ブルームバーグがこれを記事にして、日本側の反発が報じられると、ご本人は「戦争犯罪の主犯の息子」という発言はしていないと否定し、「げんに言ってるではないか!」と同通信がその箇所の音声を公開して、嘘がバレてしまったことです(上の訳は朝日新聞記事のもの)。そうでなければ、「日本は人の発言を曲解してインネンをつけてくる。反省もなく、盗人猛々しい!」とまた日本攻撃に利用されていたことでしょう。

 当時、文政権は「反日」イケイケドンドンで、政府が率先してそれを煽りまくっていたので、それに乗せられて国内向けの人気取りでそう言ったのでしょうが、この御仁は「ソウル大学法学部卒」の肩書をもつにもかかわらず、明治憲法下での日本の天皇の地位がかつての西洋的な絶対君主のそれとは大いに異なっていたことすら知らなかった、あるいは知っていても韓国の国内世論に迎合するためにそれを歪曲したのだろうと、いかにも韓国の政治家らしいご都合主義に苦笑させられたものです。「文」と名のつく人にはとりわけ問題が多そうだなと。

 彼のこの、「強制徴用被害者への賠償問題の解決法として、韓日の企業と両国国民の自発的な寄付を募り、被害者へ支援することを柱とする『1プラス1プラスアルファ』案」なるものは日本政府に全く相手にされていませんが、それもそのはずで、元弁護士の文在寅もこの文喜相も同じですが、リーガル・マインドというものを全く身につけずに卒業したらしく、順序を踏んだ思考ができていない。それで法学部を卒業できるとは、韓国の大学はよほどレベルが低いとしか思えないので、この講演の中でも彼は、

 韓国大法院(最高裁)の判決について、「韓国大統領や国会は現行法上、判決にともなう強制執行を中断させたり延期させたりする権限がない」と説明した

 そうですが、それなら、日本側の同意なしの日韓請求権協定の実質的な破棄は国際法上許されるのか、という問題になるので、前にも書きましたが、こういう判決が出てしまった場合、大統領としては「ちょっと待ってくれ」と言わねばならないのです。国家としての信用がかかっているので、国家間合意を一方的に破棄することはできない。日本と再交渉して方途を探るから、相手側の合意なしに一方的に日本企業の資産を差し押さえなどすると、「あの国は条約でも何でも自己都合で平気で反故にする」ということで国際的な信用を失ってしまう、そこはわかってもらわないと困ると、自国民を説得しなければならないのです。朴槿恵政権は最高裁でそういう判決が出ると困ったことになると、判決を遅らせるよう画策していたと言われ、文政権はそれはけしからんと、その関係者も処罰しようとしたのですが、そこには国際法的な配慮が働いていたのであり、感覚的には文政権よりよほどまともだったのです。

 しかし、彼にはそんな配慮はまるでなかった。「国内でこういう判決が出てしまったから、再交渉してもらう必要が出てきた。それに応じてもらえないだろうか」と日本政府に言ってきたというのならまだわかります。ところが、彼はそんなことは全くしなかったのです。「韓国は三権分立の国(外部からはそうは見えない)だから、それに口出しはできない」で終わりで、実質的な一方的破棄を当然のように見なしたのです。

 日本政府が十億円を拠出した慰安婦財団を勝手に解散してしまったのも全く同じです。心情的には、あれは朴槿恵政権の功績だったから是が非でも否定しなければならないというのがあったのでしょうが、そんな個人的・党派的な感情、都合のために、ここでも平気で国家間合意を踏みにじったのです。夜郎自大という言葉は文政権のためにこそある。

 しかし、あの解散は一体どういう名目で行われたのか? 次はそれに関する昨年11月24日付のレコード・チャイナの記事です。これは「香港メディアの文匯報」の記事の紹介なので、日本のものではない。日中戦争を戦った中国側の視点から見てそれがどう映ったかという点でも興味深いものです。

なぜ韓国は突然、慰安婦財団を解散したのか―香港メディア

 これを見ると、文政権が言うことをコロコロ変えていたことがよくわかりますが、後半部をそのまま引用(但し、〔〕は引用者の補い)すると、

 ところが21日に突然、韓国女性家族部が解散を発表したと記事は紹介。その理由について、「国民と世論の反応を考慮したからだ」と〔この記事は〕分析した。実際、「韓国国民の多くが不満と反対を表明しており、日韓の合意で慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決したというのは、感情的に受け入れがたいものだった」と〔韓国政府は〕している。また、「被害者及び関係団体からの強い抗議」や、「合意に至るまでの秘密協議の状況が暴露され〔実際は韓国政府が進んで暴露した〕、日韓の政治協議が正常に行えなくなったこと」も原因として挙げている。

