終わった民進党~今どき不倫ごときで…

2017.09.09.16:58

 僕はその記事を見ていませんが、民進党の山尾志桜里衆院議員(43)の「不倫」が週刊文春で暴露され、新執行部での幹事長就任もおかげで立ち消えになったのだとか。「政治経験の少ない二回生ごときが幹事長になってよいのか!」という嫉妬が民進党内部に渦巻いていたそうで、「内部(男性議員)のリーク」説も囁かれているそうです。

 全くねえ…。ただ自分が異性にモテないだけで、だから「不倫」もしなくてすんでいるだけの話ではないのかと皮肉の一つも言いたくなりますが、不人気で崩壊の危機に瀕している政党内部のこうした見苦しい権力争いは、民進党が解体するしかないことを示しているように見えます。

 いきなりこんなこと言うと叱られそうですが、そもそもが、結婚制度はとうの昔に実質的には崩壊しているのです。哲学者のニーチェが「神は死んだ」と言ったとき、それがヨーロッパ人に衝撃を与えたのは「深い部分の心理的事実を言い当てていたからだ」と心理学者ユングは言いましたが、これは昔、そのユングが言ったことです(たしか「ヨーロッパの女性」と題された講演でだったと思うのですが)。

 西洋式の結婚式では、夫は妻を、妻は夫を永遠に愛しますなんて誓いを立てさせられるわけですが、それは虚構で、男女の愛は永遠ではありません。たまにそういう人たちもいるが、それはむしろ例外で、生物学的に言ってもそこには無理が伴うのです。離婚しない場合でも、それは「永遠の愛」ゆえにではなく、一種の「盟友関係」がそこに成立するのと、世間体というものがあるからで、前に防虫剤のテレビCMに「亭主元気で、留守がいい」というのがありましたが、大方はその程度のものでしょう。

 だからと言って、僕は別に「不倫」を奨励するものではありません。発覚すると浮気をされた側は傷ついてみじめな思いをして、離婚に発展することが少なくないだろうし、そうなると子育てにも影響するので、色々面倒なことが起きるのを覚悟しなければなりません。それなしの安易な浮気は愚かというものですが、結婚後「運命の人」(とその人が思う)に巡り合うこともあるだろうし、そういう場合は離婚→再婚という手順を踏むのが“正しい”やり方だということになるのでしょうが、それでも関係者が傷つくことや、相応のドタバタは避けられないのです。

 昔は離婚件数が少なかったのは、世間体の縛りがきつく、たいていは一方が他方に我慢していた(多くの場合は妻が夫に)からです。人生は忍耐力の修練の場だという考えからすれば、これにはそれなりに合理性がありますが、基本的に男女関係というものは、一方が他方に愛想を尽かしてしまったら、それで終わりでしょう。今は女性も生活力がある場合が多いので、そうなったらさっさと離婚する。問題は子供がいる場合で、片方が引き取っても他方はそれに対して責任があるので、相応の援助をする必要があります。離婚して母子家庭になった場合、それで困窮してしまうことが多いのは、元亭主が応分の役割を果たすことが少ないからで、そのへんは西洋式に、相応の援助を父親はすると共に、子供にも定期的に会えるというふうにきちんと取り決めをするのがよいでしょう。子供中心に考えるなら、そういうことになる。母親がその後再婚した場合でも、子供が「現おとうさん」「元おとうさん」と呼んで、両方と付き合っているケースがあって、それだとその子は他の子より多くの父親をもっていることになって、心強いわけです。「元おとうさん」もわが子の成長をずっと見守ることができる(DV夫、DV父の場合には話はまた別で、その“病気”を治さないとどうにもなりませんが)。

 山尾議員と相手の弁護士もそうすべきだと、僕は言っているのではありません。「男女の関係はない」というのなら、その必要はないでしょう。しかし、いずれにせよこういう騒ぎになると双方の家庭にヒビが入る。それが修復できるか、そのままこわれるところまで行くかは当事者たちの問題ですが、僕が言いたいのは、どちらにしてもそれは部外者が騒ぎ立てる問題、ましてや議員辞職を迫るような性質のものではないのではないか、ということです。

 それが深刻な道徳的問題であるとは、僕は思わない。お友達の便宜を図った、加計学園に代表される安倍の低レベルの公私混同政治や、その安倍のヨイショ本を二冊も書いた山口某の卑劣なレイプ事件は僕には不快ですが、これはそういうものではない。「結婚と家庭は神聖犯すべからざるものである」と考える人たちには違うのでしょうが、それのどこが「神聖犯すべからざるもの」なのか、僕には理解できないのです。それは現代社会の実態には即していない。

 むろん犯罪は許されませんが、政治家は政治の仕事を公正かつ誠実に果たせばいいので、私生活は問うところではない、というのが健康な見方ではないですか。政治家に愛人が何人いようと、それで政治の公正を歪めたのではないかぎり、僕にはどうでもいいことのように思われるので、ずいぶんマメな人だなと感心するだけです(前にも書いたことがありますが、三木武吉という政治家は何人も愛人を抱えていて、本妻への愛情は、にもかかわらず終生変わらなかったという人でした。そして彼は、どの愛人の面倒も最後まで見たというのだから、そのへんがそこらのただの浮気男とは違っていたのです)。

 嫉妬心から彼女の追い落としを図るためにリークした人間がいるのだとすれば、そちらの方が醜い。山尾議員はあの年でも十分美人なので、そういうことがあっても不思議ではないなと僕は思うだけです。「家族を苦しめるからけしからん」と言う人たちも、別にその家族のことを真面目に心配しているからではないでしょう。悪感情のうっぷん晴らしにそれを利用しているだけにすぎません。

 まあ、週刊誌にとっては恰好のスキャンダルであることはたしかで、文春がこれに飛びついたのはわかりますが、問題は民主党内部の「離党しないと党に傷がつく」「いや、議員辞職に値する」といった自称「批判」です。いつから日本会議みたいな封建道徳のかたまりになったのか知りませんが、民主党の不人気はそういうことが原因ではない。つまらないカマトトぶりを見せつけられて、有権者はいっそう愛想を尽かすのです。他に言うこと、することがないのかと。

 ちゃんとした強力野党がいてくれないと、自民党がいい気になってのさばりすぎるので、民進党のこのていたらくは嘆かわしいことです。こうなったら解党して、新しい党で一から出直すしかないだろうと僕は思って見ているのですが、やっぱり人材不足で明確な方向を示して、まとめられる人はいないんですかね? 愚かしい嫉妬や権勢欲で人の足を引っ張りたがる手合いはたくさんいても…。こういう何が起きるかわからない危機の時代に最大野党がこの有様とは、ほんとに情けないことです。
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