橋下「お騒がせ劇場」終結

2015.05.18.15:21

「大阪都」構想が17日の住民投票で否決されことから、橋下徹大阪市長は政界引退を表明したとのこと。安倍政権は下心ミエミエでこれを支援、劣勢が伝えられた後半には菅官房長官が橋下氏と創価学会幹部との会見をセットするなどして、公明=創価学会票の取り込みを画策、理由は「憲法改正に向けて、(1)住民投票で勝利した維新が勢いを得て、来年の参院選で議席を拡大(2)自民党と合わせ、改憲発議に必要な参院での3分の2以上の勢力を確保して発議環境を整える―との絵を描いていた」(時事通信)からだそうです。

 何ともご都合主義的な…。僕は別に「憲法改正それ自体が絶対に許せない」というわけではありませんが、あの自民党のお粗末きわまりない改正草案(権力ではなく、国民を縛ることに主眼が置かれている)といい、例の国民をナメているとしか思えないような“超低級”「憲法改正マンガ」といい、安倍政権が意図するような「改正」には絶対反対なので、それが頓挫する見通しになったのはめでたいことです。あの「実質改憲」に等しい集団的自衛権解釈や、「安保法制」関連法案がそのまま通るようでは、のちのち改憲よりもっと悪い結果がもたらされる可能性があるので安心できませんが、そこは野党が頑張ってくれることを期待するのみです。

 同17日の午前中、安倍総理が和歌山県の熊野本宮大社を参拝したらしいのは「興味深い偶然」でした。そこは僕の郷里なので、電話をして聞いてみたら、「ああ、来たそうだね」という反応で、過疎の町が現職総理の訪問に沸いたというようなことは全くなく、大わらわだったのは関係者だけだったようですが、彼はそこで「憲法改正の実現」も祈願したことでしょう。熊野権現は、しかし、維新に大接戦の住民投票で勝たせて、安倍に有利な風を吹かせることはしなかった。それは幸いなことでした。靖国神社のA級戦犯の霊ならいざ知らず、ふつうの神様は過去の不幸な歴史を深く顧みることもせず、パーソナルな妙な自尊心やプライドから国家の道筋を無理じい変えようとするような未熟な政治家の言うことは、やっぱり聞いてくれないでしょう。

 橋下徹は元の弁護士稼業に戻ったほうが、カネも稼げていいでしょう(脅しや甘言、ハッタリの類も、三百代言のつねとして、そこでなら深く咎められずに済む)。関西の友人によれば、今の大阪にはたしかに「改革」が必要だが、例の「都構想」は途中ですっかり変質してしまい、橋下の意地とメンツの材料でしかなくなってしまったので、今度の一件で「改革」それ自体が茶番じみたイメージで受け取られることになりかねず、将来的な見通しはさらに暗くなった、ということでした。国政でも自治体行政でも、かんじんな「改革」は行われず、しなくてもいいような「改悪」案ばかりがなぜか出てきてしまう。昔、「この程度の国民なら、この程度の政治家」と言って顰蹙を買った(ホントだな、と笑った人もいた)法務大臣がいましたが、幼稚なネトウヨ総理を押し戴いて、それに有力な対抗馬も見当たらないという今の政治状況は、「民主主義の貧困」と呼ぶ他ないものであるように思われます。
スポンサーサイト
プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR