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スポーツ中継でのpartialな態度の是非

2013.07.08(17:04) 227

 これでウィンブルドンは書きおさめなので、我慢してお付き合いいただくことにしましょう。

 女子の決勝はフランスのマリオン・バルトリ対ドイツのサビーネ・レジキーの間で行なわれ、会場の雰囲気に呑まれて力が発揮できなかったレジキーを、落ち着いていたバルトリがストレートで破って優勝したわけですが、そのバルトリのことを、BBCのラジオ司会者が「バルトリのパパは彼女が小さい頃、『お前は美人にはなれない。シャラポワのようになれるわけないから、根性持って戦わなければいけない』って教えたのかな?」と言ったとかで、非難が殺到、BBCは「直ちに謝罪」したとのこと。

 たしかにそれは「不適切」であり、そのラジオ司会者は「美人」のレジキーの方を内心応援していて、それがあっさりやられてしまったから、ファン心理のなせるわざとして、悔し紛れそんなことを言ってしまったのかも知れません。

 前の前の試合の後だったか、僕も塾でレジキーが可愛いという話をして、女子生徒から、「先生は何が目当てで試合を見てるんですか!」と軽蔑しきったような顔で言われてしまい、「すみません」と“謝罪”を余儀なくされたのですが、どういうわけだかテニス選手にはことのほか美人が多いので、ついつい美人鑑賞を兼ねた観戦みたいになってしまうのです。
 むろん、あれは美人コンテストではないので、シャラポワにしてもテニスが強いからこそ何度も優勝しているわけで、「根性持って戦わなければいけない」のは同じなのです。

 やってる側としては、真剣勝負なのだから、美人もクソもない。げんにバルトリその人はこれを軽く受け流したそうです。

【「本当に気にしていない。私がブロンドでないことは事実だし。私がモデルになりたいと夢見たことがあったと思う? 悪いけど一度もなかった」とバルトリはコメントした。 「だけどウィンブルドン優勝は? それはもちろん夢見てたわ」】(AFPBB News)

 これにて一件落着。僕から見るとバルトリは「美人」ではないが、表情も豊かで、その独特のサーブの打ち込み方といい、かなり魅力的な選手です。だから別に美人ではなくても、あの個性的なプレイスタイルが好きだというファンは結構いるのではないでしょうか。

 それより、僕に気になったのは昨夜の男子決勝のNHKの実況アナウンサーの態度でした。いくらか「マレーびいき」が過ぎて、会場はそれでなくても「77年ぶりの英国人選手優勝」の“悲願成就”の期待で異様な雰囲気になっているのに、日本人視聴者相手の日本人アナウンサーまでが、何でそれと一緒になって露骨な「ひいき報道」をしなければならないのでしょうか? 解説のF氏の方にはそれは感じられませんでしたが、アナウンサーの方はマレーのポイントが決まるたび上ずった声を出し、「公平」も何もなく、あたかも全世界がマレーファンだと言わんばかりで、僕にはそれは不快に感じられました。

 会場の雰囲気があれでは、ジョコビッチには“アウェイ”もいいところで、さぞややりにくかったろうと思われ、実際あの試合はジョコビッチらしくありませんでした。ストレート負けしたことにもそれはよく表われています。ふつう、彼はあんな負け方はしない。会場がイギリスにあるのだから仕方ありませんが、雰囲気があまりにもマレー一辺倒になりすぎたことが、あの試合を面白くなくした原因の一つです。

 それはおまえがジョコビッチファンだからだろう、と言われるかも知れません。たしかに、僕は男のタイプとして、オーバーアクションのやたらと“顔に力が入りすぎる”マレーみたいな選手は好みではないので、雰囲気がああいうものであったからこそなおさら、ジョコビッチを応援したくなったのですが、日本人選手の試合ならともかく、外国人選手同士の試合で、一方に偏したああいうコメントの仕方をされては、試合を楽しむ妨げになってしまいます。集団主義的な日本人には、良し悪しを問わず、その時どきの優勢な集団の側について、“仲間”であることをアピールしたがるという見苦しい習性がありますが(それが社会運営上どれほど有害な影響を及ぼしているかは言うまでもないことでしょう)、いかにも日本人的なそのアナウンサーは、現地にいてそこの雰囲気にすっかり同化されてしまい、それでああいうことになったのかも知れません。日本人のイヤなところをスポーツ中継でまで見せられるとは、何ともはや…です。そんな自覚はないからこそ、そういうことになってしまうのだろうと思いますが。

 「美人でない」なんてよけいなコメントをするのはわかりやすい落ち度だからすぐに非難を受けてしまいますが、こういうのもどうかなと思うので、NHKに苦言を呈しておきたいと思います。日本人選手が出ている試合ですら、ひいきの引き倒しみたいなコメントは聞き苦しいものなので、スポーツ中継でのアナウンサーや解説者のpartialな態度はつねに観戦の楽しみを減退させるのです。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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