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日本政府は妥協の必要なし~韓国「徴用工」判決

2018.11.07(11:54) 610

 昔は「泣く子と地頭には勝てぬ」と言ったものです。これは聞き分けのない子供や権力者相手には道理を説いても無駄、という意味ですが、「泣く子と朝鮮(=韓国・北朝鮮)には…」という新バージョンの諺ができるかもしれません。この場合、どちらも「道理の通じない相手」となって、同語反復みたいになりますが。

 しかし、そう言いたくなる人は、今は多いのではないでしょうか。北朝鮮は約束を守らない常習犯で、とうとう核開発までして、「廃棄」するという言葉を信じているのは、韓国大統領・文在寅とその一派だけです(彼はこの前のヨーロッパ歴訪で金正恩が信頼できることと、経済制裁の解除を説いて回って、「北の代理人」と揶揄され、各国首脳から総スカンを食いました)。そしてその韓国は、「最終的かつ不可逆的」だったはずの慰安婦合意を事実上一方的に破棄して、今度は韓国大法院(最高裁に当たる)までおかしなことを言い出して、「完全かつ最終的に解決された」はずの日韓請求権協定の合意まで反故にしたのです。

「最終的かつ不可逆的」だの「完全かつ最終的に解決」だのという文言をいくら入れても、あの国には何の効き目もないので、堪忍袋の緒が切れた日本政府は次のように対応を決めたそうです。

徴用工問題で日本政府、国際司法裁に提訴へ 大使召還は行わず

 安倍政権を支持するかどうかとは関係なく、これには日本人のほとんどが異論を唱えないでしょう。僕もその通りのことをやってくれ、と思います。とくに国際社会にアピールしてゆくというのがよいので、今まではその方面の努力が不足しすぎていました。国際的な場に引きずり出して、韓国のご都合主義的な無茶ぶりを白日の下にさらさないと、永遠にたかられ続ける。すでにあの「徴用工」判決を受けて、「元徴用工らを支援する財団」に相談が殺到していて、「訴訟に関する相談に加え、『私もお金を受け取れるか』という質問もあった」(時事通信)そうで、最悪の場合、その請求額は二兆円に達すると見積もられているのです。

 ここであらためて、「徴用工」問題と、韓国大法院のそれについての奇怪な“新解釈”のロジックをおさらいしておきましょう。まず、報じられている「事実関係」は次のようなものです。1965年の国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定の際、韓国政府(朴正熙政権)に対し、日本側は「無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドルの供与及び融資を行った。この時、韓国政府はこの供与及び融資を日本に対して債権を有する個々人にはほとんど支給せず、自国の経済基盤整備の為に使用した」(ウィキペディア)のです。

 この交渉には長い前史があって、韓国側は法外なふっかけを呑ませられなかったことをいまだに根に持っており、それが「蒸し返し」の遠因になっていると思われますが、当時の5億ドル(その頃は1ドル=360円の時代だったので、日本円にすると1800億円になる)は、当時の韓国の国家予算の2年分に相当したと言われており、日本にとってもギリギリの線でした。

 その際、日本側は個人に対する賠償方式を提案した(これは当時折衝に当たった人の証言があるので間違いない)ということですが、韓国側が政府の一括受け取りを希望したので、当時の韓国の政治・経済事情を汲んで譲歩したものの、後で韓国人が個人レベルで「自分はもらっていない」と蒸し返すことが十分に考えられたため、「両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が…完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記したのです。

 だから、韓国人個人の請求権は日本や日本企業に対してではなく、韓国政府に対してあると理解するのが正しい、というのが、多くの日本の識者の見解です。

 げんに、韓国自身、「2005年に公開した外交文書でも、個人に対する補償は韓国政府が責任を持つことで、日韓両国の政府が合意していたことが明らかになり、韓国政府は、日本政府と同様に、徴用をめぐる問題は国交正常化に伴って解決されたという立場を示しました」(NHKウェブサイト)ということなので、この時の大統領は文在寅の師または先輩に当たる盧武鉉でした。左派の彼でさえ、それは渋々ながらも認めざるを得なかったのです。

 要するに、当時の韓国政府は、個人に支払うべきものまで使ってしまったということになりますが、「当時の韓国の国家予算の約2年分に相当するこの巨額の資金が、国内インフラ整備事業投資として使われ、“漢江の奇跡”と呼ばれる経済成長が実現した」(FNN PRIME)のは事実であり、全体としては個人もその恩恵を受けたのです。もらえるはずのものがもらえなかった徴用工の人たちはワリを食ったということになりますが、それなら自国政府を訴えればいいものを、彼らはそうせず、日本企業を訴えた。

 それで敗訴が続いていたものの、韓国大法院は、2012年5月、「反人道的不法行為や植民地支配と直結した不法行為による損害賠償請求権は、日韓請求権協定の適用対象に含まれていると見ることは難しい」という“新判断”を示した。それで流れが変わって、今回の判決につながったのです。

