立憲民主が「一見民主」なら、公明は「向迷」ではないのか?

2017.10.08.18:33

 まずは、産経の次の記事をお読み下さい。安倍は「傲慢だ」とか「調子に乗りすぎ」と非難されましたが、旗色が悪くなって、創価学会票ほしさに公明べったりになると、今度は公明のこの山口という御仁がカン違いし始めたようです。

【衆院選】立憲民主は「一見民主だ」 公明・山口那津男代表が皮肉、野党批判炸裂

 この記事で笑えるのは、「野党の皆さんは混乱、瞑想(めいそう)続きだ」と、記者のおつむのレベルまで併せて披瀝されているところです。たんなる漢字の転換ミスなら、わざわざルビを振ったりはしないので、これは文脈からして「瞑想」ではなく「迷走」に決まっているのですが、それにすら気づいていないのです。その意味でもこれは素晴らしく「痴的」な紹介記事になっている。

 かつて公明党は「創価学会の政党」として、創価学会員以外からは白眼視され、万年野党にとどまっていました。ところが、「権力の蜜の味」を味わうようになった昨今では、そのあたり様変わりして、マスコミも創価学会員はあらゆるところに浸透しているので、その報復を恐れ、「政教分離の憲法規定に反するのではないか」というような批判も全く書かなくなったのです。「忖度」はそんなところにも働いている。

 それにしても、昔の生長の家(安倍の強力応援団の日本会議は当時の生長の家の学生信者たちが中心になっていると言われます)なら、安倍のような戦前回帰のタカ派政権を支援するのはわかるが、公明党がコバンザメみたいにそれに引っついているというのは理解に苦しむ。「いや、安倍政権の暴走を私たちは止めているんです」と言い訳しそうですが、少なくともこれまでのところ、そんなことをした形跡はない。今は安倍が不人気なおかげで、創価学会票が重要な意味をもち、安倍は露骨なおべんちゃらをつかっているので、発言力も増したと言えそうですが、連立から外されたくないというのが先にあるこういう政党は信用できないと見る方が健全でしょう。「公明」ならぬ「向迷(迷いに向かう)」党なのです。野党を「ご都合主義的だ」と批判できるようなご立派な存在ではない。違いますか?

 小池新党、希望の党は、公明党=創価学会のご機嫌を損じたくないから公明党の候補者がいる選挙区には自党の候補者を立てないという話です。小池氏は、いずれ公明を取り込んで連立政権を作ろうという腹なのでしょう。彼女のマキャベリストぶりは色々なところに示されていますが、こういうのもその一つです。僕がこの新党を「歓迎」しているのは、それが安倍自民の票をかなり奪って、自民の議席を減らしてくれる可能性があると見るからで、こういうのも一種のマキャベリズムですが、「原発ゼロ」も票集めのためのアドバルーンでしかないようだし、「花粉症ゼロ」にいたっては、ほとんどマンガです。

 都議選と違って今回「希望の党ブーム」は起きず、それも大して期待できそうもありませんが、仮にそれが維新や公明を取り込めば過半数になるというようなところまで行けば、公明はまた日和って、小池党首と「固い握手」なんかするのではありませんか? まあ、そうはなりそうもないから、その変節ぶりを批判されずに済み、「向迷」のそしりは免れるだろうというだけの話です。

 枝野新党、立憲民主党は、右だか左だかよくわからない旧民進党よりはずっとマシです。希望に外されたのは左派のリベラルが多いから、おかげでカラーが前よりずっと鮮明になったのです。少なくとも公明党よりは立ち位置が明確なので、公明ごときにとやかく言われる筋合いは何もないでしょう。

 話は変わりますが、昨今かまびすしい安全保障をめぐる議論は僕を憂鬱にさせます。北朝鮮はあの有様だし、中国は「習近平の軍隊」の色合いを強めつつ、軍拡に余念がないという話です。また、サウジが「ロシアの最新鋭の地対空ミサイルS400を含む約30億ドルの兵器提供に合意する見通し」という次のような記事もありました。

