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韓国政治はなぜ変わらないのか?

2016.11.13(22:00) 418

 昨日テレビのニュースで韓国の大統領退陣デモの様子を映し出していました。ソウルの中心部は26万人(これは警察側の発表なので実数に近いでしょう)の市民で埋め尽くされたそうで、朴槿恵大統領の支持率は僅か5%、三十歳未満の支持率は0%で、全体の不支持率は90%にも達しているという。

  いかにも「極端から極端へと揺れ動く」、そして「許さない」恨(ハン)気質(朴大統領自身「慰安婦問題の恨みは千年たっても忘れない」と言いました)の韓国民らしい反応ですが、任期終了を待たず、時間の問題で彼女は辞任を余儀なくされるでしょう。韓国経済は今や不調を通り越して風前のともしび状態で、朴大統領を倒してもその問題が解決するわけではなく、政府と財閥企業の癒着も、その財閥企業頼りの経済構造も変わるわけではないのに、そしてコネと縁故の情実社会ぶりにも何ら変化はないだろうに、「何やってるんですか?」と思わないではいられません。

 むろん、報道されている「崔順実ゲート」はあまりに次元が低すぎます。振り返ってみると、就任当初は朴正熙・元大統領の娘さんということで、久しぶりの親日派大統領ではないかと、わが国でも日韓関係の改善に期待する人が多かったのですが、蓋を開けてみると、安倍政権の対応も悪く影響したとはいえ、日本に対する悪口のオンパレードで、「告げ口外交」に終始し、関係をさらに悪化させてくれただけでした。最近はおとなしいなと思ったら、これなのです。

 実態は「両親を暗殺によって失った悲運の女性政治家」というようなものではなくて、父親の朴正熙に取り入って力を得た新興宗教団体の教祖に洗脳され、両親亡き後その保護を受けるうち、そうしたプロセスで姉妹のような関係になった教祖の娘にいいように操られるようになった元「深窓の令嬢」でしかなかった、ということのようです(朴大統領は前々から「プルトン大統領」とも呼ばれていましたが、「プルトン」というのは「不通」を意味するそうで、日本流に言うなら「コミュ障大統領」です)。

 韓民族というのはどうも、権力の私物化に罪悪感をもたない前近代的な感覚をいまだにもち続けて、それを恥としていないようです。だから誰かが大統領になると、その兄弟や親戚、縁故者がその権力に食い込み、それで私腹を肥やしたり、政治に介入して権力欲を満たそうとしたりする。だから、大方は大統領を退任した後、自身も訴追を受けることになるのです(在任中は訴追されないという法律があるので)。

 崔順実の場合はわけてもそのあたりが露骨で、大統領の権力を後ろ盾にして、自分の財団や事業に財閥企業に大金を出させたり、乗馬しか取柄のない、親に輪をかけた馬鹿娘を不正に名門の梨花女子大に入学(高校すら不正卒業だった由)させたりしていた上に、国家機密まで漏らさせて、ごていねいに“添削”まで施していたというのだから、開いた口がふさがりません。セレブ気取り、実業家気取りのこの人物がどんな立派な政策ヴィジョンをもっていたのか知りませんが、さすが公私混同の「ナッツ・リターン事件」の国だけはあると、あらためて世界中の物笑いになってしまったのです。

 その権勢をカサに着た数々の下品でえげつないエピソードは週刊誌等で暴露されていますが、こういうキャラ、韓流歴史王朝ドラマにはよく出てくるので、そのヒーロー、ヒロイン演じる「感動的なお話」の99%は嘘だとしても、そこに出てくる、国家の安寧や発展などにはお構いなしの、私利私欲だけで党派抗争に明け暮れる重臣群や貴族、権力を悪用する性悪女の方だけは、ディティールはともかく、実在するらしいと、今回の事件は人々に強く印象づけたのです。

 中国のメディアでも、これは当局の検閲や規制がかからないというので、大々的に報道され、面白がられているようです。三国時代の昔から、韓民族は事大主義(「勢力の強い者に追随して自己保身を図る態度・傾向」weblio辞書)の傾向が顕著で、自民族の内紛にも強力な中国王朝の軍事力を借りるのをつねとしました。たとえば新羅による「三国統一」の実態は、新羅が自力で統一を果たしたのでは全然なくて、まず唐に百済征伐を懇請して、一緒になって攻めてこれを滅ぼし、当時半島最大の強国だった高句麗は、権力争いに敗れた死去した王の長男が、唐に逃げ込み、「国家機密」を洗いざらいぶちまけて、母国を攻めるよう要請したところから、滅亡に追い込まれたのです。新羅にとっては勿怪の幸い、唐軍と共に高句麗を攻撃してこれを滅亡させた。それで唐が半島を植民地扱いするようになると、そうなるのは経緯からして当然のように思われますが、新羅は高句麗の遺民団に蜂起を促すなどして抵抗を試みる、という妙に入り組んだ展開になるのですが、とにかくそうして「新羅による三国統一」なるものは実現したわけで、自民族への攻撃を他国に要請して、そのおかげで統一をはかるという、相当に情けないことをしたのです(この高句麗の元王子など、「売国奴」以外の何者でもありません)。

