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朝鮮統一国家ができたら、日本は恐ろしい目に遭う?

2019.08.07.13:37

 次の報道は多くの日本人の失笑を買いました。日本人だけでなく、韓国でも、「あいつはつける薬のない、本物の馬鹿だな…」とひそかに呆れた人が、賢い人には多かっただろうと思いますが、そこからあれこれ考えていくうちに、「これはひょっとしたら、日本にとっても大変なことになるのではないか?」と心配になってきました。むろん、文大統領が言っているのとは全然違う意味で、です。

 しかし、順を追って見ていきましょう。以下は中央日報・日本語版の記事です。

・文在寅大統領「南北平和経済の実現時は一気に日本経済に追いつく」

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5日午後2時、首席・補佐官会議を主宰しながら「南北間の経済協力によって平和経済が実現すれば我々は一気に日本経済に〔の?〕優位に追いつくことができる」と話した。
「日本経済が我々の経済より優位にあるのは経済規模と内需市場」と話したが、韓日葛藤を南北関係改善と結びつけたものだ。
 また「日本政府はこれまで痛い過去を克服して互恵協力的な韓日関係を発展させてきた両国民に大きな傷を与えている」とし「過去を記憶しない国・日本という批判も日本政府が自ら作っている」と指摘した。
 続いて「日本が自由貿易秩序を乱すことに対する国際社会の批判も非常に大きく、日本は経済力だけで世界の指導的位置に立つことができない点に気づかなくてはならないだろう」と強調した。そして文大統領は「大韓民国は道徳的優位を基に成熟した民主主義の上に平和国家と文化強国の地位をより高め、経済強国として新たな未来を開くだろう」と話した。(8/5(月) 15:57配信)


 こういうお粗末なオツムの持ち主が大統領をやっている国というのはほんとに恐ろしいなと思ってしまいますが、これを書いた中央日報の記者自身、唖然としたことでしょう。しかし、批判めいたことを少しでも書こうものなら「積弊清算」の対象として、どんな目に遭わされるかわからないので、淡々と事実を報道するにとどめたのでしょう。

 要はこういうことです。「南北間の経済協力によって平和経済が実現すれば我々は一気に日本経済に追いつき、優位に立つことができる」、なぜなら、「日本経済が我々の経済より優位にあるのは経済規模と内需市場」だけなので、北朝鮮が加われば人口は一気に増え、「経済規模」は拡大して、新たな「内需市場」が獲得できるからだ、とのたまうのです。

 これ、小学一年生の算数です。他のことは何もカウントされていない。北朝鮮というのは、恐怖の独裁国家であることをいいことに、民の苦難をよそに、核開発だの、ミサイル発射だのでカネを浪費し続けていますが、飢餓が慢性化して、毎年国外からの大量の食糧支援がないとやっていけず、兵士も下っ端はみんな栄養失調で苦しんでいるという、世界の最貧国の一つです。むろん、ロクな生活インフラもない。高度な技術やまともな産業もないことは言うまでもありません。たしかに、あそこまで生活状況がひどければ、これからの「経済成長の余地」は大いにあるでしょう。しかし、カネもインフラも教育も技術もないの、ないない尽くしなのだから、まずひたすら支援しなければならず、モノやサービスを買ってくれるどころではないので、何十年かは「市場」にはならない。韓国は「持ち出し」のみ多くなるわけですが、それでなくとも危ない韓国経済にそんなゆとりは全くないでしょう。

 かつてベルリンの壁崩壊後の、ドイツ再統一がありました。当時の西ドイツは世界屈指の経済大国で、こう言っては失礼ながら、今の韓国とはレベルが全く違っていた。そして東ドイツは、北朝鮮などよりはるかにマシで、「社会主義国の優等生」と呼ばれていた。それでも大変な苦労があったので、次の熊谷徹氏の記事は2015年のものですが、その当時のダメージは今でも残っているのです。

「ドイツ統一に2兆ユーロかかった」と言って怒られた教授

 要するに、今の韓国と北朝鮮の「統一」など、ほとんど自殺行為に等しいということです。もう一つ、ドイツ再統一のときと違うのは、今の北朝鮮は異様な独裁国(文大統領はその「主体思想」とやらの熱烈共鳴者?)ですが、そういう厄介な政治問題もなかったことです。東ドイツに、金正恩はいなかった。文在寅は経済学の基礎知識が皆無なだけでなく、そこらへんの困難も全く認識していない。韓国の保守派が怒るのもあたりまえです。また、朝鮮民族というのは、昔からとにかく内輪揉めが多いので、こういう体制問題をうまく処理できるとも思えない。文大統領は願望とファンタジーだけで生きている人なので、彼にそんな手腕が全くないのはなおさらのことです。

 だから、「南北平和経済の実現時は一気に日本経済に追いつく」というのは妄想の最たるもので、ここまで頭が悪い政治家というのも珍しい。人口千人の田舎の村長でも、もっとマシなことが考えられるでしょう。こんなのが大統領をやっているのだから、日本との関係がまずくなったのはあたりまえです。原因が自分にあったことが理解できないというのもよくわかる。僕はもう真面目に彼を批判する気力が失せました。

 しかし、ひたすら金正恩にすり寄って、おだて上げ、後先考えず、「朝鮮統一」を成し遂げたとしましょう。摩訶不思議な「ウリ朝鮮独裁的民主主義共和国」ができて、金正恩大統領、文在寅首相の組み合わせでスタートするのです。むろん、経済はすぐ壊滅状態に陥ります。僕が「心配になってきた」というのは、実はここからです。

 ここで、文在寅首相はヤケクソになりかけた金大統領に耳打ちするのです。「この経済的苦境を打開する名案があります」「それは何なわけ?」と金正恩は投げやりな口調でたずねます。ふっふっふ、と文在寅は不敵な笑みを浮かべる。「あの反省を知らない、道徳的に劣った日本めにカネを出させるのです」「どうやって?」「ほら、ご存じありませんかね。しばらく前にウチの大法院が出した徴用工の判決を?」知らん、という金正恩大統領に、文首相はこう説明します。

「あれは、つまり、『不法な植民地支配』の『不法性』に対する『慰謝料』だったのです。過去にすでに賠償を受けているので、未払い賃金というのでは具合が悪いから、そういうことにした。つまり、それならウリ国民は全員が慰謝料をあの日帝、道徳劣等国家に請求できる権利をもっていることになります。あの判決は実はそこに画期性があったのです!」
「でも、その当時の人間は年寄りばかりで、もうあんまり残ってないだろ?」
「たしかに…。しかしですよ、『不法な植民地支配』時代のウリ国民の多くは死んでしまったとしても、故人の場合は、その子供や孫が『請求権』をもつということにすればいいんです。なぜといって、彼らは慰謝料を請求できずに死んだのだから、その請求権は相続されたものと解すべきだからです。そうすると、少なくとも当時の人口分の請求権が発生するということです。控えめに見ても、日本円で一人500万ぐらいは請求できるので、そうすると全体では軽く…」
「なるほど、それは使える! おまえも、相手がこと日本となると、厚かましいというか、悪知恵が働くというか、うまいこと理屈がこじつけられるな」
「その後の南北分裂も、朝鮮戦争も、全部日帝めのせいなのです。全部あの道徳的劣等国が悪い。従って、南北統一後のこの経済的苦難を肩代わりするのは当然で、それでこそ過去の償いにもなるということで、これは申し分なく『正義』にかなったことなのです。日本のウリ協力新聞も、賛意を表す社説を掲載することでしょう。世界にも反省を知らない日本の邪悪さと、その請求権の正当性を宣伝しまくるのです」
「よっしゃあ、それで行こう! 四の五の言ったら、核ミサイルをぶち込んでやる。そうやって脅してやればいいのだな。がはは…」
「さようで…。これで日本は落ち、ウリ朝鮮統一国家は昇る。そうして繁栄の輝かしき時代を迎えるのです」

 実はそういうことだったりして…。あの文在寅の便利な思考構造なら、その程度のことは平気で考えかねないと、想像して、僕は思わず戦慄したのでした。

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