・サウジ国王、プーチン氏と会談 兵器売買合意へ(毎日新聞)

 世界的に経済が思わしくない(資本主義は「終焉」しかけているので、次のシステムを見つけなければならないという見解は僕は正しいと思います)中、偏狭なナショナリズムが国を問わず人気を博して強化され、軍拡競争もそれに歩調を合わせるようにして進む。他方、地球温暖化の深刻な影響が顕著になり、今後も異常気象の類は頻発すると見られるので、世界経済はさらなる打撃を受けることになるのです。

 どこのどんな問題が発火点になるかはわかりませんが、いずれ第三次世界大戦は起こるでしょう。そして、また大量の死者が出る。核爆弾は使用され、これに原発の破壊も加わると、悲惨なことになる恐れがある。その惨禍はこれまでの世界大戦の比ではないでしょう。

 前にも書きましたが、今は地球の歴史上、第六番目の生物大量絶滅の時期に入っていると言われています。科学者はそれに警告を発している。前回、五番目は6500万年前の恐竜が滅びた時代です。今回とそれまでが違うのは、今回のそれは、主に「人為的な要因」によるものだということです。生物の多様性がすさまじい勢いで失われている。別に戦争がなくとも、このままではいずれ人類は生存基盤を失って絶滅に近い状態に追い込まれるのです。

 旧態依然たる近視眼的な思考に基づいて、国家安全保障のための軍事力強化が必要だなんてつまらないことを議論しているヒマはほんとはなくて、世界が一致協力して地球温暖化対策や貧民救済に当たり、資本主義ではない別の経済システムを模索する必要がある。共通の問題を認識して、それに英知を結集して立ち向かい、協力し合うことが必要なのです。しかし、昔滅びた幾多の文明と同じで、生態学的無知により経済基盤が崩壊に向かうと、「貧すりゃ鈍する」とばかり、利己性はかえって強化されて、戦争によるぶんどり合戦が激化し、逆に解決を遠ざけて寿命を縮めてしまう羽目になるのです。

 この点、ハイテクITの時代にもかかわらず、人類は進歩するよりむしろ退歩している。今の日本は「安全保障体制を強化」すべく、「ふつうの国」になれるよう憲法も改正して、という議論の流れになっていますが、低能の観念右翼、安倍のような戦前回帰主義(彼はそれを十分自覚していないようですが)は論外としても、自称現実主義者たちが言うところの、日本国憲法の「空想的平和主義」はむしろ新たな意味を帯びてきたと見ることもできるのです。

 今後はおそらく、「北朝鮮や中国の脅威」をダシに、アメリカの国力も低下してることだし、日本は「自前の十分な軍事力をもたねばならない」という方向に進むでしょう。「抑止力」の観点から、核武装も必要だということにそのうちなって、世界的に進む軍拡競争の中にすっぽり入ってしまうのです。そして、世界経済が不振を続け、それに温暖化、異常気象の頻発が重なると、北朝鮮のような経済的困窮をきわめた独裁国家や、国民の不満を吸い上げて政権を握った極右ナショナリストが牛耳る国家が「暴発」し、それが連鎖反応をひき起こして第三次世界大戦に発展してしまう。

 ひょっとしたら、主要な国家は深刻な放射能汚染で生き残った者も長く後遺症に苦しみ、数世代を経ずしてほとんど絶滅状態になり、無事ですむのはどこか辺鄙なところの密林に暮らす未開民族のみ、ということになってしまうかも知れません。そして彼らはその未開状態の中からあらためて気が遠くなるような文明化の歩みを始めることになるのです。

 それは暗い見通しですが、そうならない保証はないなと、僕は今の世界情勢を見て思うのです。自称「万物の霊長」、実質「利口馬鹿」の人類の、それは避けられない運命なのでしょうか? いくらか想像力を働かせて、そういうこともお考えになってはいかがでしょうか? 最近は「世界核戦争の脅威」はほんど語られなくなりましたが、それは例の「ゆでガエル」のたとえと同じで、慣れすぎると生物の警告装置は作動しなくなるという理由によるものでしかないのです。

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