そんな言い訳、通ると思ってるのは安倍本人だけ

2017.07.25.16:19

 ほんとにこの男は馬鹿だなと、認識を新たにしました。衆院予算委員会での集中審議の答弁についてです。以下は、昨日のニューズウイーク掲載の「安倍首相、加計問題の便宜指示否定『申請知ったのは今年1月』」という見出しのロイター記事からの引用。

 安倍首相は冒頭で「私の友人が関わる問題であり、国民からの疑念ももっともだ。今までの答弁でそうした観点が欠けていたことは率直に認める。国民目線で丁寧に説明したい」と述べた。
 その上で「加計氏から、私の地位を利用して何かを依頼してきたことは一度もない。獣医学部新設について働きかけは全くなかった」と述べた。さらに「国家戦略特区諮問会議で岩盤規制の打破をスピード感を持って進めるよう言ってきたが、個別の指示は全くしていない」として、加計学園に便宜をはかったとの疑念を否定した。
 首相は「加計学園が今治市で獣医学部新設を申請していることを知ったのは今年1月だった」と述べた。それ以前から国家戦略特区諮問会議での議論について申請は自治体単位であり、「今治市についても事業者は決まっていなかった」と説明、具体的な説明は聞いていなかったと述べた。


「何かを依頼してきたことは一度もない」「働きかけは全くなかった」と否定に躍起のようですが、しょっちゅうゴルフ・会食を共にしていれば、そこは「阿吽(あうん)の呼吸」というわけで、いちいち「お願い」しなくてもわかるのがふつうでしょう。ましてや、前にも書きましたが、この加計孝太郎という御仁は法律関係にはよく通じていて、下村博文へのパーティ券代金取り集めの一件を見ても、「自分は献金していない」ということがアピールできるように手の込んだやり方をしていて、「この方面の裏がよくわかっている、ダークを絵に描いたような政商だな」と感心させられるのです。仲のいいお友達なら、言われなくても察するでしょう。直接「言った」とか「聞いた」とかが問題なのではない。森友の件でも、この加計の件でも、菅野完氏がいみじくも命名した「全自動忖度機」をフルに活用して不正を働いた、そのことが問題なわけです。

 だから釈明にも何にもなっていない。安倍の非常識さと頭の悪さがよくわかるというだけの話です。似たもの夫婦とはよく言ったもので、アッキーとおつむのレベルが一緒です。

 それでも、「『加計学園が今治市で獣医学部新設を申請していることを知ったのは今年1月だった』と述べた。それ以前から国家戦略特区諮問会議での議論について申請は自治体単位であり、『今治市についても事業者は決まっていなかった』と説明、具体的な説明は聞いていなかったと述べた」というくだりは、完全な嘘でしょう。法廷弁論的に言えば、それは「ありそうもない話」なのだから、その「ありそうもない話」が仮に真実だったというのなら、その証拠を示す「挙証責任」が安倍にはあるのです。

 支持率は毎日新聞が22、23日に行った世論調査ではついに26%になり、「6月の前回調査から10ポイント減。不支持率は12ポイント増の56%」だったという話ですが、支持と不支持が逆転したのみならず、実に30ポイントも差がついたわけです。お粗末の見本のような彼の国会答弁でその流れが変わるわけはない。

 安倍は「腹心の友」の心中を忖度、安倍の取り巻きは首相の心中を忖度というわけで、不明朗そのものの「忖度政治」が安倍政治の核心だったわけです。リテラなんかは「ともちんラブ」という言葉で揶揄していますが、同じネトウヨ仲間で、いい年こいたつけまつげ女の色香にそんなに弱いのかと言いたくなるような稲田かばいも完全に裏目に出た。今度の内閣改造ではついにそのともちんも切るようですが、「女性の活躍」をアピールするために「八紘一宇」の三原じゅん子を今度は入れるのだとか。自らとどめを刺すために同じネトウヨのぶりっこを入閣させて、仕上げの「失言」を誘発しようとは、実に念の入った話です。

 いずれにせよ、退陣は秒読み段階に入ったわけで、僕もここの「政治」コーナーの記事を減らせるかと、大いにほっとしています。最初は「そんな大げさな」と言う人が多かった「安倍はオウムの麻原より危険」という主張も、誇張ではないと思う人が増えたようだし、憲法改正に突っ込む前に彼を追い払うことができそうだという見通しは、僕の心の重しをだいぶ取り除いてくれました。むろん、退陣するまで、書き続けますけど。

 ちなみに加計の獣医学部、最終審査はまだのようですが、開学しても確実に失敗しますよ。先に「今治市長が加計学園の申請に対し、審査も何もないまま、即日決済で96億円の補助金支出を決定」というのが大きなニュースになっていましたが、建設費の坪当たり単価が異常に高くなっているのが同時に問題視されているのです。それだと「公金横領」に等しいが、それでもなお赤字になる見通しなのです。

