岸博幸という官邸御用教授について

2017.06.23.13:52

 この前、「和歌山の恥」竹中平蔵については触れましたが、その子分の岸博幸(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)と、高橋洋一(嘉悦大学教授)あたりは安倍擁護派の論客として、まだお元気でご活躍のようです(2冊の安倍絶賛本の著者、山口敬之は、一時売れっ子だったのに、あのまっ黒けの「準強姦疑惑」のおかげでどこからもお呼びがかからなくなってしまった由)。

 この二人はむろん、「あれはもう化けの皮がはがれた」と言われているアベノミクスの熱烈な支持者(貴重な絶滅危惧種と言える)です。高橋洋一については、何年も前、つまりは最近の安倍擁護論以前に、何か刺激的なタイトルの記事をクリックすると、「何だ、またこのオッサンかよ…」ということが多くて、腹を立てて経済学に詳しい知り合いに電話して聞くと、困惑した様子で、「昔はけっこうまともなことを言っていたのだが、ここ何年かはメチャクチャ、データを出して尤もらしいことを言うのだけど、そのデータそのものが信用できないというのか…何でああなっちゃんたんだろうと、不思議で仕方がない」ということでした。要するに、その方面の一定以上の知識をもつまともな人にはほとんど相手にされていないのです。

 岸博幸については、「竹中の愛弟子」というだけで、僕は信用しませんが、同じ一橋出身で同じく慶大教授になったというあたり、弟子としての“恩恵”はたっぷり享受しているようです(その慶応も、例の女子学生レイプ事件での隠蔽的・事なかれ主義的対応でミソをつけた上に、この前は塾長戦で得票率1位の人が学長に選ばれるのが慣例だったのに、その後の銓衡委員会とやらでこれがひっくり返され、前学長の路線を継承する2位の候補が新学長に選ばれるという異常事態が発生し、内部からも批判の声が上がっているというニュースがあったばかりです。「〔前塾長の〕清家さんは財界にパイプがあります。引き続き利権を得るためにも“内閣”のメンバーだった長谷山さんにしたかったのだろうと言われています」と週刊誌記事にはありましたが、「隠蔽」に励み、「公正」をないがしろにするなど、大学そのものが妙にアベ的になっているのです)。

 ともあれ、ネットで見るかぎりでは、今はこの岸博幸が一番熱心に「安倍擁護」の論陣を張っているようで、高橋洋一よりは信用があるので「有効」と官邸筋からは期待されているのかもしれません。さっきもニュースサイトを見ていたら、次のようなダイヤモンド・オンラインの記事がありました。

加計問題の内部文書流出に見える文科省「真の体質」

 ご覧になればわかりますが、これはたんなる「憶測記事」です。学者の書く文章ではないので、肩書は教授でも、官僚上がりの「もどき」だからこんなのでも許されると思っているのでしょうが、「程度低すぎ」です。岸によれば、文科省のあれこれの「内部文書」は文科省役人の「創作」であり、「文科省は…今や内部文書の流出が連続するという“テロ”まで仕掛けているのかもしれません」と想像をたくましくするのですが、その「創作」と決めつける根拠にしてからが、「『記憶が曖昧』と言う文科省よりも、『そんなことは言っていない』と断言している官邸・内閣府の方が正しいのではないでしょうか」という憶測に基づき、さらにその憶測は、自分も役人だったから言うが、「10年以上経った今でも当時のかなり細かいことまで覚えてい」るから、「記憶が曖昧」なんてことはあるはずがない、だから文科省の役人どもは嘘をついているのだ、という憶測によるのです。

 しかし、常識で考えるなら、「記憶が曖昧」とでも答えないと、官邸側は全否定しているのだから、官邸と全面戦争になってしまう。今は人事まで官邸側に握られているという話なのだから、そこまでは役人としてはできませんということで、「曖昧」ということでお茶を濁しているのだろうと解釈した方が自然です。それでも国民は察してくれるだろうと。

 こう言えば岸は、「そんな根性なしに役人が務まるか!」とまた威勢のいいことを言うでしょう。それは次の産経のインタビュー記事なるものからしてもわかります。

岸博幸・慶大院教授インタビュー「加計学園問題は改革つぶし」「前川は官僚のクズ」

 安倍内閣が人事権を握っているから逆らえないともいわれるが、本当に日本のために必要だと思うなら、クビを恐れずにやればいい。自慢する気はないが、竹中氏の秘書官として不良債権処理をやっていたときは、竹中氏が失敗したら私も辞めるつもりでいた。人事権を握られたぐらいで何もできないなんて、その程度の志しかない人間が偉そうにモノを言うなと思う。

 だから前事務次官の前川氏は「官僚のクズ」だと言うのですが、彼が「自慢する気はないが」と言いつつ自慢している自分の過去は、忘れてもらっては困るが、小泉政権当時の官邸の強いバックアップを受けてのものだったのです。それ、おんなじ話かね?

 本気でそう言っているとすれば「頭が悪い」としか評しようがないが、この他にも、安倍擁護派は判で捺したみたいに「岩盤規制の突破」を言います。岸も同じなので、文科省という「抵抗勢力」をやっつけるのは「正義」なのです。

 しかし、安倍がこの件で前のめりになったのは、「腹心の友」である加計学園の理事長のためだったのだろうという「疑惑」については、「偶然」で片づけられるような話ではない。森友学園の小学校用地8億円値引き、スピード認可に関しては、アッキーの働きかけが大きく「神風が吹いた」と感じられたと、籠池前理事長は語っていましたが、同じような「不自然さ」がこの件には終始まとわりついているのです。だから岸の熱弁も、所詮は「論点ずらし」でしかない。かんじんのその点に触れないのは卑怯・姑息というもので、エラそうに前川攻撃なんかしている資格はないのです。

 にしても、安倍のお友達、御用メディア人が皆この類なのはなぜなのでしょうか? 僕は福島原発事故のとき露わになったあの「原子力ムラ」の先生方の生態(安富歩・東大教授が「東大話法」と命名した)をつい思い出してしまうのですが、パーソナリティ的に非常によく似ているような気がするのです。彼らはその後、すっかり世間の信用を失ってしまったのですが、今回も同じようなことになるかどうか、行く末を見守りたいと思います(それでもクビになる心配はないのだから、大学教授ってオイシイ商売ですね)。


【追記】わざわざ独立した記事を書くほどではないので、ついでに載せておきますが、自民党に離党届を提出した「魔の二回生」「安倍チルドレンの」一人で、「ピンク・モンスター」の異名を取っていたという、豊田真由子衆院議員(42)についての笑える「まとめ」があったので、ご紹介しておきます。ヤラセ見え見えの国会質問の際の「ぶりっ子」とのコントラストも鮮やかで、これで夫や子供もいるというから恐ろしい。一番ほっとしているのは実は家族で、「今まではセラピー(心理療法)を受けさせたいと思っても無理だったが、これで言うことを聞くのではないか…」と期待しているのではないでしょうか? 何にしても、彼女もまた安倍政権にふさわしい「輝ける異才」の一人ではあります。

豊田真由子の最凶伝説がヤバすぎる…【音声あり】

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