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いかにも韓流な「正義」と「善意」がもたらすもの~前回続き

2017.01.07(17:33) 426

「予想通り」と言うべきか、だいぶキナくさくなってきたようです。次はハフィントンポスト1月6日の記事(執筆は生田綾氏)。

 韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦像をめぐり、菅義偉官房長官は1月6日午前の記者会見で対抗措置を発表した。
 菅官房長官は、慰安婦問題を象徴する「少女像」の設置について、「日韓関係に好ましくない影響を与える」と発言。外交関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳等を侵害するもので、「極めて遺憾」と述べ、日本政府の立場を明確に示す当面の措置として下記4点を実施する旨を発表した。

・在釜山総領事館職員による、釜山関連行事への参加見合わせ
・長嶺駐韓国大使および森本在釜山総領事の一時帰国
・日韓通貨スワップ取り決めについての協議の中断
・日韓ハイレベル経済協議の延期

日本政府の決定に関して菅官房長官は、隣国である韓国は日本にとって極めて重要な国であり、「このような措置を取らなくてはいけなかったのは極めて残念」とコメントしている。
 日本政府は慰安婦像を設置させないよう韓国政府や釜山市に繰り返し求めてきた。2016年12月30日に市民団体によって慰安婦像が設置された直後も、韓国政府に対して早急に撤去するよう抗議した。日本時間1月6日未明には、外務省の杉山外務次官が韓国外務省の林聖男(イム・ソンナム)第1次官とワシントン市内で会談を行い、慰安婦像の設置に強く抗議した上で早急に撤去するよう申し入れている。
 菅官房長官は、慰安婦問題に関する日韓合意を着実に履行していくために、慰安婦像を早急に撤去するよう引き続き韓国政府に対して申し入れを続けるとした。


 これに対して韓国政府は次のような対応を見せた由。こちらは朝日の記事です。

 韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は6日午後、長嶺安政駐韓日本大使を外交省に呼んだ。韓国外交省によれば、尹氏は釜山総領事館前の少女像を巡る日本の対抗措置を遺憾とする韓国政府の考えを伝えた。日韓関係の悪化について、韓国政府が深刻に受け止めている状況の表れとみられる。
 同省によれば、両氏は日韓慰安婦合意を徹底的に履行していく立場を改めて確認し、両政府の信頼関係を基礎に、日韓関係を引き続き発展させていくべきだという認識で一致した。
 また、企画財政省も同日、「政治外交的な原因で韓日通貨スワップ協議を中断するのは遺憾だ。経済金融協力を維持することが望ましい」とコメントした。
 一方、韓国の最大野党「共に民主党」は6日、「わずかな真心がこもった謝罪すらなく、自らの正当性ばかり主張する日本政府は、人権と世界正義と争うつもりか」と日本側を非難。日韓慰安婦合意の破棄と日本政府の謝罪を要求した。(ソウル=牧野愛博)


 要するに、「決裂は必至」の情勢です。ここで日韓関係悪化にかくまで「貢献」している「慰安婦少女像」はどういう経緯で出現したのか、あらためて少しおさらいしておきましょう。以下はウィキペディアの「慰安婦像」の項からの引用です。

 2011年に韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が、日本軍『慰安婦』問題解決全国行動(通称「水曜デモ」)通算1000回を記念し、ソウル特別市にある日本大使館前の歩道上に「平和の少女像」を行政の許可なく設置したのが始まりで、その後、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、中国に次々と慰安婦像が設置されている(私有地を含む)。その数は、2016年中に韓国国内外で50を超えると見られている(いわゆる「平和の少女像」以外の慰安婦像も存在する)。
 日本大使館前に像が設置されて以来日本国政府は韓国政府に抗議してきたが、受け入れられず、ようやく2015年の慰安婦問題日韓合意によって、日本大使館前の慰安婦像は、韓国政府が「適切に解決する」ことを約束したが、ソウル市議会が像の撤去を阻止する条例を制定した他、撤去に反対する学生グループが像の周辺で座り込みを行うなど、妨害活動が続いている。
慰安婦問題日韓合意以降も、韓国の50の地方自治体が日本の蛮行を知らせる為などとして海外の姉妹都市や友好都市に慰安婦像を設置して行く事を発表しており、こうした動きが海外の日系人の反発も生んでいる。