 これは韓国お得意の「世論への迎合」と見られますが、そのレトリックはどうなっているのか? そこらへんを詳細に分析した記事は稀ですが、6日付の「徴用工問題・韓国政府は『統治能力不足のツケ』をまた日本に回す気か」と題された町田徹氏のネット記事はその点にも触れている貴重なものです。記事全文は以下をクリックして見ていただくとして、関係個所だけまとめると、次のようになります。

「徴用工問題・韓国政府は「統治能力不足のツケ」をまた日本に回す気か

 要するに、2012年の大法院による「個人請求権は消滅していない」との判断は、日韓請求権協定が「両国間の債権・債務の関係を政治的に解決する取り決め」に過ぎず、「不法な植民地支配に対する賠償を請求する交渉ではなかった」とする解釈、というより、曲解に基づくのです。

 その論理によれば、日韓請求権協定の中身は、「日本の不法な植民地支配に対する賠償を請求するためのものではなく、日韓両国間の財政的、民事的債権・債務関係を政治的合意により解決するためのもの」に過ぎなかった。「日韓請求権協定の交渉過程で、日本政府は植民地支配の不法性を認めず、強制動員被害の法的賠償を根源的に否定した」のであり、「そのため日韓両政府は日本の朝鮮半島支配の性格に関し合意に至らなかった」のであるから、「こうした状況で、強制動員の請求権が協定の適用対象に含まれたとは言い難い」、従って、「(歴代の日韓両政府がとってきた)日韓請求権協定で解決済みとの立場は認められず、原告に請求権がある」と“認定”されたのです。

 他の細かい論点は省くとして、これがそのロジックの肝(きも)です。これは法律学的な議論に不慣れな人には何が何やらさっぱりわからないでしょう。幸いに僕は法学部の出身なので、この種の三百代言的な屁理屈にもある程度免疫があるので、たとえ話でわかりやすくご説明しましょう。

 たとえば、A男がBさんの家族に暴力をふるって怪我をさせてしまったとしましょう。それでA男の一家とBさん一家が後で話し合うことになり、A家がB家に5千万の賠償をするということで和解したが、B家の家長は被害に遭った自分の家族には「これはオレが預かっておく」と言ってお金を渡さず、B家の新事業なるものに全部その賠償金をつぎ込んでしまった。いや、少しは渡したが、それは雀の涙で、大方は事業に使ってしまったのです。

 A家は、それはB家内部の問題で、賠償はもう済んだという立場です。ところが、B家に一人、粗探し好きの法律おたくがいて、その賠償時の協約文書を読んで、そこに驚くべき「新発見」をした。何とその文書にはA男がBさんの家族を「不法に」殴った、という文言は入っていなかったのです! これはA一家が事件の「不法性」を認めていなかった十分な証拠となる。従って、あの5千万には、その「不法行為」による賠償分は含まれていなかったことになり、B家の家族は個別にA家のA男を、その「不法行為」に基づいて直接訴えてよい根拠があるとわかったのです。何たる素晴らしい発見!

 しかし、それでは奇妙なことになってしまいます。それならなぜA家はB家に5千万も支払ったのか、その理由がわからなくなるからです。「不法行為」という文言が中に入っていようがいまいが、A家は「悪かった」と思ったから、B家への多額の支払いに同意したのではなかったのか? でなければ支払う理由がない。ふつうはそう解釈します。しかし、「悪かった」という謝罪の文言が入っていないから、それはそういう性質のものではなく、両家間の「財政的、民事的債権・債務関係を政治的合意により解決するためのもの」でしかなかったというのだから、何かよくわからない負債を別途、A家はB家に対して抱えていたのであり、その5千万はその債務の支払いにすぎなかったのだと、そういう理屈になります。

 それなら一体当時の巨額の賠償は何に対するものだったのか、韓国はそれを説明しなければならなくなったということです。日韓請求権協定の文書には「不法行為」という文言がないので、不法行為にまつわる諸々の請求権は消滅していないのだというのなら、あの5億ドルは何のために支払われたのかということを、韓国政府は日本にも国際社会によくわかるように説明しなければならない。それは韓国が日本に対して持つ「不法行為」とは無関係な債権への支払いだったというのだから、それがどんな「債権」だったのか、説明してもらう必要があるのです。

 とくに事実上の賠償金と解釈される無償の3億ドル(日本円に換算して1080億円)に関してはそうです。それに対応する「不法行為」とは無関係な公的債務が日本にはあったと言うのですから、それは全くの初耳ですが、韓国は日本に対して自国がもっていたとされるその「債権」の詳細を示す必要があるのです。それができないのであれば、このロジックは破綻する。

 冒頭記事の、国際司法裁判所への提訴について、

 その場合も韓国の同意は得られないとみられ、裁判自体は成立しない可能性が高い。だが、韓国に同意しない理由を説明する義務が発生するため、政府は「韓国の異常性を世界に知らしめることができる」と判断した。

