FC2ブログ

成績が伸びないとお悩みの受験生に

2015.10.20.17:30

 センター試験まで三か月を切って、受験生共々、塾教師にもプレッシャーのかかる季節となりました。僕も長くこの商売をやっていますが、やきもきするのはいつまでたっても同じで、自分が出走するわけではないので、なおのこともどかしいものがあります。

 塾教師として一番心配なのは「プレッシャーに弱いタイプ」です。それに負けて、勉強への集中力を失い、そのままずるずるっと行ってしまう。それでは成績は下降線を辿って、受かるものも受からなくなってしまうのですが、芯が強い子と弱い子の差は、今ぐらいの時期に一番よく出てくるのです。

 踏ん張りどころで踏ん張り切れるか、総崩れになってしまうか、それはスポーツや仕事の場合でも同じように重要で、それはそのときの結果を左右するのみならず、その人の能力全体の伸びとも直接関わってくるので、その後の人生に及ぼす影響も非常に大きいのですが、そういうことがわかっている人はそう多くはなさそうです。

 競馬で言うと、僕は「先行逃げ切り」タイプの馬ではなくて、ダークホース的な、最後の直線になって後方から、いったん外側に出て、内側の居並ぶ先行馬を一気にごぼう抜きにしてゴールインするようなタイプが好みです。温存していたパワーを、ここぞというときに一気に爆発させるのです。

 大学受験で言うと、二年生の後半から終わりにかけて、先頭集団にいきなり飛び込んでくる生徒がつねにいるものです。僕の見るところ、こういうタイプが受験では一番強いので、そういう生徒がその後失速してしまうケースは少ない。この手のタイプが男の子に多いのは、たぶん女の子と較べて、男の子の方がいくらかオクテだからでしょう。女の子にも後々伸びてくるそういうタイプはいますが、面白いことに、性格的に少し男っぽい子が多いのです。いわゆる「真面目なよい子」的秀才は往々この逆になってしまう。だんだん息切れしてきて、伸びより後退の方が目立つようになってしまうのです。そうなると焦りも手伝って、努力が空回りしてしまう。

 二年の後半にそういうヤマ場が一つあるとすれば、三年後半の今の時期は二つ目のヤマ場です。ここで踏ん張って勉強に集中すると、実は自分がターボ付きエンジン車だったことがわかって、思いもよらぬパワーが出て、その勢いそのままに本番を迎え、ハッピーな結果になるのです。

 何? 今の私はウルトラマンの胸の赤いランプピコピコ状態で、ターボどころの話ではないって? そういうネガティブな自己評価がよろしくないのです。Trust yourself! あの映画『ターミネーター2』を思い出しなさい。シュワルツネッガーの旧型ターミネーターはスマートな新型にこてんぱんにやられてしまって、片腕は無残に引きちぎられ、胸に鉄棒を突き刺されたまま「死んで」しまうが、しばらくたつと予備電源が作動して復活、きわどいところで母子を救うではありませんか! いったん死んだと思っても、まだ予備電源は残っていて、それは本人の意志次第で作動するようになるのです。

 大方の人は自分がターボ搭載車であることを、予備電源が備わっていることを知りません。たぶん半分以上の人はそれを知らずに一生を終えることになるのです。それは早い段階で諦めてしまって、それが機能し始めるほどの努力を生涯一度もしたことがないからで、そういう人生は面白くないだろうなと僕は思うのですが、大学受験というのは、たかがお勉強ながら、やりようによってはそのことを自覚する貴重な機会を与えてくれるものなのです。

 英語にwork outという熟語があります。これは受験生泣かせの驚くほどたくさんの意味があるidiomなのですが、アルクの「英辞郎on the WEB」には、次のような解説が出ています。

【句自動】
1.何とか解決する、丸く収める、何とかなる、うまくいく、いい結果が出る、良い結果となる
2.〔問題・謎・パズル・暗号が〕解ける、きちんと答えが出る
3.結局~になる、結局~となる、結果が~になる
4.〔試合に備えて〕練習する、訓練する、稽古する
5.〔ジムなどで〕運動する、トレーニングする、汗を流す
6.〈米俗〉一発やる、タフである
7.〈米〉〔借金・負債を金銭でなく〕働いて返す[埋合せする]、労務提供によって償う
8.働いて時を過ごす
9.迫力がある
【句他動】
1.苦労してやり遂げる、苦心して成就する、成し遂げる、成功する、成立させる、成り立つ、実現する、実施する、〔期間の最後まで〕勤め上げる
2.〔問題・謎・パズル・暗号を〕苦労して解く、解明する、解決する、分析する
3.算定される、算出する、はじき出す
4.〔次第に〕抜け出る、追い出す
5.〔方法・規則・理論などを〕考え出す、案出[考案]する、ひねり出す、苦心して作り出す[上げる]、仕上げる、練って作る、練り上げる、捻出する、編み出す、〔計画を〕立てる、計画する、物になる、交渉する、何とか調整する
6.〔体力・貯蔵物などを〕使い果たす[尽くす]、〔人を〕へとへとに疲れさせる
7.(意味を)つかむ、~だと分かる、~の本当のところが分かる、~を見破る、~だとついに気付く、正体が分かる、本心を見抜く、本質を理解する、〔人の性質を〕理解する
8.~を(考えて)理解する、~を努力して理解する、〔意味などを〕つかむ
9.〔自分の運命を〕切り開く
10.〔鉱山を〕掘り尽くす


 たくさんあってイヤになるかも知れませんが、要するに「最後までやりきる」が基本的な意味だと考えればいい。だから「いい結果が出る」「きちんと答えが出る」「成し遂げる」「解明する」「案出・捻出する」「本質を理解する」「見破る」「使い果たす」「抜け出る」「切り開く」などにつながって、そういうことをする人は「迫力がある」ことにもなるわけです。

「中途半端は最大の悪である」と言ったのは哲学者のデカルトですが、いったんこうと決めたことは、よけいな結果の心配などはせず、きっちり最後までやり通さねばなりません。それをしないから、後であのときこうすればよかったとか、どうだのこうだの、みっともない愚痴をこぼすことになるのです。work outすればそういうよけいなものは残らない。「まだ間に合うだろうか?」なんてグタグタ言っている人は、悪い意味で「余裕がありすぎる」のです。目の前のことに集中して、今やるべきことをやっていれば、結果は後から自然についてくるもので、そうすれば後で自分でもずいぶんスッキリするものです。

 僕は昔から根性主義というものが大嫌いで、だからこれはそういう意味合いのものではありません。人間は年中クソ真面目ではやっていられないもので、だいいちそれでは疲れてしまう。精神的にも硬直化してしまう。ただ、人生には「勝負どころ」というのがあるのです。勝負すべきときは逃げずにきっちり勝負しなければならない。それができない人はただのフヌケなのです。

 受験生にとっては今が「勝負どころ」です。自分の力を試すよい機会だと思って、ここは主体性をもって踏ん張り、work outするのです(寝不足で時間だけダラダラやるのはこれには該当しません。大事なのはメリハリと集中力です)。そうすれば成功の確率は上がるし、仮に失敗しても、やり切ったという感じがもてるから、後悔は残らない。

 これが今の時期に受験生たちにしておきたい、僕のアドバイスです。むろん、やり方はその人その人の現状に見合った合理的なものであるのが望ましいが、それについては個別の話なので、ここではそういう話まではできません。
スポンサーサイト



プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR