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日韓対立に尽力する在韓お困り日本人学者の特殊性

2019.10.03.14:05

 またもや「韓国ネタ」ですが、日韓対立はエスカレートしこそすれ、緩和の方向に向かう兆しはありません。日本もテレビではおかしなことを言うコメンテーターが「嫌韓」を煽っていると批判されていて、もっと考えてものを言ってくれと僕も思いますが、韓国は輪をかけてひどいようなので、前にここでも「もっと公平な議論をしろ」と、ハンギョレに寄稿文を書いた法政大教授・山口二郎氏を批判したことがありますが、例の「韓国は敵なのか」という意味不明サイト(その声明文の支離滅裂についてもコメントした)を作った中心人物の和田春樹・東大名誉教授など、ああいう論点のズレたことを言う日本人しか、韓国の新聞には登場しないのです。そして日本人一般の姿として、排外主義的なネトウヨでいっぱいになっているかのような憶測をもたせるようなことばかり書いて「反日」を煽り続けている。ことに最悪なのは文政権御用新聞のハンギョレですが、新たにこういう「日本人研究者」へのインタビュー(9/30)が出ていました。

『反日種族主義』批判の日本人学者「朝鮮人が貧しくなったのに収奪・搾取なかった?」

 それ以前の朝鮮は豊かだったという話は聞いたことがない(両班による常習的な「収奪・搾取」に庶民はあえいでいたことに、この手の人は決して触れない)ので、この見出しそのものがミスリーディングではないかと思いながら読みましたが、一通り全部読んだ後、この鳥海豊博士(57)なる人物を僕は知らなかったので、グーグルで検索してみました。

「それでも少しずつ変化する部分が確実にある。日本の右派と多くの論争をして、そうなることを感じた。彼らが日帝の朝鮮支配は良いことだったとか言う時、それに対して私がそうではないと言えば、非常に強い反発が噴出する。これについて彼らの話を聞き込み、一つ一つ反論していく。もちろん彼らの中の70~80%は、変わることなく自分の意見に固執するが、側にいる人は「あなたのおかげで考えが大きく変わった、そんな観点でも見ることができるということを知った」という話をしてきた。それを見て、相手が悪いと言って敵として扱い無視するのではなく、彼らと話し合い、粘り強く少しずつ進まなければならないということを知った。あまり難しく重々しく考えると耐えられないので、少しずつ歩んでいかなければならない」

 最後がこう結ばれているので、僕が知らないだけで、その筋ではかなりの有名人だろうと思ったからです。しかし、予想外の結果が出た。僅かしかヒットしないので、これならまだ僕の方がマシなくらいです(笑)。「日本の右派と多くの論争をして」いるのなら、こんな結果はあり得ないので、それは嘘なのです(右翼と論争すれば、有難くないことにネトウヨの攻撃記事も一気に増えてしまうから、それとわかる)。

 ところが、その検索で意外なことがわかった。最初に出てくるのはアマゾンの記事で、『証言「脱会屋」の全て―監禁250日』(光言社 1994)という本が著書として出てきます(この段階では同一人物とは断定できない)。その内容紹介にはこうあります。

 強制的な改宗・脱会を職業的に行う宮村峻らの「脱会屋グループ」らによって250日にも渡る拉致・監禁の拘束を受けた著者の、信仰を賭けた闘いの総てを再現した魂のドキュメント。

 さらに見ていくと、次の記事が出てきて、これを覗くと、ハンギョレ記事の写真と、この「全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会」というサイトに出ている写真が同一人物のものらしいのに気づきます(後者は2012/1/8のもの)。一番下に(講師紹介)が出ていて、生年からしても現在57歳というハンギョレの記述と一致する。同時に、上の「信仰を賭けた戦い」の「信仰」が何だったのかもわかるのです。

鳥海豊氏による拉致監禁対策講座を開講

●鳥海豊(とりうみ・ゆたか)
1962年、東京生まれ。早大在学中、原理研究会に入会。大学卒業後、合同結婚式に参加。1991年4月宮村峻らの強制改宗グループにより拉致監禁され強制棄教を迫られる。8か月間にわたる説得を受けながらも自力で脱出した。


 つまり、ハンギョレ記事の人物はあの文鮮明によって創設されたカルト、統一教会の筋金入り信者なのです(原理研はその下部機関で、学生サークルの装いを取る)。僕も学生の頃、高田馬場の駅前で、見知らぬ青年に「宗教と科学を統一する究極的な真理」に興味はないかとたずねられ、「ある」と答えると隅っこの方に連れて行かれて、レクチャーされたことがあります。何でも彼はその「究極原理」を知っているのだという。それは凄いと、僕は真面目にその話を聞こうとしましたが、話は妄想じみて支離滅裂としか思えず、この人は科学や宗教の基本的な知識すらないのではないのかとがっかりしました。しかし、根が親切な人間なので、逆にレクチャーしてあげることにして、近代科学それ自体がキリスト教と無関係ではなかったので、たとえばニュートンのあの『プリンキピア』は、ニュートンとしては「神の存在証明」のつもりだったのだというところから始めて、デカルトの神の存在証明が失敗に終わらざるを得なかったのはなぜなのか、そして当時文系学生でも関心をもって読むことが多かったシュレディンガー(波動方程式で有名)の生命論や、ハイゼンベルクの不確定性原理などに言及し、話がこれから佳境に入るというところで、「もういいです!」と叫んで、その男は雑踏の中に姿を消しました。とても「究極的な真理」に関心をもつ人間の態度とは思えない。後で友達に話したら、それは原理研だよ、という話で、おまえみたいなのをつかまえるとは、そいつも人を見る目がないなと笑っていましたが、そのとき初めて僕はそういう団体が存在するのを知ったのです。

 統一教会の信者だからといって言うことが出鱈目と決めつけるのはよくないでしょうが、ハンギョレの記事がそういうことに全く触れないのはどう見てもフェアではない。彼らが熱烈な文鮮明信仰=それと結びついた親韓の強烈なバイアスをもっているのは確実なので、当然それは資料の扱いや解釈にも影響するでしょう。この人物が日本で日韓関係の歴史の研究家としてほとんど認められていないことにも、ハンギョレは当然触れません。記事の最後の彼の言葉を見ると、あたかも日本国内で右翼を相手に堂々の論陣を張っているかのようですが、そんな事実は全くないと見られるのです(記事の彼の著書だという『日本人学者が見た植民地近代化論』なる本も、韓国で出版されたハングル版しかない。とうの昔に絶版になっている『東大生に語った韓国史』という韓国人著者の訳本が一冊あるだけです)。

 どうせなら、『統一教会信者である特殊な日本人学者が見た植民地近代化論』としてもらいたいが、韓国の人たちはそういうことは全く知らないまま、この記事を読むわけです(韓国内ですら統一教会信者と聞くと「何?」と思う人は多いでしょう)。「東京で生まれ育った鳥海豊博士は、日本の早稲田大学経済学科を卒業(1986年)後、職場生活を過ごし、2000年に一歩遅れて韓国史に関する勉強を始めた」とは書いても、「在学中、原理研究会に入会。大学卒業後、合同結婚式に参加」という事実は伏せるのです。せっかく「日本人研究者にもこう言う人がいる(だからハンギョレの反日史観は正しい!)」と印象づけようとしているのに、そんな余計な情報を入れたのでは逆効果になる。そういうことなのでしょう。ついでに言うと、統一教会が「霊感商法」の名を有名にした問題カルトであることは有名ですが、これから分派した「摂理」という強姦教祖のお粗末カルトまである。次は「日本脱カルト協会」のそれに対する注意喚起記事です。

・キリスト教福音宣教会(摂理)に関する声明と注意喚起

 韓国発のロクでもないカルトに日本は迷惑をこうむっていると言えば、「ヘイト発言だ!」と叱られるかもしれませんが、カルト規制の甘い日本は、韓国発カルトにとっては資金を吸い上げるのにもってこいの、便利な「植民地」みたいなものなのです(他にも韓国人が日本で始めたカルトを僕は知っていますが、知人に教祖の著書を一冊読まされてその無内容な愚劣さには呆れたものの、べつだん目立った被害はまだ出ていないようなので、名前は出さないでおきます)。

 こういうおかしな「例外的日本人」が「反日」強化に韓国メディアで利用される。その特殊性は全く紹介されないままで。次のデイリー新潮の記事(9/29)の「日本人学者」もそれと似たようなものです。

安倍首相は第2のヒトラー…… 著書でこう主張する“韓国人”政治学者の正体

 僕は安倍とそのネトウヨの取り巻きを好みませんが、それとこういうのとは「別次元」の話なので、以下は「9月19日付韓国の『毎日経済』電子版」の、彼の新刊の内容を紹介した記事の「要約」だそうですが、その「極端さ」には唖然とさせられます。

〈韓日問題専門家の保坂祐二教授は、安倍政権が1945年以前の大日本帝国を復元するため、そのシナリオを進めていると主張する。安倍政権は、大日本帝国を復活させるために、「独裁」の道へ突入、残酷な侵略と戦争を起こす可能性があるという。保坂教授はこのような兆候を数年前から強く感じていた。嫌韓デモを主導する極右集団が現れ、安倍晋三という極右政治家が長年の間、総理の座に居座るという異常な現象が日本で日常化してしまった。そして、大日本帝国の復元を実現する第一段階として、韓国を脅かし始めていると主張する。ヒトラーがユダヤ人を敵と見なし、ドイツ人の怒りと不満の噴出口にしたように、安倍政権は韓国をいけにえにして日本国民の怒りと不満を噴出させようとしている。強制徴用工問題が解決されても、韓国を敵と見なす安倍政権の態度は簡単に変わらないだろうと保坂教授は見ている。日本の極右勢力にとって、大日本帝国を復活させるのに、安倍ほど適した人物はいない。安倍総理は、第2次世界大戦のA級戦犯として逮捕された日本極右派の元祖・岸信介の外孫だ……〉

