安倍晋三を「終身首相」に!

2017.06.18.19:26

 国会の会期が事実上終了。永田町界隈では安倍総理は最近、蕎麦屋に行かなくなった(「もり」だの「かけ」だのという言葉が神経に障るので)と言われているそうですが、ほっと一息で霊験あらたかな「神立の水」とやらでも飲みながら、アッキーと仲良くお食事しているかもしれません。

 最新の時事通信の世論調査では、支持率はまだこんなにあるとのこと。

【図解・政治】内閣支持率の推移

 不支持率はまだたったの33.9%です。三人のうち一人が安倍に腹を立てているだけです。約2割の人はどっちかわからないようなので、残り二人が支持というわけではないようですが、有権者が100人いれば45人もの人がまだこの政権を支持している計算になります。率直に言って、そのうちの20人ぐらいは政治のことなんかロクに考えたこともない人たちで、現状肯定、事なかれ主義の傾向があるので「支持」に入れたのでしょう。25%ぐらいがネット(正味)の安倍支持かなと思います。

 しかし、内容はともかく、45%も支持があればまだ安泰で、今年3月、自民の党則が改正されて、総裁任期が「連続2期6年まで」から「連続3期9年まで」に延ばされましたが、僕はそんなケチなことは言わず、安倍総理にはぜひ「終身首相」になっていただいて、読売のナベツネの政治家版になっていただきたいとねがう者です。あれで読読新聞やジャイアンツは今のような素晴らしい姿になったのですが、それでわが国がどんな「美しい国」になるか、とくと見てみたいと思うのです。

 せっかく盗聴法や共謀罪を通しておきながら、その果実を存分に楽しむことができないのでは、安倍や菅官房長官にとって残念至極なことでしょう。週刊新潮最新号によれば、官房長官は記者会見で食い下がられ、キリキリ舞いさせられた東京新聞の有能な女性記者に腹を立て、早速警察関係者にその女性記者の「身辺調査」を命じたそうで、前川前事務次官の「風俗通い」と同じく、何か記者の信用を貶めるような情報をつかんで、それをリークし(また読売?)、痛い目に遭わそうとお考えになったのです。材料が見つからず、諦めたようですが、上記二法案はこうした場合、官邸お得意の恣意的解釈をもってすれば、敵をビビらせる有効な道具になるに違いないと思われるのです。

 僕が安倍の「終身首相」を望む理由は別にあって、彼は支持率が下がるのを恐れて消費税値上げを先送りし(在任中は上げないでしょう)、事実上すでに破綻している年金制度改革などそっちのけ、これから数年すると団塊の世代が後期高齢者入りして、今は彼らのリタイアのおかげもあって労働市場は深刻な人手不足に陥り、おかげで大学生の就職率もアップしているし、失業率全般が下がって、政権には甚だ好都合なのですが、これから負のインパクトが顕在化して、健康保険も含め、社会保障制度は崩壊の危機に直面するわけです。こうした難局に政府はどう対応するのか、それをとくと見物させていただきたいのです。アベノミクス「官製相場」の行方も気になる。率直に言ってこれはイカサマなので、崩れたら溜まりたまった赤字国債の問題やら、突っ込んだ年金資金の蒸発やら、とんでもないことになってしまうわけです(そこらへんの詳しい話は経済の専門家――尤も、こちらも安倍応援団の詐欺師みたいな手合いが少なくありませんが――にお任せしますが)。

 野党の民進が今不人気なのは、ある意味、幸いなことです。この前は、政権をとったと思ったらあの東北大震災が起きて、それまでの自民党の原発推進政策の賜物と言える福島原発の大事故となり、その対応のまずさですっかりミソをつけてしまった。あの程度ですんだのは運がよかっただけで、東日本壊滅も十分ありえたと言われていますが、自民党はこれを奇貨として政権に返り咲くと、それを反省するどころか、原発全廃の世論はどこ吹く風、新規原発のことはさすがに言わなくなったものの、またぞろ元の原発維持政策に戻ってしまったのです。

 あのときは、原発をどうするか、国民投票にかけるべきだという議論が出ました。しかし、安倍政権になるとそんな話はなかったことになり、今度は憲法改正したいから国民投票を実現しなければならないという話です。大地震、とくに南海トラフのそれは「起きるのは時間の問題」だと言われていますが、着々と原発再稼働は続く。それが起きたとき、今の安倍政権がどういう対応を取るか、それもとくと見物したいのです。

