トランプと安倍政権のメディア対応~ほめてくれないと「嘘」呼ばわりする

2017.07.02.16:25

 複数の海外メディアが報じたところでは、トランプ大統領は7月1日土曜、ワシントンDCにあるケネディ・センターのイベントで、こう言ってメディアを非難したそうです。

“The fake media tried to stop us from going to the White House, but I’m president and they’re not.”
“The fact is the press destroyed themselves because they went too far. Instead of being subtle and smart, they used the hatchet and the people saw it right from the beginning.”
“The dishonest media will not stop us from accomplishing our objectives on behalf of the American people. …”


 これは翻訳する必要のないほど平易な英文で、高校生ぐらいなら楽に意味が取れるでしょう。2ヵ所に出てくるstop 目的語 from ~ingの箇所なんか、「それ、知ってる!」とニッコリしそうだし、on behalf of ~も「~のために、~を代表して」を意味する重要熟語です。唯一なじみがないのはthey used the hatchetのところぐらいで、hatchetは「手斧・鉈(なた)」の意味です。hatchet jobが「誹謗、悪罵」の意味であることからして、fake media(偽りのメディア)、dishonest media(不正直なメディア)の連中は、「ロクに調べたり考えたりもせずに、荒っぽい、不当な悪罵を私に平気で投げつける」と言いたいのでしょう。

 もう一つ、次はナベツネのもと、「安倍御用新聞」「日本版人民日報」の“ブランド”を不動にした読売新聞の「マスコミは責任取らない…麻生氏がメディア批判」という記事です。

 麻生副総理兼財務相は1日、東京都世田谷区で行われた都議選の応援演説で、「マスコミの人は言っているだけだ。責任は何も取らない」と述べるなど、独自のメディア批判を展開した。
 麻生氏は「しかも(マスコミ報道の)内容はかなりの部分が間違っている。書かれている本人だからよく分かる。こんなものにお金まで払って読むか」と発言。「結果として新聞は部数が減っている。自分でまいた種じゃないかと、この間、ある新聞社の社長が言った」などと述べた。
 厳しい都議選情勢の中、政府・自民党はマスコミ報道への不満を募らせている。自民党の二階幹事長も6月30日の都議選応援演説で、「私らを落とすなら落としてみろ。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いだ」と述べていた。


 トランプと安倍はおつむの程度が大体同じですが、両政権が似たようなメディア非難を繰り広げているのは興味深いところです。どちらにも共通しているのは、自分に都合がいい「嘘」なら歓迎だし、そういう嘘は自らいくらでも垂れ流すが、批判的なものは、彼らの主張と相反するから「嘘」だということです。真偽の基準は自分たちの主張と合致しているかどうかというところにあって、他のところにはない。日本のメディアは読売、産経にかぎらず、これまで批判を「自粛」しすぎてきたが、少しマシになってきたと思ったら、「フェイク・ニュースが多すぎる」と不平をこぼすのです。ニュースが安倍政権寄りの「大本営発表」ばかりになれば、「メディアはちかごろ嘘を書かなくなった」とほめて下さるのでしょう。

 ちなみに、新聞の部数が激減しているのは、インターネットのせいもありますが、記者クラブで配布された文書をただ記事化しているようなつまらない記事が増えすぎたからで、「政治の闇」に独自取材に基づいて斬り込むような記事はないに等しいからです。それならまだしも玉石混交のネット情報の方が信用できるということになってしまう。読売なんか、この前の前川氏に関するつまらない官邸リーク記事で、長年の固定読者まで離れるようになったそうで、麻生副総理のいう「ある新聞社の社長」は、現実認識自体が間違っているのです。その程度の人間が社長をやっていたのでは、潰れる日も遠くはないでしょう。

 都議選はきょう投開票ですが、こういうズレまくった自民に、果たして「正しい審判」は下されるのか、それを楽しみ(?)にしています。
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