死に体の安倍政権、「内閣改造」で乗り切れると思ってる?

2017.07.03.11:22

 7月2日は良き日でした。都議選で自民が現有57議席を23に減らした。何と34議席ものマイナスで、過去二回あった「歴史的惨敗」の38議席すら15も下回ったというのです。

 これは都政がどうのという以前に、国政の問題でしょう。それがモロに影響した。「もり・かけ」問題をめぐる安倍自身のごまかしに終始した「不誠実な対応」に加え、とくに大切なお友達の下村の二度目の政治資金規正法違反疑惑や、防衛省・自衛隊まで道連れにしたともちんの文字どおりの“自爆攻撃”が実を結んだかたちで、他にも安倍チルドレン、豊田議員の秘書に対する「このハゲぇーー!(バシ!)」や「でちゅか」いびり(あれは相当笑えましたが)、国会での共謀罪の強行採決なども挙げられていますが、案外大きかったのは、安倍の「加計の他にも、要望があれば獣医学部は二つでも三つでも作る」発言でしょう。別に加計にえこひいきしたのではないと言いたいがために、ついよけいなことまで口走ったのですが、これには全国大学獣医学関係代表者協議会の真面目な学者たちもブチ切れて、「少しは現実を知ってから物を言え、このアホが! わが国の獣医学教育を破壊するつもりか!」(前の部分はその真意をわかりやすく“翻訳”したものです)と記者会見で述べたことなども、安倍の信用をさらに下げる原因となったのです。

 要するに、最大の原因は安倍自身にある。その自分を取り替えずに、閣僚だけ入れ替えても、内閣支持率は上がらないでしょう。目玉に小泉進次郎や維新の橋下徹の入閣を考えているそうですが、進次郎は自民党だから断らないし、求められてそうしても彼の汚点にはならないから応じるだろうが、橋下は受けないでしょう。カチカチ山のタヌキではあるまいし、沈みかけた泥舟に喜んで乗り込むほど、彼は頭は悪くないからです。

 安倍は、しかし、降りようとしないでしょう。第三次安倍政権の目はもうないから、彼は妄執と化した「憲法改正」を今回何としても果たそうとする。アベノミクスは副作用だけよけいな空砲にすぎなかったし、盗聴法と共謀罪は通しても、その程度ではあの世の祖父、岸信介にほめてもらえない。「偉大な祖父を超えた」と言われるのが彼の悲願なのです。それはコンプレックスにまみれた彼の虚栄心から出たものですが、本人は「高貴な国家理想」だと思い込んでいる。明治の元勲たちに自分をなぞらえて、将来歴史教科書に「いのちとひきかえに憲法改正を果たした」と書いてもらいたいのです。「低次元の国政の私物化とお粗末な妻やお友達のせいで退陣を余儀なくされ、『ソンタク』と『デンデン』という言葉を流行らせたが、長期政権の割に業績と呼べるほどのものはなく、日本が三流国家に転落するきっかけとなる負の遺産をいくつか残しただけだった」では困るのです。

 日本会議に集う右翼の面々も、安倍は彼らにとってこの上なく利用しやすい“得難い人材”なので、どうにかして再び盛り立てようとするでしょう。都議選は「都民ファーストの会」ができて、それが受け皿になったが、国政ではそれに相当する政党が存在しない。民進は「追い風」にもかかわらず都議選でもサッパリでしたが、国会でもヤジキタ総理・安倍にいびられるほど不人気なままです。共産党では「左すぎる」し、適当な野党がいないから、今のままでは国政選挙で自公政権を倒すのは難しい。安倍政権が存続したとして、有権者が愛想をつかしても、受け皿が存在しないので、今回の都議選のようにはいかないのです。連合などの労働組合(それも御用組合です)に頼っているのから民進は既得権益に配慮しすぎて、何事も中途半端になるのだと言われていますが、そういうおかしなものからは手を切って、野党の中から全く新しい政党を作る動きがでてこないものかなと思います。

 何にせよ、安倍政権が今回の空前絶後の「都議選大敗」を受けてどういう醜態を見せるか、しばらく見物させてもらうことにしましょう。それにしても、その要領のよさに感心させられるのは、創価学会の公明党です。有能なコバンザメと言うべきか、権力につく本能的な嗅覚がすごい。弱気になった自民は都議選で敵方に寝返られても、文句を言うどころではなく、創価学会の組織票目当てに、今後はいっそうねんごろな対応を心がけるでしょう。今回の都議選を通じての真の勝者は、実は公明党だったのかも知れません(公明党が国民一般に見直されるときが来るとすれば、それは安倍自民的・戦前回帰的改憲に「待った」をかけられたときだけでしょう)。
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