FC2ブログ

小沢一郎氏の問題

2011.01.22.15:06

 このところ、生活が「入試一色」になってしまい、ここにも入試関連のことばかり書いているので、気分転換にと言っては語弊がありますが、政治について漫然たる感想を書いてみたいと思います。

 民主党は「小沢問題」をめぐって内紛状態になっているようですが、何が「問題」なのか、僕にはいまだによくわからないので、権力闘争のダシにあれが使われているだけなのではないかという気がしてなりません。かつての「黒い霧」だの「○○疑獄」だのとは、今回の小沢氏のケースは性質が違うわけでしょう。

 細かいことを書くのは面倒なので、それはインターネットのウィキペディアなどでも言及されているので、そちらを見ていただくとして、検察は最初、意図的なリークによってマスコミを騒がせ、小沢氏が極悪人であるかのようなイメージをつくり出すのに成功しました。しかし、実際は違法の度合いも軽微で、十分な立件はできないと判断して不起訴にしたわけです。ところが、最初の検察の宣伝効果が利きすぎたのか、検察審査会は二度も「起訴相当」という結論を出して、いわば無理やり(?)検察に起訴させることになったので、検察はむしろ困った立場に追い込まれたのです。これはそれ自体かなりヘンテコな話なので、なのにどうしていつまでも騒ぎが続くのでしょう。

 僕は別に小沢シンパでも何でもありませんが、別に“不当な政治的圧力”でもって、起訴すべきものをさせないようにしたのではなく、検察が「これは裁判にしても勝ち目がない」とはっきり思ったから引っ込めたところに、「やっぱり起訴しろ」と検察審が注文をつけたわけです。だったら、やらせればいいじゃないですか。小沢氏も「受けて立つ」と言っているわけでしょう。そこで決着をつければ足りる。

 僕は前に何かで元検事の郷原信郎氏の文章を読んで、「なるほど、そういう妙な話になってるわけか…」と思ったのですが、そういうおかしなことをしていたのでは、この前の厚労省の村木局長事件のようなインチキでもやらないことには検察は裁判で勝てないでしょう。だから不起訴にしたのだろうと思うのですが、それを強引に起訴させる方がむしろおかしい感じがします(だから「民主党潰しの陰謀」説も出てくるのでしょう)。テレビの水戸黄門のファンは、小沢氏に「私腹を肥やす悪代官」のイメージを投影して、「やっっけろ!」ということになっているのかも知れませんが、人相と行為は別だし、法律の実務専門家がこれは無理だろうと言っているのに、「日本政治を歪ませる大悪人」みたいに扱うのは、そちらの方が不当なのではありませんか。

 自民党にとっては、“選挙の達人”小沢一郎は脅威なので、できればいなくなってもらいたいと思っているだろうから、この騒ぎを喜んでいるのは明らかだし、菅総理や岡田幹事長などにとっては、“党内の実力者”である彼は目の上のタンコブなのでしょう。それで、できれば小沢氏の離党にまでもって行きたい。それで民主党の“クリーン”な印象をつくり上げ、あわせて自分たちの権力を安泰なものにしたい。

 菅氏や岡田氏はたしかに“クリーン”ではあるようですが、同時に申し分なく無能だという見方もあって、僕もこれまで見てきてヴィジョンらしきものがありそうにも見えず、正直ひどく頼りなげに思えるので、小沢氏を“追放”したとして、選挙にはもう勝てず、霞ヶ関の官僚たちにもすっかりナメられて、「変革」の旗はどこへやら、いずれは元通り自民党に政権が移ることになるのでしょう。自民党も人材が払底しているので、どうせロクなことにはならないと思いますが、今しばらく民主に政権をもたせて、そのお粗末さを強く国民に印象づけておけば、後がやりやすいわけです。

 だから、自民党は民主党にまだしばらくやらせておきたいでしょう。元はと言えば、民主党に政権が移ったのも、一つは迷走の果てに麻生政権がダメ押ししてくれたおかげなので、あんな軽薄なアホを総理総裁に担ぐような政党はもう完全に終わっていると、有権者がすっかりウンザリしたからです。別に子供手当てのせいではない。ああいうおかしなことをしてくれるより、自分の手と経済力でわが子を誇りをもって育てられるような社会にしてくれた方がいいにきまっているからです。そういうのに、有権者は釣られたわけではない。

 そのあたり、今の民主党の面々はどう考えているのでしょう。僕は民主党に投票した者の一人ですが、先日昔の友人から電話がかかってきて、久しぶりに関西弁で話ができたのですが、政治の話になったとき、彼はいくらか悲痛な響きをもって、こう言いました。
 「カンは、あれはもう、アカンな…」
 僕も同意見で、民主党は内紛と権力闘争の中で瓦解し、いずれまた自民党が返り咲くでしょう。僕はそれを喜びませんが、意味のよくわからない「小沢問題」をめぐる今のドタバタぶりを見ると、そう思わざるを得ません(僕自身は「みんなの党」など、期待できるレベルのものだとは思っていません)。

 それとも、まだ表には出ていない、小沢氏の“深刻な悪”というものを彼らは知っていて、だからこそ排除が必要だと考えているのでしょうか。

 それならそれを明らかにすればいいので、この前検察が事件にし損ねたあの二つの件でこんなに揉めてるのなら、理解しがたい話だと言わねばなりません。野党自民党も、根拠薄弱だと知りながら、民主党内部の権力闘争につけ込んで、「証人喚問」がどうのと言っているだけでしょう。

 僕の目に見えているのは「黒い霧」ではなく、痴呆じみた、白茶けたかすんだふやけた靄のようなものだけです。現実へのまともな緊張感があるとはとても思えない。 

 普天間も駄目、官僚たちにも「やりすぎました」と詫びを入れてご機嫌を取り結び、今後は消費税増税実現のために邁進します、というのでは、次期自民党政権のための露払いを民主党はやっただけだということに、結果としてなるのではありませんか。自民党はそれをもっけの幸いと、喜んで見ているだけなのではないでしょうか。
 それともこれは、僕の無知からきたひどい事実誤認の産物なのでしょうか?

【付記】その後、小沢氏は「強制起訴」されましたが、この場合は、通常の検察がやるのではなくて、検審の指定弁護士(三人だと伝えられていますが)が検察官役を行うとのこと。僕はふつうに検察が担当するのかと思っていたので、お詫びして訂正します。
スポンサーサイト



プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR