FC2ブログ

原発再稼働は次の原発事故まで続く

2016.09.05.16:45

 だろうな…と、次の朝日新聞電子版の記事を見てあらためて思いました。

九電、川内原発停止要請に応じず 三反園知事「遺憾」

 ポイントは、「経営安定に原発が欠かせない九電は、知事に原発を停止させる法的な権限がないほか、応じれば全国の他の原発の稼働にも影響を与えかねない、などとも考慮し、停止要請を拒む方針を固めていた」というところでしょう。

「経営安定に原発が欠かせない」というのは、長年かけてそういうシステムを作ってしまったからで、たとえていえば、オモテとウラの顔をもつある企業家ファミリーがいて、オモテの顔はカタギだが、裏稼業は泥棒マフィアで、そのウラをやめると経営が成り立たなくなる、というようなものです。泥棒のたとえはよろしくないと言われるかもしれませんが、国策として続けられてきた原発には多額の税金が投入されています。原発の建設と維持(立地自治体への補助金バラマキも含めて)、さらには廃炉にかかる費用を全額電気代に転嫁して回収しているわけではない。そうなると原発が割高なのは明白になってしまうからで、そのあたりは各種の名目で税金が使われるので、その点では税金を「泥棒」しているのと同じです。

 こういうのは何も電力業界にかぎらない。自動車産業などでも、その普及・販促に必要な道路整備は国と自治体の税金で賄われる。その費用をメーカーが負担しているわけではないから、車の値段はそれを含んだものではないのです。大企業が多額の政治献金するのはそういう見返りがあるからで、ゼネコンの場合などは公共事業目当てだからそのあたり露骨でわかりやすいが、中には関係が見えにくいものもある。

 原発の場合はとくに、事故が起きると悲惨なことになるので、この前の福島原発の事故の場合、あれでもまだ運がよかった方で、「東日本壊滅」も十分ありえたと言われています。いくつもの幸運な「偶然」が重なってあの程度ですんだという話ですが、それでも「収束」とはほど遠く、損害賠償額も天文学的な規模に達するので、ふつうの対応をすれば、東電はとうの昔に潰れているはずです。それがそうならないのは、「ふつう」でないインチキが行われているからで、マスコミはその「インチキの詳細」を暴いて、「こういうふうになっているんですが、こういうことが許されていいのでしょうか?」という問いかけを国民に行うべきでしょう。2020年の東京オリンピック誘致運動の際、われらが安倍総理は「アンダー・コントロール」と力強くお叫びになり、見事誘致に成功したわけですが、「そんなことやってる場合か!」という声は当時根強くあったはずが、最近はそんな声もほとんど聞かれず、五輪関係の土木事業のせいで、資材の値上がりと人手不足が起き、被災地の復興が思うように進まないという批判も片隅に追いやられ、オリンピックの主催国になることは「子供や若者に夢を与える」みたいなアホダラ経ばかりが幅を利かせているのです。

 話を戻して、長期間原発が全面停止し、にもかかわらず電力供給には支障がなかったことから、あんなものは「なくてすむ」ことが明らかになりました。いや、そのせいで火力発電に頼り過ぎたから、原油輸入が増えて電力会社は赤字に苦しむことになったのだ、と言われるかもしれません。しかし、その火力発電も、今は発電効率を飛躍的に向上させる技術が開発されているのだという話で、同じ税金を使うなら、新型火力発電所の建設など、そちらに使えばいいのではないかと思うのですが、そうすると原発維持派には都合が悪いものだから、それはしないのです。これに太陽熱、風力、地熱、潮力発電など、うまくミックスし、従来からある水力発電も活用すれば、何も問題はなくなるはずです。日本人の「世界に冠たる技術力」をそちらの方面に投入すれば、経済活性化にもつながる。税金も正しく使われれば、誰も文句は言わないのです。あの「夢のプルサーマル計画」なんて、途方もない額の税金を投入して、成果はゼロに等しいわけでしょう? 迷夢もいいとこです。

 むろん、そうして脱原発に舵を切ったところで、すでにして大量に蓄積され、どこにも行き場のない「高レベル放射性廃棄物」の問題はそのまま残ります。が、原発再稼働はそれをさらに増やすわけで、増やし続けてそれをどう始末するのか、何も考えていないらしいのは驚くべきことです。

 僕に何より不可解なのは、今は地震の活動期に入っていて、今後大地震が起こる確率は高まるばかりで、従って事故の発生確率も高まると見込まれますが、それがわかっていて原発再稼働は「経済的利益にかなう」なんて、どうして言えるのかということです。安倍は「わが国の国民の安全を守る」なんて馬鹿のひとつ覚えみたいに言ってますが、原発の存在はそれを直接脅かしているのです。福島原発事故はその警告でした。それを警告と受け取らず、再稼働を続けてまた悲惨な事故が起きれば、自業自得だと言われても仕方がないでしょう。そういう愚かな人間は、神ですら見捨てる他ないのです。

 上の朝日の記事に、「九電は避難計画見直しへの支援や、情報発信の強化などには応じる姿勢だ」と書かれていますが、福島の原発事故の教訓の一つは、「避難計画」がどうのという以前に、事故が起きてメルトダウンにつながるような事態になってしまうと、もう終わりだ、ということです。それはむしろ枝葉の問題に属する。それによる直接の死者は少なくてすんでも、原発事故は長期的かつ深刻な、責任の取りようがない問題を惹き起こすからです。

 原発事故の恐ろしさはそこにあって、「人的被害を最小限に食い止めればいい」というような話ではない。それがわからない、あるいは、わかってもそのことには頬かむりするという安易さ・鈍感さ、なあに、大地震だの津波だの、そんなものはめったやたらと起こるものではないさ、起きたらアウトだけど、それはまたそのとき言い繕えばいい、的な感性が、原発それ自体と同じくらい危険なものであることを、どうして認識しないのでしょう? 「原発マフィア」という言葉がありますが、ほんとに連中はマフィアです。国家権力とマスメディアは永遠にその使い走りを続けるつもりなのでしょうか?
スポンサーサイト



プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR