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「難しい隣人」韓国との付き合い方

2018.10.15.15:07

 先頃、韓国南部の済州島で開かれた「国際観艦式」で、韓国側が日本側に自衛艦旗である旭日旗の掲揚自粛を求めたことから、わが国の海上自衛隊は「そんな国際常識に反した話は呑めない」ということで、参加を取りやめました。要請の理由は、「旭日旗は旧日本軍が軍旗として使っていたもの」だからで、「(日本の)植民地支配の痛みを記憶する韓国人の気持ちに、旭日旗がどう影響するか日本ももう少し細かく考慮する必要がある」(韓国の李洛淵首相)というものだったようですが、前はそんなことにこだわっている様子はなかったのに、今頃急にそんなことを言い出すのはおかしい、何にでも難癖つける国だ、ということで、わが国民の「嫌韓感情」はいっそう強まったようです。

 これにはおまけがあって、韓国側が事前に「自国旗と韓国旗以外は掲揚しない」よう通知していたにもかかわらず、国旗と軍艦旗が異なる国全部(7カ国)がそれを無視して軍艦旗を掲揚しており、韓国側がそれに抗議した形跡はなかったことから、これは初めから日本を標的にした措置であったことが明らかになったこと、さらには、「韓国海軍は、文在寅(ムンジェイン)大統領が演説した艦艇のマストに、豊臣秀吉の朝鮮侵略で豊臣軍を撃破した李舜臣将軍が使ったものと同じデザインの旗を掲げた。韓国側は自国の国旗と韓国の国旗だけを掲揚するのが原則と通知しており、日本政府は外交ルートを通じ、国旗以外の旗を掲げたのは『極めて残念だ』として抗議した」(朝日新聞)とのこと。

「ついに秀吉にまで遡ったか…」と僕は思わず笑ってしまいましたが、日本人には怒った人の方が多かったようで、「自国旗と韓国旗以外は掲揚しない」と他国に要請しておきながら、自らそれを破っているわけで、その点でも支離滅裂です。こういうのはわが国の嫌韓右翼をさらに勢いづかせる結果になるでしょう。逆効果にしかならないわけで、率直に言って、韓国のやり方はまずすぎると思いますが、それにしても、どうして今さら旭日旗(韓国メディアによれば「戦犯旗」)がそんなに問題になるのか? 次のような記事があります。

「旭日旗」問題の契機はサッカー・アジア杯 奥薗静岡県立大准教授

 わざわざ観客席で日章旗ではなく旭日旗を振るというのがそもそも僕には理解できませんが、このサポーターはネトウヨだったのかもしれません。それに韓国選手が反応し、韓国マスコミが大きく報道してさらに煽った。もう一つは、「日本の極右団体のデモなどで旭日旗が掲げられている様子が韓国でも盛んに報じられるようになったこと」が挙げられていて、要するに、極右・ネトウヨが韓国人の神経を逆撫でしているのです(右翼の街宣車が日本国内でも鼻つまみであることは、韓国マスコミは報じないのでしょう。こういうのはそれ自体が「偏向」報道で、僕らも国内メディアによる海外ニュースを見るときは注意しなければなりません)。

 僕はかねて、病的な韓国の反日愛国左翼と日本の嫌韓右翼が互いを悪く刺激し合うことに日韓関係悪化の根はあると見ていますが、これはまさにそれを裏書きするものです。

 例の従軍慰安婦問題では、今は名称を「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)という御大層なものに改めた「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が明らかな虚偽を含む極端な主張を行い、それが韓国世論を動かして、例の『帝国の慰安婦』を書いた朴裕河教授まで訴え、民事訴訟で損害賠償判決を下させただけでは飽き足らず、刑事罰まで求めたというので、公正もへちまもない国だと、僕も腹を立てて前にここに書いたことがありますが、ああいうのがここで言う「病的な韓国の反日愛国左翼」です(朴教授のこの件、刑事では一審で無罪になったが、昨年10月の控訴審で逆転有罪、罰金刑が申し渡された)。

 これに対して、韓国の植民地支配を正当化し、あれには何の問題もなかった、韓国が今あるのはインフラ整備と教育に努めた日本統治のおかげであり、従軍慰安婦もたんなる金儲けでしかなく、軍の関与は全くなかった、などと言うのが「日本の極右・ネトウヨ」です。

