たんなるいつもの北朝鮮

2017.05.14.12:21

 北朝鮮が「14日早朝、北西部の亀城(クソン)から弾道ミサイル1発を発射した」ことを受けて、

 安倍首相は総理官邸前で記者団に「国際社会の強い警告にもかかわらず、北朝鮮がミサイル発射を強行した。断じて容認できない。強く抗議する。北朝鮮の度重なるミサイル発射は我が国に対する重大な脅威であり、国連の安保理決議に明確に違反する」と述べた(CNN)

 そうですが、NHKのウェブニュースによれば、

 政府は、北朝鮮が発射した弾道ミサイルはおよそ800キロ飛んだと推定されるとしていますが、政府関係者によりますと、「ロフテッド軌道」と呼ばれる、通常よりも高い角度で高い高度まで打ち上げ、意図的に飛距離を出さないことを狙った可能性もあるということです。政府内には、今回の弾道ミサイルはおよそ30分間飛び、高い高度まで打ち上げられたと見られることなどから、発射は成功したのではないかという見方もあり、防衛省などが弾道ミサイルの種類などの詳しい分析を進めています。

 とのこと。飛行時間の割には飛んだ直線距離は小さいので、落ちたのは「日本の排他的経済水域の外」で、被害も確認されないという。要するに、「たんなるいつもの北朝鮮」なので、馬鹿の一つ覚えみたいに「断じて容認できない」と力み返るほどのものではありません。金正恩にしては自制が利いていて、“理性的”なのです。北朝鮮にしてみれば、これはアメリカのトランプ向けのメッセージで、「ボクちゃんのミサイル、その気になればほんとにアメリカまで届くんだから。でも今のところはそんなことはしないということを示すためにこういう飛ばし方をしたんだから、相談に乗ってよね」と言いたかったのかも知れません。

 要するに、アベちゃんのことは金正恩の念頭にはないわけで、この前うちから彼がやたらと北朝鮮ミサイルの危険性を騒ぎ立てて見せるのは、森友問題から逃れ、あわせて彼の考える「憲法改正の必要性」をアピールするためで、実際には自民党内部にもシラけた空気が漂いかけているのではないでしょうか。安倍の「個人的都合」に、この問題は利用されつつあるのです(失点続きで、「安倍後継」の目はもうなくなった稲田防衛相も、ずいぶんとやせておやつれになったようです)。ご本人にその自覚があるかどうかはともかく、「国家防衛」ではなく「自己防衛」が安倍の真の目的なので、ヤンキー政治家のそれが限界です。

 追いつめられた金正恩が今後“暴発”しないという保証はどこにもないので、危険は危険ですが、こういうことでいちいちギャアギャア騒ぐのと、それへの対応は別物です。安倍のように自己陶酔的に「毅然とした対応」ばかりアピールしたがる政治家はそのあたり心許ないので、二枚腰、三枚腰の、もっと頭の複雑な、肚(はら)のある人物に代えておかないと、イザというとき困るのではありませんかね? 僕はむしろそちらの方を懸念しています。
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