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スポーツでも勉強でも、結局は「やっている本人次第」

2018.04.07.15:53

 この件はやっと決着がついたようです。

・パワハラ認定、衝撃大きく=意見できなかった周囲―レスリング(時事通信4/7)

 第三者機関の調査で栄氏のパワハラ行為が明確に認定された。五輪4連覇達成で国民栄誉賞にも輝いた伊調選手に対しての、長期間にわたる嫌がらせ。レスリング界にとどまらず、スポーツ界に与えた衝撃は大きい。
 栄氏は強化本部長を辞し、代表強化の現場から身を引くことになった。長く女子の指導に情熱を注ぎ、日本に五輪金メダルを計11個もたらした名伯楽であることは間違いないが、選手への思い入れが強過ぎた。イメージダウンとともに協会にとっては大きな損失だが、福田会長は「本人が辞表を出していなければ、解任していたと思う」。スポーツ団体の不祥事に厳しい目が注がれる中、処分は避けられなかった。
 嫌がらせが始まったのは、2008年北京五輪後に伊調選手が東京に練習拠点を置き、愛知に拠点を置く栄氏の下を離れてから。関係者は「伊調に裏切られたと感じたようだ。離れると一気に冷たくなる人」と明かす。
 栄氏のパワハラ行為に感づいている関係者も多かったが、絶対的な実績を残している指導者に意見できる雰囲気ではなかった。「成果だけを見て、指導の中身については精査していなかった」。福田会長は管理が至らなかったことを認めた。
 今回の問題は、指導者の個人的資質だけに原因を求めてはならない。第三者機関の調査前、日本協会は「パワハラはなかった」とする見解を一度は文書で発表した。こうした不祥事への危機感が薄かったのは明らかだ。もはや暴力や権威で選手を縛ることは許されない。東京五輪まで2年。再発防止に取り組むとした協会と、レスリング界全体の姿勢が問われる。


「全く、心の狭い、クソみたいなオヤジだな…」と事件報道当初、僕は思いましたが、同時に、「こういう奴、よくいるよな」とも感じたので、いわゆる「熱血スポーツ指導者」にはありがちなことです。何かご本人がカン違いしている。そして「周りが何も言えない」というのも、中高レベルの部活あたりでも、いわゆる強豪校の監督・コーチなどに関して、よく耳にする話です。「絶対的な実績を残している指導者に意見できる雰囲気ではなかった」ということになるのです。

 こういうのは、しかし、「選手本人の資質と努力あればこそ」なので、優秀な選手が多く集まれば、指導者がよほどのボンクラでないかぎり、結果は出ます。コーチや監督の能力、指導方法のよしあしはむろん関係するが、結局は選手次第なのです。

 勉強なんかでもそのあたりは同じなので、僕は大学受験用の零細英語塾をやっていますが、「一を聞いて十を知る」タイプの自己修正能力の高い生徒は、最初は「どうもこれは無理っぽいな。志望校を下げさせないと…」なんて思ってたのが、「案外いけるかも」となって、最後には「大いに見込みあり」という判断に変わることもあるのです。そうなると大方は成功する。

 むろん、「十を聞いて一を知る」反対のタイプの生徒もいるわけで、嬉しくないことに、こちらも大方は予感(悪い予感の方)が的中したりするのです。僕は割と良心的な塾教師なので、生徒によって扱いが違うということはないよう心掛けているのですが、こういうところはいかんともしがたいので、「そのあたり、頭の使い方(と勉強方法)を変えた方がいいよ」と言っても、その意味がパッと分かる生徒とわからない生徒がいるのです。そこらへんがいわゆる「地頭の差」ということになるのでしょうが、そういうところまで教える側が変えることはできないので、結局は生徒次第なのです。

 地方の場合だと、学校の「指導」なるものにしばしば無茶苦茶なものがあって、そんなものにまともに付き合っていた日には、疲労困憊させられるだけで、その生徒の資質よりずっと低い大学にしか受からなくなってしまうので、「学校とは距離を取って付き合えよ」とアドバイスせざるを得ないのですが、こういうのは論外です。助けるのではなく、生徒の足を引っ張っているのですから。

 そういう「迷指導」は論外として、まともな指導でも、結局は生徒次第だということなので、わが零細塾は規模に比して難関大合格率はたぶん地域で一番のはずですが、僕がそういうことを宣伝しないのは、そのあたり「生徒次第」だということがよくわかっているからです。月謝を取って商売しているのだから、それなりの成果が出るのはあたりまえで、受かりそうな資質の持主が来ているから受かっているだけの話なのです。

