「安倍晋三=モンスター・チャイルド」の恐怖

2017.06.20.22:56

 加計問題で、新たに次のような記事が出ていました。

今治市がたった一日で即決した96億の補助金 安倍首相が会見でスルーした加計疑惑が再燃

 記事は後半に重点があるのですが、僕が何より驚いたのは冒頭の部分なので、今回はそちらに絞って書きます。昨日の総理記者会見の一部です。

「印象操作のような議論に対して、つい強い口調で反応してしまう。そうした私の姿勢が、結果として政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省している」と謝罪。

 うーむ。どう思われますか? そこらへんを朝日の会見詳報記事から補足すると、

 政策とは関係ない議論ばかりに多くの審議時間が割かれてしまった。国民に大変申し訳なく感じている。印象操作のような議論に対して、つい強い口調で反論してしまう。そうした私の姿勢が、結果として政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省している。

 要するに、こういう論理なのです。自分は政策論争を積極的にやるつもりでいたが、森友や加計学園の問題が出てきて、そういうのは「印象操作」にすぎないのだが、自分もそういう言いがかりをつけてくる野党の卑劣さについエキサイトして、結果としてそちらの話ばかり盛り上がってしまった。だから共謀罪なんかもそれに時間を取られてああいうかたちで可決となってしまったので、国民の皆さんが不満に思って支持率が下がるのも無理はない。その点は反省している、というのです。

 あのー、そういう話じゃないんですけど…とほとんどの人がこれにはあっけにとられるでしょう。多くの国民が腹を立てているのは、森友や加計の問題が野党やマスコミの「印象操作」ではなくて、証拠も揃った「きわめて信憑性の高い疑惑」だと思われたからで、にもかかわらず、安倍はそれに正面から答えることなく、何ら説得力ある反証もないまま、頑なに否定し続けたからなのです。

 安倍はしかし、ここでもそのことには触れず、野党の「印象操作」に乗せられて、つまらないことに時間を取られてしまった、要するに、それは野党が悪いのだが、それにつきあってしまった自分にも非があると「反省」のポーズをとって見せているのです。

 すぐに僕の頭に思い浮かんだのは、モンスター・チャイルドのことです。教育に携わる人なら、ごく稀にですが、次のような子供に遭遇することがあるでしょう。何か悪さをしたとか、不正を行ったというので、動かぬ証拠を突きつけられる。正直な子供なら、うなだれたり、泣き出したりします。これだと、「わかったら、もうこんなことをしては駄目よ」で済む。自己肯定感に乏しい、心に何か問題を抱えた子供なら、事実は認めつつも、自分がそうしたのは何か他に理由があるからで、自分が全面的に悪かったわけではないのだと言い訳します。こうなると少し面倒ですが、べつだん異常と言うほどではなく、このあたりまでは「正常」の範疇です。しかし、ごく稀に恐ろしい子供がいて、根拠は全く示さないまま、その証拠は嘘で、自分はあくまで無関係で、誰かが自分を陥れるためにそういう嘘の証拠をでっち上げたのだと言い張るのです。しかし、これはそういうものではなくて、裏もとれている。これのどこが嘘なのだときいても、それには答えず、そんなものはウソにきまっている、ボクが悪いわけはないのだと頑固に言い張るのです。

 挙句の果てに、先生はボクのことが嫌いで、だからこんなものでボクを罰しようと企んでるんでしょ、ウチに帰って、ママとパパに言いつける。ボクの家はお金持ちで、力をもっているから、先生なんかいつでもクビにできる。警察だってボクの味方なので、先生に勝ち目はありませんよと、激していたのが、いつのまにかうすら笑いすら浮かべているのです。

 教師はその脅しにではなく、良心が全く欠落したその子供の内面のありように戦慄します。要するに、この子は、その証拠が嘘でないことは百も承知しているのです。しかし、絶対に自分の非は認めない。嘘だと言い張り、相手を脅せば、そこから逃れられる。また、そうすればいい、そうして悪い理由は何もないと思っているのです。

 翌日、その子は先生のもとに「謝罪」に訪れます。教師は喜んで、やはりこの子にも良心はちゃんとあったのだと思います。子供にはそんな悪魔みたいな子がいるはずはない、一時とはいえ、教育者である自分がそれを疑ったのは間違いだったと、教育者としての信念のなさを恥じる気持ちになります。ところが、その子はこう言うのです。