 どちらも大量の虚偽を含んでいる。その両極端が仮に両国の世論を支配すれば、今の文政権下の韓国はかなりそれに近い気もしますが、彼我は「未来志向の関係」どころか「完全な決裂」に向かうしか道はなくなるでしょう。

 話は変わりますが、今月5日、財閥などから多額の賄賂を受け取ったとして収賄罪などに問われていた李明博元大統領が、ソウル中央地裁で懲役15年、罰金130億ウォン(約13億円)、追徴金82億7千万ウォン(約8億2700万円)の実刑判決を受けました。今年8月24日には、例の「崔順実ゲート」で権力の座を追われた朴槿恵前大統領に、懲役25年、罰金200億ウォン(約20億円)という法外な判決が下されていた(これは控訴審判決で、4月の一審より逆に刑が重くなっています)。韓国大統領の末路が大方悲惨なものであることは日本でもよく知られていますが、短期間に前任者の二人の大統領が重刑判決を受けるというのは異例で、これは現・文在寅大統領の「保守派への政治報復」と見られています。周知のとおり、彼の政治上の師は左派の盧武鉉で、逮捕を恐れた彼は自殺した。叩けば埃の出る身だからこその有罪判決と見ることはできますが、刑の重さからしても、そこにはそれ以上のものがあるのであり、文在寅のリベンジの意図がそこにあったことは明白です。

 まるで韓流のドロドロした歴史王朝ドラマを見ているかのようですが、これがあの国の「政治」なのです。韓国大統領の政治権力は絶大で、その地位に就くと身内や縁故者、各種業者が「利益」を求めて群がってくるという前近代的な社会なので、大統領でなくなって訴追されるようになると、ことに次政権が敵の側になると、それが暴かれ、重罪を科されるという恐ろしい報復が待っているのです。

 今どき先進国でそんな国はほとんどないので、他国からは「非常識」に見えますが、相変わらず同じことを繰り返しているところを見ると、国内ではそれが異常とは見なされていないのでしょう。

 こういう点から先の「最終的かつ不可逆的な解決」だったはずの慰安婦合意の事実上の破棄を見ると、コリア的感性がそのまま外交にも出たということで、何ら不可解なものではないということになります。右から左へ権力が移れば、前任者は投獄される。同時に、前任者が外国とした取り決めも、それは憎むべき敵が勝手にやったことなので、破棄するのが当然というか、むしろ「正しい」ことだとされてしまうのです。国家としての連続性は二の次三の次になる。むろん、それは国際常識としては通らないことです。だから、国内「常識」と国際常識のはざまで、わけのわからない屁理屈をこねて見せることになる。

 これが「恨(ハン)の文化」というものなのかどうかは知りませんが、北朝鮮も含めて、朝鮮民族にはこういう独特の感性があって、彼らには自己文脈だけで「正義」を主張する抜き難い性質があるようです。国内的にも派閥が二つに分かれていれば、双方が自己流の「正義」を主張してえんえんと不毛な抗争を続ける。立場の外に出て、全体的・客観的見地から物事を見、いわゆるアウフヘーベンして合意を形成するということができにくい。これは李氏朝鮮時代の昔から同じで、そうした抗争で勝った側がその都度方針をコロコロ変えるので、周辺国もそれに振り回されて、それが国際紛争の種になったりもしたのです(かつては支配層である貴族の両班の多くが、そうした抗争の傍ら権力を利用して私腹を肥やし、民に塗炭の苦しみを味合わせていた。皮肉なことに、そういうところだけは「一貫」していたのです)。

 他国のことばかり言えないかもしれないので、今の日本なども右と左に分かれて、それぞれが徒党を組んで自己文脈だけで勝手なことを言い合い、相互に敵愾心を募らせるだけで、議論がすれ違ったままで一向発展しないということが目立つように思われますが、韓国の場合、「他山の石」としてまことに教訓的なのです。

 慰安婦問題をめぐる「挺対協」改め「正義連」の主張なども、日本のネトウヨのそれに劣らぬ史実の歪曲を含んでいて、それを世界中に宣伝して回るという神経が僕には理解できませんが、自分たちの感情と「正義」に照らせば、そのようなものは顧慮に値しないのだというのが彼らのありようで、カルト宗教と何らえらぶところはないのですが、文大統領自身がそれに近く、北朝鮮に対する非理性的な異様な甘さも、それと表裏一体をなすもので、かつての政敵への激しい報復心理といい、上に見た「前近代的コリアン・メンタリティ」の典型と見て差し支えないでしょう。