 先頃の週刊文春の記事によれば、加計の大学でかろうじて黒字なのは岡山理科大だけ、他は千葉科学大も倉敷芸術科学大も慢性定員割れで、数億ずつの大赤字。岡山理科大の黒字も新設のこの学部で消えてしまうことになるだろうと見られているのです。

 それでなくとも地方私大の定員充足率は低い。少子化の進行で、それは深刻化する一方なのです。「獣医だから大丈夫」というのは甘いので、開学前にこれほど不名誉なことで有名になれば、高校や塾、予備校などの良心的な教師が生徒に受験を勧めることはまずありません。政治家先生たちはご存じないのかもしれませんが、受験相談に応じる側のそうした対応が及ぼす影響はものすごく大きいのです。そうすると、当初定員割れだけは免れても、学生のレベルは目立って低くなる。詰め込み受験教育で獣医師国家試験の合格率は他学並を何とかキープしたとしても、それは「試験用学力」にすぎず、「中身に問題がある」ということで就職差別されることにもなりかねないのです。六年間の学費だけでも1500万近く、これに下宿代・生活費を加えれば、その倍近くの費用を見込まねばならず、それに見合った待遇が卒業後に期待できるわけでもないとなれば、そんな費用を喜んで出す親がどれだけいると思いますか? ふつうにシュミレーションしてみれば誰にでもわかることです。

 安倍とその取り巻きたちの言う「岩盤規制の突破」なるものは、全くのナンセンスです。少子化が深刻化する一方のこのご時世に、新たに大学を増やす必要など全くない。家畜の伝染病対策がどうのというなら、それは既存の大学の設備・教育・定員を拡充させれば足りる。そちらの方が使う税金も少なくて済むし、効果も期待できるのです。規制緩和論者の言う「規制は悪」の思想は、それが正しいかどうかはともかく、「規制が経済発展の足かせになっている」ということでしょう。ところが今回の加計問題の場合、政商もどきの私学理事長が目論んだ獣医学部新設は、補助金や私学助成金を自治体や国家からいかにして合法的にせしめるかにあって、自治体や国家財政の負担を増やすほかに取柄のないものなのです(同じ認可をするのなら、京産大の獣医学部の方が、大学の信用から言っても、計画書のレベルから言っても、ずっと成功の確率が高く、マシだったでしょう)。要するに、お荷物を増やすためだけの「規制緩和」なのです。そこに規制緩和論者の言うような「正義」はない(加戸・前愛媛県知事の言い分が論理の逆立ちになっていることについてはこの前書きました)。

 同じ文春に加計学園の教職員アンケートの結果が載せられていましたが、ほとんどが獣医学部新設に反対している。良心的な教育者で、現実的なシビアな目をもつ人なら、それは当然でしょう。教育機関の成功は、そこで行われている教育の質・内容の充実への努力にかかっています。それをなおざりにした拡張路線が成功することはほぼ100%ないのです。

 今後は国立大でさえ倒産しかねない時代です。まともな大学はかなりの危機感をもっている。去年、近畿地方の某国立大に推薦で合格した生徒のケースでこういうのがありました。本人は電気自動車の開発が夢で、工学部に入学したのですが、入学前に「宿題」が送られてきて、これが入門レベルの専門書の大量コピーで、それをいついつまでにここまで訳して提出しろということだったのですが、自分で調べてもわからないところは教えるよと言っておいたので、そこは質問に来たのですが、僕が驚いたのは、大学受験生にはそれはかなり難しいものであるだけではなく、「この前送った分が添削して返却されました」というのでそれを見たら、びっしり細かく朱が入っている。ほぼ無傷なのは先生に教わったとこぐらいですと生徒は笑っていましたが、推薦入学の生徒一人一人に対して、ここまで細かい指導をしているのかと、そのことに驚いたのです。今は推薦合格者に課題を課すのはふつうですが、こういうことをするのは大変な手間です。しかし、今の大学はそこまでやり、後でお母さんから聞いた話では、入学後の語学教育、TOEIC対策などもかなり徹底している。専門にはむろん力を入れているわけで、学生の力を伸ばそうと一生懸命なのです。いい大学でよかったですねと言うと、お母さんも満足そうでした。

 こういう大学側の地道な努力が評判を高めることにつながるのは確実です。げんに僕は感心したからこれを書いているわけで、そうした善き評判はじわじわと広がってゆくから、こういう大学が潰れることはないだろうと思います。「酒の飲み方も汚い」(文春記事)という加計の理事長はそうした大学の爪の垢でも煎じて飲めばよいのです。加計学園の中にも良心的な教育者はいるでしょうが、トップがこれでは、そうした地道な教員の努力に泥をかぶせるのと同じなのです。

 方向を間違えたおかしな「やり手」二代目理事長が学園を潰す。そうならないという保証はどこにもないので、加計学園の関係者は「解任動議」でも出して、彼を追放してしまった方がよいかもしれません。全くもって、安倍のお友達というのはご立派な人ばかりです。

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