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田原総一朗のデタラメ会見

2017.10.14(14:52) 526

 かねてから無責任なたわごとの多いじさまだとは思っていましたが、何考えてこんな時期にこんな会見したのかと、読んでしんから呆れました。

ジャーナリストの田原総一朗氏が会見(全文1)全党がリベラル、保守党がない

 これ、続けて読んでゆくと、(2)の表示が出てくるので、それをクリックすれば全部読めますが、記者も大した質問はしていないし、全体に杜撰が服を着て歩いているような漫談(昔から彼はそうなのですが)です。彼はだいぶ前に、安倍に「政治生命を賭けた冒険をしてみないか?」とある秘策(※)を授けたようなことを言って世を騒がせましたが、結局何も起こらなかったので、これはその人騒がせの続きのようなものかも知れません。

※ 具体的には、トランプ米大統領と会談し、6カ国協議復活の条件を聞き出し、中国やロシア首脳とも協議。その上で、関係各国の了承が得られれば首相は訪朝し、金正恩朝鮮労働党委員長に伝えてはどうかという提案をした。「首相は『ぜひやりたい』と答えた」という。(産経9.8記事より)

 少し順番に見ていきましょう。この中で田原氏は、安倍は北朝鮮問題に対処するために解散したのだと言っていますが、別に解散しなくてもそれはできるはずです。むしろこの時期に政治的空白を作る方が危ない。「年末から年明けにかけてアメリカが武力行使をする可能性がある。日本としてはそのために態勢をつくらなきゃいけない」というのですが、何で総選挙をやった後でないとその「態勢」がつくれないのか?

「もり・かけ問題」で野党から攻めまくられるから? じゃあ、選挙で小池流に言えば「リセット」すれば、「もり・かけ問題」は完全終了したということになって、心安んじて北朝鮮問題に「集中」できるということになるのか? 今のままでは政府に対応能力はないと。そう解釈するより他はありません。

 全体、田原氏の「安倍評」は、床屋政談レベルのものでしかありません。「もり・かけ問題」も僕は全然違う見方をしているので、森友学園の深刻さは、ここで言われている八億円の値引きもさることながら、ああいう時代錯誤の教育勅語教育に妻のアッキーが「熱烈感動」して設立認可に介入し、安倍もその思想に共鳴していた、というところにあるので、日本会議はじめ、安倍の応援団の異常な体質、それを彼らと共有している彼の「戦前回帰」感情、ネトウヨ性にあります。そういう男の「憲法改正」に危険なにおいを感じとるのはあたりまえの話なのです(安倍は「妻は騙された」と言っていますが、あの幼稚園でのアッキー講演の録画など見れば、そんな言い訳が通用しないのは明白です)。

 このじさまは昔から問題を何でも妙に矮小化してしまう悪癖があって、読み進むと(2)にこういう箇所が出てきます。

田原:小池さんの希望の党が憲法改正に賛成なので、私は憲法改正に手を付けると思う。ここで1つ大事なことを申し上げる。実は去年9月に安倍さんに会った。もちろん〓イ***イッテネ 00:56:08〓。そのときに、衆議院は与党で3分の2を取る。この間の選挙で参議院も3分の2を取った。いよいよ憲法改正だねと言いました。もう言ってもいいと思いますが、実はそのとき安倍さんが、実は田原さん、大きな声じゃ言えないけど、憲法改正する必要がまったくなくなりましたって言われた。なぜと聞きました。
 そしたら、実は集団的自衛権の行使を決めるまで、アメリカがやいのやいのとうるさい。アーミテージやなんかが声高に叫んでいます。日本でも岡崎久彦、北岡伸一、中西寛たちが集団的自衛権をやるべきだとさかんに言ってました。読売新聞や産経新聞もさかんに言ってました。ところが、集団的自衛権の行使を決めたらアメリカはまったく何も言わなくなった。満足したのでしょう。だから憲法改正をする必要はない。ただ、このあとがいい。ただ日本の憲法学者の7割近く、実は63%が、自衛隊は憲法違反だと言う。だから、憲法に自衛隊の存在を明記したいと思う。


 これだと、「アメリカがうるさいから憲法改正しなけりゃと思ってたけど、実はアメリカが言わなくなったから、自衛隊明記だけでよくなったんです」と安倍が本心から言ってるみたいで、それ以前に、安倍がやけに大人びた現実的政治家みたいな扱いです。