 ドラマ『善徳女王』などでは、「三国統一」が「美しい理想」であるかのように描かれていて、そのへんは全く触れられていませんが、史実としてはそういうことなので、独立自尊の気概など、少なくとも支配層にはまるでなかったようです。あの手のドラマでは国益そっちのけで重臣群と貴族階級が陰謀をたくましくして利己的な派閥抗争に血道を上げ、権力を握るとそれを悪用して庶民からひどい搾取を行う、という話が繰り返し出てきますが、ディティールはさておき、そちらの方だけはそれに近いものがあったということです。時代が下って、李氏朝鮮の時代になっても、支配階級のそういう日和見的な事大主義と公私混同ぶりは変わらなかった。おそらく韓民族ほど私利私欲にまみれた低劣な支配階級に悩まされ続けてきた民族はないでしょう。実態としては、儒教道徳は支配の正当化と階級差別の固定化、低劣な陰謀の大義名分に悪用されただけにすぎないのです。

 当然ながら、中国人はそれを知っている。知っているから、彼らは韓民族に対する根強い侮蔑心を抱いているのです。日本に対する憎悪とはまた、性質が異なる。だから今回の件も、「全然進歩してないな」と、冷ややかに眺めているでしょう。縁故政治は両者共通しているとしても、中国は昔も今も大国で、過去の朝鮮半島の国家はいずれも朝貢国で、支配層が自民族の征伐まで要請してくるような「情けない売国奴的心性の持主」でしかなく、今もその「自己統治力のなさと低次元の内紛」には変わりがないと見るのです(あの福沢諭吉ですら、朝鮮の自己改革力のなさに腹を立てて、「あんな私利私欲しか頭にない士大夫(王族・貴族)連中に支配されて困窮させられるくらいなら、他国の植民地にされた方が民には幸福というものだろう」と極論していたほどです)。

 今も続く、支配層の劣悪さゆえの韓民族の苦難、という感じで、韓国の若者の間では「ヘル朝鮮」という言葉が合言葉のように囁かれているそうですが、大統領選のたびに熱狂して、新大統領に過大な期待をかけるものの、「情実政治」の実態は変わらず、そのうち何かスキャンダルが噴出して、「裏切られた!」と今度は手のひらを返したように激しく弾劾する、というのが韓国社会の変わらぬパターンです。大統領は大統領で、人気が落ちないように、求心力を高めようとするときは、決まって「反日」的言動に頼るのも同じです。

 これは見飽きた光景なので、何で変わらないのかと思うのですが、原因の一つは、韓国の人たちにある妙な「貴種崇拝」心理ではないかと思います。あれほど支配層にひどい目に遭わされてきた民族なのに、何かその種のものに対する強い憧れがあるのです。歴史王朝ドラマだけではない、現代ドラマでも韓流のそれは財閥企業のセレブなイケメンの御曹司などが主人公になって、そこに美しく聡明だが、貧しいヒロインの女性が現われて…なんてプロットになっていることが多いような気がするのです。日本のドラマなら、そういうのは「親の七光り」に頼るピエロじみた人物としてカリカチュアされて登場するだけでしょう。

 こういうのも先に見た「強きになびく」事大主義の表われの一つで、権力や財閥への憧れのようなものがあって、だから血筋や縁故、コネの類がモノを言うのでしょうが、他方でそれによる横暴や不正を「けしからん!」と恨むわけです。それは矛盾した話なので、現実的に考えるとその馬鹿馬鹿しさはわかるはずです。歴史王朝ドラマの主人公の王様(例えば『イ・サン』)のように、「高貴かつ聡明で、民衆思いの私心のない支配者」の理想をそこに求め、そうなれば問題は生じないとでも思っているのでしょうか? そんな人間、実在する可能性はほとんどゼロなので、そういうのはきつい言い方をするなら、封建時代の民衆の空虚な願望でしかなく、近代以前の奴隷的心理の産物です。それでは自立した個人に基づく民主社会は永遠に到来しない。

 韓国の人たちはそこらへんの矛盾をきっちり見つめ直した方がいいのではないでしょうか。日本の場合にも縁故入社の類はあるが、それは例外で、好ましいものとも思われていない。そうした不正を不正とも思わない公私混同の社会土壌があるから今回のようなことや、「ナッツ・リターン事件」のようなお粗末も起きるわけで、それはアジア諸国の中でも最も濃厚に前近代性を残す、韓国社会の最大の病理と思われます。

 韓国の支配層にあるのは昔ながらの利己的で独善的なだけの思い上がった「両班(ヤンバン)根性」だけでしょう。そう認識してかかれば、おかしな「貴種崇拝」心理も消えるのではないかと思うのですが、どうなのでしょう。コネや縁故に頼るのを潔しとしない個人が増えれば、そうしたものの支配力は薄れてゆく。自己の内なる「事大主義」と戦わないから、いつまでも前近代的な社会のありように苦しめられることになるのです。

 と書いていたら、「日本人に韓国のあのスキャンダルが笑えるか?」と問う面白い記事があったので、最後にそれを載せておきます。「なるほど」と思われるものなので、まだの方はぜひご一読ください。「韓国よりはまだ日本の方がマシだ」と結論するのは早すぎるようです。

朴槿恵を笑えない安倍首相の側近政治! 原発推進もTPPも一億総活躍も70年談話も裏にひとりの人物の入れ知恵が(LITERA)
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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