 記事は、日韓慰安婦合意には確かに重大な欠陥があるとしつつも、「朴槿恵(パク・クネ)政権と安倍政権との間での合意であり、これを破棄しないことは文政権にとっていくつかの利点がある」と指摘。それは、「国家としての威信を保てること」、「責任を全て朴元大統領に押し付けられること」、「金で慰安婦問題を解決しようとした安倍政権に責任を要求できること」、「この先日本政府に対し再び慰安婦問題を提出する余地ができたこと」だという。

 しかし記事は、問題の本質は「和解・癒やし財団」の解散が事実上、「日韓慰安婦合意」の破棄と同等の意味を持つことにあると指摘。「和解・癒やし財団」の解散で、日韓の「攻守」の立場が逆転し、日本政府は強制徴用問題や竹島問題について「攻勢」をより強め、国際社会において韓国政府の道徳や信用度を攻撃してくる可能性があると分析した。また、朝鮮半島の和平や核問題でも米国からの圧力を受けるようになるだろうとしている。

 結びに記事は、「韓国政府は『日韓慰安婦合意』に重大な欠陥があると考えているなら、日本政府に対し正式に再協議を要求すべきで、日本を説得し続けることが問題解決の王道だと思う」と主張した。


 最後の結論部は、全く道理にかなった話で、徴用工の問題でも慰安婦問題でも、それを日本政府が呑むかどうかは別として、「重大な欠陥があると考えているなら、日本政府に対し正式に再協議を要求すべき」だったのです。それで日本側が頭ごなし拒絶すれば、逆に日本政府が国際的非難の矢面に立たされることもありえたでしょう。しかし、繰り返しますが、驕った文在寅はそのような努力は何もしなかった。

 この慰安婦財団ではとくに、多くの元慰安婦の人たちがその賠償金を受け取った。問題はあのとことん難癖つける挺対協改め正義連で、僕はそれを「札付きの反日左翼市民団体」と呼んでいますが、慰安婦問題を政治利用してきたこの政治団体及び左翼労組などが文政権の支持母体なので、それを「韓国国民の多く」とみなして、それを正当化したのです。

 しかし、「最終的かつ不可逆的」という文言まで織り込んだあれを一方的に破棄することはいくら何でも近代国家としてはまずすぎる。それで「韓国外交部は日本や国際社会からの批判を避けるため、「慰安婦合意を破棄しないこと、日本政府に慰安婦問題の再交渉を求めないこと、『和解・癒やし財団』を解散しないこと」にしていた」のですが、文政権はそのあたりをどうするかも考えず、「突然、…解散を発表」してしまったのです。支離滅裂と言う他はない。朴槿恵、安倍憎しで凝り固まっていたのかもしれませんが、論理も順序もへったくれもないのです。

 解散はしたものの、日本政府は依然としてあれは有効だという立場に立っているから、残金の受け取りも拒んだ。そこで話はこの韓国国会議長センセイの講演に戻りますが、「あの残金も使おう!」という話になるのです。

 文議長は「両国企業の寄付金とするものの、責任のある企業だけでなくそのほかの企業を含め自発的にする寄付金形式」とし、「両国国民の民間寄付の形式を加える」と説明した。

 また、旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」の残りの財源60億ウォン(約5億6000万円)を含めるとし、「このような基金を運用する財団に韓国政府が拠出できる根拠となる条項を作らなければならない」と説明した。


 全くもって支離滅裂な話で、あれは元慰安婦及びその遺族に渡されるべきおカネなのです。それをかの国政府はこちらに何の相談もなく勝手に「解散」してしまった。昔、請求権協定で徴用工の人たちに渡すべき分を韓国政府は勝手に使い込んでしまったのと同じで、慰安婦財団は解散してしまって残金が浮いているから、今度はそれを元徴用工補償に回せば「資金の有効活用」になる、素晴らしいアイディアではありませんかと、唖然とするようなことを平気でのたまうのです。

 国会議長ともなると、「超論理」を自在に使い分ける能力が必要とされるのかもしれませんが、行き当たりばったり適当なことを言って、行き詰まれば前後の脈絡なしにまた別のことを言い出すのです。なのに「韓国は理の国」だと自慢するので、意味がさっぱりわかりませんが、その言葉は紙のように軽く、国家間の合意や協定でさえ、「あれは前の政権が国民感情を無視してやったことなので、関知しない」とそれらを反故にすることに何のためらいも見せないのです。そういう国と国民に、どうやって対処すればいいのでしょう?