 という流れなのですが、日本ではあまり知られていないその製作者にもこの記事は触れていて、

 日本大使館前の「平和の少女像」を初め、幾つかの像は、韓国の彫刻家夫妻キム・ウンソン(김운성)(夫)、キム・ソギョン(김서경)(妻)の2人が制作している。最近は、他の作家の手による作品も増えつつある。ブロンズ像が多いが、石像も存在する(正義の碑)。傍らに碑文がある場合もあり、その内容についても日本側から抗議を受けている。座像のほか立像もある。
 最初の慰安婦像である日本大使館前の「平和の少女像」を制作したのは、キム・ウンソン(김운성)当時49歳(夫)キム・ソギョン(김서경)当時48歳(妻)の夫婦で、2人は中央大学校彫塑科の84年入学の同期生で、1989年に結婚してからずっと共同制作してきた。2人は、親北朝鮮団体に関わり、反米活動を行ってきた。2002年には、議政府米軍装甲車女子中学生轢死事件で、「米韓同盟を廃棄しよう」「米兵をいじめ続けて追い出そう」というスローガンを掲げて米軍基地にデモした。キム・ウンソンは、2007年に、親北朝鮮団体「民族美術家協会」の事務長として北朝鮮を訪問した。また反米団体「平和と統一を導くサラムドゥル」の記念碑建設の委員にもなっている。2014年には巨済市に夫妻が制作した新しい形の慰安婦像が建てられ、夫妻は慰安婦問題について「日本は従軍慰安婦問題で謝罪しないだけでなく、事実があったことさえ認めない。史実を隠ぺいし、歪曲し続けている」と主張し、「日本政府が心から謝罪し、反省しない限り、いつでもどこでも少女像を作る。違った姿の少女像をいろいろ考えている」と語った。


 とあって、別の記事によれば、この二人の「美術家」は韓国では「英雄視」されているという話です。『週刊金曜日』のサイトには次のような記事が見られます。

 2月22日、北海道札幌市で「少女像」(正式名称「平和の碑」)を制作した彫刻家、キム・ソギョン&ウンソン夫妻が講演し、昨年12月28日の日韓合意への憤りを語った。
 日韓合意で日本政府が10億円拠出の条件として、ソウル市の日本大使館前に建てられた「少女像」撤去を要請したことに対し、「美術品を外交や政治のテーブルにのせる国など、世界のどこにもない」とウンソンさんは一喝した。
 キム夫妻は美術大学在学中から民主化闘争に参加し、民衆美術家として活動。2011年12月の「慰安婦」水曜デモ1000回記念に、モニュメントを制作した。
「当初は碑の予定だったが、日本政府の妨害で、よりメッセージ性の強い『慰安婦』の姿に変更した」とソギョンさん。「自分や娘が連行されたら、と想像しながら作業した。これは、平和な未来、特に子どもたちの将来への思いを込めた作品。私たちの誇りでもある」
 現在、「少女像」は韓国内だけで27カ所あり、日韓合意後、国内および海外からの依頼が増えている。
 2月3日に手のひらサイズの「少女像」を世界に広めるプロジェクトを設立し、クラウドファンディングで寄付を募ったところ、46時間で目標の1億ウォンに達した。
 二人は韓国政府にも批判的だ。
「日韓合意の内容が正確に国民に伝わらなかった。国民の不満を隠蔽しようとする韓国政府に、断固として抗議していきたい」
「韓国でも歴史の歪曲がある」と言い、ベトナム戦争で韓国軍に虐殺された被害者を慰霊する像「ベトナム・ピエタ」をベトナムと韓国に設置する準備も進めている。
「歴史は顧みられるべきなのに、日韓合意では『不可逆的』という言葉が使われた。『慰安婦』の気持ちを無視して、日韓政府が取り決めたことは耐えがたい。このようなやり方で、戦争犯罪、女性の人権問題の解決にいたるのか」と二人は疑問を呈した。(木村嘉代子・フリーライター、2016年3月4日号)


