前川前事務次官が指摘する「安倍政治の本質」

2017.06.04.11:32

 次の毎日新聞のインタビュー記事は興味深いものです。

加計獣医学部:「文科省は官邸ににらまれたカエル」前川氏

 僕が注目したのはこの中の、

 政と官の関係は小泉政権時代から官邸の力が強まったものの、「当時は各省庁の自律性や専門性が保たれ、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論ができた。与党内の議論も活発だった」とし、自身も小泉政権の方針に抵抗したが人事面で報復は受けなかったという。ただ、現在は3年前に発足した内閣人事局が省庁の幹部人事を管理する状況にある。
 前川氏は「安倍1強」の政治状況を「首相秘書官や首相補佐官が各省の大臣より偉くなった」と表現。「柳沢吉保みたいな人が各大名よりも偉いような状況にある」。側用人から出世した江戸幕府の権力者に例えて現状を解説した。


 …という箇所です。たしかに前川氏は小泉政権当時の課長時代、官邸の教育改革の方針に逆らって、「奇兵隊、前へ!」というブログ(今でも読むことができる)を「隊員」(文科省職員)を率いて開設し、果敢に戦いを挑んでいたのです。にもかかわらず、小泉政権はその前川氏に「人事面で報復」するような、男らしくないことはしなかった。

 これまでのやり口からして、安倍だとそれは100%やるだろうなと思われるのですが、それというのも、「現在は3年前に発足した内閣人事局が省庁の幹部人事を管理する状況にある」が、低級なヤンキーボス(「半グレ」という呼称の方が適切だとこの前書きましたが)の安倍は、それを悪用せずにはいられないだろうからです。加計学園の理事長は「腹心の友」だから特区制度を悪用して便宜を図り、他方、自分に逆らったり、批判したりする相手には手段をえらばず報復しないではいられない。

 こういうの、僕の一番嫌いなタイプで、学生時代バイト先でたまたま、金魚のフンみたいな子分どもを引き連れて自分たちだけトクになるようなことをし、新人いじめに精出すという悪辣な古株バイトのボスに出くわしたことがあります。今でもたまにいるでしょ、こういうの? 会社の方も、仕事が回らなくなるのを恐れて、見てみぬふりをするのです。公平と正義を愛する僕はこういうのは見過ごせないので、しかるべき対応(上品なやり方とは言いかねるものでしたが)をして、その「体制」を崩壊させ、まともな連中には大いに感謝されたのですが、今の安倍官邸は金魚のフンだらけで、馬鹿ボスを増長させるのみなのです。

「首相秘書官や首相補佐官が各省の大臣より偉くなった」とありますが、たしかにそういうところが今の安倍政権には強く感じられるので、御側用人(でんでん首相のために念のために読みも書いておくと、「おそばようにん」)が首相権力をタテに、「総理の意図を最もよく知る者は私!」と、いたるところでしゃしゃり出て、勝手なことをやらかしているのです(その筆頭が、元通産官僚で「内閣総理大臣秘書官」の肩書をもつ今井尚哉であることは有名)。

 本来制度の付属品にすぎないような地位の人間が、大臣をもしのぐ権勢を誇る。これもコンプレックスの塊みたいな安倍の「ヤンキー体質」から出たもので、こうした“身内政治”が民主主義国家とはとても思えないような「政治の不透明性」をつくり出しているのです。

「昔はよかった」というのなら、明治天皇が出した「五箇条の御誓文」の第一条、「万機公論に決すべし」を思い出すがいい。幼稚な「ボクちゃん政治」が政治の公共性を破壊し、いたるところで私的な、恣意的運用に堕している。それが「安倍政治の本質」です。
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