 僕も安倍政権には「戦前回帰」志向が強く、言論統制に向かう危険な性格があると書いたことがあって、韓国の度の過ぎた「反日」がネトウヨを元気づけて、その追い風になっているので日本国民としては迷惑この上ないと言いましたが、「安倍政権は、大日本帝国を復活させるために、『独裁』の道へ突入、残酷な侵略と戦争を起こす可能性がある」「大日本帝国の復元を実現する第一段階として、韓国を脅かし始めている」「ヒトラーがユダヤ人を敵と見なし、ドイツ人の怒りと不満の噴出口にしたように、安倍政権は韓国をいけにえにして日本国民の怒りと不満を噴出させようとしている」となると明らかにふつうではない。精神病院に入ってもらわないと困るようなレベルと思われますが、文在寅自身が「安倍政権は政権維持のために嫌韓を煽っている」とズレすぎたことをかねて言っているので、それはこういう狂人を「ブレーン」にしているからではないかと、妙に納得してしまうのです。そうではない、今回のことは安倍政権がどうのという以前の問題なので、一般の日本人が怒っているのは、次から次へと韓国が国家間の信義を踏みにじるようなことを平然として、にもかかわらず、全部日本が悪いと言って日本非難をエスカレートさせるからだと説明しても、こういうお困り日本人学者が「日韓間で何かあるたびにテレビに呼ばれ」、「昨今の緊迫した日韓関係では、もう引っ張りだこ」という状況では、「日本の民意」が全く伝わらないのはあたりまえだ、ということになるでしょう。

 今の日韓関係の深刻な悪化は、日本の「右傾化」とは直接関係がない。山口二郎や和田春樹(ハンギョレが言うように別に「日本で尊敬」されてはいない)といった人たちが安倍政権と無理にからめておかしなことを言い、それに加えて、この手の、どう見てもまともとは思えない、日本では無名の「日本人研究者」の「反日言説」しか韓国のマスコミでは取り上げないので、彼ら自身の「正義」妄想が強化されるだけでなく、歪められた日本像しか伝わらなくなっているのです。

 僕自身は日本人としては標準的な史観(ネトウヨのそれではない)をもつ者だと思っていて、その史観は韓国の学校で教えられている歴史のそれよりはずっと「客観性」のあるものだと思っていますが、それにも間違いはあるだろうから、日韓でもっと研究が進むのは大歓迎です。しかし、今の文政権下の韓国でそれが進む気配はなく、その独善的「ファンタジー性」がさらに強化される方向への言説ばかりが称揚され、それにおかしな日本人学者が加担して事態をさらに悪化させるのでは困るなと思うのです(韓国のそうした「偏向」が極端すぎて、『反日種族主義』のような内部からの批判も出てきているわけですが)。

 ことに上に見た二人の「日本人歴史家」のような人たちは問題なので、「どうせ韓国のやることだから…」という態度を取らず、正面からそれを批判してくれる日本人歴史家が出てきてくれるのを僕は期待しています。そうすれば、彼らを担ぎ出す韓国メディアも次第にいい加減なことは言えなくなって、もう少しまともな対日報道が期待できるようになる。それとも、彼らの言うことは正しいので、反論できないのでしょうか? 真実を愛する僕はそれなら仕方がないと思いますが、そんなことはおそらくないでしょう。

 ハンギョレは日本語版があることからして、日本語ができるスタッフがいるのでしょう。それならブログで「鳥海豊氏は統一教会信者だが、その事実を伏せるのはどうしてなのか?」と疑問を呈している日本人がいるので、今度はそれに答える記事を書いたらどうかと、本社に伝えてくれませんかね? あらためてインタビューして、その「信仰」とこうした「歴史研究」の関係について聞いて、僕が疑っている「極端なバイアス」が存在しないことを明らかにする必要があるのです。ウィキペディアの「統一教会」の項にはこう書かれています。

 日本のセミナー等で、『原理講論』(註:これが根本経典とされる)で説かれる堕落の経緯と復帰の歴史を説明される際に、韓国はアダム国家、日本はエバ国家とされ、先に堕落したエバがアダムに侍(はべ)ることは当然であると説かれている。朝鮮を植民地支配し民族の尊厳を踏みにじった日本はエバと同じであり、韓国に贖罪しなければならないとされているのである。合同結婚式では、日本人女性・韓国人男性のカップルが多く生み出されており、結婚した日本人女性は韓国人の夫や家族に尽くすことが求められる。

『原理講論』それ自体、ロクな裏付けもない文鮮明の「壮大なファンタジー」の所産にすぎないのだろうと僕は思いますが、そういう「教え」が鳥海氏の心の中に核としてあって日韓史を書けば、結論は初めから決まっているのだから、中身がどんなものになるかは想像に難くない。歴史は信仰告白ではない。これは「日本は神国」だとする「史観」の逆ヴァージョンですが、そのどちらも困るのです。そういう「信仰」次元から歴史を云々していたのでは、永遠にまともな歴史理解に達することはないでしょう。当然、日韓の和解もないわけです。

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