 そして韓国は日本以上に同調圧力の強い社会なので、マスコミや検察、裁判所まで、それに「協力」してしまい、朴槿恵大統領に対するそれを見てもわかるように、世論も一緒になって「集団リンチ」を加えて恥じない結果となる。「かくして正義は行われた」とそれで満足するのでしょうが、それが自己文脈的・没理性的な一時の感情に駆られた「正義」にすぎず、沈黙を強いられている保守派はこれを深く恨みに思っているでしょうから、いずれ文大統領もその報復を受けることになるでしょうが、そのときはまた、世論、マスコミ、検察、裁判所が一緒になって彼を袋叩きにするのです。過大な幻想による熱狂的な支持→スキャンダルなどによる裏切られたという感情→手のひら返しの激しい非難罵倒→退任または解任後の厳しい責任追及と過大な科刑、という流れになって、同じことを繰り返しているという反省は思い浮かばないようだから、全体として進歩がないばかりか、そこに一貫した「正義」などというものは何もないことにも気づかないのです(その都度権力は対立する両派間で入れ替わるが、どちらも権力奪取のために世論を利用することしか考えておらず、口にする「正義」も所詮は政争の道具でしかない)。効果といえば、それが民衆の鬱積した社会現実への不平不満のガス抜きになっているということだけですが、そういうかたちで発散されてしまうから、足が地に着いた社会変革への持続的なエネルギーも同時に失ってしまうのです。

 こうした韓国政治のありよう(「反日」は支持率が下がったときの手軽で便利な人気挽回策として両派共通に愛用される)は、何より韓国民にとって大きな災いになっていると思われますが、わが国政府と国民は、そういう国を相手にしているのだという自覚をあらためてもつべきでしょう。そうすれば常識外れの対応にも呆れなくて済むし、また、同じ地平で悪感情を募らせて、売り言葉に買い言葉で関係をさらに悪化させてしまうのを避けることができる。

「挺対協」改め「正義連」(慰安婦のための組織というのはタテマエにすぎない)のしつこい反日プロパガンダ、世界中に慰安婦像を立てて回る活動については、日本側としてはそれが史実に反するものを多く含む主張であることを辛抱強く説明し(間違っても「自発的な売春婦だった」というようなネトウヨ的暴論を吐いてはいけない)、異常な政治イデオロギー団体である彼らが自らそれを暴露して、信用を失ってしまう日が来るのを待つのが賢明でしょう。真実はいずれ明らかになるもので、『帝国の慰安婦』のような慰安婦への同情に満ちた、日本の責任も明確に認めた良心的な本の著者が、文脈無視の部分部分の言葉の揚げ足取りだけで、「売国奴」認定されてしまう(しかも公正であるべき裁判所で!)ような国の、しかもあれは、他でもない韓国の国家情報院によって「北朝鮮工作機関と連携し、北朝鮮の利益を代弁する親北団体」(ウィキペディア)として監視されているような団体なのです。いずれ必ずボロを出す。

 安倍政権それ自体が「ネトウヨ政権」と揶揄されるぐらいで、それがかえって韓国の「愛国左翼」の立場強化につながっていることは否めないので、子分のネトウヨ政治家の皆さんや、お友達のヨイショ文化人たちは、言動に気をつけてもらいたいと思いますが、こちらが気をつけていても、文政権の間は、彼が「反日愛国左翼」を支持基盤にしている以上、今後もおかしなことは続出するでしょう。あの政権もどうせ長続きはしないので、いちいち目くじら立てず、「抗議」程度はその都度するとして、「いずれまた風向きは変わる」と見て静観した方がよさそうです。

 にしても、韓国社会の民度が上がり、国内の派閥対立を超えた視点がもてる、自己文脈的「正義」ではない、真の意味での「公」の観念をもつ、成熟した政治リーダーが出てくるのはいつのことなのでしょう? 世界的にも偏狭なナショナリズムが広がり、政治家が小粒化していると言われている中、それはなおさら難しいことなのかもしれません。

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