トランプと安倍の「不人気」競争

2017.07.18.14:26

 退陣までにどちらがより多く支持率を下げるか、という競争になってきたようです。最新世論調査の結果は以下の通り。

・トランプ 支持=36%   不支持=58%(ABCニュース/ワシントンポスト 10~13日)
・安倍  支持=29.2%  不支持=54.5% (報道ステーション 15~16日)

 トランプのこれは、「歴史的記録」だそうで、就任6か月後の支持率としては、1975年2月にフォード大統領が記録した39%がこれまでの最低だったとのこと。それを楽々「突破」したのです。しかし、彼は例によって強気で、almost 40% is not bad at this time(ほとんど40%近いのだから、この時期としては悪くない)とツィートしつつ、この調査自体が the most inaccurate poll(最も不正確な世論調査)だと非難しています。つまり、トランプによれば、こういうのもフェイクニュースの一つなのです。

 塾の英語教師としては、38~9%ならともかく、almost の用例として、こんなのあるかな?(しかも今後さらに下がることが予想される)と思ってしまうのですが、大胆な「四捨五入」も almost のうちにしてしまうところが、いかにもトランプ流なのです。

 片や安倍はどうか? 2割台の支持率はこれで2度目ですが、同じ時期に行われた共同通信の世論調査では、支持は35.8%、不支持は53.1%でした。「第2次安倍政権発足後最低」は同じですが、支持率はまだ3割台あって、トランプのそれとほぼ(almost)同じなのです。トランプの場合は新たにジュニアの関与が明らかになったロシア・ゲートと、メディカルケアの問題、安倍の場合は「もり・かけ」問題ですが、どちらも根底に「人物が信用できない」があるところは共通しています。これは致命的で、「人間として信用できない」と思われてしまえば、政策がどうの、内閣の顔ぶれがどうのといったことでは、支持率が元に戻ることはまずありません。

 尤も、トランプの場合は大統領就任時から元々支持率は低かった(大統領選の得票率それ自体はヒラリーが上回っていた)ので、その意味では「やっぱり」という感じで、ダメージはその分小さいと言えますが、安倍は下がり方が極端で、「首相が信頼できない」が不支持理由のトップに来るようになったことからしても、事態はいっそう深刻です。ここ数日は、国民を悪く刺激しないようにと、鳴りを潜めていて、そうすれば自分に対する悪感情も薄れ、内閣改造で「変わった」ことをアピールすれば、支持率も4割台に戻せるだろうと計算しているのでしょう。都議選では「歴史的大敗」を喫したが、国政レベルでは、都民ファーストに匹敵するような人気野党は存在しない。民進の支持率は、これほどの政権不人気にもかかわらず、自民と一緒に下がっているほどなのです。国会審議中は民進の不人気を意地悪く何度も揶揄していた彼ですが、今ほど「弱い民進党」を有難く思ったことはないでしょう。政権がまだもっているのは、全くもってそのおかげなのです(貴重な創価学会の組織票をもつ公明党にも、都議選の恨みは忘れて、思いきりゴマをすっておかねば)。

 トランプはあの性格からして、弾劾にかけられそうだとか、もうこれ以上は政権がもたないと思えば、あっさり政権を投げ出してスタコラ逃げ出すだろうと見る向きが多いようですが、安倍は第一次政権でみっともない投げ出し方をしたので、あれがトラウマになっていて、そういうことはできにくいでしょう。だからここ当分は「反省」「謹慎」のポーズを見せて、支持率アップを狙い、ブレーンに何か新味のある経済政策を提案させて、「やっぱりアベノミクスでしょう」とPRしつつ、支持率を4~5割に戻したところで、「政権禅譲」のかたちを取りたい。北朝鮮の金正恩がこれまでになく危険なミサイル発射をしたり、中国が尖閣その他で挑発行為をエスカレートさせてくれれば、「だから言わんこっちゃない。憲法改正を急ぐべきだ!」ということで、お仲間の日本会議やネトウヨの熱い声援を背に、政権寿命を延ばし、妄執と化した憲法改正(より正確には「改悪」)が可能になるかも知れないので、彼にとってはそれが一番ハッピーでしょう。われわれ日本国民にとってはそれは最悪の展開ですが、そうならないことを祈るのみです。

 しかしまあ、アメリカ国民にしても、日本の有権者にしても、学習能力はあるわけで、トランプも、彼の暴言を「改革者」のそれとして善意に解釈しようとする動きは当初あったので、ロシアによる「ヒラリー中傷情報支援」のおかげもあったとしても、だから大統領になれたのです。安倍が加計問題で連発した「岩盤規制の突破」にしても、彼とその子分たちの加計理事長との「ズブズブの関係」が表に出ていなければ、額面通りに受け取ってそれを肯定する善意の有権者は多かったはずです。しかし、そうした裏が明らかになり、アベノミクスの幻想も消えた今、彼の「改革者」としての資質、ヴィジョンを信じる人は産経と読売の一部の読者ぐらいで、馴れ合いの「お友達政治」、公私混同の韓国並「情実政治」を恥じることなく推進する、時代錯誤の国家主義的理想にとりつかれた危険で幼稚な三代目政治家という理解が一般的になったのです。彼の「憲法改正への熱意」は本物だと言う人が多く、僕もそう思いますが、だからこそ「最悪」なのです。誰もネトウヨに、その思いが「純粋」だからという理由で国政を委ねようとは思わないでしょう。それと同じです。

 大統領当選後、トランプのもとにまっ先に拝謁に駆けつけて、「信頼できる政治家」だと持ち上げて見せたのは安倍でした。トランプも「彼とはウマが合う」と返した。アッキーが会食の場で酒を飲みすぎたのはご愛嬌でしたが、二人がいずれ一国のリーダーの地位を追われた後、再び会食すれば、「肝胆相照らす」ことは間違いのないことでしょう。その節は安倍の「腹心の友」、加計理事長もご一緒にどうぞ。

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