 要するに、安倍政権に「食い逃げ」させず、落とし前をつけていただくわけです。まともな政治家が安倍政権の「負の遺産」で苦しむのを見るのは忍びない。安倍のやらかしたことなのだから、本人が責任を取るのは当然でしょう。

 そのためにはあと一期では足りない。四期五期と続けてやらせて、「安倍政治の本質」が誰の目にも明らかになるまで待つのです。

 むろん、日本はボロボロになりますよ。今後「忖度政治」はさらに進むだろうし、マスコミの「自主報道規制」も進む。あれこれ出てくる政策上のボロも、「仕方がなかったのだ」ということでお友達の学者・文化人たちによって正当化されるでしょう。そうして二進も三進もいかなくなったら、戦前並に「一億火の玉」の国家総動員体制が必要だ、とやかく政権批判なんかこの期に及んでしているのは非国民だ、という理屈になる。「不穏な海外情勢」がしばしば援用され、憲法改正によって「妾から正妻に昇格」した自衛隊の軍備強化が焦眉の急で、テロ対策の観点から、警察力の強化も不可欠だ(盗聴も、もちろんやります)、となって、今は支持率向上のため、禁じ手の金融・経済政策で見かけ上の経済的安定を維持しているわけですが、それがコケたら、今度は経済ごときでとやかく言うのは「愛国心が足りない」からで、日本会議いうところの「栄えある皇国の伝統」に立ち戻って、「臣民の義務」を国民は果たすべきだ、というプロパガンダがなされ、しまいには「この難局を打開するには戦争しかない」というようなトンデモ論が「正論(そういうタイトルの月刊誌が産経にありますが)」として通るようになるのです。舵取りがまずすぎたから窮地に追い込まれたのだということは不問にされる。

 まさかねえ、と大方の人は笑うでしょう。それは承知の上です。しかし、前に僕はここに、オウムの麻原と安倍はよく似ているということを書いたことがありますが、安倍政権がバージョンアップしたオウム真理教でないという保証はどこにもないのです。日本会議が生長の家の教祖、谷口雅春の神道的ウルトラ国家主義に連なるものだという理解はすでに広がりましたが、要するにあれは戦前回帰の擬似宗教カルトです。安倍はそういうものにたいそう親和的で、だから手厚い支援を受けた。おかしなものにかぶれているのはアッキーや稲田朋美だけではないのです。

 オウムも最初は殺人集団ではありませんでした。麻原は薬事法違反などの前科はあったものの、「最初にして最後の最終解脱者」と「最」が三つも付く宗教的天才を自任し、あまねく慈悲を垂れて、悩める人々を「救済」するつもりでいたのです(別にそんなこと、頼んだ覚えはなくても、です)。そしてバブル経済の狂騒の中、心に空虚感を抱える若者を次々取り込んでいった(麻原自身は大学入試に失敗して高卒でしかなかったものの、幹部たちの学歴が大学難易度ランキング表でも見せられているような輝かしいものであったことは注目を集めました)。破竹の快進撃で、教勢はどんどん拡大してゆく。ところが、教団内部の「修行」で一人死者が出た。それを隠蔽しようとしたところからだんだんおかしくなって、批判を封じるためには手段をえらばず、坂本弁護士一家の殺害やら何やら、本格的に犯罪に手を染めるようになった。最初の躓きはその隠蔽、嘘だったわけです(裏でそういうことをやっている時点でも、宗教学者・文化人が彼を持ち上げたり、これは今でもYoutubeで見ることができますが、ビートたけしなんか、テレビで麻原インタビューを行い、おまえは弟子かというような心酔ぶりを見せたりしていたのです)。

 しかし、隠蔽工作も長くは続かない。追いつめられた彼はハルマゲドン妄想にとりつかれるようになり、サリン工場でサリンを大量生成し、購入したロシア製軍用ヘリで首都圏空中散布を企て、同時に信者たちはこれまた専用工場で自家制作した自動小銃で一斉蜂起する手筈だった。自衛隊内部の信者もこれに呼応して動くという、クーデタ計画が立てられたのです。それによって北朝鮮も顔負けの「麻原王国(オウム憲法では彼は「神聖法皇」と呼ばれることになっていた)」を樹立するつもりだった。地下鉄サリン事件の段階でその目論見は破れたわけですが、幹部の誰もそれを止めようとはしなかった。彼らは忠勤競争と教祖の意向の忖度に多忙で、いつのまにかその妄想を共有するにいたったのです。

