トランプをほめたたえる会~安倍もやったら?

2017.06.14.00:16

 身から出た錆とはいえ、旗色が悪くなって落ち込んだときはこれにかぎります。見てやって下さい、この嬉しげな表情!

米閣議で異例の光景、全出席者が立て続けにトランプ氏称賛

 トランプといえば、最近のニュースでは、地球温暖化対策の国際的枠組「パリ協定」からの離脱を発表したことですが、「選挙公約通り」で、あの騒ぎになった移民排斥措置と同じで、何ら驚くには値しない。こうした対応は彼の考える「アメリカの利益」に合致するからです(地球温暖化はCO₂排出とは何の関係もないという「陰謀説」を本気で信じ込んでいるフシも彼にはありますが)。

 そういうことよりも、彼にとってヤバいのは、電撃解任したFBI長官、コミー氏の反撃で、われらが安倍総理も、加計学園がらみで文科省前事務次官、前川氏の反撃に遭って大弱りしているわけですが、その事情はもっと悪い。

 FBIの捜査は、大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会(DNC)にサイバー攻撃を仕掛けて大量のメールを流出させたとされるロシア政府だけでなく、そのロシアとトランプ政権幹部が共謀関係にあったかどうかにも及んでいる。トランプは自分にも捜査が及ぶのを恐れていた(Newsweek 6/12)

 からです。名付けて「ロシアゲート」。コミー氏に圧力をかけ、「忠誠」を求めて捜査をやめるよう迫り、言うことを聞きそうもないから別の理由をこじつけてクビにしたら、しっかりメモを取られていて、議会の公聴会で証言されてしまった。制度的な違いはあるとはいえ、こういうふうに、アメリカは大統領が反対しても、公聴会は開かれ、コミー氏が証言できたというところは日本より健全(安倍政権は応じると明言している前川前事務次官の証人喚問を頑なに拒んでいる)ですが、これは大統領弾劾事由に当たる可能性が濃厚というので、「トランプ危うし!」となっているのです。

 根が実業家というより、詐欺師まがいの投機的不動産屋にすぎないトランプは、今後弾劾の動きが本格化すると、その審判を受ける前にすたこら逃げ出し、自分から大統領を降りてしまうだろうという観測も一部にありますが、とにかく彼は窮地に立たされている。それで、「お友達閣僚」を集めて、「トランプをほめたたえる会」を開き、マスコミに報道させて、人気挽回をはかろうとしたわけです。むろん、実際は閣議なわけですが、ノリが安倍の「総理と桜を見る会(仲良くアッキーも出席!)」みたいになってしまったわけです。

 父ブッシュをして「ブッシュ家の恥!」と言わしめたあの低能お調子者大統領ブッシュ・ジュニア(おまえが始めたあの二つのいらざる戦争で、一体どれほど多くの罪のない人たちが殺され、世界が不安定化したか、わかってるのか!)をも凌ぐ、トランプの面目躍如ですが、これは世界のいい笑いものになること確実で、冒頭のCNNの記事も、「トランプ政権では同氏を大げさにほめればほめるほど待遇が良くなるということを、閣僚らは認識しているようだ」と皮肉たっぷりです。

 しかし、安倍政権でもこれは同じで、ゴマスリと忖度の競い合いみたいになっていて、きつい諫言をする人間は皆無のようです。これはボスのおつむと「品格」のレベルが同じだからで、「公私混同もいい加減にしたら?」とか「もっと男らしく非は非と認めたら?」なんてほんとのことを言うと、激しい怒りを買って、左遷程度ではすまないかも知れないのです。菅官房長官の前川攻撃のように、総理の苦しい胸の内を忖度して、敵には罵倒の限りを尽くしてこそ、ボスの覚えもめでたくなるというものです(官房長官や御用文化人・学者たちの前川非難は裏目に出て、世論は前川氏の方に軍配を上げているようで、だからこそ氏の証人喚問は何としても阻止したいのでしょうが)。

 安倍総理もここは一つ、閣議の様子をテレビ公開して、どんなに自分がすぐれた功績を挙げたか、どんなに美しく、高い理想を掲げているか、閣僚たちにほめちぎってもらってはいかがでしょうか? 連日の野党の批判にロクに答えられないまま憂鬱感を募らせている身には、それは一段と心地よいものでしょう。視聴者の中にも、それを真に受けて、「やっぱり安倍総理は凄い!」と思ってくれる人が、十人に一人ぐらいはいるかも知れません。

 と書いて仕事に出て、帰宅後ネットのニュースサイトを見たら、次のような記事が出ていて、「なるほどねえ…」と思わずニンマリしました。それもどうぞ。

読売が「ロシアゲート」で正論書く違和感

 読売や産経はトランプ相手には適用する論理を、なぜか安倍には免除している不可解さを指摘したもので、サブタイトルに「『新聞人』の自覚はどこへ」とありますが、全く同感です。ここまで露骨になると、もはや詐欺と呼ぶしかない。言論機関としての信用の回復はもはやほとんど不可能になって、両紙はネトウヨの狭いサークルでしか読まれなくなるでしょう。読売は今でも「日本一の販売部数」を誇っているそうですが、習慣でとってきた読者の皆さんも、そろそろ見切り時です。ジャイアンツのとめどない退潮と同じく、これも「ナベツネ効果」なんですかね?
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