 ともちん(稲田)の防衛相起用一つ見てもわかりますが、安倍はそういう男ではない。ともちんの「色香」に彼が迷ったというのなら話はまた別ですが、彼には強いネトウヨ傾性があって、ともちんもそこが同じで、安倍応援団が熱烈に彼を支持するのも、そのためなのです。それは僕の偏見ではないので、それを証拠づける資料はいくらでも見つかるでしょう。安倍の「美しい国」の中身がどんなものなのか、少しは考えてからものを言ってくれ。百田尚樹あたりは正直にそれを語っていますが、安倍の「国家思想」も似たようなものなのです。

 要するに、安倍はこのじさまにはそういう対応をしたというだけの話でしょう(先の「政治生命を賭けた冒険」の話といい、「もう言ってもいいと思いますが」なんて勿体づけはこの人のお得意ですが、全体が田原氏の純然たる「主観」の産物という疑いもある)。自衛隊を明記して、それではい、おしまいというような話ですむはずがない。その次の、

 私は安倍さん、それは誤解だよ。実は憲法学者の63%、確かに朝日新聞の調査で自衛隊は憲法違反と言っている。しかし、だから憲法改正をしようと言っているんではなくて、逆です。今の自衛隊は軍事力世界第7位。当然ながら交戦力も戦力もある。だから今の自衛隊は憲法違反。だから軍縮をすべきだっていうのが憲法学者の意見、という話をしました。

 にいたっては、完全に意味不明です。要するに、その63%の憲法学者たちの大部分は、自衛隊は違憲だと言いながら、事実上それを黙認している。それはロジカルに考えればおかしな話で、ずるいと批判する人がいるわけですが、改憲して自衛隊を合法的存在にすると、それが「蟻の一穴(いっけつ)」みたいになって、ことに総理大臣が安倍みたいなネトウヨだと、なし崩しに軍国化の方向に行ってしまう恐れがあると考え、だから「違憲」状態の今のままの方が好ましいと思っているのです。少なくともそれがホンネでしょう。

 対外的にもその方がやりやすいと、従来は自民の政治家たちの多くも考えていた。軍を派遣しろというアメリカの要請にも「いやー、うちにはおたくからいただいたあの平和憲法というのがあって、あれがあるからどうにもならんのですよ」と言いつつ、のらりくらりとその要請を拒否できるというメリットがあったのです。現実政治家としては、そちらの方が賢いと、僕は思いますが。安倍はその口実を自ら捨て去って、「もちろん、出しますとも。ボクは男です!」と言えるようにしたいわけで、戦地に行くのはむろん、安倍ではなくて自衛隊員ですが、彼の呆れるほどのアメリカ追従ぶりを見ると、アメリカの要請を「毅然として断る」なんてできるわけがないので、いずれ確実にそうなるわけです(ついでに言うと、「親日派」と呼ばれているあのアミテージなんて、最悪です)。

 他は、自分が司会を務めていたあのつまらない八百長じみた『朝生』と、「私は3人総理大臣を失脚させてます」(ホントかよ)というたわいもない空自慢の類で、コメントする価値もない。こういう御仁に「ジャーナリストを目指す人々に対してアドバイスをお願いしたい」なんて、きく方が間違いでしょう。

「日本をどうこうする問題ではなくて、実につまらない問題」だという「もり・かけ問題」に話を戻すと、「かけ問題」は田原氏によれば、こうです。

 加計の問題も安倍さんは賄賂も何ももらっていない。あんなものは簡単で、委員たちに加計孝太郎は40年来の友人である。だけど友人だからといって、甘くするなと。きつく審査しろと一言言えばこれで全部オーケーだから。彼は神経がたるんで、めんどくさいと思った。だからまったく知らなかったと言う。この間閉会中審査で、初めて知ったのは今年の1月20日だと言った。去年だけでも7回加計孝太郎と飯を食い、ゴルフをしている。これを知らなかったというのを信じろというのは無理です。

 他の漫談と同じで論理の体をなしていませんが、誰も安倍が「賄賂をもらった」とは言っていない。「加計孝太郎は40年来の友人である。だけど友人だからといって、甘くするなと。きつく審査しろと一言言えばこれで全部オーケーだから」と言うのですが、逆に「友人だから甘くしろ」と言ったと疑われているわけで、だから通ってしまった。

 安倍はかねてからその度の過ぎた「お友達人事」が問題視されているわけですが、「神経がたるんで、めんどくさいと思った」で全部片づけてすむような話か、ということなのです。「めんどくさい」割には、彼はそのあたり、妙に“積極的”だからです。

