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中国共産党によるウイグル人大弾圧

2018.10.19.16:15

 あらかじめお断りしておきますが、ここは「幸福の科学」のサイトでもなければ、ネトウヨのブログでもありません。ふだんお読みになっている方でそんな誤解をする人はいないと思いますが、タイトルだけ見てそう思われては困るので。

 僕はおととい、知人からこのウイグル弾圧の話をされ、「だからあの国(=中国)は恐ろしいのだ」と言うのを聞いて、「それはどこから出た話ですか?」と思わず聞いてしまったのですが、今日、グーグルのニュースサイトを見ていて、最新号の『ニューズウイーク』がその特集をしているらしいのを知り、「どうやらそれは信憑性のある話らしいな」と思いました。

 中国がチベットを侵略し、そこで無茶苦茶なことをやらかしている(今も)というのは、世界中で知らない人がいないくらいです。大体が、同胞相手でも、「反体制」は徹底的に取り締まり、弾圧するのがあの国です。前に、弁護士など、人権派、民主派と目される人たちが中国国内で一斉検挙され、そういう人たちの中にはそのまま行方不明になってしまうケースも少なくないという話をここでも紹介した記憶があるのですが、ウイグル人に関する、僕が知人から聞いた話はあまりにも極端で、「今は中国共産党も外部の評判をかなり気にするようになっているはずなので、そこまで露骨なことを果たしてやるかな?」と思ってしまったのです。

 最新号の『ニューズウイーク』を僕は買って読むつもりですが、ネットのニュースサイトに出ている記事だけでも相当のことはわかる。冒頭、「幸福の科学のサイトではない」と書いたのは、こういうところが今はややこしいのですが、グーグルでこの問題を検索してみると、やたら「幸福の科学」関係が多いからです。Youtubeの動画『THE FACT』というのが最初に出てきますが、これも幸福の科学のものです。あの「お釈迦様の生まれ変わり」を自称する「霊言」教祖率いる宗教団体は、「幸福実現党」という政党を作り、幸いにしてそれで当選した候補はまだ一人もいませんが、憲法改正して強大な国防軍を作り、北朝鮮が危険なそぶりを見せた場合、先制攻撃して潰すのが正しいといった、ネトウヨよりももっとネトウヨ的なことを言って、そういうのも『新潮45』と似た新たな信者獲得の手段なのかもしれませんが、物騒この上ない。中国嫌いもその特徴の一つなので、中立公正さに欠けるそのようなカルトが言うと、ほんとのことでも作り話か誇張のように思えてしまうのです。

 むろん、『ニューズウイーク』だと全面的に信用できるというわけではありませんが、少なくとも「幸福の科学」よりはずっと信頼度が高い。ニュースサイトに出ているのは、次の記事です。

・ムスリム世界が「同胞」ウイグルの悲劇を無視する訳

 要するに、中国が経済大国化して、それに依存する国が増え、ムスリム国家でもそれに見て見ぬふりをするようになっているということと、極端な情報統制によって、その惨状が外に出にくくなっているといった事情が大きいということですが、この記事には下に「参考記事」が三本ついていて、そのうち二本は、日本人研究者(中国現代史)、水谷尚子氏のものです。

・ウイグル「絶望」収容所──中国共産党のウイグル人大量収監が始まった(2018.2.16)

・ウイグル絶望収容所の収監者数は89万人以上(2018.3.13)

「何とまあ…」と唖然とせざるを得ません。下の記事によれば、

 ウイグル人やカザフ人らを収監し、愛国主義教育と漢語使用を強要し始めたのは、元チベット自治区党書記だった陳全国(チェン・チュエングオ)が、16年8月に新疆ウイグル自治区党書記になってからだ。16年末に試験的に収容が始まり、17年から大々的に行なわれるようになった。陳全国がチベットにいた頃、チベットでは約100人を優に超えるチベット人が党のチベット政策への抗議を込めて焼身自殺したことからも分かるように、陳は少数民族弾圧の手腕を党に買われて新疆党書記に「出世」した。

 という事情によるようですが、ナチスの亡霊が蘇っているかのような話で、ナチスではゲッベルスや、ルドルフ・F・ヘスのような「反社会的精神病質人格」と診断されて然るべき異常な連中が次々出世を遂げて、「国家レベルでの病的なカルト化」が進んだのですが、この陳全国など、狂信的で犯罪者的な素質を元々もっている人間でしょう。今の中国共産党はそういう連中を重宝して、過酷な「取り締まり」を強化しているのです。

 その背景、というか流れは、次のようなものであるようです。上の記事から引用すると、

 新疆では自治区の成立から現在まで、ウイグル人による反政府蜂起が頻発してきた。それでも、民族浄化を目的とすると言っても過言ではない、強制収容所をつくるという国際人権規約に反する行為を一国の政府が行うのは異常事態である。そしてこの収容所建設と、習近平(シー・チンピン)国家主席の経済圏構想「一帯一路」政策は大いに関係があると筆者は考えている。

 胡錦濤(フー・チンタオ)主席時代の10年に第1次中央新疆工作会議が開かれ、新疆での「西部大開発」と経済活性化が目標とされた。しかし、結果としてその政策は新疆に住む漢人とウイグル人の格差を広げ、ウイグル人亡命者を増大させただけだった。その後、習が国家主席に就任した翌年の14年5月に第2次中央新疆工作会議が開催され、同11月から習は一帯一路政策を各地で本格的に提唱し始めた。

