レジキーのコーチになりたい

2014.07.04.11:33

 このブログ、しばらく忙しかったこともあってご無沙汰してしまいましたが、ウィンブルドンのテニスの話です。僕には切れ目のないサッカーの試合よりこちらの方がずっと楽しめるので、最近毎晩のようにNHKで、そのライブや録画を楽しみに見ているのですが、先日のシモナ・ハレプ(ルーマニア)対サビーヌ・レジキー(ドイツ)の準々決勝の試合では、ひいきのレジキーがボロ負けしてしまった(第二セットは何と6-0!)ので、残念でなりませんでした(ハレプは次の準決勝で敗れ、女王決戦はブシャール対クビトバとなったようですが)。

 レジキー(リシツキという表記もある)のそれは、解説者によれば「パワーテニス」だそうで、とにかく馬力はあって、サーブがいいだけでなく、よくあんなリターンが打てるなと唸ってしまうこともあるのですが、やたらとミスが多い選手で、「またやっちゃった…」みたいな苦笑いをよく浮かべるところからしても、いかにも人がよさそうです。しかし、崩れるとそのままどどっと行ってしまう癖があるので、こういう能力はあるのにメンタルコントロールの下手な、しかも妙に人のよさそうな選手を見ると、「何やってるんだか…。オレをコーチに雇えよ!」と一人でブツクサ言ってしまうのです。

 僕はむろん、テニスは見るだけで、高校のときクラスマッチでテニス部の奴とダブルスを組んで一度試合をやった(僕のミスが多かったために負けてしまった)ことがあるだけで、やる方は全然駄目なのですが、メンタル面ではコーチぐらいできそうに思われるのです。素人だから、かえっていいかも。

 相手のシモナ・ハレプの方は「期待の新星」だそうで、若いのに冷静沈着で、ミスも驚くほど少なく、全く可愛げがない。こういう選手は僕には面白くないので、少しドジなところのある選手の方が魅力がある(男子選手では好みが少し違って、静かな剣士の風格をもつジョコビッチ――試合を離れると、絶妙のモノマネで人を笑わせたりもする――が一番好きなのですが)。いわゆる父性本能が刺激されて、応援したくなるのですが、つまらないところでミスをして、それが命取りになっているのを見ると、「全く…。何でそうなるわけ?」と世話を焼きたくなるのです。

 お人よしの人の特徴というのは、男女を問わず、「詰めが甘い」ことです。だから能力を発揮できず、勝てるものも勝てなくなってしまう。そういう人は、二度三度と続けてやられるとしょんぼりし、優勢のときも、最後の一押しというところで考えられないようなチョンボをやらかして、みすみす勝利を逃してしまう。勢いに乗っているときは、去年のレジキーみたいに決勝まで進んだりするのですが、安定性というものがないのです。それでは本当の一流にはなれない。なれる能力があってもなれないので、見ているとじれったいのです。そこでバシッと噛んだら、相手を倒すまで絶対に離すな。不利なときは、何とか引き延ばして、相手のミスを誘い、イーブンにまで持ち込んで、アドバンテージの声を聞いたら、そこで間髪をいれずに一気にひっくり返せ(こういうのが相手は一番こわい)。ところが、レジキーみたいな人は、それができにくいのです。有利なときでも途中で安心して一息入れてしまい、うっかりミスをしてしまうことがよくあって、今度はそれで焦ってしまうのかミスを重ねて自滅してしまう。不利なときは態勢を立て直す間もなく、そのまま一気に勝負を決められてしまうのです。何たることか。

 こういうのはお人よしすぎるからではないかと僕は思うので、結局のところ、勝負事に強い人間というのは、ある程度性格が悪くなければなりません。しかし、根がお人よしの人にはそれは無理なので、コーチに性格の悪い人がいて、要所要所で喝を入れ、檄を飛ばしてくれれば、気のゆるみも、弱気の虫も吹っ飛ぶだろうから、うまく行くのではないかと思うのです。そういうコーチが周辺にいて、選手自身がその存在を内面化することができれば、元々が素質のある選手なら、確実に強くなる。

 基本的に、こういうのはスポーツでも勉強でも仕事でも、同じではないかと思うのですが、レジキー的な人はかなり多いのではないでしょうか。素質があるから必ずいいセンまでは行くのですが、途中で頭打ちになってしまう。善良さは美徳の中でも最重要のものですが、少しは意地の悪い、きついところもないと、ここぞというかんじんなところではやられてしまうので、その順位が逆になっては困りますが、そうした性質も必要なのです。

 レジキーは、そのあたり、人間心理によく通じたメンタル面のコーチが必要です。素質は申し分ないのにあれでは、もったいなさすぎる。同じ負けるにしても負け方というものがあるので、あれは彼女本来の実力に見合った試合ではありませんでした。ど素人が世界ランキングのスポーツ選手のプレイをとやかく言うのは馬鹿げているとしても、勿体ないなという気がして、ついつい文句を言いたくなるのです。
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