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楽しみな東京都知事選

2014.01.15.17:16

「舛添で決まり」と見られていた都知事選が、小泉元総理とタッグを組んで「脱原発」を唱える「殿、ご出馬!」で俄然面白くなったようですが、細川元総理は前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏と票の分け合いにならなければ、たぶん勝てるでしょう。

 年齢的に(76歳)知事の激務に耐えられるかと疑問視する向きもありますが、石原のじさまはもっと高齢だったし(しかもその後、よせばいいのに国会議員に転身)、お殿様らしく鷹揚に、重要ならざることは「よきにはからえ」と下に丸投げすれば、都の幹部には有能な人間はいくらもいるのだから、問題ないでしょう。

 福島原発事故収束のめどは依然立たないのに、電力会社と原子力ムラは着々停止中の原発再稼動に向けて布石を打っていて、安倍政権はそれに好意的な態度(「審査」さえ通れば次々再稼動させる構え)を示していますが、「脱原発」を正面から唱える東京の首長が誕生すれば、流れは変わるでしょう。

 悲惨な現実が目の前にあるのに、それは見えないそぶりをして、「いまさら原発をやめることはできない」なんて言ってるのは、戦時中の軍部と同じです。勝ち目のない無謀な戦争に突っ込んで、敗色歴然としても、なおも方向転換できなくて、死ななくていい何十万という兵士と国民をさらに死なせた。その責任当事者の無責任は問わずして、一般の戦死者と同じところに祀り、それを参拝して愛国者ぶっているような連中を僕は全く信用しませんが、原発の問題も、これは駄目だと思ったら断念して別の方向に舵を切らねばなりません。大地震が近い将来日本列島を襲うだろうと予測され、それで「国土強靭化」がどうのと言っておきながら、要はそれは公共工事を増やしてくれというゼネコンの要請に応えるためで、だから被害想定に原発事故によるものは含めないのです。故意にそうしているとしか思えない。「日本壊滅」の最悪シナリオが出てくるのを恐れているのかも知れませんが。

 こう言えば、原発廃炉には途方もない費用と時間がかかるし、そちらの方向に舵を切ったところで核燃料プールの行き場のないそれはそのままなのだから、大地震がきたらひとたまりもないのは同じだと言われるかも知れません。しかし、より安全にそれを保管する手立てはいくらもあるだろうし、稼働中に巨大地震に襲われるときよりもリスクはずっと少ないはずです。

 小泉元首相が決定的な「脱原発」になったのは、フィンランドの地下核廃棄物施設、オンカロ(太古以来地震がない場所にある)を見学してからだそうですが、前にここにも一度書いたと思いますが、そのオンカロの話は、福島原発事故の翌年、北大の英語入試問題に出ています。それを塾の宿題に出しておいたら、ある生徒の父親がそれを見て、「今の入試にはこういうのまで出るのか?」と驚いたという話でしたが、出るのです。うちの塾の受験生は全員その英文を読んだのですが、DVDでも『10万年後の安全』というオンカロを取材したドキュメンタリーが出ています。要するに、原発は事故が起きなかったとしても、この高レベル核廃棄物の問題はそのまま残り、それは「解決不能」なのです。小泉元総理はそのことを思い知らされた、ということなのでしょう。

 僕は有名な小泉純一郎嫌いで、彼が首相在任中、ずっと彼を罵倒していました。自衛隊のイラク派兵、靖国参拝、「労働市場の規制緩和」等々、腹の立つことばかりでした。例のワンフレーズ・ポリティクスで彼は人気を博したのですが、こういうブッシュの上を行く“単純”一郎式のやり方に人気が集まるというのは日本人の深刻な知力低下を物語るものだと憂うつになったもので、今もその基本認識は変わりません。

 しかし、「脱原発」だけはよろしい。これまでロクなことはしてこなかったのだから、最後ぐらいよいことをしてもらいたいもので、細川のお殿様も、えらく短期間で政権を投げ出して当時は顰蹙を買ったものですが、これで都知事選に勝ち、消失の危機に立たされている「脱原発」の声を復活させ、それに道筋をつけられれば、後世の評価は高いものになるでしょう。

 自民党はこの「予期せぬ展開」に頭を抱えているでしょうが、ここは一つ、舛添氏ではなくて、「思想・心情で最も安倍氏に近い」と思われる元航空幕僚長の田母神俊雄氏に支持を切り替えて、“右翼勢力の大結集”をはかられてはいかがでしょうか? そうすると色分けもわかりやすくなって、都民も投票先に迷わなくてすむようになるでしょう。

 尚、東国原前衆院議員・元宮崎県知事がご出馬なさらなかったのは、勝ち目がないと見て見送ったのでしょうが、ちょっぴり残念(?)です。この前も書きましたが、宮崎県知事選にはもう出ないでね。県民の一人として、宮崎県が日本中の笑いものにされるのは忍び難いので、次元の低いお騒がせは、どこか他のところでお願いしたいのです。今さら「憂国の士」を気取ってもよほど無知な若者か何かでないかぎり誰も信用しないだろうし、またビートたけしの子分に戻って、政治下ネタギャグなどで芸人としての“新境地”を目指されてはいかがでしょう? それが最も「国益」にもかなった道だと僕には思われるのですが…。
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