 かつて日本が提唱した「大東亜共栄圏」の拡大版とも言える経済圏構想の実現には、中国からユーラシア大陸の出入り口となる新疆の安定化が必須だ。90年代から最近にかけてウイグル人反政府主義者が行ってきた公安当局や党幹部を狙った自爆攻撃などに、共産党は業を煮やしていた。反政府運動を効率的に弾圧し一帯一路を粛々と推進するため、以前のチベット自治区党委員会書記でチベット弾圧に積極的に荷担した陳全国(チェン・チュエングオ)が、16年8月から新疆ウイグル自治区党委員会書記に着任した。


 これは規模において、北朝鮮の悪名高い政治犯の強制収容所の上を行くもので、国際社会は非難の声を上げ、国連はただちに中国に対して経済制裁も含めた強い制裁を発動すべきでしょう。しかし、今や世界第二位の経済大国となった中国に世界経済は大きく依存しているので、そんなことは恐ろしくてできないということで、何もしない。かくて少数民族たるウイグル人は、先の記事にもあったように、イスラム教を共に奉じる諸国家からさえ見殺しにされる憂き目に遭っているのです。

 現実世界における「正義」とは、かくも弱々しく、ご都合主義的なものです。こういうところから、「だから中国人は信用できない」という結論に飛び移るのは危険なことで、中国国内ではこういう情報は共産党の統制システムによって厳格に遮断されていて、中国人でも、というより、中国人だからなおさらこういう情報には疎い、というのが本当のところではないかと思います。安倍政権によるマスコミ統制とは、同じ統制でも次元が違うので、国内で一般市民がそれを「拡散」したりすれば、ただちに警察が動いて、大方の場合、その人は「行方不明」のままになってしまうでしょう。何とかに刃物と言いますが、独裁国家が経済面でだけ「自由化」を図り、それで巨大な経済力を身につけたものだから、世界もその顔色を窺わざるを得ず、始末に負えないことになってしまったのです。

 いくらかでも中国史の知識がある人は、かの国の歴代の諸王朝、皇帝がどんなに残忍でえげつない弾圧手法を駆使していたか、それを思い出して、現代でもそのあたり全く変わっていないことに慄然とするのではないかと思いますが、実際問題、今のあれは「共産党王朝」にすぎず、習近平はその「皇帝」なのです。それが世襲化されていないだけの話。先に「ナチス並」だと言いましたが、中国の国家権力にはもともとそういうものへの強い親近性があったので、精神異常者をその手先に使って、苛斂誅求にいそしむところは「伝統的」だと言えるほどです。

 しかし、ウイグル人救済に間に合うかどうかはともかく、世界中にこうした情報を「拡散」することは重要なことでしょう。いまだに国家が主体となってこのような非人道的なことを平然と行っているということになれば、いくら経済力だけつけても、中国は信用されない。中国外務省のスポークスマンがどんな言い訳をしようとも、それは嘘なのだから、しまいにはあの国が言うことは全部信用できないということになって、まともに相手にしてもらえなくなるから、国家としてのダメージは計り知れないのです。例の「一帯一路」構想なるものも、「勝手にほざいてろ」ということで頓挫を余儀なくされる。

 中国は海外に大量の留学生を出しています。彼らは外からこうしたことを眺められる立場にいるわけで、そうした世代が将来国内に戻って重要なポストに就くようになれば、いくらか変わるのではないかという気もしますが、共産党一党独裁というあのシステムそのものが異常なので、中国が「民主的」な国家になるには、それが崩壊するしかないでしょう。独裁が続く限り、それはつねにかつての皇帝国家へと“先祖返り”してしまう危険をはらむので、いま現在起きていることはまさにそれです。しかし、それは北朝鮮の独裁体制を変えるよりももっと困難なことかも知れず、それがいつの日のことになるのか考えると、気が遠くなるような気がします。

 安倍政権はこの問題にどう対処するのでしょうか? ロシアのプーチン(KGB上がりの彼も、これまでどれほど多くの殺人を指揮してきたかわからない、最悪の独裁者の一人です)にも言われ放題で、北方領土問題の解決どころではなくなっているようだし、今中国の機嫌を損ねると大変だというので、この問題にも頬被りを決め込むのでしょう。かくてウイグルの人たちは世界衆視の中で見殺しにされ、事実上の民族絶滅に追いやられるのです。

この有様では、遠くない将来、人類が絶滅に追い込まれても、僕らは神にその不当を訴えることはできないでしょう。「これまで自分たちがやってきたことをよく見てから、そういうことは言え」と神様に言われて、反論もままならず、黙り込むしかなくなるだろうからです。見て見ぬふりをするのは、あくどい弾圧をするのとは違って罪はずっと軽いのだと抗弁しても、それが「神の法廷」でどの程度聞き入れられるかは疑問です。

【追記】次のような目を疑うような記事もあります。こちらもご参照ください。
・中国「臓器狩り」の証拠を弾圧下のウイグル自治区で発見(2018.10.06)

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