 美術館などの展示と違って、大使館や総領事館前に設置するのは「政治的デモンストレーション(示威行動)」以外の何ものでもないわけで、「『美術品を外交や政治のテーブルにのせる国など、世界のどこにもない』とウンソンさんは一喝した」というのは呆れた話ですが、上記のウィキペディアの人物紹介記事など、悪意による修飾が施されているのかも知れないと、他を調べてみると、2015年の1月18~19日に「表現の不自由展」というのが開かれたそうで、「拡散希望」というそれを紹介したサイト(むろん、ポジティブな扱い)に、次のような紹介が出ています。

●キム・ソギョン、キム・ウンソン●1965年生まれのキム・ソギョン、1964年生まれのキム・ウンソンは、共に中央大学校美術大学彫塑科卒業。同じ大学で出会って結婚、学生時代のキム・ウンソンは学生運動の長としてデモに明け暮れ、キム・ソギョンも労働者たちを支援しながら工場やデモ、集会などの現場で制作に奔走し民主化運動の一翼を担った。初の彫塑集団‘土(フグ)’をたちあげ、彫塑によってその時々の社会的問題を表現しつづける。
 02年米軍装甲車に轢かれて死亡した女子中学生を追悼する作品を制作、11年「平和の少女像」を駐韓日本大使館前に共同制作、以後、随所に設置。14年4月に修学旅行中の高校生や市民が多数死亡した旅客船「セウォル号(歳月号)」水没事件にも即応、被害者遺族を励ましつつ二人で制作を展開中。


 これから判断すると、ウィキペディアの記述はおおむね正しいと見てよいようです。要するに、反日、反米、親北朝鮮の、熱烈な左翼愛国闘士、それがこのお二人なのです。それが同じ傾向をもつ「挺対協」とがっちりスクラムを組み、政治家とも強いコネクションをもって、世論を動かしてきた。「草の根民主主義」を装うあたり、ベクトルは全く反対ですが、わが国で「日本会議」が保守派、保守政党への影響力を増大させてきたやり口と似ています。要するに、両国がいよいよ不和になるように双方で影響力を行使し合っているわけです。イデオロギーに色濃く染められた、そのご都合主義的な史観も、内容的には正反対だが、史実より自分たちの“信念”、ファンタジーが優先されるという点で似通っている。

「日本会議」批判の本がいくつも出たり、ブログに平気でこういう記事が書けるというだけ、まだ日本は「健康」だと言えるかもしれません。韓国なら刑事告訴されて「懲役10年」が求刑されるかも知れないので、あちらでは政治家も、前後の脈絡を考えず讃美と罵倒の間を極端に揺れ動く「世論」にその都度ひたすら平身低頭して、大衆迎合的な「正義」をふりかざさざるを得ないようだからです(朴槿恵大統領にしてからが、あれだけ「反日言いつけ外交」に終始しておきながら、途中からよくわからないまま「合意」に転換したのです)。

 結局、どうすればいいのか?「どうしようもない」ので、今回の日本政府の「当面の措置」を僕個人は支持しますが、日本は今後あの国から一定の距離を取って、韓国反日団体が諸外国で行う極端な「反日プロパガンダ」にだけ、あらぬ誤解を受けぬよう辛抱強く釈明を続けて、それが「世界正義」だという主張を崩すよう努めるべきでしょう。事ここにいたると逆効果になるだけで、直接韓国相手には当分はもう無理です。毎日新聞は「釜山の少女像 合意の崩壊を危惧する」と題した社説を載せました。

毎日新聞 1月7日社説

 この中で毎日は、

 日韓合意では、ソウルの日本大使館前に建つ少女像について、韓国政府が日本政府の抱く「懸念を認知」し、「適切に解決されるよう努力する」とうたわれた。
 この問題で進展が見られない中での新たな少女像だ。民間団体による私有地への設置なら政府にできることは限られるが、外交公館前の公道である。明らかに合意の精神に反している。