 昨日は先生に時間を取らせてしまってすみませんでした。あの程度のことでついカッとなってしまった自分をボクは反省しました。後で考えると、先生があれをボクのせいだと勘違いしたのはわかります。もちろんボクは無関係ですが、先生が誤解したのも今はわかるので、ボクはもうそれは許す気になっています。気分を害したからとはいえ、先生を脅すようなことを言ったのは行き過ぎでした。そのことをひとこと詫びたいと思い、こうして先生に謝罪しに来ました。ボクはボクを陥れようとした人も許す気になっています。あの件はだから、ボクも今後は忘れるので、犯人探しなどしてもらわなくてけっこうです。冷静に考えてみれば、あれはどうでもいいような、些細な問題だったのです。

 口調も滑らかに、「立て板に水」といった調子で、その子はそう言うのです。あたかも自分は被害者であるかのようで、こんなふうに「謝罪」されたとしたら、あなたがその先生だったとして、どう感じますか? 恐怖のあまり、凍りついてしまうのではありませんか? そして途方もない無力感を感じるでしょう。それは人間に対する信頼が根底から崩れてゆくような感覚です。

 むろん、こんな子供は、仮にいたとしても、百人に一人もいないでしょう。千人に一人でも多すぎると感じられる。しかし、安倍晋三は、ひょっとしたらこういう子供だったのではないでしょうか(彼にそんな論理の駆使能力はないとしても、です)。ふだんは無邪気に軽口を叩いているが、何かまずいことをやらかしたときは、頑なに自分の非を認めず、いつもとは一変した姿を見せるのです。

 その子はあるグループのリーダー的な存在で、先生はかねてそれを不思議に思っていました。人望があるとか、頭がいいとか、面倒見がいいとか、男らしくて喧嘩が強いとか、女の子にモテるとか、そういうところは何もないからです。たしかに家庭は金持ちで、王子様扱いされて甘やかされ、おこづかいをたくさんもらっているので、それで他の子供たちにおごったりはたまにしているようです。しかし、それだけではリーダーにはなれない。何か妙にヘラヘラしたところがあって、仲間と一緒にハンデのある子や家庭の貧しい子を無神経にからかったりすることがあるので、それが気になっていたのですが、どうして子分のような子供たちが何人もいるのか、いくら考えても理解できない。しかし、今回の一件で、この子の何が他の子供たちを恐れさせ、支配する力になっているのか、わかった気がしたのです。それは平然と嘘をつく能力、自分にどれほど非があっても、それはきれいに棚に上げて、相手の些細な落ち度を追及して、それを非難し、自分を危地に陥れるような相手にはどんなことでもするのではないかという恐ろしさです。大人の私でも恐怖を感じたのだから、子供ならなおさらこわいと感じるだろうと。

 もう一つ、先生が感じたのは、頭はよくないくせに、妙なズル賢さがあることです。この子は考えたに違いない。家に帰って両親につくり話をして、教師攻撃に乗り出させたとしても、自分が嘘を言っていて、その証拠は本物だったことがいずれバレてしまうだろう。だからそうするのは得策ではないので、ここは一応教師にかたちだけでも「恭順の意」を示して、追及をやめさせるのが賢いやり方であると。その際、しかし、その奇妙な「謝罪」の仕方が、どれほど異様な印象を相手に与えてしまうかまでは計算できなかったのです。

 あなたがその先生だったとして、このモンスター・チャイルドの行く末をどう占いますか? 毛並がよくて、有名な政治家の家の三代目なら、将来政治家になることはほぼ確実で、ひょっとしたら総理大臣になる日が来るかもしれない。彼が巨大な権力を手にしたら、どうなるだろう? さらに具合が悪いことに、この子は途中でおかしな神がかり国家主義にまでかぶれてしまった。類は友を呼ぶで、彼の周りには不誠実な嘘つきの権力亡者が集まるだろう。何か具合の悪いことをボスがしでかすと、彼らは手足のように働いて隠蔽のために手段をえらばずの行動を取り、その見返りに政権で高い地位に就くだろう。「悪貨は良貨を駆逐する」を地で行くその政治は、社会に異常な精神空間をつくり出し、公私、善悪の区別など、もはや誰にもつけられなくなってしまうだろう。それはおそらく、あの悪魔映画『オーメン』の世界に近いものになってしまうのではないか?