 スポーツ指導者たちもそのへんはよく認識しておいた方がいい。あんた方の手柄ではなくて、選手たちの手柄なのだということを。端的に言えば、栄氏の場合、「頭が悪すぎた」のです。それが卑劣なパワハラにもつながった。

 ついでに、勉強のノウハウの話にも少し触れておくと、そういうものはたしかにあって、僕も適宜それは教えていますが、それがうまく活用できるかどうかは、これまた生徒次第なのです。機械的に真似てうまく行く方法なんて一つもない。そう思っていた方がいいのです。

 僕自身は非科学的な根性論が昔から嫌いなので、そういうものに頼らない勉強法が大事だと思いますが、よく生徒たちに言うのは、一人一人性格が違うように、頭にも皆個性があるということです。自分のそれがどういう性質のものであるかを発見して、その長所を伸ばし、短所を補うような勉強法を編み出すのが大切なことで、大学受験の際にそういうものの雛型となるようなものをつかんでおけば、大学入学後の勉強に役立つのはもとより、社会に出てからの仕事にも役立つ。それは「一生モノ」の宝になるのです。

 たとえば、僕は子供の頃から丸暗記が苦手でした。不思議だったのは、山や川で遊んでいて、そういうところの複雑な地形などは一瞬で記憶してしまうのに、教科書に書いてあることはまるで頭に入ってこないのです。中学生ぐらいになるとそれが顕著になってきた。ずっと後になってから、こういうのは「原始心性」の特徴の一つだとわかったのですが、それではこの文明社会に適応するには大いに不利です。もう一つわかったのは、自分に興味がないことはまるで頭に入ってこないということです。興味があれば、憶える気はなくても自然に憶えてしまうが、そうでなければ、いくら試験の必要に迫られても憶えられないのです。生まれる時代を間違えてしまったと言っても、後の祭りです。

 一方、あれこれ想像しながら考えるのは好きで、その意味では勉強に向いていないというわけではなかったが、ここまで暗記が苦手ではどうしようもないなという感じで、一夜漬け能力は人並にあったが、それは「超短期」で失われるのです。英語なんかは英単語を知らないとどうにもなりませんが、それが憶えられないのです。そして、フィーリングのレベルでも納得がいかないと頭に入らないという性質から、「納得がいかない」ことだらけの英文法なども、皆目頭に入らないわけです。それがいつのまにか英語教師になったなんてのは悪い冗談みたいなものですが、それを何とかするのに人知れず苦労したのです。

 たとえば、October という単語があります。これが「10月」の意味だと、僕の頭にしっかり入ったのは、octopus が「タコ」なのは、足が八本あるからで、oct-は8の意味だと、何かで読んで、なのにOctober が八月でなくて十月なのは、ローマ時代に月が二つ追加されて、元は八月だったのが十月になったのだと知ったときで、その瞬間に「なるほど!」と合点がいったのです。めんどくさいことこの上ないが、そういう頭の構造になっているのだから仕方がない。むろん、全部をこういうやり方で憶えたわけではないので、たとえばNovember などは、Nが数字の11に似ているというので憶えたのです。涙ぐましいでしょ?(他に、語呂合わせの単語集も最大限活用しました)。

 いわゆる「論理的思考力」なるものは、別に不足しているとは感じませんでした。だから根が文系頭ですが、数学は苦手ではなかった。あれは暗記に頼らなくて済むのも有難かったのです。じっと集中して、直観的に「わかった!」と閃いたときは快感です。

 こういうふうに、人の頭には固有の癖というものがあるのです。その癖を把握して自分なりの勉強法というものを編み出さないといけない。それができるかどうかが学力を伸ばせるかどうかの大きな鍵です。僕にとってはそこに「意味」を見出せるかどうかが鍵でした。

 各種の勉強法も、それを踏まえて活用するのです。でないと振り回されるだけになってしまうでしょう。その「頭の個性」を誤解して、人の助言を受け入れず、頑固に自己流をふりかざすのは愚かですが、何事も自分の頭に適合するようにアレンジする工夫が必要だということです。

 もう一つアドバイスすると、僕の場合はそういうわけで、面白いと感じられないと頭が働かない(だから今でもセンターの長文など読んでいると眠くなってくることが多い)ので、気になったことは道草を食って詳しい、余計な本まであれこれ読んだりしたのですが、そういうのも頭の幅を広げたり、思考力を期せずして鍛えることになるので、長い目で見ればプラスになるということです。何をするにも結局、大事なのは有機的な知識のつながりなので、「よけいなことをすると損だ」などとは考えない方がいいということです。塾の生徒たちを見ていても、そういう「余計な話」を面白がって聞いているような生徒ほど伸び幅が大きいので、「頭の遊び」は大切だということです。

 多少は参考になることもありましたかどうか…。

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