 というのは、賢いやり方です。こういうのは腰を据えて徹底的にやった方がいい。相手が法律論で来るのなら、出るところに出て、こちらも法律論で応じて、とことんやればいいのです。中途半端なことをするから、いつまでたっても話が終わらない。従軍慰安婦問題でも、徴用工問題でも同じですが、韓国政府もマスコミも、自分たちに不都合なことは隠して、「何もしない」日本を非難することばかりして、これにいわゆる「反日左翼市民団体」が嘘や誇張もまじえた被害話を加えて煽るため、「善良なコリアと凶悪な日帝」図式が韓国民の間には定着し、外圧がないとその洗脳状態が破れないようになっているのです。

 日本人が「そんな馬鹿な話があるか」と言うだけでは、「反省のない日本人がまた言っている」としか解釈されないわけで、国際社会からも支持を得られないとわかって初めて、そこに変化が生じることが期待できる。問題の最大の根は「歴代の見栄張りと迎合主義の韓国政府が日本側の賠償の事実を正しく伝えず、国民への説明責任を果たしてこなかったこと」にあるということを、明確に韓国民にご理解いただく必要があるのです。

 むろん、きちんと理論武装しないと、韓国の「市民団体」なるものには異常なものが多くて、平気で虚偽だらけのPRもやってのけるので、その虚偽宣伝をそのまま放置したのでは、日本は誤解されたままになる恐れがある。ネトウヨ式の「日本の植民地支配は正しかった」説も、同じく日本の立場を悪くするだけなので、彼らにも「迷惑だから引っ込んでろ」と言っておく必要がある。両方に対応しなければならないので大変ですが、この際だからきっちり落とし前はつけておく必要があるのです。

 それにしても、僕が驚くのは、この韓国大法院の立論の“筋の悪さ”です。ふつう、よほどの悪徳弁護士でないとこういうことは言い出さない。「不法行為」という文言がそこに入っていなくとも、日本側のそれは過去の植民地支配とそれにまつわる諸々のことに対する事実上の賠償だったということはわかっているはずです。わかっていながら、個人的請求権を認めるためにそういうロジックを案出したので、これは確信犯です。他方、自国政府が個人に渡すべきものを渡さなかったことには頬被りして、日本企業に対して、「取れるだけ取れ」とけしかけているわけで、政府も政府なら司法も司法です。おまえらはタカリを商売にしている国なのかと言われても、反論はできないでしょう。ほんとにタチが悪い。文政権は「三権分立を尊重する」なんて白々しいことを言っているようですが、司法と行政はグルになっているのです。あの国に三権分立など存在しない。

 僕は元々が嫌韓派ではないし、感情的になってこれを書いているのでもありません(むしろこれで在日朝鮮人の人たちの肩身が狭くなってしまうのではないかと、それを心配しているほどです)。自国民であろうと、外国人であろうと、こういう卑劣な難癖をつける連中は許しがたいと思っているだけです。従軍慰安婦問題でも、あの『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河教授に対するしつこい訴訟、有罪判決には呆れたし、全くもって「最低国家」だと思います。

 日本政府は韓国がいくらギャアギャア言おうとも、“粛々として”明確な対応を貫いてもらいたいと思います。以下はこれを書いている途中入った、最新ニュースです。

【ソウル=名村隆寛】韓国外務省は6日深夜、元徴用工による訴訟の韓国最高裁の判決に河野太郎外相が「認められない」などと反発していることに対し、「遺憾である」との声明を発表した。判決に対する日本政府の反応に韓国政府が見解を示したのは今回が初めて。
 声明は「韓国国民の感情を刺激する発言を続けていることを非常に憂慮している。特に韓国司法の判断に対し、節制のない言葉で評価するなど、過剰反応していることを強く遺憾に思わざるを得ない」と日本側を批判。「三権分立の原則に従い、韓国の行政府は司法判断を尊重せねばならない」と強調した。
 その上で、「今回の事案を政治的に過度に浮き彫りにさせることは、韓日関係の未来志向的な発展のためにはならないことを、日本政府は明確に認識すべきだ」とした。(産経)


 エラそうなことを言うのなら、無責任に「日本国民の感情を刺激する」自国の政府と司法の行いを反省してからにしろ。そして、「韓国の行政府は司法判断を尊重せねばならない」と言うのなら、国際司法裁判所への提訴に同意して、そこで自国の司法と政府が「まとも」であるかどうか、国際社会に問えばいいのです。それはせずにこそこそ逃げ回り、重要な国家間合意を次々勝手にひっくり返しておいて、耐えかねた日本が怒ると「そういう態度は未来志向的な発展のためにはならない」とはどんな便利なオツムの構造になっているのか? 馬鹿も休み休め言えと、日本政府は“冷静に”返してやるべきでしょう。逆立ちしたコリアン・ロジックにこれ以上付き合う義理は全くないのです。


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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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