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勝負はこれから

2011.01.20(17:39) 47

 大学入試は、センター試験が終わってからが本番です。センターの成績とは何の関わりもない私立の一般入試はこれからだし、国公立の志願先をどこにするかはセンターの成績が大きく関係しますが、二次の個別試験の結果がどうなるかは、まだ全くの白紙だからです。
 こちらには一般的なことだけ書いておくことにしますが、今は受験生は大手予備校に「センター・リサーチ」というのを出して、それで「判定」をもらうのをつねとしています。しかし、A判定だから合格が確実視されるというわけでも、CやD判定だから絶望的だというわけでもありません。A判定でも二次試験の成績が悪ければ落ちるし、CやD判定でもそちらで高得点できれば逆転できるからです。そのリサーチには二次の得点力はデータとして含まれていないから、これは当然といえば当然です。
 センター試験というのはある意味こわい試験で、全部マークなのと、内容的に易しい問題が中心であることから、ヘンサチ70の子と55の子の点数が逆転してしまったりすることさえあります。しかし、二次の記述ではそういうことは起こりにくく、センターでいくら高得点を取っていても、二次では三分の一も取れない受験生もいます。
 もう一つは、二次試験は模試の記述とも違って、全部その大学のオリジナルな問題だということです。大学ごとにかなりはっきりした特徴がある。受ける大学の問題が自分に解けるかどうかがすべてだと言っていいくらいなので、この点、過去の模試の成績もあまり参考にはならないのです。志望大学の過去問をよく見て、それに応じた対策を講じておかないと、過去の模試やセンターリサーチの判定がいくらよくてもアテにはならないのだということを、受験生は肝に銘じておかねばなりません。
 前に塾に見えたお母さんの中に、「上の子はセンターの判定はAで、学校の先生も太鼓判を押してくださったのに落ちてしまい、他にもそういう子がたくさんいたのですが、それはどうしてなんですか?」と聞いた人がいました。「理由はかんたんです」と僕は説明しました。その学校の指導は基本的にセンターにしか対応できないもので、だからセンターはまあまあ取れても、自分できちんと対策を講じておかないかぎり、二次に対応できる学力は不足しているから、結果としてそうなりやすいのです。下らない宿題が多すぎるから、生徒は自分に必要な勉強をする時間が十分取れないことになっていて、僕はいつもそれに腹を立てているのですが、こういうのは学校が受験生の妨害をしているのと同じなのです。よけいなことをするより、ほっといてくれた方が親切な場合もあるのです。
 話を戻して、センターと二次の配点比率の問題は、もちろん重要です。一般に、難関とされる大学ほど二次の比重が高く、京大の理学部のように、センターは足切りに使われるだけ(注:これはその後変更されました)で、本番では全くカウントしないという極端なところさえ存在します(東大の場合はセンターの比重は四分の一)。大体において、中堅から上は二次が五割以上の比重であることが多いので、なおさらセンターの結果だけでどうこうは言えないわけです。
 センターの比率が七割以上だと、センターだけで結果がほぼ占えるとは言えます。そういう大学の場合、ボーダーから大きくビハインドになっていると、受けてもまず見込みはないから、やめた方が賢明です(センターで大失敗した人は気分を切り替えて私立で勝負すればいいのです)。
 それでも、たとえばこういう大学・学部があったとしましょう。センターが900点で、二次が学科試験ではなく小論文で、それが300点というケースです(つまり二次の比重は25%)。センターのボーダーが65%とします。X君はそれが640点で、70%を超えているとします。これに対してYさんはセンターで失敗して、六割の540点だったとします。この時点での二人の差は100点です。残りは300点だから、Yさんにはどう見ても分が悪い。
 しかし、それでも逆転が起こる可能性はかなりあるのです。小論文だととくにその可能性が高い。X君はその二次試験で、精神病院を脱出してきた人が書いたのではないか?と疑われるような論理的に混乱した、支離滅裂な文を書いてしまい、それでも採点官は甘めに点数を付けてくれて120点になった。Yさんはこれに対して、理路整然かつ柔軟性とウイットに富む、採点官を大喜びさせるような文を書き、楽々250点を叩き出した。そうすると、あっさり逆転されてしまったことになるのです。合格最低点がこの年、全体でも65%で、780点だったとすると、X君は20点不足で不合格、Yさんは10点上回って合格、という結果になるのです。
 この場合も、Yさんがセンターで55%の495点しか取れなければ、二次でほぼ満点を取らなければならないので、それはちと苦しい。そこまで行くと意識してリキみすぎてしまうので、小論文が得意のYさんといえども、実力をかえって出せなくなってしまうでしょう。
 だから、そのあたりは程度問題なのですが、センターの結果で喜びすぎたり、落ち込みすぎたりするのは早計だということだけは、これでおわかりいただけたでしょう。
 そこらへん、今は情報公開の時代で、最低点はほとんどの大学で公開しているから、センターの自分の得点をそこから引いて、二次でどれだけの得点が必要かということと、二次の問題そのものを見て、自分の学力でいけるかどうか、考えて決めればいいのです。学科ごとの定員の少ない国立の場合、受験生の動向によって倍率が上がったり下がったり、ときに極端に変化することがあるので、そこはある程度注意が必要ですが、大体のところで、これぐらい取れば大丈夫だろうという見通しを先に立てるのです。
 漠然と、センターリサーチの結果がAだったCだったと騒いでも意味はないということなので、実際的な対応が何より大切なのだ、というお話です。この大学の方がリサーチの結果がいいからと、二次の問題は全く見ずに変えたりすると、元の大学の方が自分には高得点できそうな問題だったなんてこともありうるので、とにかく二次試験の問題をよく見てから決めなさい、ということです。
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