 いくら何でも、まさかそこまではねえ…と苦笑する人が多いでしょう。しかし、僕は今、かなり真面目にこれを書いているので、仮にあんな記者会見で支持率が回復するようなら、もうこの国は終わったも同然です。

 参考までに、その会見詳報から、上記「モンスター・チャイルドの論理」にぴたりと当てはまりそうなものを列挙しておきます。

・また国家戦略特区をめぐる省庁間のやりとりについて、文部科学省が先週、徹底的な追加調査を行った結果新しく見つかったものも含め文書を公開した。これを受け、内閣府の調査も行い、関係する文書などを明らかにした。しかし、最初に調査した段階では、それらの存在を確認できなかった。二転三転したかたちとなり、長い時間がかかることとなった。こうした対応が国民の政府への不信を招いたことは率直に認めなければならない。「信なくば立たず」だ。何か指摘があれば、その都度真摯(しんし)に説明責任を果たしていく。

・英国で、フランスで、イランでテロ事件が発生した。テロの恐怖は世界に拡散している。こうした時代に東京オリンピック・パラリンピックを3年後に控える我が国にとって、テロ対策の強化は待ったなしだ。テロを未然に防止するため、国際組織犯罪防止条約を締結し、国際社会と連携を強めていく。今回成立した「テロ等準備罪処罰法」は、そのために必要なものだ。今後、通常国会での審議、様々なご指摘などをしっかりと踏まえながら、本法を適正に運用し、国民の生命と財産を守る。そのことに万全を期してまいる。

・国会終盤では、国家戦略特区における獣医学部新設について、行政が歪(ゆが)められたかどうかをめぐり、大きな議論となった。獣医学部はこの50年以上新設が全く認められてこなかった。しかしいま、鳥インフルエンザ、口蹄疫(こうていえき)など、動物から動物、さらには動物からヒトにうつるかもしれない伝染病が大きな問題となっている。専門家の育成、公務員獣医師の確保は、喫緊の課題。そうした時代のニーズに応える規制改革は、行政を歪めるのではなく、歪んだ行政をただすものだ。岩盤規制改革を全体としてスピード感をもって進めることは、総理大臣としての私の意思だ。当然、その決定プロセスは適正でなければならない。ですから国家戦略特区は民間メンバーが入った諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて議論を進め、決定されていく。議事はすべて公開している。むしろ、そうした透明で公平・公正なプロセスこそが内向きの議論を排除し、既得権でがんじがらめとなった岩盤規制を打ち破る大きな力となる。これが国家戦略特区だ。半世紀ぶりの獣医学部新設についても、審議に携わった民間議員の皆さんは、プロセスに一点の曇りもないと断言している。まさに岩盤規制改革の突破口だ。しかし、この特区制度について、この国会では民進党のみなさんから制度自体を否定する法案が提出された。岩盤規制の改革には抵抗勢力が必ず存在する。しかし、わたしは絶対に屈しません。既得権と手を結ぶことも決してありません。今後とも総理大臣である私が先頭に立ち、ドリルの刃(やいば)となって、あらゆる岩盤規制を打ち破っていく。


 これで納得がいきましたというアホな有権者はどれぐらいいるんでしょう?「信なくば立たず」とは言いも言ったりで、誰が台本を書いたのか知りませんが、ここまで不誠実な駄文、僕は読んだことがないので、ほとほと呆れます。「質問や批判には答えず、論点をずらしつつ、いかにも情熱を傾けているかのように別のアジ演説をする」安倍内閣の面目躍如です。こういう政権相手に、国会でまともな議論など成り立つはずもない。税金の無駄づかいでしかないのです。しかし、そうなってしまうのもモンスター・チャイルド安倍に言わせれば、「印象操作に巧みな野党と一部マスコミのせい」なのです(野党の皆さんに一言アドバイスしておきたいのは、安倍のような男は初めから異常人格の持主だと承知して相手にしないと駄目だ、ということです。そういう認識をもてば、おのずと対応の仕方も変わってくるでしょう)。

 ちなみに、この首相記者会見から三十分もたたないうちに、森友の家宅捜索が始まったという話で、その段取りのよさには薄気味の悪さすら感じます。検察まで片棒を担いで、政権に不都合なものは「消去」するたんなる「闇の掃除人」にならないかどうか、今後の展開を注視したいところです。
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