 と述べ、「合意」の重要性について触れた後、「残念なのは、合意への韓国社会の理解が深まっていないように見受けられることだ」として、次のように続けています。

 韓国では、朴槿恵(パククネ)大統領に対する弾劾審判の結果によっては今年前半にも大統領選が行われる。主要候補と取りざたされる政治家は軒並み合意に否定的だ。昨年末の世論調査でも「破棄すべきだ」という意見が6割近かった。
 だが実際には、合意に基づいて設立された財団による元慰安婦らへの現金支給事業は順調に進んでいる。合意時点で生存していた元慰安婦の7割超が事業を受け入れた。韓国ではほとんど報じられていないが、当事者の意向はもっと重視されるべきだ。


 問題はこの「韓国ではほとんど報じられていない」で、韓国マスコミは「日本はけしからん」的な報道には熱心だが、この種の「融和」的な反応はあまり報じないことです(妙にプライドだけは高いので、「お金をもらった」なんて言いたくないのかも知れませんが)。挺対協に取り込まれた一部の元慰安婦の「怒り」ばかりを伝える。「決然と拒否」はカッコよく見えるのかも知れませんが、先の二人の彫刻家や挺対協などと「和解」するのは、前回も書いた理由でまず不可能です。潜在意識的には、彼らにとって日本非難こそがアイデンティティの不可欠な一部になっているので、非難・反対は彼らのレゾン・デートル(存在理由)なのです。それは精神病理学の範疇に入るので、話し合いで解決するような問題ではない。『帝国の慰安婦』の著者、朴教授に対する執拗な心ない仕打ちからしてもそれはわかります。

 もし韓国社会全体が完全にそれに巻き込まれ、次期大統領もその意を体した人物が選出されるようだと、日韓の離反は決定的なものになるでしょうが、それは先方の独り相撲によってもたらされた事態なので、僕らは「言っても通じない」のを前提に、努めて冷静に対処する他ないでしょう。関係が悪くなるのは仕方がないので、ただ同じ次元で反応することはやめましょうということです。今できることはそれしかない。結果として「朝鮮半島情勢の緊迫化」がもたらされたとしても、それは彼らが勝手にしでかすことなので、政治家先生流に言うなら、「粛々と対応」するしかないのです。

 にしても、妙な信念に凝り固まった“善意”と“正義”のかたまりみたいな人たちほど、お相手が難しい人たちはいないもので、「地獄への道は善意で敷きつめられている」と言いますが、今後日韓関係が決定的に悪化し、それが原因で深刻な事態が生じたとき、その典型とも言えるこの二人の“芸術家”、キム・ソギョン、キム・ウンソンの両氏は、その「善意」と「純情」、「正義」「情熱」によって反省や和解でなく、いっそう深刻な相互憎悪と離間をもたらした象徴的人物として、歴史にその名をとどめることになるでしょう。むろん、ご両人からすれば、非は自分の側には全くなく、全面的に相手が悪かったということになるのでしょうが、あの国が狭い視野と一方的かつ硬直した形式主義から、独善的な厳格さ、冷酷さをいかんなく発揮して(自国民の弾圧はもとより)他国を怒らせたり、派閥同士の対立で内紛を激化させて収拾不能に陥り、その挙句他国を巻き込んで「国難」を招いて民を苦しめる羽目になるのは、過去にもいくつか例があったようなので、「歴史は繰り返す」ということでしかないのかも知れません。

 99%嘘の美化された韓流歴史王朝ドラマではなく、いかにも「韓流」のリアルなそれが、現在進行中なのです。今のこういう流れには韓国の経済的な行き詰まりと募る社会の閉塞感が大いに影響しているのでしょうが、そういうときに「過去の恨み」に一面的に拘泥して、逆にどんどん事態を悪化させる方向に行ってしまうというのも、かの国の人たちの不幸な特徴の一つであるように思われます。こう言えば、「健忘症のおまえら日本人に言われたくない!」とまたまた韓国の人たちを怒らせてしまいそうですが…。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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