安倍がつまらないお国自慢をしているうちに、創価学会が公然たる反旗

2015.08.13.15:10

 次のニュースは、ゆうべテレビでもやっていました。

 安倍晋三首相は12日、山口市内で講演し、明治維新から150年となる平成30年も首相として日本再生に尽力する決意を表明した。
 首相は、地元・山口県が日本の近代を開いた明治維新を支え、その後も多くの首相を輩出してきたことを指摘。「山口県出身の首相として恥ずかしくない実績を残していきたいと静かに決意している」と語った。
 明治維新から50年後に山口県出身の寺内正毅、100年後には佐藤栄作が首相を務めていたことに触れ、「私は山口出身の8人目の首相。何とか頑張って30年までいけば、(明治維新から150年後も)山口県出身の安倍晋三が首相ということになる」と語った。(産経新聞)


 安倍は東京生まれの東京育ちで、選挙に山口県を利用しているだけですが、幕末・明治維新から戦前戦中にかけての「長州閥」の深刻な弊害は、いくらかでも歴史知識のある人には周知のところで、地元の人間へのリップサービスとはいえ、全国にテレビ・新聞のニュースとして配信されるのはわかりきっているのだから、「やれやれ…」という印象です。このまま安倍が首相に居座り続ければ、「国策を誤り、致命的な国難を招く原因を作った維新後150年目の長州人首相」として後世に名を残すことになるかも知れません。それを心ある山口県人が喜ぶとは、僕には思えませんが。

 支持率が急降下する中、「地元で元気をもらいたい」気持ちだったのでしょうが、前日の11日には、公明党の支持母体である創価学会員が安保法制に公然と反対を表明し始めた、という話で、それが安倍の長州自慢と同じ12日のニュースになったのは面白い(こちらの方はむろん、今の「安倍様のNHK」が報道するはずもないのですが)。これまでも安保法案反対のデモ隊の中に、創価学会の「三色旗」のプラカードを掲げた人が混じっているというニュースはありましたが、今度は「安全保障関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会」という名の団体で、創価大学の名を正面から出しているだけに、そのインパクトは大きい。

安保法案、公明党の大憂鬱 創価学会員が公然と党を非難(J-CASTニュース)

 僕は以前ここに、「権力は蜜の味」なので、「平和の党」を自称する公明党も、蜜につられて正体不明になってしまったのだろうと書きました。昔、社会党(現社民党)が自民と連立を組んで籠絡され、アイデンティティ喪失のまま消滅の危機にまで追い込まれたのと同じで、公明党も同じ道を辿ることになりかねない。まあ、公明党の場合は創価学会という巨大宗教団体がバックについているから、そこまで極端なことにはならないかもしれないが、と。

 しかし、今回のことで、公明党と創価学会は一枚岩ではないことが明らかになったのです。公明党は創価学会の支持なしではやっていけない政党なので、これは公明党関係者にとっては大ショックのはずで、安保法制支持の看板を下ろさなければ、選挙で創価学会の支援を得られないという危機的事態に発展するかもしれません。

 創価学会のこの問題に関する従来の見解はしごくまっとうなものです。上記記事から引用させてもらうと、

  そもそも、創価学会の立場と法案の内容は相容れないものだ。創価学会は14年5月に朝日新聞から集団的自衛権について見解を求められ、広報室名で、

「私どもの集団的自衛権に関する基本的な考え方は、これまで積み上げられてきた憲法第9条についての政府見解を支持しております(日本語がヘンだが、そのまま)。したがって、集団的自衛権を限定的にせよ行使するという場合には、本来、憲法改正手続きを経るべきであると思っております」

 という内容のコメントを発表している。「本来」という言葉を入れることで、憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認に含みを残したともとれるが、基本的には解釈改憲には否定的な立場だ。そういったこともあって、学会内からは公明党の立ち位置に違和感を唱える声が広がっている。


 要するに、「権力の蜜の味」に魅せられた公明党が、連立政権の中にとどまりたいがために、強引な安倍政権に引きずられるまま、母体の創価学会を裏切る結果になっているのです。

 この対立では明らかに創価学会の方に分がある。創価学会の幹部にもやたら政治好きの、フィクサーめいた人物がいるようで、政権離脱を恐れて公明党側に立って、創価学会員の反対をなだめたり、脅したりして“鎮圧”しようと動く向きもいるでしょうが、それはたぶん成功しないでしょう。記事の末尾にもあるように、「NHKが8月7日から9日にかけて行った電話世論調査によると、自民党の支持率は前回7月調査比0.4ポイント減の34.3%だったのに対して、公明党は1.2ポイント減の3.0%。自民党に比べても大きく支持を減らしている」わけで、安保法制推進は、自民にとってより公明党にとって、より深刻な打撃になっているのです。反対するなと言っても、そこには打算だけで、大義はない。

 今後どうなるか、物価が上がっただけで、アベノミクスが全然奏功していない(初めからするはずがないのですが)ということもだんだん目に見えるかたちになってきたようだし、公明党も安倍政権という「泥舟」から降りた方が政党戦略的にも賢明なのではないかと思いますが、下手に肩入れしすぎたのでそのタイミングは難しくなっているでしょう。

 そこらへん、どうするつもりなのか、もう一つ注目事項が出てきたわけです。
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