 質問で取り上げられている「メディアへの圧力」に関しても、安倍官邸は驚くべきマメさを発揮してきた。気に入らないものには何でも「偏向報道だ!」と難癖をつける。そのため異様なまでに「自主規制」が進んでしまったわけで、上がフヌケすぎるというのはその通りですが、ここまでメディア規制に熱心な政権はこれまでなかったことも事実なのです。それは「小さな問題」ではない。戦前戦中の「翼賛メディア」に近づけようとしているのです。

 この人の話は万事この調子で、支離滅裂な語りで事を妙に矮小化してしまうのですが、それでも彼は「大御所」扱いされているのだから、こういうタイミングで、こういう無責任なことを言ってもらっては困る。全体として見ると「野党はつまらない『もり・かけ問題』を追及するしか能がない。北朝鮮問題が喫緊の大事で、安倍政権はそれに真剣に取り組もうとしている」みたいなトーンになっているので、自民の援護射撃を頼まれもしないのに自ら買って出ているのと同じになっているのです。

 こういうのに騙される人もいるだろうから、彼の話が実にいい加減なものであるということを説明しておきたくなったのですが、最後に会見冒頭の「政治家としての安倍の特徴」についての話に、一言コメントしておきましょう。田原のじさまはこう述べる。

 歴代首相は、政治家はそうなんですが、政治家になるときになんのために政治家になるのかということを考え、そして政治家になる決意をしました。彼はそういう決意をまったくしていない。おじいさんもお父さんも政治家だった。だから彼は家業を継ぐように政治家になった。そのことが彼の良さでもあります。割に誰の言うことでもちゃんと聞きます。普通の人です。

 最後の三文以外は、僕も大体同意します。祖父は岸信介、大叔父は佐藤栄作、父親はかつて「自民のプリンス」と呼ばれた安倍晋太郎。いずれも東大卒で、ことに岸信介などは学生時代、有名な民法学者の我妻栄と競い合うほどの大秀才だった。しかし、シンゾー君はどうにも出来が悪かった。東大生の家庭教師を雇っても、どうにもならない。努力も嫌いで、エスカレーター式で進学した大学でも全然勉強しなかった。そこらへんは妻のアッキー(こちらはふつうなら上がれるはずの付属先の大学にすら上がれず、専門学校になった)とも共通していますが、典型的な「毛並みがいいだけのボンボン」だったのです。

 それで、家業の政治家を継いでみたものの、自信はなく、コンプレックスに苦しめられた。別に学歴がなくても、自分なりに努力して何か自信をつけられるようなものがつかめればよかったのですが、そういうのが何もなかったのです。それで、アッキーが途中で「自分探し」に出て、妙な国粋主義とごっちゃになったオカルトにはまったのと同じで、辛抱強い勉強は不要な「わかりやすい」ネトウヨ思想(これは自然な自己肯定感に乏しい人たちにはしばしばアピールする)にはまってしまい、「戦後の左翼的自虐思想でダメになった日本を救おうとする国士」に、いつのまにかなってしまったのです。それが日本会議を初めとする「左翼全盛時代に恨みをもつ」右翼団体や、戦前回帰のメンタリティを強烈にもつ人々の目には「ダメになった日本を変えてくれる希望の星」として映り、「熱い支援」を集めることにつながったわけです(あの籠池理事長などもそうした安倍ファンの典型でした)。

 だから「危ない奴」だと僕は見ているので、そこらへんが田原のじさまあたりとは全く見方が違う。憲法改正も、彼はあの「偉大な祖父」もなしえなかったそれをやって歴史に名を残したいのだろうと思うので、外部的な事情がどうのというのは付け足しなのです。心理学でいう「コンプレックスの補償」が、彼の憲法改正実現願望の背後にはある。僕はそこに彼のもう一つの病的な「公私混同」を見るので、動機がそれではロクなことにはならないと懸念しているのです。

 田原氏には、しかし、こういうのは全然問題にならないわけです。そもそもそういう問題意識は初めからない。彼は一種のニヒリストです。思想などというものは信じず、ただ政治に駆け引きと打算のせめぎ合いだけを見る。だから歴史の転換点で思想や心性が果たす働きの恐ろしさというものも過小評価してしまうのですが、あまり物事を深く考えない人には、彼のそうした言説が現実的で、大人びたものに見えることもあるのでしょう。

 幸いもうお年なので、しばらく我慢していれば、この人のやたら穿ったように見えて平板すぎる支離滅裂な思いつき話も、聞かなくてすむようになるだろうと思いますが、結構まだ影響力はあって、有害に思われるので、「世のため人のため、そろそろ引退をお考えになってはいかがでしょう?」と申し上げたくなるのです。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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