 今回の文政権の対応ぶりではっきりわかったのは、韓国は「自己都合」だけの国だということです。国と国との交渉事は、利害が対立するものならなおさら、双方の妥協と歩み寄りがなければ成立しません。100%自分の主張が通らなければイヤというのは幼児の特徴で、小学生同士のおもちゃなどの物々交換ですら、お互いの譲歩が必要だということはわかっている。それが「社会性」というものですが、今の韓国政府にはそれが全くない。前に結んだ約束に対する不満が大きくなったというなら、一方的に破棄するのではなく、相手に再交渉を申し出なければならない。それが理にかなったものなら、相手も譲歩してくれるかもしれない(してくれなくても仕方がない)。しかし、そんな努力は何もせずに一方的に破棄して、相手が怒ると、「賊反荷杖(賊が居直ることで、盗人猛々しいと訳された原語)」と逆ギレするのです。幼稚園児が国の舵取りをしているようなもので、とてもつきあいきれない。

 それで文政権は日韓関係を「最悪」と言われるような事態にまで追い込んだ。最近風向きが変わってきたのは、あのGSOMIAの破棄にアメリカが怒っているからです。元はといえば、慰安婦合意もアメリカの後押しがあってまとまった(僕もあれには驚いたほどで、安倍政権にしては最大限の譲歩でした)。文政権はそれをどちらもチャラにしてしまったのです。加えて、文政権は「大本営発表」を続けていますが、失策続きで経済の落ち込みぶりがひどい。一方的にラブコールを送っている北朝鮮の金正恩には事あるごとに罵倒されるだけ。トランプと来た日には「何であんな人が大統領になったのか」と世界の首脳が居並ぶ席で発言するほどです。また、ヨーロッパ諸国首脳に文は北朝鮮に対する規制緩和を説いて回って、「金正恩の代理人」と冷笑された。まともに相手にしてくれる人間は、外部に誰もいないのです。

 要するに、最近出てきた「対話姿勢」も全部、旗色が悪くなった彼の「自己都合」なのです。ところが、「親日派」を弾劾・追放してしまったために、政権関係者で日本とまともに交渉できる人間が誰もいない。それで、「天皇は戦争犯罪の主犯の息子」発言の国会議長まで駆り出さねばならなくなっているわけで、そのしょーもない御仁の「解決案」というのがこれなのです。「話にならない」と日本政府関係者に一蹴されるのも無理はない。

 にしても、「慰安婦財団の残金も徴用工補償に」という案など、荒唐無稽の域に属するので、「同じ日帝支配の犠牲者だから」という屁理屈で無理に正当化するつもりなのかもしれないが、通る理屈ではないので、そんなものを韓国国会の審議にかけても賛同を得られるわけはないでしょう。それが通るようなら、なおさら韓国は信用できないと、日本人は思うだけです。仮にそれが成立して再合意したところで、100%、問題はまた蒸し返される。

 だから無意味な話なのですが、早稲田でのその珍講演を、学生たちはどんな顔で聴いていたのでしょう。右翼の夕刊フジの記事によれば、「講演会場では、『上皇陛下に謝れ!』などとヤジが飛ぶなど、終始緊迫した雰囲気だった」そうですが、そんなことを言うのは右翼の活動家だろうから、右でも左でもないふつうの学生はこれをどう受け止めたのか。ネットで検索してみても、2ちゃんねるのネトウヨの罵詈雑言はあっても、その様子がわかるようなものは見つかりませんでした。今はあの大学の学生もお行儀がよくなっているので、そこに突っ込みを入れるというようなことはなかったのかもしれません。紳士的に「どういうロジックでそういうことになるのか、ご説明いただけますか?」と質問すれば面白いことになったでしょうが、質疑応答の時間は設けられなかったのか、そういう展開にはならなかったようです。大声でわめくより、そちらの方がずっとインパクトはあったでしょうが。

 何にせよ、文政権は日本での信用を完全に失った。日韓関係改善の糸口は文政権の退陣の他にはない。韓国内の保守派に対しても、日本に対しても、今後は「融和策」を取ってくるかもしれませんが、時すでに遅しで、朴大統領に対する弾劾のろうそくデモ以上の大規模デモが彼を待ち受けているかもしれません。権力を握った野心家が復讐心と功名心に駆られ、夜郎自大なふるまいに陥って自ら墓穴を掘るなど、韓流歴史王朝ドラマを見せられているようですが、それを地で行ったのがあの政権であり、文在寅だと言えるでしょう。あの非常識としか言いようのないチョ・グク事件なども、ドラマの一エピソードとしてはそれにふさわしいものです。

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