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解散選挙の争点

2014.11.12(17:34) 284

 安倍晋三のツキは落ち始め、アベノミクスの化けの皮もはがれつつあるとはいえ、今の野党では自公連立政権に勝てそうもないので、自民党はまた勝つだろうなと思いますが、それで先行きが明るくなることは全くないでしょうから、憂鬱な気分にならざるを得ません。

 先頃のアメリカ中間選挙では、結果として上下両院とも共和党が制することになって、オバマの不人気ぶりが際立ちましたが、あれなども別に共和党が熱い支持を集めたわけではないので、民主党オバマの極端な不人気が共和党を助けたにすぎないようです。この前のわが国の民主党のお粗末(とりわけ鳩・菅)が自民の返り咲きを助けたのと構図が似ている。

 Change!を叫んで当選した時のあのオバマの雄姿や今いずこ、という感じですが、僕は当時オバマ暗殺を本気で心配したので、その後の彼のやることを見て、心配したのが馬鹿みたいに感じられました。相も変らぬ「ウォールストリート政権」で、経済成長の果実を一部の富裕層が独占する「1%対99%」のアメリカ社会の構図は基本的に何も変わらず、彼を支持した没落中間層や庶民は裏切られたと感じたのでしょう。例のオバマケアも、日本のような国民皆保険にするのになぜあれほど反対が出るのかと思いましたが、実はあれはそういうものではなくて、まことに中途半端なものにすぎず、民間の医療保険会社のいずれかに加入させ、それに財政的支援を行う、という程度のものにすぎないそうです。

 ついでながら、今のわが国の医療保険制度の場合でも、ふだんあまり病院に行かない人は、保険に加入せず、10割負担で医者にかかったほうがはるかに安上がりなシステムになっていて、「安い保険金負担で皆が安心」ということには少しもなっていないのですが、あまりそれを問題視する人はいないようです。しかし、これ、親におんぶせず自活してかつかつの生活をしている貧乏な若い契約社員やフリーターが、彼にとっては安くはない保険料を毎月支払い、大方は病院の世話にはならず具合の悪い時は別に薬局で10割負担の薬を買ってすませ、金融資産たっぷりの高齢者がひんぱんに医者にかかって、自己負担は1割ですませている、なんてのは妙な構図ではあるのです。

 もう一つ、これは僕自身が実際に経験したことがあるのですが、保険料の支払いが滞ると、保険証を取り上げられ、10割負担になってしまうことです。いっとき、家賃も払えないようなひどい貧乏をしたことがあって、当然保険料なんか払えないから、そういう憂き目にあったのです。それまでほとんど医者にはかかることなく20年近くずっと保険料を支払ってきたことは全く考慮されないわけで、独身でかなりの所得があって、その分高い保険料を支払っていた期間もあったわけですが、元気で保険料を払っているときはただ払うだけで、困窮して病気になると、一転、“今は”支払っていないから全額払えということになるので、これは恐ろしい制度だなと、そのときつくづく思わされたのです(ちなみに言えば、僕は死んでも国の世話になんかなるか、と考えるタイプの人間なので、生活保護を受給するなんて考えはそのときも全く頭に浮かびませんでした。別にこれは他の人がそうするのを排除するものではないので、自分はイヤだというだけの話なのですが)。

 だからあれは、健康保険という名の「もう一つの税金」と解した方がいいので(若い人たちにとっては事実上破綻している年金もそうですが)、そう考えて割り切るしかありません。アメリカの富裕層やまだ没落を免れている中産階級がそれを嫌うのは、それが民間の保険会社を利用したものであっても、貧困層までカバーするとなると、自分たちの保険料負担や、財政補助で間接的に税負担も増えると考えるからでしょう。金持ちは自分の働きによってそうなったという以上に、自分たちに好都合な経済システムによって甘い汁が吸えるからそうなれたのですが、それでも貧乏人(金持ちのために安い賃金で働いてくれる)のために経済負担が増えるのはイヤなのです。日本の今の貧乏な若者が保険料負担にあえぐのとは性質が違って相応の余裕はあるはずなので、利己主義丸出しのセコい考えのように思われますが、それが今のアメリカという国なのです。

 話を少し戻して、オバマは何事も中途半端で、アメリカのエスタブリッシュメントにとって既得権益を脅かすような危険な存在には少しもならなかったので、あれでは暗殺のおそれなんかないのは明白だったのです。たぶん彼は大統領就任と同時に自分をchangeしたのでしょう。おかげでしけた人相になってしまったが、それが長生きの秘訣というものです。

 さらにその前に話を戻して、自民党が政権に返り咲いて、再び日本はアメリカの後追いを始めました。日銀黒田総裁の「異次元緩和」のおかげかどうか、株価はついに最低を記録した時の倍ほどに上がったが、それはいわゆる「経済のファンダメンタルズ」がよくなったからではないので、雇用や賃金への波及効果はごく一部にとどまり、金融資産をもたない庶民の暮らし向きは、消費増税と円安による物価高で一層悪化した。急激な円安で原料価格が上がって、食品はもとより、金属加工などの中小零細企業もそのまま製品価格に転嫁することは難しいし、青息吐息だという話です。一部の大手輸出企業や金融資産を保持する富裕層と、「その他」との格差がさらに拡大したのです。

