そろそろ悪徳不動産屋の本領発揮か? 腐れトランプの通商政策

2017.03.02.16:40

 次の日経新聞の記事を興味深く読みました。すぐに連想されたのは去年7月の、皆さんご存じの「南シナ海に対する中国の領有権主張や人工島の建設などが国際法に違反するとして、フィリピンが中国を相手に提訴した裁判」の件で、「オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は12日、中国の主張に法的根拠がないと判断を示した」が、「中国は、常設仲裁裁判所の判断を認めないと反発」(以上、BBCニュース・ジャパン)したというあれです。かの国の「国際法がなんぼのもんや! わしらが自分のものや言うたら、それは自分のものなんや!」と言いたげな、成金夜郎自大国家の浅ましい姿が印象的でしたが、トランプと今の中国に共通するのは「好都合な法律や規定なら大いに利用するが、そうでないものは無視して当然、口惜しかったら力(金力と軍事力)をつけてから文句を言って寄越せ!」と言いたげな傲慢さです。

 大国が相次いでこういう態度を取り始めたら、「道理と相互信頼・協調を旨とする国際秩序」なんかは吹っ飛びますが、トランプみたいな下賤なアホにそんなものの尊重を期待するのはそもそも無理な話だということになるのでしょう。日本の場合も、従来のような「お追従外交」をアメリカ相手にやっていたのでは、経済が立ち行かなくなる恐れが出てきたわけで、元々が超低姿勢の「トランプ様」対応の上に、お粗末な「アッキード事件」(山本太郎議員の命名だそうですが、うまい)への対応に追われて四苦八苦の安倍政権は、きっちり正論を述べて、タフな交渉ができるようになるのか、かなり疑問です。


・米通商方針「WTOに従わず」 制裁の応酬懸念

 【ワシントン=河浪武史】米通商代表部(USTR)は1日、トランプ政権の通商政策報告書を議会に提出した。世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きが不利益になる場合は「従うことはない」と表明。国際協議よりも国内法を優先すると強調した。各国には一段の市場開放を求め、制裁措置の発動につながる「通商法301条」の適用も検討する。新方針は「米国第一主義」が極めて鮮明で、世界的な貿易摩擦を呼ぶ可能性がある。

 議会に提出したのは「大統領の2017年通商政策」と題した報告書だ。トランプ政権の貿易政策の基本方針で、優先事項として(1)通商政策で米国の国家主権を守る(2)米国の通商法を厳密に執行する(3)他国の市場開放に向けあらゆる手段を用いる(4)主要国とは新たな貿易協定に乗り出す――を挙げた。

 新政策方針では、WTOの紛争解決手続きに「そのまま従うことはない」と明記し、国内法を優先するとした。トランプ氏は選挙戦中に「メキシコには35%、中国には45%の関税を課す」などと主張したが、いずれもWTOルール違反を指摘されていた。米国の国内法では、大統領の権限で関税を引き上げたり、輸入制限に踏み切ったりすることができる。

 WTOの手続きでは、勝訴した国が相手国に報復関税などを課すことができるものの、米国が敗訴しても「国内法や商慣習を自動的に変えることにはならない」と主張した。世界の貿易秩序を保つ国際手続きを軽視するもので、相手国と制裁の応酬を招く懸念がある。

 貿易相手国の高関税や輸出補助金によって「米国製品の競争力は失われた」とも指摘した。WTOルールに基づいた従来の反ダンピング(不当廉売)関税などでは効果が薄いとして、国内法で貿易相手国に制裁関税などを可能にする「通商法301条」の適用が適切だと強調した。

 環太平洋経済連携協定(TPP)離脱後の貿易協定は「2国間協議に移行する」と改めて強調した。日本を名指しするのは避けたものの、トランプ政権は貿易赤字の大きい対日協議に強い意欲をみせている。



 これ、相当深刻ですよ。相手はこちらの要求に従うべし、しかし自分は、たとえ国際的な取り決めであっても、気に入らないものは無視する、文句あるか?という話なのですから。

 しかし、トランプという男は元からそうなのです。そういうやり方で、彼は成り上がった。日本人は、「でもアメリカの大統領なんだから、まさかそこまでひどくはないでしょう?」と、希望的観測で思い込みたがる人が少なくないようですが、そんな「常識」が通用しないのはあのブッシュのときに学習してしかるべきだったので、そのあたりよく理解しておかないと、「まさかこんなことになるとは…」とあとで後悔の臍を噛むことになりかねない。

 一つ、「トランプ理解」に役立ちそうなドキュメンタリー映画をご紹介しておきましょう。さっき調べてみたら、Youtube に予告編が出ていて、400円で全篇が視聴できるようです。

・ホール・イン・マネー!~大富豪トランプのアブない遊び~(字幕版)

 この映画は、全部見るだけの価値があって、トランプみたいな奴にはどう対抗すればいいかのヒントも隠されています(ハッタリ屋のつねとして、彼には弱いところがある)が、ここで取りあげられているのはゴルフ場開発の問題がメインです。他にも色々ロクでもないことをしでかしているのですが、本来はとても大統領にしていいようなタマではない。なってしまったものは仕方がないので、相手にするしかないが、日本の政治家もそのあたりのことぐらいは調べてよく「人物研究」しておかないと、大失敗するでしょう。

 にしても、最近はどこを見てもほんとにロクな政治家がいませんね。詩人ボードレールの次のような言葉を思い出してしまいます。

「世界はまさに終らんとしてゐる。世界がなほ存続し得るといふ唯一の理由は、世界が現に存在してゐるといふことだけである」(『火箭』斎藤磯雄訳)

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