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安倍政権が最悪なのは「自制のない権力」であること

2018.03.17.17:18

「この大事なときに森友問題ごときで…」と、それがあたかも「大人びた対応」であるかのように言う人がいますが、それは本質を見失った議論です。

 さっき見たら、こういう記事もネットに出ていました。皮肉にも「安倍御用新聞」と揶揄される読売の記事です(産経もそうですが、彼らは安倍政権の終わりを予感して方向転換しかけているのかも知れません)。

・首相、批判的報道に不満か…民放解体を業界警戒(3/17)

 安倍首相が目指す放送事業の見直しは、放送法4条などの規制の撤廃が目玉となる。背景には、首相に対する批判的な報道への不満があるようだ。
 今回の規制緩和は、AbemaTVに代表されるような「放送法の規制がかからないネットテレビ」(首相)などの放送事業への参入を狙ったものだ。首相は衆院選直前の昨年10月、AbemaTVで1時間にわたり自説を述べた経緯もある。政治的中立性の縛りを外せば、特定の党派色をむき出しにした番組が放送されかねない。
 ネット事業者などに放送事業の門戸を開放すれば、地上波キー局をはじめとする放送事業者の地盤沈下につながる。首相の動きに、放送業界は「民放解体を狙うだけでなく、首相を応援してくれる番組を期待しているのでは。政権のおごりだ」と警戒を強めている。


 今回の公文書改竄問題でも、「朝日にあれをリークしたのは誰か?」という記事がだいぶ出ていますが、財務省の他に検察という説もあって、安倍政権が検察の人事にも首を突っ込んで、従来ならそのまま了承されることが多い法務省提出の人事案を変えてしまったことへの「報復」という見方まであるようです。

 その説の当否についてはともかく、少し調べてみると面白いことがわかります。

 複数の法務・検察幹部らによると、この人事の法務省原案では、稲田氏の後任の法務事務次官は林真琴刑事局長(59歳、35期)を昇格させ、黒川氏は地方の高検検事長に転出させることになっていた。ところが、7月中旬、稲田氏が官邸に了承を取りに出向いたところ、官邸側が黒川氏を法務事務次官に昇任させるよう要請したという(「官邸の注文で覆った法務事務次官人事『検事総長人事』に影響も」と題された「法と経済のジャーナル」村山治氏の2016年11月記事より)。

 この「黒川氏」というのは、黒川弘務官房長(59歳、35期)のことで、安倍政権の覚えめでたい御仁です。

 官邸側は、黒川氏の危機管理、調整能力を高く評価していた。黒川次官にこだわったのは、長期にわたって政権を支えた「恩」に報いる「処遇」の意味もあったとみられるが、政権を安定的に維持するため、今後も黒川氏をこれまで同様に使いたいとの考えもあった。
 安倍政権は、沖縄の辺野古移設訴訟、「国際公約」とされる「共謀罪」法案を抱え、従来にも増して野党や弁護士会などへの法務省のロビーイングを必要としていた。特に、共謀罪法案は野党や弁護士会などの強い反対でこれまでに3度廃案になっており、政権幹部の一人は朝日新聞の取材に対し「共謀罪をやるためにここまで黒川氏を官房長として引っ張ってきた」とも話した。
 黒川氏が検事長になってしまうと、検察の独立の面から捜査、公判以外の仕事はできなくなる。法務事務次官ならば、官房長の上司であり、官房長同様、各方面への根回しの仕事を期待できるとの思惑があったとみられる(同上)。


 この「政権を支えた『恩』に報いる」とは何なのか? FACTA2017年6月号に次のような強烈な記事が出ています。

「官邸の代理人」黒川法務事務次官

 あの経済再生担当相だった甘利明の事件も、この黒川氏のおかげで「お咎めなし」で済んだのです。虚偽答弁で政権を助け、国税庁長官に出世した佐川氏と同じパターンです。

 そしてどちらの記事も露骨な「官邸による人事」を問題視しています。

 中央省庁の幹部人事は、従来、各省庁が人事案を固めた後、官房長官主宰の人事検討会議に諮って決めてきた。民主党政権時代も含め、省庁案が官邸でひっくり返ることはほとんどなかったとされる。
 ところが、2012年暮れの総選挙で誕生した第2次安倍政権は、政治主導を強調し、慣例にとらわれない人事を目指した。13年7月には厚労事務次官人事で、本命視されていなかった村木厚子厚労省社会・援護局長を抜てきした。旧運輸省事務系キャリアの「指定席」とされていた海上保安庁長官に初めて現場生え抜きの海上保安官の佐藤雄二氏を充てた。村木さんは大阪地検が摘発した郵便不正事件で起訴されたが、無罪となり、「検察暴走の犠牲者」と受けとめられていた。
 また、同年8月には、内閣法制局長官人事で、昇格確実とみられていた法制次長でなく、外務省の小松一郎駐仏大使を起用した。集団的自衛権をめぐる憲法解釈を変えたいとの意向があったとみられる。さらに、中央省庁人事ではないが、同年3月には、デフレ脱却に向けた金融政策への変更を図るため金融緩和派の黒田東彦アジア開発銀行総裁を日銀総裁に起用した。
 14年5月末には、中央省庁の幹部候補600人の人事を官房長官のもとで一元管理する内閣人事局を設置した。内閣人事局が、閣僚が推薦した各省庁の公務員が幹部にふさわしいかを審査して幹部候補者名簿を作成し、首相や各大臣が協議して決定することになった。14年7月の人事では、法務省初の女性局長として人権擁護局長に岡村和美・最高検察庁検事(現消費者庁長官)が充てられた。中央省庁の幹部らは、これらの省庁の幹部人事は、首相の意を汲んだ菅官房長官がリードしたとみている。
 そういう省庁人事をめぐる改革はあっても、安倍政権は従来、法務・検察の人事については、岡村氏の人事を含め法務省側の原案を尊重し、くつがえすことはなかったとみられる。(「官邸の注文で覆った法務事務次官人事『検事総長人事』に影響も」)


 しかし、安倍政権では…と続くのですが、FACTAの記事ではこう述べられている。これが去年6月の記事であることにも注目です。

 安倍政権下で集団的自衛権行使容認に向けた内閣法制局長官の更迭、お気に入りの日銀総裁やNHK会長起用、厚生労働事務次官に予想外の村木厚子登用など官邸主導の人事が続く。
 内閣人事局が新設され、中央省庁の事務次官、局長、部長、審議官計約600人の人事は首相や官房長官が決める。
「霞が関の役人は震え上がっている。森友学園問題で恥も外聞もなく安倍の防波堤となっている財務省理財局長が象徴的。誰もが安倍や菅に逆らえず、忖度を繰り返す。検察も例外ではない。戦後積み上げてきた検察への国民の信頼は失墜した」と記者は見ている。
 小渕事件や甘利事件を潰した黒川には、官邸から論功行賞の人事があった――。法務検察内では、そんな話が広がっている。


 要するに、「政治主導を強調し、慣例にとらわれない人事を目指した」と言えば聞こえはいいが、「中央省庁の幹部候補600人の人事を官房長官のもとで一元管理する内閣人事局」とは「安倍のご機嫌を取らない奴は出世させない」ためのシステムでしかないのです。これでは官僚たちの間に忖度が蔓延しない方が不思議で、しばらく前に、安倍の「腹心の友」の加計学園理事長のお友達(同じ立教出身)で、加計学園監事を務めていた木澤克之を最高裁判事に任命するという“おまけ”までありましたが、三権分立もクソもない。全部を自分の配下、手駒にするために権力を乱用しているのです。

 ここまで腐った政権は、日本憲政史上でも稀です。こういうのが「些細な問題」だと言う人は、独裁制のひそかな讃美者以外には考えられない。安倍政権という夜郎自大の白アリ政権は、日本社会の屋台骨を蝕んでいるのです。

 僕は、これは元々が安倍晋三個人のコンプレックスに遠因するものと見ています。虚栄心は強いが、自信がないからいつも逆らう者がいないかビクついているのであり、嘘をついてごまかす以外、批判に正面から対応する勇気はないから、あらかじめイエスマンばかりで周りを固めようとするのです。アッキーみたいな毛並みはいいが知的レベルには問題がありすぎる相手を妻にえらんだのも、そっちの方が引け目を感じなくて済んで、気楽だったからではないでしょうか。結局それで「権力者の妻」の自覚のない女房が勝手なことを次々やらかして、窮地に陥る羽目になったのです。こう見てくると、全部が彼の幼稚なパーソナリティとつながっている。
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