 今の日本はやることが中途半端です。民主党政権の時代、年金などはいずれ消費税方式に切り替えるという議論があったのではないかと思いますが、たとえそれが30%になっても、それで基礎年金部分をまかなうことにすれば、皆が老後の心配をしなくなって、安心して金も使えるようになると思いますが、それはせずにただ消費税は上げますでは、金持ちはマネーゲームによる資産増大に血道を上げ、貧乏人は一層の節約に努める(そもそもそんな余裕もないという人も大勢いる)ということになって、実体経済がよくなる道理はないのです。消費税は上げるが、一方で昔ながらのバラマキ公共工事に金を使って、赤字国債は減らないというのでは、やってることが馬鹿だとしか思えませんが、そんな政権の支持率が何でまた5割前後もあるのでしょう?

 それで原発は、まるでこの前の福島の悲惨な事故などなかったかのように、再稼働がいつのまにか既定路線になっているようで、これは一体何なのだと呆れるのです。しばらくワアワア言わせておけば、赤ん坊が泣き疲れて寝てしまうのと同じで、日本人は是非弁別のない赤子と同じだと、自民党と原子力村は考えているのでしょうか? そうだとしか思えない。

 もう一つは外交です。北朝鮮拉致問題では、いいように遊ばれている印象で、安倍はあれで小泉政権の時みたいに得点を挙げられると踏んでいたのでしょうが、その目論見はあっさり外れたのです。それで裏金をしこたま使って、それは伏せておいて、「私の手柄でまた帰国者が出ました」なんて自慢して、政権の支持率アップに悪用されてはたまらんなと思っていましたが、その意図が挫かれたのは幸いながら、愚かしい彼のネトウヨ路線で中韓との関係は最悪になったままです。

 最近は小笠原周辺の中国漁船団の赤サンゴ目当ての不法操業がよくニュースになり、ああいうのは政治的なことは別とすれば、明白な違法行為なのだから、警告して聞かなければ、船腹に砲弾でもぶち込んで全部沈めてしまえばいいのだと、気の短い僕などはつい思ってしまうのですが、むろんそんなことをすれば日中戦争必至の情勢になるわけです。聞けば、中国は自国の海域では厳重な規制を敷いているという。それで漁民は他国に来て悪さをするわけで、モラルもクソもない。自国民に他国でそのような不法行為をさせて国際社会にその無法ぶりを宣伝しているのは国家の恥ではないのかと、中国政府に正面から逆ねじを食らわせてやればよいのですが、安倍政権はそれはちゃんとやっているのでしょうか? 靖国参拝や日中戦争の正当化など、次々おかしなことを重ねて相手に付け入る隙を与えすぎるから、かえってそういうことも言いにくくなっているのではありませんかね。それとも中国漁民がそういうことをして、中国政府がそれを放置しているのは、日本人の反中感情を高めて、集団的自衛権が必要だという議論に有利だとソロバンをはじいているのでしょうか? そういうところ、彼にはなきにしもあらずです(だとすれば、好んで国の平和と安全を危険にさらしている国賊行為だということになりますが)。

 例の従軍慰安婦問題にしてもそうです。朝日新聞が吉田証言(あのおっさんもずいぶん傍迷惑な嘘をついてくれたものです)に基づく誤報を認めたというので、あたかも従軍慰安婦をめぐる日本軍による醜行自体がなかったかのようなことを言う人が彼と彼のお友達には少なくないようですが、そういう話では全然ないわけで、先頃『週刊金曜日』は「『従軍慰安婦』問題」と題した臨時増刊号(見てない人は図書館で読んで下さい)を出して、それに全面反論していましたが、安倍とその一派にはどうにも感情的な暴論が多すぎて、過去の歴史を冷静に点検して謙虚な反省をするという態度が欠けているようです。

 前に「役者が(もちろん「大根役者が」という意味ですが)揃いすぎている」と書いたことがありましたが、韓国はそれやこれやでいっそう依怙地になり、パク・クネ大統領は先頃訪韓した民主党の枝野議員との会見さえ拒んだそうです。彼は悪化した日韓関係を少しでも緩和できればと願ったのでしょうが、「日本の政治家は皆同じだ」と決め込んでいるのでしょうか。やりにくいオバサンだと、大方の日本人はそれを見てあらためて思ったでしょうが、安倍も朴氏も、相互の国民感情を悪化させる達人です。

 にしても、これでどうして安倍政権は支持率が5割もあるのか? 一強多弱で、他に選択肢がないと思うからなのでしょうか? たしかにそういうところはあるので、政権担当能力がありそうな野党は見たところ皆無です。だから解散選挙になっても、また自民党が勝つのでしょう。そうして原発はまた元通り動き、「戦争できる国」への国家改造もめでたく進み、不安定化する国際状況をうまく乗り切ることができず、いずれまた戦争を始めるでしょう。それ以前に、国債の大暴落か再びの原発事故か何かで、大混乱に陥り、たっぷり塗炭の苦しみを味わってからだと思いますが。

 不吉なことを言うなって? でも、僕のカンは結構よく当たるのですよ。そこらの自称霊能者の「予言」なんかよりはずっとマシだと言っていい。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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