 麻原と安倍は同い年(前者は早生まれなので誕生年は一つ違いますが)で、不都合なことを聞かれるとすぐブチ切れるなど、その身勝手さでもよく似ています。毛並みは全然違うが、強いコンプレックスを抱えていたことも共通している。この手の幼稚な人間は権力を手にすると抑制が利かず、たやすく自我膨張に陥ります。そのあたりもよく似ているのです。

 オウム事件が起きたとき、僕は深刻な鬱に陥りました。そうして、「まだこの程度ではすまないだろうな…」という悪い予感を覚えました。オウムの途中までの快進撃は僕には謎で、あの程度の男があれほどの権勢をもつにいたるとは、何か悪いものが背後にいるに違いない、と感じたのです。それが彼のツキ、幸運をアレンジしたのです。僕はそれを「闇の傀儡師」と呼んでいますが、これは人間のことではありません。平たく言えば悪魔です。未熟な人間が下手に瞑想などすると、そういうものにとりつかれることがある。麻原はまんまとそれに操られたのだろうと僕は思いました。その闇の存在は見込んだ人間を成功させ、権力をもたせ、それを使って社会の破滅をもたらそうとするのです。

 しかし、傀儡師の目的は果たせなかった。だから彼は次のターゲット、候補を探すだろう。次に白羽の矢が立てられたのは政治家の、強い心理的屈折を抱えた三世議員の安倍だった(麻原もかつては「東大法卒→内閣総理大臣」を夢見た野心家の青年でした)。奇しくも麻原と同学年だったのは、それが「悪の愛顧」をとくに受けやすい年で、何か占星学上の秘密でもあるのかも知れません。

 これはそれ自体「オカルト的」なので、多くの人の嘲笑を招くでしょう。しかし、仮に安倍にオウムの麻原と同じ「絶対権力」(教団内部ではそうでした)をもたせ、その施政を続けさせるなら、彼は確実に日本社会に破滅をもたらす人間になるだろうと僕は思っています。そのとき、安倍は麻原がそうなったのと同じく、廃人同然になるだろうと。それが闇の傀儡師に操られた人間の悲しい末路なのです。

 以上です。これでこのブログは読者を減らしてしまうことになるかも知れませんが、安倍政権は実はバージョンアップしたオウム真理教ではないかという見方は、事態を甘く見過ぎている人たちに再考を促す意味では有効なのではないかと思って、書いてみた次第です(長くなるので割愛しましたが、細かく見るとほんとに類似点は多いのです)。

 もっと「現実的」に物事を考えたいという方には、山崎雅弘著『「天皇機関説」事件』(集英社新書 17年4月)がお薦めです。あとがきに「この本を読まれて八十二年前の話であるにもかかわらず、すぐ身近で起こっているようなリアリティを感じた読者も、おられるかもしれません」とありますが、たしかにその「リアリティ」は十分です。「自分を『天皇の忠実な僕』のように位置付けて、美濃部らを居丈高に罵倒した『機関説排撃派』が、実際には天皇の意向や心情には関心がなく、ただ『自分が優位に立つために』天皇の権威を笠に着た構図は、決して美しいものとは言えないものでした」と筆者は述べていますが、これはリベラルな今の天皇と、「美しい国」のスポンサー、日本会議に集う右翼との関係についても言えそうです。今の安倍政権の危うさを最も強く感じとっておられるのは、実は天皇陛下御夫妻かもしれません。独善性の塊のような居丈高で卑劣な右派勢力と、それに追従する他なくなった時の政権が、当時の日本にどんな抑圧的・閉鎖的な精神空間を作り出し、募る社会不安を背景に進められた異様な「愛国教育」「愛国プロパガンダ」が国民の間にどんな狂気を醸成したか、その先にあの太平洋戦争はあったわけですが、それはたんなる「過去の亡霊」の話ではないと読者には感じられるのです。未読の方は、この目配りのよく利いた良心的な本(非常に読みやすい)を、ぜひご覧になって下さい。

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